香霖堂───この舞台の施設の一つとなった、森近霖之助が経営する古道具屋。
多数の雑貨が乱雑する店は、いまや店仕舞いをせざるを得ない状況になっていた。
焼け焦げた跡、焼けた黒猫と、仁王立ちの今にも叫びそうなサイボーグ軍人の死体、
これらだけでも、十分に人を招き入れることに抵抗がある凄惨な光景と化していた。
そして何よりも、この店の店主が既に、物言わぬ存在の一人になっているのだから......
殺し合いの中でギャンブルと言う奇妙にして、
ただのギャンブルでありながら八雲藍と熾烈な戦いを経て、
生き残った者の名前は、ジョセフ・ジョースター、因幡てゐ。
勝者、と言うには少々憚られる。彼等の目的は藍を説得することだ。
しかしそれは叶わず藍は止まることはなく、三人もの仲間を失ってしまった。
人は何かを得る為に何かを賭け、戦う。だが彼等が得たものは、虚しい勝利に近い。
故に、彼等を勝者と称えるべきではない。彼等はガッツポーズで喜べるわけがない。
目先の戦いは終わり、ほんの僅かながらの休息を手に、今は放送を待つ。
てゐは見張りがてら外へ、ジョセフは店の中で寝転がって休んでいる。
解毒剤を飲んだとは言え、麻痺毒で起き上がれないだけでもあるのだが。
休んでる間、ジョセフは三人を横目で見ながら思っていた。
この殺し合いに呼ばれてから最初に出会った少女、橙。
無邪気で外見相応の、文字通りの子猫みたいな子だった。
彼女との出会いが、今に至るまでの半日に及ぶ行動の始まりだ。
解毒剤を飲むことが出来たのは、彼女の抵抗があったからだ。
絶体絶命のジョセフを助けてくれた恩人、霖之助。
気を失う寸前にてゐと話し合って、冗談に聞こえないゾッとするような会話、
そして、此処で再会した時ぐらいしか、彼とはまともに会話をすることがなかった。
故に彼がどういった人物だとかは、余り詳しくは分かってはいない。
けれど、彼が不条理なこの世界で抗い続けた事で、てゐは勝利を掴めた。
それを知っているわけではないのだが、ジョセフは敬意を表さずにはいられない。
シュトロハイム───殺し合いに招かれる前からの知己。
祖国の為なら足の二本や三本どころか、カーズに真っ二つにされた下半身と、
カーズを火山に突っ込んで、その後に失った両足も合わせれば、
計六本の足を失おうとも、祖国の為に戦い続けた誇り高きドイツ軍人。
死体でありながら、すぐ傍で存在感を放っており。今にも動き出しそうである。
今こうしていられるのは、三人のお陰だ。
誰一人、無駄な死ではない。彼等のお陰で、二人は生きていられる。
キィィィ─────ン……
どこからともなく聞こえてくる、耳障りな音。
ジョセフは気を失ってたので、初めて聞く音だ。
『やあ、久し振りだね……参加者の諸君。第一回目の放送時と変わらず、荒木飛呂彦だ。 』
全ての元凶ともいえる諸悪の根源の声が、会場中へと広がっていく。
放送を聴き損ねるような状況でもないので、二人は聞き逃すことはしない。
特に、ジョセフは第一回の放送は察したシーザー以外は又聞きのようなものだ。
情報が正しくなければ、本来味方になりうる人物からも疑われかねない。
心理戦で相手の隙を突くジョセフにとって、情報は武器である。
その武器を捨て置くなんて事は、絶対にしない。
『これにて、第2回放送を終了するよ、』
声は消えて、雨音だけが二人の鼓膜を刺激する。
そんな中───
ドンッ!!
