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産科A
あなたは総合病院の内科研修2年目で、本日夕方全科当直勤務についている。
症例:23歳女性、右上腹部痛を主訴に外来を受診
既往歴:特記すべきことはなし
家族歴:母(胆石)
妊娠分娩歴:0回経妊、0回経産
現病歴:近医にて妊婦健診を受けており、本日は29週3日。先週の健診で血圧142mmHg/90mmHg、蛋白尿1+、下腿の浮腫を指摘され、安静ならびに塩分制限するように言われている。


産婦人科医は院内に当直しておらず、病院から30分のところにある自宅で待機している。電話にて相談したところ、胎児心拍モニタリングをするように指示があり、採血結果を待つ間、分娩監視装置にてモニタリングをおこなった。
(ETG供覧)
問3、所見を述べなさい。(1分)

検査所見は以下のとおりであった。
WBC:12000/μl、RBC:370×10*4/μl、Hb:12.0g/dl、Ht:40.3%、Plt:6.8×10*4、血液型:A Rh(+)、TP:6.8g/dl、Alb:3.8g/dl、GOT:125U/L、GPT:98U/L、LDH:628U/L、γ-GPT:30 IU/L、BUN:11mg、Cre:0.9mg/dl、UA:7.2mg/dl、T-CHO:225mg/dl、T-Bil0.8mg/dl、Na:137mEq/L、K:4.8mEq/L、Cl:104mEq/L、Ca:9.0mEq/L、Fe:58μg/dl、CRP:0.2mg/dl尿蛋白2+、尿糖 陰性、尿潜血4+

問4、診断を述べなさい
問5、上腹部痛を起こす機序を述べなさい。
問6、産婦人科医が病院に到着後、行うであろう治療方針を記せ
                       (あわせて4分)
B.
26歳、39週6日、0P0G
主訴:陣痛発来
現病歴:2時間前から規則的な子宮収縮を認め、入院となった。現在は、3-4分間欠で十分な子宮収縮を認める。
身体所見:身長163cm、体重65kg(非妊時58kg)、血圧110/70、脈拍80、発熱なし。
超音波:頭位、児推定体重3150g
内診所見:子宮口開大1.5cm、展退90%、Station -2、
       頚部の硬さ 中等度、内子宮口 後方、未破水
B-1. 分娩の進行状態を評価するスコアの名前は?現在は何点か?
   答) Bishop Score, 6点

CTG:reassuring
4時間経過したが、内診所見は変化なし。

B-2. この時点での管理方針を選べ。
①帝王切開術
②オキシトシンによる陣痛促進
③経過観察
④人工破膜
⑤Guthman-Martius骨盤撮影
答)③(⑤でも可)

この時点で、付き添っている夫から状況説明を求められた。
B-3. どのように説明するか?
答)分娩の進行をもう少し待ってみましょう。(骨盤の広さを確認するために、X線撮影をすることを考えています)

陣痛発来より12時間後、内診所見より、胎児は第1後方後頭位、Station+1。

B-4. この曲線を何と呼ぶか?
答)フリードマン曲線

B-5. 児頭の回旋を図中に示しなさい。

子宮口全開大後、分娩室へ移動し、3058gの男児を出産した。アプガースコア8点(1分)、9点(5分)。5分後に560gの胎盤が排出されたが、その直後から中等量の鮮血の排出を認めている。

B-6. この時点で考えうる疾患は何か?
 a. 胎盤剥離面からの出血であれば(        )
 b. 産道からの出血であれば(         )
答)a. 弛緩出血  b. 頚管裂傷、または膣壁裂傷

C.
症例:30歳 女性 不正性器出血
既往歴:特記すべきことなし
家族歴:特記すべきことなし
妊娠分娩歴:2回経妊2回経産
 第2子は生後0~3日に光線療法を受けている
現病歴:前医にて妊娠経過を管理されており、母児ともに経過は良好であったが、母親の血液型はA型Rh(-)であった。妊娠24週4日、山登りの最中に不正性器出血を認めたため前医を受診した。出血が多いため、直ちに当科へ母体搬送となった。
クスコ診:膣内に凝血塊を認め、外子宮口からは少量の鮮血流出所見あり。
経膣超音波所見:

問C-1.診断を述べよ。
答) 前置胎盤

CTG所見(Baseline 150 bpm):

問C-2.まず行うべき適切な処置を述べよ。(1分)
答)子宮収縮抑制剤投与

入院時検査所見(妊娠24週4日):身長158cm、体重52kg(非妊時45kg)
血圧128/72mmHg、尿蛋白陰性、尿糖陰性、WBC 7400、RBC 310万/mm³、Hb 9.5g/dl、Ht 28.7%、Plt 19.8万/mm³、生化学検査に異常なし
間接クームス 128倍
経腹超音波検査所見(妊娠24週4日):推定体重620g、羊水ポケット38mm、AFI116、胎児水腫所見なし

