<戦闘>

 戦闘の開始をGMが宣言すると[ラウンド]と呼ばれる時間単位ごとに処理されるようになる。[ラウンド]は5つの[プロセス]に区切られ、一定の手順に従って処理する。



ラウンド進行

 戦闘は[ラウンド]というゲーム内時間単位で進行する。
 1ラウンドは[セットアッププロセス][イニシアチブプロセス][メインプロセス][クリンナッププロセス]という4つの[プロセス]から構成され、戦闘に参加しているキャラクターたちの行動を処理していく。
 1ラウンドは、ゲーム内の時間では、おおよそ1分間として扱うとよいだろう。無論、必要であればもっと長くてもよいし、短くてもよい。GMがその場で必要なだけの長さを持たせること。


セットアッププロセス
 [ラウンド]の最初は[セットアッププロセス]となる。
 [セットアッププロセス]では、戦闘に参加しているキャラクターの確認と、セットアップに使用可能な特典・特技の使用ができる。


イニシアチブプロセス
 GMは、[未行動]のキャラクターの中からもっとも高い【行動値】を持つキャラクターか、このタイミングでAGPを使用したキャラクターを選択する。このキャラクターを[イニシアチブキャラクター]と呼ぶ。
 全てのキャラクターが[メインプロセス]を行なえない状態になった場合、[クリンナッププロセス]に移行する。


メインプロセス
 [イニシアチブキャラクター]が[メインプロセス]を行なう。
 [メインプロセス]を行なったキャラクターは[行動済み]になる[行動済み]になった場合、そのキャラクターはAGPを使用するかラウンドが終了するまで、[イニシアチブキャラクター]にはなれない。
 [メインプロセス]の処理が終了したら、[イニシアチブプロセス]に戻り、GMは次の[イニシアチブキャラクター]を決定する。


クリンナッププロセス
 GMは全て[クリンナッププロセス]に発生する処理を行なう。
 全てが終わった場合は、[ラウンドの終了]を宣言する。[ラウンド進行]が継続される場合には、GMは新しい[ラウンド]の開始を宣言し、[セットアッププロセス]に移行する。


●メインプロセスの概要

 [イニシアチブキャラクター]は[メインプロセス]を行なう。
 [メインプロセス]は、[イニシアチブキャラクター]が指定される度に発生する。[イニシアチブキャラクター]の行なう行動を処理するための[プロセス]である。
 以降は[メインプロセス]が終了するまで[イニシアチブキャラクター]の[行動値]が増減しても、[イニシアチブキャラクター]は変更されない。
 [メインプロセス]が終了したら、自動的に[イニシアチブプロセス]に移行する。


アクション
 [ラウンド進行]では、キャラクターは大きく分けて4種類の行動を行なうことができる。これを[アクション]と総称する。[アクション]には[マイナーアクション][メジャーアクション][リアクション][オートアクション]が存在する。


マイナーアクション
 [メジャーアクション]のための準備行動が[マイナーアクション]である。[メジャーアクション]を行なう場合は、基本的にその直前に[マイナーアクション]を行なう権利を得る。[マイナーアクション]では、[行動カウント]は減少しない。
 次のような行動が基本的な[マイナーアクション]である。
通常移動
装備品の変更
バッドステータスの回復
マイナーアクションで使用する特技の発動。
その他の、GMが[マイナーアクション]であると指定した行動


メジャーアクション
 [メインプロセス]で行なう主な行動が[メジャーアクション]である。判定を必要とする行為、他のキャラクターに判定を要求するような行為はすべからく[メジャーアクション]となる。
 次のような行動が基本的な[メジャーアクション]である。
全力移動
攻撃(白兵・射撃)
メジャーアクションで使用する特技の発動
アイテムの使用
バッドステータスの回復
その他GMが[メジャーアクション]であると指定した行動


リアクション
 何らかの行為に対する妨害、対応行動が[リアクション]となる。
 具体的には攻撃に対する回避及び防御などが[リアクション]となる。その他、ルールで[リアクション]として規定された行動もある。
 [行動済み]状態でも[リアクション]は行なえる。次のような行動が基本的な[リアクション]である。
回避や突き返しなどの防御行動
その他のGMが[リアクション]であると指定した行動。