ジョセフが床を強く叩く。
許せない。DIOにプッチ、荒木に太田、そして見ている事しか出来なかった自分に。
チルノはDIOに何かされただけだ、こいしもまだ引き返せたはずだと言うのに。
自分を自嘲気味に疫病神と言ったが、彼が関わった人物の殆どがこの殺し合いの犠牲者と化した。
その上で、プッチ、DIO、柱の男は今も生きている。疫病神どころか、死神にすら思えてくる。
外では音にてゐが反応するが、何の音かはおおよそ察しており、まだ店に戻らない。
彼女も似た考えだ。彼女も出会ったブチャラティの死を知り、幸運とはなんなのかと思う。
幸運の能力を使ったのはジョセフとブチャラティのみだが、彼女と出会う事自体が、本来は幸運なのだ。
けれど、此処では制限されてるのか、彼女が出会った者はどうなった? ブチャラティも、こいしも、チルノも、
先のギャンブルで関わった三人も、藍でさえも生き残ると言う幸運には至らなかった。
自分の幸運は幸運ではなく、他人の幸運を吸い上げ、他人にカスをつかませてだけではないのかと。
倒すべき存在は未だ健在。そして、他にも乗った参加者はいるのだろう。
けれど、二人が目指すは荒木達を倒し、殺し合いを打破する異変解決だ。
DIO達はその道中の敵に過ぎない。前途多難の道で先は思いやられるが、
ジョセフは元からそのつもりとして、てゐも相棒と共に行くと決めた。
自分達が疫病神だと、死神だと思おうとも、諦めることは───ヒーローの資格は失いはしない。
特に何事もなく放送が終了し、店の中へとてゐは戻る。
中に戻れば、ジョセフが軽く準備運動で体を動かしており、
「よし、治ったみてぇだな。」
麻痺毒が大分消えたことを確認する。
多少動きは鈍いが、十分もしないうちに治るはずだ。
先の怪我は短時間で治るはずもないが、調子はまだ良いほうだろう。
「しっかし、俺ってなんでこう毒に縁があんだろうなぁ~~~。
お祓いとかあてにしねえ性質だが、一度やっておいた方が良い気がするぜ。」
改めて彼は思う。人生に三度も誰かに毒を入れられた経験など、
このジョセフ・ジョースター以外に恐らくいないだろう。
・・・・・・人生で何度も墜落をやらかすことについては、
三度目の経験がまだないので特に思わない。
「知り合いに巫女がいるよ。お祓いついでに貧乏神と悪霊を付属してくれるかもね。」
「それぜってぇ、お祓いじゃあねえだろ。」
「じゃあ緑の方に頼む? あっちも何処か頭のネジ外れてるけど。」
幻想郷で頭のネジが外れてない人間など、殆どいないだろう。
外の世界の常識から消えていった存在が集う場所の住人のだから、当然だが。
「外れてない奴はいねえのか?」
思えば、霖之助も気絶する前に物騒なことを口走っていたわけだ。
まともな奴はいないのかと、ジョセフは突っ込まざるを得ない。
「お坊さんならあんまりネジ外れて・・・・・・」
ふと、比較的幻想郷でも常識人たる存在を思い出す。
あれはまともな方だろうと思っていたが、風の噂で、
バイクに乗って駆けていたと言う、はっちゃけた話も聞いたことがある。
風の噂なので、真偽は不明だが。
「ないよね?」
「いや、俺が知ってるわけねーだろ。」
漫才のような雰囲気ではあるが、周りには文字通りの死屍累々。
端から見れば、二人のやってることはなんと不謹慎と思うだろう。
しかし、この場にいた人物の死だけでなく、助けたかった人や出会った存在の死。
二人とも、自分が思っている以上に精神的なダメージは大きいものとなっている。
気が滅入ってる今こそやっておかなければ、ずるずる引きずってしまいそうだった。
とは言え、いつまでも続けるつもりもなく、一息つけばジョセフは真面目な顔つきへと変わり、
「・・・・・・やるか。」
「だね。」
ジョセフがそう言うとてゐも頷き、
散乱するディパックや支給品をテーブルへと集めていく。
ついでに、集める間にこれまでおろそかにしてた情報交換をする。
一応、シュトロハイムと出会った時にもしたのだが、その時は時間軸のずれのせいで、
どうにもそっちに話が行ってしまい、永遠亭の仲間や柱の男について話せていなかった。
と言っても、互いに動く分には問題はなく、散乱すると言ってもそう遠い場所ではない。
柱の男や永遠亭の身内の話を終える頃には、テーブルに多数の支給品が纏められる。
シュトロハイムに刺さってる薙刀は、今すぐ使うわけでもないので一先ず保留。
とは言え、此処を発つなら、敵に使わせないためにも引き抜かねばならない。
橙のディパックから出てきたのは、先ほどの悲劇の引き金とも言える焼夷手榴弾。
威力の強さは、嫌と言うほど理解してるので、二人は使いたくない印象が強い。
