深い深い螺旋階段の底に、すやすやと眠るお姫様。
さりとて職業は、姫を茨の壁に閉じ込める魔女。
女看守長ミューミュー(ミュッチャー・ミューラー)は、無防備をさらけだしていた。

「……ん、う~~~~~~~~ん」

右手は重たい瞼をこすり、左手は筋肉を緊張させながら天高く伸ばす。
3時間ほどの睡眠も、激務の彼女にとっては貴重なカンフル剤だ。
しかし彼女は知らなかった。
手のかかるお転婆ファーストレディ、スカーレットがいなくなっていることに。
スカーレットが『ジェイル・ハウス・ロック』の呪縛から逃れたことに。

「――ん? ハッ!」

ミューミューのスタンド『ジェイル・ハウス・ロック』は相手の記憶能力を3つまでに束縛する。
痴呆と化した人間は、3つの思考を堂々巡りにして生き続けるのだ。
その能力は永遠に気づかれない絶対の非戦闘系最強スタンドの一角……のはずだった。

「あたし何で眠……あの女? ――まさかっまさかこの私にッ!? 」

バトルロワイアル主催者、荒木飛呂彦は彼女の知らないところで待ったを掛けた。
圧倒的なな力……このロワイアルに水を差す能力を、健全な状態で修羅場に巻き込ませるのは好ましくない、と。
今のジェイル・ハウス・ロックは欠陥品。ある条件下で自動的に解除されてしまうのだ。

例えば――本人が眠ってしまった場合。

「一服盛りやがったのかァァァァァァァ!!! 」

吼えるミューミューの膝元には、丁寧に置かれたウェッジウッドのティーポットセットがある。
彼女の支給品であり、美味しい紅茶が何杯かいただける優雅な食器家具だ。
わがままを言うスカーレットを宥めるために、何度も煎れてあげたというのに。
当のスカーレットは外出を静止していたミューミューを見限っていたのだ。

「あたしが隕石を見に行ってる隙に……クソッ、完全に油断してたッ!! 」

ちなみにミューミューが飲んだ睡眠薬は2分間で目が覚める程度の代物なのだが……。
スカーレットに付き合わされた精神的ストレスと紅茶の温かさが彼女の睡眠欲を増やしたことを、知る由も無い。
……だがミューミューは己に置かれている恐ろしい状況を理解し始める。
自分の意思でしか解除されない『ジェイル・ハウス・ロック』、その謎の不調。
そして第一回目の放送を聞き逃すという致命的なミスに。


■ ■ ■ 


川尻早人の頑固さに呆れ、説得を断念してから、はや数十分。
進路はH-3サンタ・ルチア駅から真っ直ぐ北に。
途中リゾット・ネエロペッシの戦闘を遠目に確認し、現在地はF-3。

(仗助が死んで、重ちーが死んで、早人が生きてて……)

馬の胴にもたれて名簿にト書きをする男、ラバーソール
彼の足元から首元に纏わり着くスライムのスタンド『黄の節制』は、縦横無尽に形を変化させている。
他人に成りすませるラバーソールにとって、他者の生死のチェックの比重は誰よりも重い。
うっかり死者に変装するようでは、この状況で生き残れはしない。

(次の変装に相応しい相手、よく考えねぇとな)

ラバーソール本人→空条承太郎に割れている→却下
ヴァニラ・アイス→外を歩けない→論外
片桐安十郎→どこかで殺人を犯しているはず→危険人物に化ける→却下
J・ガイル→片桐と同じ(特定の相手には使えるかもしれないが)→却下
川尻早人→本物が負傷して動けないのでアシがつきにくい(オイシイ!)→1人で馬に乗る小学生→微妙、馬を捨てるか?

(仗助のときは上手くいったが、アイツは俺の能力を知らなかったからな)

承太郎たちが俺の能力を誰かに話しているかもしれない→ジョースター一行に化けるのは危険
もし接触した相手が化けた奴の知り合いで、“スタンドを出してくれ”と言われたら→ウェザー・リポートも危険
近くでウロウロしている参加者(ペッシ)に化ける→あいつスタンド使いなのか?

