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皇国召喚 ~壬午の大転移~22

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Turo428

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    ベルグへと進出した皇国軍は、しかしリンド王国に白旗を上げさせることは出来なかった。
    国王は逃亡し、皇国軍はベルグの町で食糧や一部の日用品を調達する事には成功したものの、それ以上の成果が無い。

    リンド王国陸空軍は降伏し、もはや皇国軍に対抗しうる存在ではなくなったが、
    リンド国王と海軍が降伏しなければ戦争は終わった事にならない。

    『リンド国王は、何を考えているのか?』

    皇国は焦った。
    元はリア公国を巡る限定的な戦争のはずが、陸軍が全滅しても降伏を拒むとは。
    面子の問題だろうか? 叩き過ぎたのが問題なのだろうか?


    皇国軍は、先任の師団長が護衛を引き連れノールベルグ王宮へと入城する。
    衛兵と一悶着あるかと思っていた師団長だったが、意外な事に
    門を警備する衛兵は、門を開け放って皇国軍の将軍を素通りさせた。

    「これはこれは、皇国軍の将軍閣下……」
    「皇国陸軍少将、栗田一郎男爵です。貴殿は?」
    「私は陛下の元侍従のジオ=リノークと申します。国王陛下をお探しで?」
    「ええ、そのとおりです」
    「ならば一足遅かったですな。陛下は夏の離宮に向かわれました」
    「夏の離宮? まだ春ですが」
    「私も詳しい事情は知りませんが、何でも皇国軍の砲撃で眠れず、昼寝すら出来ないからだとか……」

    皇国軍は、市壁外から王都ベルグの北の森を砲撃し続けていた。
    北の森は、東京で例えるなら、皇居に対する浜離宮のようなものだろうか。

    王室専用の狩猟場であるため、基本的に無人である。
    幾ら砲撃しても一般市民に被害が出ないだろうから、ここを砲撃する事になった。

    王宮から遠からず近からずの場所を、休む事無く砲撃する事で
    十分な心理的圧力を加えて降伏させようとしたのが裏目に出た形だ。

    「では、リンド国王陛下は、端的に言えば王都から逃げ出したのですか」
    「さようです……」
    「ではもう、この王宮には大臣達も居ないのですか」
    「はい。侍従長を始め、国務卿も兵武卿も内務卿も、主だった大臣達は陛下と共に」
    「そうですか。貴重な情報をありがとうございます。
     ですが、我等も手ぶらで帰る訳にはまいりません。
     王宮内に、国王陛下を匿っていないか捜索させて頂きたいのですが」
    「それはどうぞ、ご自由に。私も同行させて頂きます。王宮内の案内も出来ましょう」

    栗田師団長は、部下と共に一通り王宮内部を捜索し、国王や大臣、家臣団が
    居ない事を確認すると、そそくさと王宮を出て司令部へと帰還した。


    「リア公国は既に我が軍とユラ軍の制空権下にあり、陸軍も進駐している。
     そしてリンド陸空軍は全滅だ。海軍がまだ潜んでいるが、これも我が海軍の方で対処可能で、反撃しつつある。
     今やリンド王国の戦略目標は達成不可能だ。リンド国王は、それが解らないのか? それが王の器か?」

    ユラの皇国軍司令部では、将校や参謀達が呆れかえっていた。
    圧倒的な武威を誇り、250年以上続いた徳川幕府すら最後は潔く“負け”を認めたのだ。
    それに引き換えリンド王と来たら……。

    皇国軍は、やろうと思えばいつでもベルグを火の海に出来る。
    特にレジスタンス活動をしてくるでもない一般国民を巻き込むのは
    心理的抵抗があるし、何より後始末が大変だからやらないだけだ。

    皇国は、別にリンド王国に含むものなど無い。
    だから一刻も早く、リンドの地を荒廃させないうちに戦争を終わらせたかった。

    セグーニュにて発せられた“勅命”は、国内に大きな波紋を広げた。

    『15歳以上40歳未満の男子は、全て最寄の連隊に出頭し、徴兵検査を受ける事』

    今まででも、使えそうな人材は多くが兵士になっていたのだ。
    この上、徴兵を強化したところで何になるのだろうか?