エシディシの時以上に残酷な趣味だが、ゲス野郎にかましてやるものとしては上質で、
柱の男はともかく、プッチとDIOに対しては比較的通用するだろう。
「藍のは───ってぬおおおおおっ!?」
次のディパックをてゐが確認していると、驚嘆しながら咄嗟に飛びのく。
その余波が続いたのかのように更に後ろへ、壁際まで後ずさりし、やがてぶつかる。
結構痛そうな音を出していたが、今はそれを感じてる場合ではなかった。
「なんだぁ? びっくり箱でもあったのかぁ~?」
ビビったてゐににジョセフはやけながら藍のディパックに手を突っ込む。
髪の毛のような奇妙な感触を感じながら掴んで引っ張り出し、それを見た瞬間、
「───うおおおおおっ!?」
『それ』には申し訳ないと思いつつも、投げるように手放し、同じように飛びのいて、距離を取る。
投げられたそれは僅かに跳ねた後、床を軽く転がって、やがて止まる。
藍が『これ』を持ってきているとは、てゐはともかく、ジョセフは予想していた。
しかし、あの激戦のせいで、完全にこの存在を忘れてしまった。
出てきたものは───誰かの首。
彼等は知らないが、宮古芳香と呼ばれた者の首である。
「す、すっかり忘れてたぜ・・・・・・あるって思ってたのによぉ~~~~。」
「他にも首は・・・・・・ない、か。」
そっとディパックの中をのぞいてみるも、
同じように首が入っているというわけではなかった。
基本支給品は入っていたものの、死体の首と一緒に入っていた支給品。
しかも、藍は紙に首が入ると知らなかった以上、紙にいれていない。
故に、首から流れた血がディパックや支給品に染み込み、異臭が結構酷い。
使いたいと言う気は起きず、芳香の首は投げ捨てたことを謝りつつ、霖之助の側の椅子に置く。
シュトロハイムのも特にめぼしいのはなく・・・・・・と言うよりめ、ぼしい物は既にくすねた。
彼のディパックから蓬莱の薬をくすねたからこそ、あのギャンブルが成立していたのだが。
残るは霖之助のディパックのみ。此方も基本支給品があり、そして───
「持ってるって言ってたなぁ、そういえば。」
出てきた一枚のディスクを見て、てゐがまじまじと眺める。
自分が持っていたディスクと、殆ど変わりはしない円盤。
けれども、彼自身がスタンドディスクと言っていたものだ。
スタンドディスクであるのは間違いないだろう。
「何だそりゃ? どっかで見たような、ないような・・・・・・」
ホワイトスネイクにディスクを抜かれた時の記憶はあるにはある。
だが、殆ど昏睡状態だったので、おぼろげな記憶しかない。
「これ? 頭に突っ込めばスタンドが使えるようになる奴。
アンタが戦ってた聖職者いたじゃん。あいつの傍に立ってた奴も多分スタンドだよ。」
「ああ、あの時の円盤か。あれスタンドって言うのか・・・・・・んで、スタンドってなんだ?」
「って、知らなかったのね。」
プッチと戦ってた時、ジョセフはある程度互角に戦っており、
てっきりスタンドのことは理解しているものだと思っていた。
故にてゐは先ほどの情報交換で、スタンドディスクについては特に説明していない。
「といっても、私も殆ど分かってないよ。自分の精神が形になった存在って聞いた。」
最初にブチャラティと出会った時も、
大した説明は受けているわけではない。
ドラゴンズ・ドリームは自我(と別の誰かの意志の残滓)を確立しているが、
かといってスタンドの基本を説明をしてくれるわけでもなく。
「とりあえず、誰でもスタンドが使えるアイテムって事。
もう少し細かい情報交換もしたいけど、試しに使ってみる?
これを額に文字通り突っ込むだけで、スタンドは出すことが出来るから。」
てゐにはすでにドラゴンズ・ドリームがある。
他のスタンドを使いこなせる自信もないので、ジョセフに投げるように渡す。
使えば間違いなく混沌を齎すスタンド『サバイバー』が入ったディスク。
嫌な予感がしたから霖之助が避けていた、なんてことを彼等が知るはずがない。
地雷前提のため、スタンドの細かい説明書の類すらないのでは、使わない理由がなく。
「そうだな、試しに使ってみるか。」
ディスクを入れた瞬間、全てが手遅れとなるスタンドなどと知らず、
ジョセフは遠足を前にはしゃぐ子供のように楽しみにしながら、
ディスクを頭にはめ込む───
「って待てよ?」
───寸前、ジョセフの手が止まる。
「あの眼鏡の兄ちゃん、戦えたのか?」
「へ? どうしたのさ、急に。」
「いやね、考えてみたらスタンドが身につくってことは、
プッチの野郎を思い出すと、分身を作るようなもんだろ?
つまりだ、単純に言って一人で二人の戦力になれるってこった。
なら、普通は使うのが当然じゃあないのか? 何で態々ディパック眠ってるんだ?