(となると、こいつしかねぇよなぁ、『今』は)

『黄の節制』は大振りのマントに形を変え、悩ましげな顔を象り、長い一束の前髪に曲がる。
その姿はサンタ・ルチア駅で出会った策士ブラックモア
雨が無ければスタンドが使えないと語っていた彼ならば、誤魔化しはききそうだ。

(ブラックモアの知り合いは、会いたくねぇな……)

ブラックモアがアメリカ大統領の護衛官の1人であること。17世紀生まれの人間であること。
彼の素性のほとんどをラバーソールは知らない。他人の身辺調査は変装を趣味とする人間の宿命なのに。
もっとも、彼の知る『他人』のほとんどが、素性の知れない者たちなのだが。


「――ひぃっ! 」

大きく開けそうになった口を慌てて抑えるも、防ぎきれず。
そんな印象を与える叫び声だった。
ラバーソールは有無も言わず、馬に飛び乗って手綱を揺らした。
馬の頭を声の主に合わせて、力いっぱい腹を蹴る。
自分のスタンドがぐねぐねと変身する姿を見られたと、ラバーソールは考えていた。

「ま、待って! そんな、ブラックモアなの? どうしてあなたが……死んだはずじゃ」

微かに聞こえた一言は、ラバーソールの手を強く動かした。
手綱を引かれた馬が、4本足を必死に踏ん張って勢いを止める。

(放送は、聞き間違えちゃいねぇ)

ラバーソールには天地がひっくり返っても気づかぬことだが、この言葉は真実である。
そして彼と邂逅した女性――スカーレット・ヴァレンタインの言葉も真実である。
彼女はブラックモアが死んだ後の世界からバトル・ロワイアルに召還されたのだから。
このブラックモアが本物であろうとなかろうと、スカーレットは同じ質問をしただろう。

「……すみませぇん」

ラバーソールは――真実には辿りつかぬが――彼の口癖をつぶやいた。
ブラックモアが早朝まで生きていたのは、彼の目が見た紛れもない真実。名簿にも認められている存在。
サンタ・ルチア駅から遠く離れたこの地にいた女に、何がわかるというのか。奴の死を語るとは。
この女が一杯喰わそうとしているのか、ブラックモアが己に何らかの形で一杯喰わしていたのか。

「心中お察ししますがぁ、私はこの通り健在でございます。申し訳ありませぇん」

ごくごく当たり前の気持ちを、ラバーソールは吐露した。
演技であろうと無かろうと、向こうが己をブラックモアとして扱うのならば、こちらもその様に振舞う。

「――お気持ちはわかりますが、ファンタジーやメルヘンのような物、ではない世界です」

例え、女の付き添いの男(マイク・O)が怪しげな風船を金属から作り始めても。
例え、女の付き添いの男(マイク・O)が怪しげな風船を鳥に型を取り始めても。
例え、女の付き添いの男(マイク・O)が怪しげな風船を犬に型を取り始めても。

「大統領夫人(ファーストレディ)に挨拶も無しとは大統領補佐関係者失格の世界だ。
 我が風船はお前が何者なのか調査し、かつ偽者ならば危険人物として処刑する世界を兼ねたッッ!! 」

ラバーソールは……7人同盟を結んだ時の行動を少し後悔し始めていた。
物騒な雰囲気から人様に話せない職業を持つ連中の集まりと先入観を持っていたことに。
まさか全身をコートに包んだ卑屈な男が、政府関係者と誰が考えるだろうか。

「お気持ちはわかります。礼を怠った事実は誠に申し訳ありませぇん。責は後ほど受けましょう。
 しかし……私にも解せない世界です。名簿をご覧になられましたか。私は確かに存在(い)ますよ? 」

いつものラバーソールならば、即座にこの2人を始末していただろう。
彼がわざわざ問いただしたのは、『ブラックモアが死んでいる』を疑わない人間の存在。
何を持ってこの2人は確証を得ているのか。
断っておくが、ラバーソールはこの謎が荒木の仕業である――例えば並行世界の統括――とは考えていない。
『他者の生死確認が彼の能力にもっとも重要である』ゆえに、ブラックモアの謎をはっきりしておきたかっただけ。

「ちょっとマイク・O! 名簿ってこれのこと!? どうして話してくれなかったのよ! 」
「既にあなたが読了している世界かと。名簿は不可解な世界です。確かにブラックモアの名が載っています」
「死人なのに……この世界に、どうしてあなたはいるの? あなたはいったい誰なの? 」