    だが、国王の“王国軍100万人計画”は、実行に移されようとしていた。

    リア公国は、現国王の祖父王の代に奪われた土地。
    それを取り返すためであれば、平民の血が幾ら流れても良いのだろうか。

    いや、単に敗戦という現実を受け入れるのが怖いだけかも知れない。
    戦争を長引かせるだけ長引かせて国内が荒廃するよりも、
    虜囚になる(かも知れない)のが怖いのだ。

    「陛下、どうかお考え直し下さい」
    「くどい! ここは余の国、そして軍隊は余の軍隊だ!」

    もう何度目になるかわからない、王への嘆願。
    だが、王は頑なな態度を崩さず、降伏を認めようとしない。
    家臣や大臣達の頭の痛くなる日々は終わりが見えない。

    皇国は、ユラからベルグを経由してセグーニュへ、全権大使の名の下にリンド国王へ数度目の親書を送った。

    親書の内容を要約するとこうだ。

    『我々皇国は、これ以上の戦争を望んでいません。
     陛下の軍隊が皇国の商船を襲うので、仕方なく戦っているのです。
     陛下が矛をお納めになるならば、皇国も矛を収める用意があります。
     皇国が陛下に望むのは、皇国の通商の一切を直接的にも間接的にも妨害しない事です。
     陛下が矛を収められ、皇国との和平を望むなら、皇国は王国との間に自由な通商を開く用意もあります』


    だが、リンド国王はこれが気に入らない。
    「ええい、馬鹿にしおって! マルロー王国とアナーフ王国へ送った使者はどうなっておる!」
    「両国とも、資金の援助と、少数の義勇兵の派遣が可能と申しております」
    「資金の援助とは、具体的には?」
    「両国合わせて凡そ、金2000万ワールです」
    「それだけあれば、軍の再建も出来よう。平民どもなど、1ワールで10人雇えるだろうからな」

    1ワール金貨は、ほぼ1リルス金貨と等しい価値を持つ(1ワール=20/21リルス)。
    1ワール≒1リルスとは、中規模の都市の借家住まいの平民家族が1ヶ月生活に困らない程度の価値だ。
    物価が違うので比較が難しいが、金自体の価値を基準にすれば、皇国円に換算して16円~17円程度だろう。
    つまり、16円で兵士を10人雇おうという訳だ。1人あたり1円60銭である。勿論、これは年俸である。
    ちなみに、皇国陸軍二等兵の年俸は96円、一等兵の年俸は150円である。特別手当は別途ある。

    幾ら物価が違うとはいえ、皇国兵の1/60の年俸というのは安すぎであろう。
    リンド国王が、兵卒の価値をその程度としか考えていない証拠である。
    足りない分は戦場で戦功を立てるか、敵軍から略奪せよという事だ。

    リンド王国の方で軍費として2500万ワールを足せば、合計4500万ワールになる。
    拉致同然に連れてきた100万人を10万ワールで雇い、1500万ワールで2000騎の飛竜を、
    1000万ワールで3000騎の戦竜を、残りの1990万ワールで、軍馬や小銃、大砲を整える。

    リンド国王の頭の中では、完璧な軍隊が再編成されていた。


    「陛下。この資金は是非、戦後の復興事業にお使い下さい」
    「戦後? まだ戦争は終わっておらぬではないか」
    「陛下……我が国は敗戦国同然です。どうか現実を――」
    侍従長の願いも、国王には届かなかった。

    「皇国軍は遠征で疲れきっておるだろう。次こそは余の軍は皇国を撃ち破り、リアを治めるだろう」
    「…………」
    国王の心には、逆転勝利しか見えていない。
    まだ存在すらしない“再編された軍”を見ているのだ。