問C-3.今回妊娠中に起こりえるリスクにつき、2つ述べよ。
また、それらを評価する方法を記せ。(3分)
答)①胎児貧血:胎児の中大脳動脈の速度測定
  ②前置胎盤:超音波(またはNST)

入院後経過:入院後適切な治療により、性器出血は完全に止まったため、妊娠継続が可能となった。

問C-4.今後の治療計画について、その分娩方式も考慮し述べよ。(3分)
答)key word:自己血、妊娠の延長、帝王切開

入院後経過:妊娠30週5日、早朝6:30、トイレで性器出血を認めたため、直ちに当直医が診察したところ、出血は少量で、すでに止まっていた。

問C-5.この時点で適切な方針について述べよ。(2分)
答)経過観察(入院)

D.
症例 30歳 女性 子宮収縮
既往歴 特記すべきことなし
家族歴 特記すべきことなし
妊娠分娩歴 0経妊0経産
現病歴 
妊娠22週目より、下腹部の張りを自覚していたがしだいに増強したため、妊娠25週0日に産婦人科に受診した。この病院にNICUはない。


クスコ診 膣内は以下のようであった
画像
D-1 この所見は何か
CTG 
画像(切迫早産のCTG)
規則的に子宮収縮があり、塩酸リトドリンの投与を行った。


超音波検査(妊娠25週0日)
胎児推定体重721g 頭位
羊水ポケット 38mm
胎盤所見の異常なし

入院時検査所見
体温 37.1℃
WBC 12500/mm3 RBC 346万/mm3 Hb 11.2g/dl
Ht 32.8% Plt 20.9万/mm3
CRP 0.8mg/dl

D-2 本症例の診断名を述べよ
D-3 本症例に遭遇したときにただちに考慮すべき対応について述べよ
D-4 このような症例ではある病態の存在が分娩予後あるいは新生児予後に大きく影響する。ある病態とは何か


塩酸リトドリンおよび硫酸Mgの点滴投与により妊娠期間の延長を図った。また、母体にステロイド投与をした。妊娠26週2日に子宮収縮が増強して陣痛が発来と判断され、緊急帝王切開にて891gの女児を出産した。

D-5
次回の妊娠はこのような早産を予防しなければならないが、具体的な注意点、あるいは方針について述べよ


解答
D-1 胚胞形成
D-2 切迫早産
D-3 NICUのある病院へ母体の搬送
D-4 絨毛膜羊膜炎
D-5 

E.
症例 31歳女性 妊娠24週1日 腹部膨満感
既往歴 特記すべきことなし
家族歴 特記すべきことなし
妊娠分娩歴 2回経妊1回経産
現病歴 妊娠初期に当科受診し、双胎と診断。妊娠23週頃から急激に腹囲増大し、子宮収縮の自覚もあり受診した。
身体所見 身長158cm 体重58kg(非妊時51kg) 
体温36.4度 血圧122/63mmHg 脈拍83/min

妊娠初期 経膣超音波所見

写真(MD)

妊娠24週 経膣超音波所見
Ⅰ児 推定体重 740g 羊水ポケット 82mm
Ⅱ児 推定体重 435g 羊水ポケット 18mm

E1 双胎にはどのような種類があるか?
   それぞれの妊娠の膜性診断の特徴的な所見は?
           答 DD MD MM
E2 本症例はどの双胎か?
           答 MD
E3 本症例の疾患名は? またその原因は?
           答 TTTS 胎盤の血管吻合
E4 Ⅰ児(大児)の病態、Ⅱ児(小児)の病態について述べよ。
           答 Ⅰ児:水腫、心不全  Ⅱ児:羊水過少、腎不全


F.
<症例>26歳 女性 妊娠18週2日 発熱
<既往歴>特記すべき事なし
<家族歴>特記すべき事なし
1回経妊1回経産
<現病歴>
先週第一子がリンゴ病に罹患し、幼稚園を休んだ。自分も昨日から38℃の発熱を認めたため、来院した。
<身体所見>身長160cm 体重53kg(非妊時51kg)
体温38.0℃ 血圧120/50mmHg HR90/min
<経腹超音波>大横径40mm FHB?(見逃しましたごめんなさい)

F-1.母親がウイルスに感染していることを証明する方法は何か?
 答)血中パルボウイルスB19に対するIgM抗体測定
   または、血中パルボウイルスB19をPCRにて検出
F-2.胎児がウイルスに感染していることを証明する方法は何か。
 答)羊水穿刺を行い羊水中のウイルスをPCRにて検出
F-3.本症例で今後出現する可能性のある胎児所見は?
 答)胎児水腫
F-4.その他、妊娠中に罹患すると胎児に影響の出る感染症について病原体と胎児・新生児への影響につき、2つ以上述べよ。
 答)サイトメガロウイルス;子宮内発育遅延、肝脾腫、中枢神経発育異常
   TORCHなど
最終更新:2007年11月07日 02:36