彼らの言う『ブラックモア死亡』は、この世界で起こった事実ではない。この世界に招かれる前の出来事。
ラバーソールは……この事実を(推測の域を出ないが)理解した時点で考えるのを止めた。
ブラックモアに関しては謎が残るが、早い話が『ブラックモア変装はリスクが高い』だけ。
ラバーソールの思考回路にある最優先事項決定は、まったく別の方向へとシフトし始めていた。

「私は何者であろうと大統領に使える身。必要とあらば大統領夫人(ファーストレディ)にお供しまぁす。
 怪しいと感じるのならば、今すぐ立ち去ります。我がスタンドは……雨が無ければ何もできませぇんので」
「そうだな……所詮、貴様は雨がなければ何も出来ない世界だ」

パカラパカラと踵を返し、北へ進むラバーソールの馬。
いぶかしむ2人に完全に背中を曝け出している。隙だらけだ。
マイク・Oの野次に振り向くことなく、ラバーソールは背中を見せ続ける。
捨てられる者の悲哀を背中で語ろうというのか。

「つまり雨が降る南に向かわない貴様は、偽者の世界ッッ! 」

しかし対応者はその背中に容赦なく鞭を奮う。
マイク・Oの『バブル犬』と『バブル鳥』の群れは一斉に巨大な得物へ襲い掛かった。
一度得物に触れれば、体内に入り込み、中で破裂を起こす。
風船は相手の体内を突き破り、まるで水風船が破裂するように、血を撒き散らす。
盛大に破裂する風船たちの断末魔に耳を傾ける、それがマイク・Oの日課。

「いいぞ!我がスタンド『チューブラー・ベル――」

今日も、日課は守られる。

「ううっぷぷ!? 」

聞きなれた破裂音のせいで、マイク・Oは判断が一瞬遅れていた。
風船は確かに割れた。ブラックモアに化けたラバーソールのスタンド『黄の節制』に食い込んで割れた。
ところが割れた場所は本体であるラバーソールの体内ではない。

「エメラルド・スプラッシュならぬ、イエロー・スプラッシュかね。警戒を解かなかったのは見事だ。
 さすがSP……気にすんな、背中からスライムの散弾が飛んでくるなんて普通わからねぇよ」

マイク・Oは自分の風船たちが『黄の節制』の飛沫にくっ付いて割れたことを理解した。
ラバーソールの匂いがついていれば『バブル』たちは本体以外も追尾して割れてしまう。
たとえ金属による開放があれど、『黄の節制』には痛みも何もない。
顔に纏わりつくスライムを必死に取り除こうとするが、もがけばもがくほど深みに嵌ってしまう。

「やめろよ……お前はそのまま楽に気が遠のいて『逝く』だけ――だっ!? 」

そのとき、着々と集まり得物を絡め取っていた『黄の節制』が突然爆発と共に吹き飛び、周囲に飛散した。
爆発は一度だけに収まらず、何度も何度も地面や壁を破壊していく。破壊はラバーソール本体付近にもかすった。

「あんたウチの護衛官に何してんのよォォォーーーーーッッ!! 」

■ ■ ■ 

「このすけこましがァァーーーッポ○コチン削りとってやるッ! 」

まさかの反撃にマイク・Oは驚きを隠すことが出来ない。彼の想像を雄に越えていた。
その正体はスカーレット・ヴァレンタインの持つエイジャの赤石。
赤石が通した太陽光は威力を増幅させ、船のエンジンを破壊するほどの怪光線になる。
スカーレットは無我夢中で赤石の秘密を使い、手当たり次第に光線を撒き散らしていた。

「おかげで顔にくっ付いていたスライムがほとんど取れた世界だ」

マイク・Oの顔に覆われていた『黄の節制』は本体ラバーソールの援助のために撤退したのだ。
じゅるりと地を這う姿がなんとも情けなく、マイク・Oはいつの間にか笑い始めていた。
これではどちらが守られているのかわからない。護衛官としては名折れである。
とはいえ、スカーレットのお転婆ぶりを見て、マイク・Oはそれでもいいと思い始めていた。

