2020-06-08

Twitterで公開されたSSを引用しています。
引用元:桜瀬彩香氏Twitter(@kusurinomamono https://twitter.com/kusurinomamono

前 2020-06-06 くすまも民ノアのための星空のお茶会
後 2020-06-17 目を覚ましても

落胆


本日の更新はお休みとなります。
代わりにこちらで、薬の魔物のSSを書かせていただきますね。


ネア
「…これではありませんでした」
「…ギモーブを食べるかい?」
「むぐ。…ぎゅむ。ディノ、今日はめそめそしますが、嫌いにならないでくれます?」
「勿論だよ。ほら、こちらにおいで」
「自損事故です。注文した品物が届いたら、思っていたものではありませんでした」
「スカーフなんて…」

ノア
「…ありゃ。青いボールがないんだけど」
「それでしたら、あなたが今朝、ミカエルに譲っていましたよ?」
「うわ、そうだった。…わーお、何であげたんだろう。何だか突然、いい物を贈りたくなったんだけどさ…」
「成る程。狐の時とはそのような感覚も変わるのですね」
ヒルド、慰めて…」

エーダリア
「まぁ、抜け殻なのです?」
「…希少な白雪草の薬剤を、誤って破棄してしまったのだ」
「ほわ、エーダリア様の瞳に光が入ってません…」
「今夜の晩餐は…減らしてもらおう。…少し部屋で休んでくる…」
ヒルドさんを手配しますね!」
「いや、一人で…」
「寝かしつけ役です!」

ウィリアム
「やれやれ、保たなかったか。いい街だったんだがな」
「ったく。更地にしやがって。この街の織物は、まだ未回収だったんだぞ」
「ああ。…俺も、ネアに買って帰ろうと思っていたんだ。まさかこちら迄戦火が及ぶと思わなかったからな…」
「…おい、土地を腐らせるなよ」
「…ああ」

ヒルド
「…ありゃ。エーダリアなら寝てるけれど…」
「いえ、ネア様にお声がけいただいて来たのですが、あなたの方が早かったようですね…」
「わーお。落ち込んでるぞ…。え、もう一度起こしてくるかい?」
「それでは意味がないでしょう。落ち込んでいるのですから、寝かせて差し上げなくては」

エーダリア
「…すまない、もう」
「ぎゃ!エーダリア様が殆ど食べられなくなっています!!」
エーダリア様、代替えの物を手配されては?ネイなら知っているかもしれませんよ」
「…ああ。…あれは、私が精製したものだったのだが…いや、新しい物を手配しよう」
「ありゃ。机に突っ伏したぞ…」

グレアム
「…ミカか、すぐに出られなくて済まない」
「何かあったのか?」
「買ってきたばかりの卵を、全て落としてな…」
「それは…堪えるな」
「ああ。…今月は、なかなか節約出来ていたんだが…こんな日もあるんだろう」
「節約していたんだな…」
「十二個全て…」
「その、元気を出してくれ」

ヨシュア
「ほぇ、イーザがいない」
「もう出かけたわよ。ヨシュアが全然起きないから」
「ふぇ…。今日から泊まりだって…」
「ええ。だから私が代わりに来たんでしょう?」
「ふぇぇ!ね、寝ている間にいなくなった!」
「まったくもう、馬鹿ねぇ!」
「ふぇ、ルイザ…」
「三日で帰ってくるから」

ネア
「…えぐ。どの服にも合いません。…ふぇっく」
「ネア、泣かないでおくれ」
「どの服にも合う素敵スカーフだと思い、奮発してしまいました。…なぜ色味が全然違うのだ…。て、店頭で確認しないで買った私のせいでふ」
「そのスカーフに合う服を用意しようか?」
「黄色、似合わないのでふ…」

銀狐
ヒルドさん、狐さんが朝から青いボールを探しているのですが、ご存知ありませんか?」
「…先週、本人がミカエルにあげてしまったんですよ。すっかり忘れていますね…」
「ふぁ、…狐さんの尻尾がへなへなに…!!」
「やれやれ、そんな風に蹲るくらいなら、譲らなければ良かったでしょうに」

アルテア
「まぁ、スカーフの色が変わりました?」
「ったく、手間をかけさせやがって」
「…という事は、今日買ったドレスは…」
「おい、まさか元のものに合わせて購入してないだろうな?」
「むぐ」
「シルハーン!そういう事は、すぐに報告しろ!」
「一緒に行ってない…」
「ノアとでした…」

本日はここ迄となります!
お付き合いいただき、有難うございました!

ネアは、結局元のスカーフと同じ物も買い足されていました。エーダリアは、ノアと一緒に白雪草を採取しに行ったようです。ウィリアムは一晩で気持ちに整理をつけ、グレアムは、心の傷が深く暫く卵を買えなかったのだとか…


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最終更新:2022年05月07日 12:22