オートアクション
 上記の3つに含まれない簡単な行動、あるいは[メインプロセス]以外でも行なえる行動を[オートアクション]と呼ぶ。
 具体的には、特に制限を加えるまでもないような簡単な行動が[オートアクション]である。
 [オートアクション]では[行動済み]にならないし、回数の制限もない。GMは一つの[アクション]の間に行なえる[オートアクション]の回数を制限してもよい。
 また、[行動済み]となったキャラクターは、[リアクション]に付随する[オートアクション]のみが行なえる。無論、会話のように制限を掛ける必要のない[オートアクション]も存在する。
 その[オートアクション]が[行動済み]であっても可能かどうかは最終的にはGMが判断すること。
 次のような行動が基本的な[オートアクション]である。
AGPの使用
会話や発言
装備品の準備
右手と左手の武器を持ち替える
オートアクションと指定された特技の使用。
タイミングを指定されていない特典や種族特性の使用。


メインプロセスの終了
 メインプロセスが終了したら、そのキャラクターは[行動済み]となる。



移動とエンゲージ

 戦闘において、移動は極めて重要な概念である。武器には射程というものがあるし、敵の移動を妨げるのも重要だ。
 ここでは移動のルールと[エンゲージ]と呼ばれる距離、範囲の概念について解説する。


移動
 キャラクターは、戦闘中に[マイナーアクション]、または[メジャーアクション]を使用して移動できる。マイナーの場合は通常移動、メジャーの場合は全力移動に等しいだけ移動できる。
 移動は、敵(キャラクターの行動を妨害する意思を持つキャラクター)と同じ[エンゲージ]に入っている場合は行なうことができない。そのような場合に移動を望む場合は、[離脱]を行なう必要がある。[エンゲージ]と[離脱]については後述する。


エンゲージ
 [エンゲージ]とは、このゲームにおける距離、及び範囲を表現する単位である。
 自らが白兵攻撃が可能な範囲(基本的に2~3mほど)に他のキャラクターが存在する状態のことを「そのキャラクターと同一のエンゲージにいる」、もしくは「そのキャラクターとエンゲージしている」と表現する。
 また、状況によってはキャラクター以外のものも[エンゲージ]の対象とすることがある。


エンゲージに入る
 キャラクターが移動を行なった際に、その進路に移動を妨害する意思を持つキャラクター(つまり、敵キャラクター)が存在していた場合、移動はそこで終了となる。以後はその敵とエンゲージとなる。
 移動によって[エンゲージ]に入るかどうか判断に困った場合、GMが決定すること。逆に、GMはPCの移動によって誰かと[エンゲージ]してしまう場合は、移動の処理を行なう前に解説すること。


離脱
 敵と相対している場合、移動には制限がかかってしまう。敵から目を離すわけにはいかないし、攻撃の間合いに捉えた敵を逃がす者はいない。
 よって、敵との[エンゲージ]に入ってしまった場合、[エンゲージ]から一度出なければ移動を行なうことができない。
 この、敵との[エンゲージ]から出る行動を[離脱]と呼ぶ。[離脱]は[メジャーアクション]となる。
 [離脱]を宣言したキャラクターは、GMの了承を得て、エンゲージから離れて【通常移動】mまで移動することができる。


封鎖
 人がひとり通るのがやっと、というような吊り橋や通路で誰かが戦っているとしたら、その戦闘に巻き込まれずに横をすり抜けるというのは至難の業だ。そのような場合、GMは敵と【運動】による対決を行なわせてもよい。
 [離脱]を望むキャラクターは、これに[勝利]する必要がある。なお、この[離脱]の妨害は[リアクション]となる。この場合の敵とは、すべての「移動を妨害する意思を持つ」キャラクターである。
 複数の敵とエンゲージしている場合は、その全てに[勝利]しなければならない。その場合は1回だけ判定し、その[達成値]に対して全ての敵が[対決]を行なう。


味方だけのエンゲージ
 敵がいない味方だけの[エンゲージ]というものも存在する。もちろん、その場合は[離脱]しなくても移動を行なうことが可能である。また、[封鎖]されるような状況であっても、自由に移動できるものとする。



攻撃の手順

 武器などを使用して、敵にダメージを与えようとする行為を攻撃と呼ぶ。ここではその攻撃の方法や、処理の手順について解説する。
 全ての攻撃は、[攻撃宣言ステップ][命中判定ステップ][回避判定ステップ][命中決定ステップ][ダメージ決定ステップ][攻撃終了ステップ]の6つのステップにしたがって処理される。