「あれこそが、我らが大統領夫人(マイ・ファースト・レディ)」

スカーレットと早朝に合流したとき、彼女はマイク・Oの怪我を心配していた。
そっと傷口に触れる手は震えていたのを覚えている。彼女は恐怖してたのだ。
己の身に起こる事実が、夢ではなく現実だと受け止めねばならないことに。
今、目の前の敵を追い払っているが、内心はこの上なく怯え、逃げ出したいはずなのだ。

「野放しの暴力に屈せぬ毅然とした誇り、たれ。流石はあの方が見初めた女性ッ!! 」

スカーレットに、そして彼女の下で働いてる自分に誇りを馳せるマイク・O。
懐にあった金属の束を五指に挟み、口一杯に空気を吸いこむ。
ぷううーーっと膨らむ風船が、彼のやる気を比喩するかの如くムンムン拡大していく。

「ひっひィイイイイああああああああああああ……!! 」

スカーレットに追いかけられているブラックモアは、間抜けにもマイク・Oの射程距離に飛び込んだ。
飛び散るスライムに触れないよう、絶妙な距離をとってバルーンアートを象るマイク・O。
その形はアメリカに、アメリカの主たる女に捧げる特注の薔薇。

「拷問の世界は無い! 今ただちにッ! 処刑するうぅぅぅぅーーーーッ!! 」

薔薇は『黄の節制』を全て覆うほどの特大サイズだった。もはや逃げ場はない。
必死に逃げようともがくも、獲物は薔薇に押しつぶされて動くことができない。
これでは流石の『黄の節制』も中にいる本体ごとまとめて始末してしますだろう。
息切れを起こすスカーレットを抱えて、マイク・Oは風船から離れる。


バンッ


張り裂けた後の残ったのは
緋色に染まる地面とスライムだけだった。

「お疲れ様、マイク・O」
「お疲れ様でした、大統領夫人」

仰々しく改まるとマイク・Oは静かに立膝をつく。
家臣の礼に答えるかのように、スカーレットはしゃがみ、マイク・Oと目線を合わせた。



ゴキッ


そして優しくマイク・Oの首を折った。
天高く伸びる向日葵の茎をねじるように、大きく歪曲させて。
曲がった顔でマイク・Oが見たものは、先ほど自分が生けた薔薇の金属風船による残骸。
その中にある、スライムの塊から見える、長い黒髪の女。

「ガハッ……『彼女』は、ぞごのぞの『死体』は……何だど?……まざが…まざが……」

マイク・Oは知らない。
ラバーソールの『黄の節制』は単なるスライムではなく、変身能力も持ち合わせていることを。
ブラックモアが大きなマントを被っただけの服装なので、彼は気づけなかったのだ。
ブラックモアの全てがスライムから作られているということに。

「ぎざま夫人に何をじだぁぁぁぁぁーーーーー! 」
「とっくに入れ代わってたんだよ。お前が顔のスライム取ろうと必死になってる間にな。
 何のためにお前の顔を覆ったと思う? 一瞬でも目と耳の情報を奪うためだろーが」

スカーレットの反撃は完全にすり替わっていた。
エイジャの赤石の光線も、エイジャ自身が『黄の節制』に包まれてしまえば、太陽光を取り入ることができない。
赤石をスライムで包んだ後、スカーレットの身体全体を覆ってしまえば、呻く人形となる。
ラバーソールはスカーレットに成りすまし、赤石で追い詰めれば、スライムから逃げ惑う餌がマイク・Oに接近する。
マイク・Oに『ブラックモアらしき者』が近づいてきたのは至極真っ当な行為だったのだ。

「てめーでてめーの主人サマ殺しちまったら……世話ないよなぁ!? ヒヒヒヒヒヒヒヒ! 」
「う゛お゛お゛お゛お゛ーーーーーーーーっ」
「ゆっくり寝てな」

スカーレットは部下に助けを求めていた。懸命の抵抗していた。
それなのに家臣は主人を――。


ゴキャリ


「……かはー……」

任務はこれにて終了。護衛官はうめき声を上げて地に伏した。反転させた首が虚ろに宙を仰ぐ。
「さ~て、このままDIOの館に行くか、駅に戻るか」

緋色に染まる2つの物体を、スタンドに食べるよう指示させて、ラバーソールは考える。
サンタ・ルチア駅で悪態をついた川尻早人のふんぞり返りっぷりを。
“余計なことをしてみろ! 僕が死んだらウェザーさんが黙っちゃいない!”――と。
あの時は渋々引き上げたものの、激化するスタンド使いとの戦いに、ラバーソールの不安がよぎる。
マイク・Oやスカーレットに変装せず、川尻早人に変装を選んだのも、極端な戦闘を避けるためだ。
大統領護衛任務の関係者は、マイク・Oの偽者とあらば、容赦なく襲ってくるのだから。