    「陸空軍はそれで良いとして、海軍はどうなっておるか?」
    「海軍は、皇国船を襲撃出来なくなりつつあります」
    「何故だ?」
    「皇国軍が、船舶に護衛の軍艦を張り付けるようになりました。
     彼我の戦力差は圧倒的です。殆どが返り討ちに遭っています」
     通報艦、連絡艦も行動が封じられつつあります」
    「余の戦列艦を以てしてもか?」
    「砲の性能、船の性能、何れも皇国軍艦に軍配が上がります。
     ですから陛下、もうこの戦は――」

    国王は、不満げな表情で侍従長を睨みつけた。
    「決戦だ! 100隻の軍艦でもって、皇国海軍を叩き潰すのだ!」

    国王の決意は揺らぐ事がなかった。
    命辛々帰国し、戦況を報告する海軍の連絡艦へ、“決戦”が通達されたのはそれからすぐの事である。

    現在、リンド王国の“王都”ベルグは、皇国軍によって制圧されていた。
    制圧といっても、陣地や部隊は市壁の外に構え、砲兵の圧力で威圧しているに過ぎなかったが、
    北の森への威嚇射撃が余程身に沁みたのか、ベルグ市民に皇国軍に対して反抗しようとする者は居なかった。

    ただ、町の治安が若干悪化しつつある。
    混乱に乗じた窃盗や強盗などが、微増しているのだ。

    ベルグの商人は、皇国が欲しがるパンや肉などを笑顔で提供したが、その分、都市内での物価は上昇している。
    貧困層には辛い状況だ。

    ベルグからさらに北や東へ逃亡する市民も、少数ながら居た。


    皇国軍では、ベルグ包囲をやめてセグーニュへ一直線に行き、セグーニュを攻撃すべきという意見と、
    セグーニュ攻撃ではさらにリンド国王の態度を硬化させるだけで実入りが無いという意見に分かれていた。

    食糧などが調達しやすいのはベルグだ。セグーニュは、近隣に大した町は無い。
    しかし、王の居ないベルグを包囲しているのも何か間抜けに思えるのも仕方が無いだろう。

    ユラの司令部では、佐藤中将が決裁を求められていた。
    ベルグ包囲続行か、セグーニュ襲撃か。

    佐藤中将の出した答えは、“ベルグの包囲続行”であった。
    ベルグは皇国の京都や英国のロンドンのように歴史的に王都だから問題は少なく、
    セグーニュに軍を進めるのは、相手を刺激しすぎてしまうという懸念があったからだ。

    話が通じないリンド国王に、どう話を理解してもらうのか、ユラの全権大使も頭を抱えていた。
    皇国もユラ神国も、リンド国王を捕えて処刑しようだなどとは一切考えていない。
    ただ、リア公国の原状を回復し、皇国船への襲撃を止めさえすれば、それで終わりだ。
    そして、リア公国の現状はユラ神国の側になっているのだから、
    あとはリンド海軍艦艇の皇国船への襲撃をどうするかだ。

    襲撃回数に比べて実害は少ないが、かといってゼロでも無い。
    独航している皇国船に対して、数隻のフリゲートなどで囲まれると逃げ切れない事もある。

    既にリンド海軍艦艇は出払って居るので、今さら海軍の根拠地を叩いても効果は低いだろう。
    勿論、報復として叩きはするが。
    また、秘密基地や秘密の補給船がある可能性があるので、それの捜索も必要だ。

    広い大内洋、巡潜型の哨戒だけでは中々荷が重いという事で、水偵を搭載した5500t型がさらに5隻、
    そして水偵を多数搭載可能な利根型偵察重巡2隻も、リンド海軍艦隊の捜索の為に出撃している。

    敵は帆船なので、燃料の問題が無い。
    水と食糧さえあれば、いつまでも跳梁跋扈される可能性があるのだ。
    肝心の水と食糧は、秘密補給船からか襲撃した皇国船から奪っているのだろう。

