落胆
本日の更新はお休みとなります。
代わりにこちらで、
薬の魔物のSSを書かせていただきますね。
ネア
「…これではありませんでした」
「…ギモーブを食べるかい?」
「むぐ。…ぎゅむ。ディノ、今日はめそめそしますが、嫌いにならないでくれます?」
「勿論だよ。ほら、こちらにおいで」
「自損事故です。注文した品物が届いたら、思っていたものではありませんでした」
「スカーフなんて…」
ノア
「…ありゃ。青いボールがないんだけど」
「それでしたら、あなたが今朝、ミカエルに譲っていましたよ?」
「うわ、そうだった。…わーお、何であげたんだろう。何だか突然、いい物を贈りたくなったんだけどさ…」
「成る程。狐の時とはそのような感覚も変わるのですね」
「
ヒルド、慰めて…」
エーダリア
「まぁ、抜け殻なのです?」
「…希少な白雪草の薬剤を、誤って破棄してしまったのだ」
「ほわ、
エーダリア様の瞳に光が入ってません…」
「今夜の晩餐は…減らしてもらおう。…少し部屋で休んでくる…」
「
ヒルドさんを手配しますね!」
「いや、一人で…」
「寝かしつけ役です!」
ウィリアム
「やれやれ、保たなかったか。いい街だったんだがな」
「ったく。更地にしやがって。この街の織物は、まだ未回収だったんだぞ」
「ああ。…俺も、ネアに買って帰ろうと思っていたんだ。まさかこちら迄戦火が及ぶと思わなかったからな…」
「…おい、土地を腐らせるなよ」
「…ああ」
ヒルド
「…ありゃ。
エーダリアなら寝てるけれど…」
「いえ、ネア様にお声がけいただいて来たのですが、あなたの方が早かったようですね…」
「わーお。落ち込んでるぞ…。え、もう一度起こしてくるかい?」
「それでは意味がないでしょう。落ち込んでいるのですから、寝かせて差し上げなくては」
エーダリア
「…すまない、もう」
「ぎゃ!
エーダリア様が殆ど食べられなくなっています!!」
「
エーダリア様、代替えの物を手配されては?ネイなら知っているかもしれませんよ」
「…ああ。…あれは、私が精製したものだったのだが…いや、新しい物を手配しよう」
「ありゃ。机に突っ伏したぞ…」
グレアム
「…ミカか、すぐに出られなくて済まない」
「何かあったのか?」
「買ってきたばかりの卵を、全て落としてな…」
「それは…堪えるな」
「ああ。…今月は、なかなか節約出来ていたんだが…こんな日もあるんだろう」
「節約していたんだな…」
「十二個全て…」
「その、元気を出してくれ」
ヨシュア
「ほぇ、イーザがいない」
「もう出かけたわよ。
ヨシュアが全然起きないから」
「ふぇ…。今日から泊まりだって…」
「ええ。だから私が代わりに来たんでしょう?」
「ふぇぇ!ね、寝ている間にいなくなった!」
「まったくもう、馬鹿ねぇ!」
「ふぇ、ルイザ…」
「三日で帰ってくるから」
ネア
「…えぐ。どの服にも合いません。…ふぇっく」
「ネア、泣かないでおくれ」
「どの服にも合う素敵スカーフだと思い、奮発してしまいました。…なぜ色味が全然違うのだ…。て、店頭で確認しないで買った私のせいでふ」
「そのスカーフに合う服を用意しようか?」
「黄色、似合わないのでふ…」
銀狐
「
ヒルドさん、狐さんが朝から青いボールを探しているのですが、ご存知ありませんか?」
「…先週、本人がミカエルにあげてしまったんですよ。すっかり忘れていますね…」
「ふぁ、…狐さんの尻尾がへなへなに…!!」
「やれやれ、そんな風に蹲るくらいなら、譲らなければ良かったでしょうに」
アルテア
「まぁ、スカーフの色が変わりました?」
「ったく、手間をかけさせやがって」
「…という事は、今日買ったドレスは…」
「おい、まさか元のものに合わせて購入してないだろうな?」
「むぐ」
「シルハーン!そういう事は、すぐに報告しろ!」
「一緒に行ってない…」
「ノアとでした…」
本日はここ迄となります!
お付き合いいただき、有難うございました!
ネアは、結局元のスカーフと同じ物も買い足されていました。
エーダリアは、ノアと一緒に白雪草を採取しに行ったようです。
ウィリアムは一晩で気持ちに整理をつけ、
グレアムは、心の傷が深く暫く卵を買えなかったのだとか…
最終更新:2022年05月07日 12:22