「ケッ足元みやがって。だが敵の情報は多いに越したことはねぇんだよなぁ。
 ……俺の能力に弱点はない。けど面倒くせーなぁ、選択肢が削られていくこの感じ……イラつくねぇ」




【市街地(F-3北東部)/1日目/午前】
【ラバーソール】
[時間軸]:承太郎と戦闘中、ザリガニ食べてパワーアップした辺り。 川尻早人に変装中。
[状態]:健康。仗助、重ちー、マイク・O、スカーレットを食べてパワーアップ!?
[装備]:ヨーロッパ・エクスプレス
[道具]:支給品一式 ×5(内一食分食料と方位磁石消費)、ギャンブルチップ20枚、ランダム支給品×1 (未確認)
    スーパーエイジャ、サブマシンガン(消費 小)、巨大なアイアンボールボーガン(弦は張ってある。鉄球は2個)
    二分間睡眠薬×1、剃刀&釘セット(約20個)
[思考・状況]
基本行動方針:勝ち残り、優勝。溺れるほどの金を手に入れる。
1.やっぱり早人から承太郎についての情報を聞きだすべきだったか?
2.参加者をできるだけ減らす。
3.状況によっては誰かに化ける(ブラックモアは死んだら使うのやめればいいかね、気になるけど)。
4.20時にDIOの館に向かう
5.この鳩、いったいどうしようかねぇ…?

[備考]
※ラバーソールは承太郎、花京院とロワで会った人間に変装できます(その場の状況で考えるようです)。
 偽のスタンド像も出せますが性能はイエローテンパランスです。
 死者の変装は“特殊な状況”にならない限りやらないようです。
※ラバーソールは仗助が自分自身の怪我も治せると勘違いしています。
※鳩は早人が同封した返事分、一回分の便箋を持っています。
※J・ガイル、アンジェロのスタンドについては理解し切れていません。水、及びそれに順ずるものを媒介とするとだけ把握しています。
※悪魔の虹メンバーとほとんど情報交換を行っていません。お互いの名前と姿ぐらいしか正確には把握していません。
※また、駅にいた悪魔の虹メンバーはイエローテンパランスの能力を「顔を変える」と誤解している可能性があります。
※ラバーソールは川尻早人の顔です。素顔を承太郎以外に見せていません。馬を乗り捨てるかどうかは保留。自分より小さい人間にも変装可能のようです。

【二分間睡眠薬】
スカーレットの支給品その1。SBR出典。13巻登場。
ホット・パンツがルーシー・スティールに渡したもの。
飲めば誰でも最低2分間は眠る。スカーレットが原作で飲まされた。
ミューミューが2分間以上寝たのは、この薬+ストレス+紅茶の温(ry
薬は2つあり、うち1つが消費。

【ラング・ラングラーの金属片】
スカーレットの支給品その2。第六部出典。68巻登場。
ラング・ラングラーが無重力による遠心力弾丸の補充用に用意していたもの。
マイク・Oがラバーソール戦で使った金属はこれ。
マイク・Oがラング・ラングラーから奪い取った物ではなく、偶然によるめぐり合わせの模様。

【スカーレット・ヴァレンタイン 死亡】
【マイク・O 死亡】
【残り 57名】

※マイク・Oとスカーレットの死体はほとんど食べられました(金属が邪魔したせいで丸飲みは面倒だった模様)。
 オエコモバと同じような状態です(死体の残骸がかろうじてわかる程度で、個人特定は不可能)。

■ ■ ■ 

ミューミューが覚醒し、ことの現状に慌てふためいているうちに、時計は午前八時を過ぎていた。
その同時刻、同場所にて……探る者が2人。
会話はしない。物音はたてない。目的は施設の調査。
リゾット・ネエロとペッシ両名は、ナチス研究所地下の侵入に成功していた。
正確にいえば、彼らが施設に侵入したのはミューミューが覚醒するずっと前の話だが。

