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問10-1
肝細胞癌について正しいのはどれか。
(1)背景の肝病変としてB型肝炎・肝硬変が最も多い。
(2)C型肝炎では、線維化の進展につれて発癌率が上昇する。
(3)肝癌は男性の癌死亡率で第五位である。
(4)肝細胞癌は門脈を通じて肝内に転移する。
(5)前癌病変はない。
答え 2.4.
1)背景の肝病変としてHCV(+)が約75%、肝硬変が約90%である。
2)肝線維化マーカーのⅣ型コラーゲン・7S(Ⅳ型コラーゲンの7S)が7.5ng/ml以上、ヒアルロン酸が450ng/ml以上だと、癌の発生がより高い。
3)癌死亡率は男性:肺>胃>肝>結腸>膵、女性:胃>肺>結腸>肝>乳房、男女両方:肺>胃>肝>結腸>膵。だからいずれも3位。
4)肝細胞の進展の特徴として、門脈を介しての肝内転移が多い。肝外転移では肺への血行性転移がある。リンパ行性転移は少ない。
5)前癌病変として、肝硬変があります。
問10-2
68歳男性。C型慢性肝炎で経過観察中であった。腹部CTを施行したところ肝臓に腫瘤影を指摘された。CT画像を示す(肝臓の真ん中に5cm大の白い影がありました)。治療方針決定の上で有用なものは次のうちどれか?
(a)ICG試験
(b)ERCP(逆行性胆道造影)
(c)DIC(点滴静注胆嚢造影)
(d)CT血管造影(CT-AP, CT-HA)
(e)腹部超音波
答え a.d.e. Yr-n.B-51,54
C型慢性肝炎+CTでの腫瘤影→肝癌。
肝癌の治療方針の決定の手順として、肝外転移の有無→Child分類→脈管浸潤の有無、を見てから、ope、エタノール注入、マイクロ波、ラジオ波、動脈塞栓、動注化学療法、全身chemoの選択をする。そして、opeに関しては肝機能を調べてから切除範囲を決定する。
したがって、ICG=肝機能、CT血管造影・腹部超音波=脈管浸潤と思われる。胆道関係の検査は不必要。
問10-3
胆管細胞癌(CCC)について正しいのはどれか?
(1)一般にhypervascularな腫瘍である。
(2)高分化肝癌との鑑別が難しい。
(3)肝細胞癌に比べて予後不良である。
(4)リンパ節転移はみられない。
(5)原発性肝癌には含まれない。
【解答】(3)
【解説】《胆管細胞癌=肝内胆肝癌: 肝内胆管上皮から発生する癌》
1.×:血管造影においては辺縁部がring状にenhanceされる。内部の造影効果は乏しい。(B-53)
2.×:はっきりした記述は見当たらなかったが、HCCがhypervascularな腫瘍であることを考えれば、造影すれば鑑別には困らないと思われる。
3.○:5生率を比べるとHCC=53.2%(朝倉1153)に対しCCC=15%(B-53)。
4.×:はっきりした記述は見当たらなかったが、早期からリンパ行性に肝内に転移し進行例で発見されることが多い(B-53)とあるので、リンパ節転移も当然考えられる。
5.×:原発性肝癌に含まれる。原発性肝癌のうちHCCが95%と圧倒的に多く、CCCの頻度は3.3%前後である(標準外科学第10版)。ちなみに好発年齢は50歳以上で性差はない(B-53)。
問10-4
問10-5
38歳男性、突然の上腹部痛を訴え救急外来を受診した。立位胸部レントゲン検査を以下に示す(右横隔膜直下にfree airを認める画像)。次に行う検査は何か?
(1) 腹部CT
(2) バリウム透視(造影)
(3) 血管造影検査
(4) 胃管挿入
(5) 抗菌薬
a(1,2,3) b(1,2,5) c(1,4,5) d(2,3,4) e(3,4,5)
答え c.(1.4.5.)
Free airがあることから、消化管穿孔・穿通と考えれる。
この中でまず、2)バリウムは禁忌!かわりは水溶性のガストログラフィン。
1)穿通していた場合、大量出血を伴います。この出血の有無をみるのに有用。
3)もし穿通であれば緊急開腹術を行うのでCTみて出血あればすぐope室なので、血管造影はあまり必要ないのでは。
4)胃管挿入し、胃液を吸引(洗浄は禁忌)。穿孔径5mm程度までなら保存治療が可能。
5)消化管穿孔後の腹膜炎の予防・治療として抗生剤(広域ペニシリン系・セフェム系)は必須。
最終更新:2007年11月15日 13:13