TS2300系 2311
概要
東鷹快速鉄道を代表する車両で、立川セントラルラインの増発・スピードアップのために東鷹アクセントで開発、東急車輛製造と2社で製造された。特にデザインで最も評価が高い。
東鷹快速鉄道の高速化・イメージアップに大きく寄与した車両である。
東鷹快速鉄道の高速化・イメージアップに大きく寄与した車両である。
軽量ステンレス車体はJR東日本のE231系800番台を基本としたものであるが、東急電鉄の5000系と同じように台枠や走行機器は専用設計で、実質的には全く別の車両である。
この車両をベースとしてTS2900系やTS3100系麻帆良電鉄M200系などが製造された。
この車両をベースとしてTS2900系やTS3100系麻帆良電鉄M200系などが製造された。
現在、5+5分割×29編成の290両が在籍。全車立川車両センターに所属している。
- 1次車(2311F~2319F)
立川セントラルライン開業に合わせ製造されたグループ。
東急5000系と同様のドア窓で、グラデーションの帯が入る。
東急5000系と同様のドア窓で、グラデーションの帯が入る。
TS2300系 2311
- 2次車(2410F~2419F)
立川セントラルラインの増発のため製造されたグループ。
ほぼ1次車と同じ仕様。
ほぼ1次車と同じ仕様。
- 3次車(2510F~2519F)
本形式は主に急行・特快等の優等種別を中心に使用されてきたが、各停・快速等で使用している従来車の老朽化が進んできたためこれらを置き換えるために製造されたグループ。
ドア窓やスカートの形状が変更され、赤とオレンジの帯が入る。
ドア窓やスカートの形状が変更され、赤とオレンジの帯が入る。
TS2300系 2512
車体・設備
車体はJR東日本のE231系800番台を基本に、外板の厚み、幕板・窓周り・ドア・腰板の継ぎ目の位置などを少し変更。より強度を持たせ、見た目も洗練されたスタイルとなっている。また各窓のサイズも拡大、より見晴らしがよく明るい車内となっている。前面はFRP製で5+5の10両編成で運行する場合通り抜けができるよう貫通扉を持つ。
内装は近年の車両にありがちなFRPを多用したものではなく、塗装アルミ、無塗装アルミ、ステンレス、FRPを使い分けている。側面窓は薄水色に着色された熱線吸収・UVカットガラスであるが、従来通りカーテンも装備する。前面窓・ドア窓・妻窓を除いたほとんどの窓が開閉可能である。
TS2300系 座席配置
座席配置はセミクロスシートで、先頭車(1・5・6・10号車)は一部ドア間セミクロスと車端部ボックスで、車椅子スペースを設置。M1(2・7号車)は一部ドア間がセミクロスシートで、それ以外の中間車は片側車端部にボックスシートを備える。ドア間のセミクロスは似たような配置のE231系近郊型のそれよりも着席定員は減少している(客扉横のロングシート部分が2人掛けから1人掛けとなっている)がシートピッチが広く快適。ロングシートも1人当りの幅を拡大している。座面は東京地下鉄05系のワイドドア車に近い、クッションが厚めで少しバケット形状になっているもの。
ドア上部の案内表示は初期~中期の車両(2300・2400番台)は大型2段のフルカラーLED、後期の車両(2500番台)は有機ELディスプレイである。自動放送装置も搭載。
行先・種別表示
表示機は前面・側面共にフルカラーLEDを採用。初期車の一部は種別表示が幕式のものもある。
- 前面種別表示
前面の種別表示は、左側に○○線直通、右側に種別を表示する。
自社線内が終点の列車は自社線内では「立川セントラルライン」または種別のみの表示となる。
自社線内が終点の列車は自社線内では「立川セントラルライン」または種別のみの表示となる。
東急大井町線直通・急行
東急大井町線直通・区間急行
東急大井町線直通・特別快速
機器構成・性能
主制御装置は東芝製で、当時まだ実用化されたばかりで鉄道車両には採用例のなかったIEGT素子(注入促進型ゲートトランジスタ:Injection Enhanced Gate Transistor、IGBTでありながらGTO並みの高耐圧かつ、低損失化を図ったもの)
によるVVVFインバータSC-TR65(3レベル方式・IC4M制御)。主電動機は同じく東芝製の三相誘導電動機RM77S(260kw)を搭載。歯車比は少々高速域の伸びを重視し1:5.92。
によるVVVFインバータSC-TR65(3レベル方式・IC4M制御)。主電動機は同じく東芝製の三相誘導電動機RM77S(260kw)を搭載。歯車比は少々高速域の伸びを重視し1:5.92。
台車は専用のRTS2311/RTS2351型。軽量化やコスト削減のためボルスタレス台車となったが伝統の円筒案内式軸箱支持は受け継いでおり、弓形台車枠・ヨーダンパ・軸ダンパを組み合わせたことによりボルスタレスとは思えない乗り心地を発揮する。
ブレーキは従台車優先遅れ込め機能付き電力回生(純電気)併用電気指令式。応荷重制御・滑走再粘着・増圧機能も備える。これに直通予備、耐雪、駐車ブレーキも装備。確実に強力なブレーキ力を発揮する。
集電装置はPT7R-S型シングルアーム式パンタグラフを採用。
公表の性能は起動加速度3.76km/h/s、最高速度145km/h、減速度5.3km/h/s(常用最大)、5.6km/h/s(非常)。
ただし実際の性能はそれ以上とも言われている。
ただし実際の性能はそれ以上とも言われている。
東鷹快速グループ独自の列車情報管理システム「MIMS」(Mikuru information Management System)を搭載。ほとんどの機器はこれにより制御する。
保安装置はATS-M、東急CS-ATCを装備。
保安装置はATS-M、東急CS-ATCを装備。
主要諸元
起動加速度 | 3.76km/h/s |
営業最高速度 | 145km/h |
設計最高速度 | 165km/h |
減速度 | 5.3km/h/s(通常) 5.6km/h/s(非常) |
全長 | 20,000mm |
全幅 | 2,778mm |
軌間 | 1,067mm |
電気方式 | 直流1,500V |
モーター出力 | 260kW |
編成出力 | 260kW×24=6240kW(10両編成) |
駆動装置 | TD平行カルダン歯車形たわみ軸継手方式 |
電動機 | 三相誘導電動機 |
制御装置 | IEGT-VVVFインバータ制御 |
ブレーキ方式 | 回生制動併用電気指令式空気ブレーキ (アナログタイプ無段階制御:TS-ECBⅣ) 直通予備ブレーキ 耐雪ブレーキ 駐車ブレーキ |
保安装置 | ATS-M,CS-ATC |
編成組成
Tc2310 | M1 2320 | M2 2330 | M3 2340 | Tc'2350 | Tc2360 | M1 2370 | M2 2380 | M3 2390 | Tc'2300 | |
ATS/ATC | Pt VVVF | CP SIV | Pt IR | ATS/ATC | ATS/ATC | Pt VVVF | CP SIV | Pt IR | ATS/ATC |
3M2T×2=6M4Tの5+5編成であり、大井町線直通運用を中心に使用される。
第10編成からは2400、第20編成からは2500番台となるが2300系である。
第10編成からは2400、第20編成からは2500番台となるが2300系である。