(あの女はただの馬鹿か、自分に自信タップリのどっちなんだろうな)

慎重に慎重を重ねて行動しているが、自身が偶然によって助けられているとは、思いもしないだろう。
もし『ジェイル・ハウス・ロック』が発動し続けていれば、彼らも痴呆の海に飲み込まれていた。
リゾットたちは眠るミューミューを警戒し、接触を後回しにしたのだ。
彼女が眠っているフリをしてこちらの様子を伺っていたとしたら。強力な戦力としてスカウトできる。
今になっても襲われる気配がしないことにも、リゾットはミューミューに対する評を高めていた。
必要以上の戦いを進んで行わない者は、死に急がない。短気だった仲間のギアッチョのようなヘマはしないだろう。

(それにしても……先に調査を優先して正解だった)

いずれにしろ、彼らは今、ナチス研究所の最下階の大きな空洞にいる。リゾットはその異様さに唾を飲んでいた。
『F-2・ナチス研究所駅』と説明のついた時刻表。
エリア中に点在する駅ととここの施設は地下鉄でつながっていたのだ。

(E-7のネアポリス駅と、H-3のサンタ・ルチア駅は地図で確認していた。この駅も経由先の一つか?
 暗い構内を調べたいところだが、灯りを点けるわけにはいかない……まだ見ぬ同居者を探さないとな)

その矢先だった。
片手をバタつかせジェスチャーするペッシに、リゾットが気がついたのは。
ただ、その行動は言葉に表しにくい印象を与えていた。

(ペッシ……俺はお前に近づかない)
リゾットは地下鉄の駅を調べる前に、ペッシに以下の3つを命令していた。
1つ、ナチス研究所と地下鉄駅をつなぐ扉のノブに、スタンド『ビーチ・ボーイ』の釣り針を常に仕掛けておくこと。
1つ、『ビーチ・ボーイ』の針に誰かが触れたらすぐにジェスチャーで伝えること。
1つ、釣竿のスタンド『ビーチ・ボーイ』のパワーとテクニックで、得物を大人しくさせること。

ペッシはこの3つの動作を終える度に、まるでコンセントを抜いた掃除機のように脱力するのだ。
そして一時的な挙動不審になり、再び任務を繰り返す。鸚鵡返し鸚鵡返し鸚鵡返し鸚鵡返し。
……もう、おわかりだろうか?
ペッシが釣り上げた得物は、ミュッチャーミューラーその人。
釣り針に『ジェイル・ハウス・ロック』をかけながらも、暴れるリールに悶え苦しむスタンド使いであった。

「ぶげえぇッ! ば、ばたしが、ばるがっだ……だのぶ、ごろざないべ……」

数分後、ミューミューは『ジェイル・ハウス・ロック』を解除し、正気になったペッシに束縛されることとなる。
強くぶつけた赤い顔を無様に晒す女に、リゾットが真価を見抜くのは時間の問題だろう。
2人とも奇襲タイプのスタンド使い。直接的な戦闘には向いてはいない。初手で全てが決まる。
一歩間違えば、彼らは血を交えながら命を散らしていたかもしれない。

「お前は一人か? この施設にいるのはお前だけか? 返答次第では容赦しない」

痣をさすりながら半ベソをかくミューミューは、少し考えて返答した。

「わだじは、ひどりでず。ごごには、だれぼ、いばぜん」

ミューミューはリゾットにスカーレットのことを話すつもりは無いだろう。
ミューミューもまたスカーレットを見捨てていたのかもしれない。
互いが裏でこっそり三行半をつけて、別れた。お互い損得はなかった。