攻撃宣言ステップ
 このステップでは、攻撃対象、攻撃方法などを宣言する。この時、相手との距離に注意すること。攻撃対象は使用する武器の射程内に存在している必要がある。
 GMは、その方法で攻撃が可能であることを確認する。適切な対象ではない場合は、そのことをプレイヤーに伝え、適切な対象について解説すること。


攻撃側と防御側
 攻撃を行なうキャラクター(以後、[攻撃側]と呼ぶ)は適切な攻撃対象となるキャラクター(以後、[防御側]と呼ぶ)を選択する必要がある。全ての攻撃は、[攻撃側]と[防御側]の[対決]として処理される。


命中判定ステップ
[攻撃側]の行なった攻撃が命中するかどうかの判定を行なうステップ。命中判定ステップで行なう判定のことを[命中判定]と呼ぶ。
[命中判定]に使用する技能は攻撃方法によって変化する。白兵武器なら《白兵》技能、射撃武器なら《射撃》技能。
クラス特典や種族特性での攻撃の場合、その攻撃に指定された技能を使用する。


回避判定ステップ
[防御側]が[攻撃側]の攻撃を回避できるかどうかの判定を行なうステップ。回避判定ステップで行なう判定のことを[回避判定]と呼ぶ。
回避判定は通常の回避と突き返しの2種類が存在する。通常の回避の場合は《回避》か《耐性》、または攻撃方法に指定された技能で判定を行う。
突き返しは、白兵攻撃に対して白兵攻撃で反撃する回避方法で、《白兵》で回避判定を行い勝利すれば、逆に相手にダメージを与えることができる。
ただし、突き返しは射撃攻撃に対しては発生しない。


命中決定ステップ
 [攻撃側]および[防御側]の[成功数]を比べて、攻撃が本当に命中したかどうかを確認する。これは[対決]として扱われる。
 [攻撃側]が[勝利]した場合は、ダメージを与えることができる。ダメージ決定ステップに移行すること。
 [防御側]が[勝利]した場合は、攻撃は外れたことになる。攻撃終了ステップへ移行すること。
 ただし、[防御側]が突き返しで[勝利]した場合は、逆に攻撃側がダメージを受けるので、ダメージ決定ステップに移行すること。


ダメージロールステップ
 [攻撃側]が勝利した場合、その攻撃でどれだけのダメージを与えたかを決定するステップ。この時、ダメージは以下の式で算出する。

 「([成功者の成功数]+武器の攻撃力)-(防御側の成功数+対象の防御力)

 以上の計算式で算出したダメージが、対象のHPから引かれる事になる。
 ただし、突き返しを行った場合、敗者側はダメージ軽減に成功数を加算できないとする。


戦闘不能
 【HP】が0となったキャラクターは[戦闘不能]になる。[戦闘不能]になった場合、[戦闘不能]を回復させるスキル、もしくはアイテムを使用しなければ回復しない。
 以降は[戦闘不能]が回復するまで、会話以外のアクションを行なえない。また、[戦闘不能]のキャラクターはエキストラであるものとして扱われる。


死亡
 [戦闘不能]のキャラクターに対して[とどめを刺す]ことを宣言し、何らかの方法でダメージを与えるとキャラクターは[死亡]する。[死亡]を回復する手段は非常に少ない。
  以降は[死亡]が回復するまで、全てのアクションを行なえない。また、[死亡]したままの状態でシナリオ終了を迎えた場合、そのキャラクターはロストとなる。


攻撃終了ステップ
 攻撃はこれで終了となる。


負傷と回復

HPの最低値
 【HP】の最低値は0である。0よりも小さい値となることはない。


HPの自然回復
 GMは、時間の経過や治療したことを理由にして、【HP】を完全に回復したとしてもよい。
 また、シーンに登場しなかった場合、1D6点舞台裏で回復する。


バッドステータス

キャラクターは、特殊な攻撃でバッドステータスに陥ることがある。
以下にバッドステータスの種類と回復方法を記載する。


重圧
 キャラクターが有形無形のプレッシャーを受けていることを表わす。[重圧]を受けている間、キャラクターは「タイミング:常時」を除く、使用に宣言が必要な特技が使用できない。
 [重圧]の回復には[マイナーアクション]を使用する。


邪毒
 毒物や魔術によってキャラクターが中毒症状であることを表わしている。[邪毒]のキャラクターは、[メインプロセス]ごとに1D6の[HPダメージ]を受ける。このダメージは[メインプロセス]の直前に適用される。
 [邪毒]はアイテム、特技によってのみ回復できる。