    先の欧州大戦で、敵ながら天晴れな活躍を見せたドイツ海軍のゼーアドラー号の如く活躍されてはたまらない。

    皇国では、船団を組んで全ての船団に護衛駆逐艦を付けるという手で何とか被害を食い止めようとしているが、
    そのために雪だるま式に増えていく石油消費量が、また頭の痛い問題であった。

    勿論、備蓄はある。普通に使えば1年から1年半分の石油が。
    しかし、備蓄がなくなる前に神賜島の石油開発が軌道に乗るかどうか、まだ予断を許さない。

    船団の数自体が少ないのでまだ助かっている部分はあるが、
    護衛駆逐艦の運用で年間数万トンという石油が余計に失われる。


    リンド海軍艦艇を文字通り全滅させ、リンド王国に協力する海賊等を全て取り締まる
    という、かなり難しい事を実行せねば航路の安全が確保されないのが現状なのだ。

    リンド王国海軍の戦列艦やフリゲート、スループ等の数は全部で200隻以上になる。
    その対応に必要な巡洋艦や駆逐艦は、一体何隻になり、必要な石油や弾薬は
    一体どれ程になるのか、考えただけでも頭が痛くなってくるだろう。


    王都を占領すれば降伏するだろうという見通しが瓦解し、戦争の終結が見えなくなってきた。

    食糧の安定供給という大目標のためには、多少の無理無茶も必要という
    意見もあったが、そのために必要なコストは上がり続けている。

    西大陸方面でそこそこ成功した同じ手を東大陸でもという訳には行かなくなってきた。


    今や、対リンド戦争は食糧の安定供給のためのちょっとした武力支援という当初の
    目論みから、皇国という国家の威信という、厄介なものが付いて回るようになっている。

    これが傷付くと、大目標の達成が難しくなるだろう。
    皇国軍がリンド王国から撤退し、皇国側から自主的に戦争終了という事になれば、
    皇国と通商を結ぼうかどうか決めかねている多くの国が、そっぽを向く可能性がある。

    現在、通商条約を結んでいる国からの目線も、変わらざるを得ないだろう。


    勝たねば舐められる。
    東大陸は人類発祥の地であり、強国、大国も多い場所だ。
    そしてリンド王国は、東大陸でも五指に入る列強国。そこでの勝利は特別な意味がある。

    下手に長引かせるよりも、人員や物資を惜しみなく使い、皇国の決定的な勝利を
    諸国に知らしめる事が何より重要なのではないかという声が高くなってきた。

    皇国の精強さを知れば、皇国をよく知らないが故に安易に対立してしまう国も減るだろう。
    そうすれば皇国がこの世界で生きて行くに必要な資源の調達も楽に進む。
    場合によっては、武威により徴発する事も出来るのだ。

    統合参謀本部は、海軍の第一航空艦隊の出撃を決定した。
    目的は、積極的なリンド海軍の撃滅である。

    今までは、輸送船団を襲ってくるリンド王国軍の軍艦を
    追い払う事に終始していたが、それでは終わりが見えない。

    リンド国王と海軍が停戦と降伏を認めない以上、
    リンド王国軍の軍艦を全て沈没させねば勝利とはならない。

    もはや形振り構っていられないのだ。

    第一航空艦隊に所属する一航戦(翔鶴、瑞鶴)、二航戦(飛龍、蒼龍)、三航戦(天城、赤城)が、
    既に内地を離れて任務に就いている巡洋艦や潜水艦と共同して広い海域の索敵哨戒と攻撃を行う。


    そして、北東大内洋を哨戒していた重巡利根の水偵が木造帆船の
    大艦隊を発見したのは、第一航空艦隊が出撃して10日目の事であった。

    「利根より入電。敵艦隊発見。位置は北東大内洋、フレータル環礁」
    「敵艦隊か! よし、補給を済ませたら急行するぞ」
    第一航空艦隊司令長官には、リンド王国海軍の全滅という難しい任務が
    与えられていたが、司令長官は自身の持つ戦力に相当な自信を持っていた。