【ナチス研究所地下鉄駅ホーム(F-2)/1日目/午前】
【暗殺チーム(現在メンバー募集中)】
【リゾット・ネエロ】
[スタンド]:メタリカ
[時間軸]:サルディニア上陸前
[状態]:頭巾の玉の一つに傷、左肩に裂傷有り
[装備]:フーゴのフォーク
[道具]:支給品一式
[思考・状況] 基本行動方針:荒木を殺害し自由を手にする  
1.ナチス研究所を拠点として確保するか考え中。ミューミューをどうする?
2.首輪を外すor首輪解除に役立ちそうな人物を味方に引き込む。
3.暗殺チームの合流と拡大。人数が多くなったら拠点待機、資材確保、参加者討伐と別れて行動する。
4.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断、皆殺しにする
5.荒木に関する情報を集める。他の施設で使えるもの(者・物)がないか、興味。
[備考]
F・Fのスタンドを自分と同じ磁力操作だと思いこんでいます
※F・Fの知るホワイトスネイクとケンゾーの情報を聞きましたが、徐倫の名前以外F・Fの仲間の情報は聞いてません
※荒木=パッショーネのボスを倒す。
※リゾット、及びペッシのメモには以下のことが書かれています。

[主催者:荒木飛呂彦について]

荒木のスタンド → 人間ワープ…見せしめの女の空中浮遊、参加者の時間軸の違い(並行世界まで干渉可能)
         → 精密機動性・射程距離 ともに計り知れない

開催目的 → 不明:『参加者の死』が目的ならば首輪は外れない
           『その他』(娯楽?)が目的ならば首輪は外れるかもしれない 

※荒木に協力者がいる可能性有り


【ペッシ】
[時間軸]:ブチャラティたちと遭遇前
[状態]:頭、腹にダメージ(小)、喉・右肘に裂傷、強い悲しみと硬い決意
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品(数不明)
    重ちーが爆殺された100円玉
[思考・状況] 基本行動方針:『荒木』をぶっ殺したなら『マンモーニ』を卒業してもいいッ!
1.誰こいつ?
2.誰も殺させない。殺しの罪を被るなら暗殺チームの自分が被る。
3.チームの仲間(特に兄貴)と合流する
4.ブチャラティたちを殺す?或いは協力するべきなのか?信頼できるのか?
[備考]
※100円玉が爆弾化しているかは不明。とりあえずは爆発しないようです。
※暗殺チーム全体の行動方針は以下のとおりです。
基本行動方針:首輪を解除する
1.首輪解除のためナチス研究所を拠点として確保する。
2.首輪を分析・解除できる参加者を暗殺チームに引き込む。
3.1・2のために協力者を集める。
4.荒木飛呂彦について情報収集
5.人数が多くなれば拠点待機組、資材確保組、参加者討伐組と別れて行動する

【ミュッチャー・ミューラー】
[スタンド]:『ジェイル・ハウス・ロック』
[時間軸]:幽霊の部屋から出た直後
[状態]:全身に軽い打撲。腫れ上がった顔。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、フーゴの辞書(重量4kg)、ウェッジウッドのティーセット一式
[思考・状況]
1:ゲームには極力乗らない。身の安全を最優先。 ごめんなさい勘弁して。
2:他のスタンド使いを仲間にして、アラキを倒したい。
3:もうスカーレットを仲間だと思うようなことはしないよ(鉄塔に行ったのだろう。勝手に行け)。
[備考]
※ジェイル・ハウス・ロックは特定の条件下で自動的に解除されるよう制限されています。
 ミューミューが寝ると解除されるのは確定しました。
※荒木のスタンドを「ホワイトスネイク」だと思っています。
※スカーレットがどうやってジェイル・ハウス・ロックから逃れたのか、焦っています。
第一回放送を聞き逃しました。

【ウェッジウッドのティーセット一式】
第四部に登場する川尻早人のママ、川尻しのぶのお気に入り。
おいしい紅茶を味わえる高級品質。カップ、ポッド、茶葉が揃っています。一杯飲むと気分が落ち着くぞ。
スカーレットはこれに睡眠薬を盛った。ミューミューはキチンと洗浄してディバッグにしまった模様。


【女看守と大統領夫人  双方の合意の下、解散】


投下順で読む


時系列順で読む


キャラを追って読む


86:Unmistakable ラバーソール 130:ボヘミアン・ラプソディ(前編)
111:ぼくの故郷はアメリカだった マイクO GAME OVER
111:ぼくの故郷はアメリカだった スカーレット・ヴァレンタイン GAME OVER
50:かぐや姫 ミュッチャー・ミューラー 129:活路は前に
101:We Are the Champions リゾット 129:活路は前に
101:We Are the Champions ペッシ 129:活路は前に

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年08月23日 22:42