放心
 強い衝撃を受けるなどしてキャラクターが朦朧としている状態を表わす。[放心]になったキャラクターが行なう全ての判定の[判定値]が-5される。
 [放心]は[マイナーアクション]を使用することで回復する。また、[ラウンド]の[クリンナッププロセス]に自動的に回復する。


麻痺
 何らかの原因でキャラクターの動きが鈍くなっていることを表わす。[麻痺]しているキャラクターは、移動が行なえず、[リアクション]の[判定値]も-3される。
 [麻痺]はアイテム、特技によってのみ回復できる。


スポットルール

飛行状態
 スキルや装備などによって、キャラクターは空を飛ぶことができるかもしれない。このように、飛行しているキャラクターを[飛行状態]と呼ぶ。
 [飛行状態]のキャラクターは、同じように[飛行状態]にあるキャラクターにしか進路を妨害されない。
 よって、敵とエンゲージしていても敵が[飛行状態]でなければ移動が可能であり、エンゲージから出る際にも[離脱]のルールは適用されない。
 [飛行状態]のキャラクターがどのくらい高い場所を飛んでいるかについてはルールでは規定しない。必要であれば1~2m程度とすればよいであろう。
 重要なのは、エンゲージしている限り、相手に[白兵攻撃]を行なえる、ということなのである。


騎乗状態
 馬や馬車などの乗り物に乗り、それらを操っている状態を[騎乗状態]と呼ぶ。
 乗り物のアイテムを所持するキャラクターはマイナーアクションを消費することで[騎乗状態]になることができる。同様に[騎乗状態]を解除するためにもマイナーアクションを必要とする。
 ひとりのキャラクターは、ひとつの乗り物しか同時に装備することはできない。
 また、「種別:乗り物」のアイテムを持つキャラクターは、シーンに登場する際に[騎乗状態]で搭乗することができる。
 ただし、シーンが家の中や、乗り物が入れるほどの空間的な余裕がないなど、「乗り物に乗って登場する」のが不適切、あるいは不自然である場合、GMは登場を許可しなくてもよい。


同乗状態
 [騎乗状態]のキャラクターとエンゲージしているキャラクターは、互いの同意を得た場合、マイナーアクションを消費することで[同乗状態]となることができる。
 [同乗状態]になるためのマイナーアクションの消費は[騎乗状態]のキャラクターが行なってもよいし、それとエンゲージしている別のキャラクターが行なってもよい。
 [騎乗状態]のキャラクターが移動すると[同乗状態]のキャラクターも一緒に移動するが、逆に[同乗状態]のキャラクターは再びマイナーアクションを消費してこれを解除しない限り、自分の意思では移動できなくなる。
 キャラクターが何人まで[同乗状態]になることができるかは、乗り物の種類によってGMが判断する。
 ただし、[同乗状態]のキャラクターは乗り物の追加HPの恩恵を受ける事はできない。


隠密状態
 キャラクターは、[メジャーアクション]を使用して身を隠すことができる。この状態を[隠密状態]と呼ぶ。
 [隠密状態]のキャラクターは、スキルや攻撃の対象とはならない。ただし、[範囲]を対象とする攻撃やスキルなどでは[隠密状態]のキャラクターも対象となる。また、[隠密状態]は[隠密状態]にあるキャラクターが、移動や[メジャーアクション]のスキルを使用すると解除される。
 また、敵(敵意を持つキャラクター)とエンゲージしている場合は、基本的に[隠密状態]となることはできない。
 もし[隠密状態]のキャラクターを発見しようとしたキャラクターがいる場合、[メジャーアクション]を使用して[隠密状態]のキャラクターの《運動》技能と、見つける側の《探知》技能による[対決]を行なう必要がある。
 この時、発見しようとするキャラクターを[能動側]、[隠密状態]のキャラクターを[対応側]とする。この[対決]に“発見しようとしたキャラクター”が勝利した場合、[隠密状態]は解除される。
 [隠密状態]のキャラクターが攻撃を行なった場合、自動的に[不意打ち]となる。[不意打ち]については後述。


不意打ち
 待ち伏せを受ける、寝込みを襲われるなど、予期しない状況で襲撃を受けた場合[不意打ち]が発生する。また、このゲームにおいては[隠密行動]からの攻撃も[不意打ち]として扱う。
 [不意打ち]された側は、最初のラウンドは自動的に[行動済み]となる。
 [不意打ち]による行動に対して[リアクション]を行なう場合、[判定値]に-3の修正を受ける。

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最終更新:2012年06月23日 11:46