    第一航空戦隊(翔鶴、瑞鶴。各艦、零戦24+4機、九九式艦爆24+4機、九七式艦攻24+4機)。
    第二航空戦隊(飛龍、蒼龍。各艦、零戦24+4機、九九式艦爆16+4機、九七式艦攻16+4機)。
    第三航空戦隊(天城、赤城。各艦、零戦24+4機、九九式艦爆24+4機、九七式艦攻24+4機)。

    第七戦隊(最上、熊野、鈴谷、三隈。各艦、零式水偵3機)。
    6個駆逐隊、駆逐艦24隻(陽炎型12隻、朝潮型8隻、白露型4隻。陽炎型の主砲は連装両用砲)。

    その他支援艦艇多数。

    ※最上型巡洋艦は、15.5cm三連装砲(15門)搭載の軽巡洋艦。


    合計34隻(+支援艦艇)、艦上機だけでも400+72機の大勢力である。
    司令長官は、第一航空艦隊の戦力は第一艦隊すら屠れると考えるほどだ。
    事実、昨年行った第一艦隊との合同演習では、戦艦5隻を大破ないし沈没させたと判定された。
    対する損害は、30機程度。1割弱の損害は決して少なくないが、戦果を見れば十分以上だろう。
    戦艦を始め、重巡や軽巡、駆逐艦や補助艦に至るまで対空火器の強化を急速に行うきっかけを作った大演習であった。
    建造中の大和型戦艦など、設計を変更してまで対空砲の大幅な増設を行っている。そのせいで完成が遅れそうなのだが。

    第一艦隊すら全滅させられる程の航空戦力。
    精々大型駆逐艦程度の排水量の木造戦列艦を中心とした艦隊など、鎧袖一触であろう。

    発見さえ出来れば、その敵艦隊の命運は決まったも同然なのだ。


    「利根より入電。敵艦隊の詳細は、大型帆船30隻以上、中小型帆船50隻以上!」
    全部で80隻以上。これは大捕り物だ。

    艦隊の補給が完了すると、司令長官は艦隊の針路を2500km先のフレータル環礁へと命令した。

    利根の水偵は相変わらずフレータル環礁を監視していた。
    船の数は増えに増えて、大型艦(排水量2000t以上程度)38隻、
    中型艦(排水量1000t以上2000t未満程度)36隻、小型艦(排水量1000t未満程度)22隻である。

    戦闘艦はそのうちの2/3程度で、1/3程度は補給艦や連絡艦などであろう。
    中には飛竜母艦も1隻あった。リンド王国海軍の意気が見え隠れしている。


    フレータル環礁まで距離450kmに迫った頃、皇国海軍第一航空艦隊から空襲部隊に出撃命令が下った。
    風上に向けて28ktで突っ走る艦隊から、144機(爆装零戦48機、九九式艦爆48機、九七式艦攻48機)
    の第一攻撃隊が出撃する。

    出撃開始から約1時間半。
    皇国海軍の攻撃隊は、フレータル環礁上空へと迫っていた。


    フレータル環礁は、北東大内洋でも比較的大きな環礁の一つで、南北約12km、東西約15kmの三日月形の環礁である。
    周囲にも複数の小さな環礁があり、全体では南北40km、東西60km程度の大きさの環礁群を形成している。
    この地域に分布する珊瑚は、海水温15度程度の冷たい海に適応したものだ。

    上空から見れば、これが寒冷な北東大内洋の島だとはとても思えないだろう。
    風光明媚な環礁は、元世界の常識から考えれば赤道に近い温暖な海域にある島を思わせる。
    しかし、太陽の昇る角度を測れば、ここが北緯45度の北海道と同程度の緯度にある島だとわかる。

    これから、この美しい島々が戦場になるのだ。

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