んで最初に考えたのが、眼鏡の兄ちゃんはこれを必要としないぐらい強かったか、だ。」
戦いが避けられない以上、自衛できるものなら装備するに越したことはない。
特に、自分が弱いと認識しながら主催者へ出来る限り抗っていた彼が、
生き残るために使うか、誰かに渡して使わせるのが、普通の見解になる。
自分に装備する時間も、誰かに渡しておくぐらいの時間はあったはずだ。
けれど装備せず、誰かに渡すこともしないまま放置する理由とは何か。
ジョセフはそれを考えていた。
「いんにゃ、あの店主はからっきしだよ。
戦うなんて無理無理。この殺し合いで最下位狙えるよ。」
危険地帯に足を運ぶなんて無茶な事をしているが、
能力も、本人の身体スペックも常人とさほど変わらない。
あるとすればその能力と知識の豊富さによる、頭の回転の早さだろう。
「じゃあ、こいつを使わなかった理由が別になるのか。
なんでこれを使わなかったのか・・・・・・大体三つになるな。
頭に入れる事を知らなかったか、使えないスタンドか、使う場面が来なかったか。」
いずれにしても、チルノと対峙した時にはったりでやりすごす理由にもなりえる。
これだけでは、ディパックに入っていた答えにはたどり着かない。
「あの店主は見ただけで道具の名前と用途が分かる能力があるけど、あくまで用途。
例えば、これで言えばスタンドを得るディスクって説明が出るかもしれないけど、
『頭に挿し込む事で』って言う部分は分からないんだよね・・・・・・あ、説明書入ってた。」
ディパックを漁れば、普通に使い方を記された紙きれが出てくる。
道具の用途はわかれど、使用方法が分からない能力でも、
これなら使用することは出来るだろう。
「これが頭に挿すものだって分かってて使わなかったか・・・・・・」
残るは二つ。使えないスタンドか使う場面がなかったか。
前者は単純にして明快、後者は戦闘において不向きなスタンドであったのかもしれない。
「あー、考察してるところ、悪いんだけどさ。」
考えているジョセフへ、ばつが悪そうにてゐが手を挙げる。
「何だ?」
「あいつ、スタンドが何か知らなかったっぽいよ?」
『僕の支給品は『スタンドDISC』なる物と『賽子』の3つセットだ。
正直どう扱った物か、使いあぐねている。『スタンド』などと言われてもまるで意味が分からないしね。』
支給品を開示したあの時、彼はそう言った。
スタンドと言う単語は知っていたようではあるが、
同時に、スタンドが何かを理解しているわけでもなかった。
てゐはブチャラティと出会ったからこそ、スタンドに理解があったようなものだ。
二人が出会ったスタンド使いは他にはプッチだけで、プッチも説明はしていない。
てゐだけが唯一スタンドを知っていたことになるが、彼の前では口にしておらず、
霖之助の口ぶりからも、スタンド使いとも出会っていない。となると、
彼がスタンドが何かを知る機会は、恐らく一度もなかった事になる。
もしかしたら香霖堂へ行く間に誰かと出会えていたかもしれないが、
彼がこの道具を使ってないところを見るに、その可能性は低いだろう。
「え、そうなの?」
「と言うわけで、ディスクがあるのはそういうこと。
ってか、それを気にして今更どうなるっての、ジョジョ。」
「ま、それもそうだな。なんにしても頭に入れちまえば答えは出るってことだな。」
ある意味、ジョセフの言うことは正しい。
入れてみればどんなスタンドかは操作すれば分かる。
鬼が出るか蛇が出るか、ジョセフはそのディスクを───
放送を聞きながらも、トラサルディーへと向かう永琳。
死者は十八人と多数ではあるが、余り思うところはなかった。
確かにシュトロハイムは死亡してしまった。協力者が減ったのは痛い。
けれど、彼女の目的はあくまで永遠亭のメンバーの脱出である。
『残念ね』程度にしか思わず、優曇華が襲った藍の脱落を気にしたぐらいか。
どちらかといえば、生存者についての方が思うところは多い。
殺したと妹紅が言った輝夜含めて、永遠亭の者は呼ばれていない。
輝夜は殺したと言った妹紅の戯言は気にせずとも、身を案じる以上安堵の息を吐く。
妹紅は禁止エリアによる自滅を回避し、柱の男も四人とも生存している。
厄介な敵は揃い踏みだが、接触を考えているDIOも生存しているようなので、
特に支障をきたすような状況ではない。
幸い、伝言要因としてはリンゴォがまだ生きている。
てゐや輝夜に会えていれば幸運と思いながら、
川沿いに走り続け───あるものを見つけた。
川の近く、禁止エリアへ向かう時にはなかった死体を見つける。
誰と認識できるかも怪しい、全身焼け爛れた姿は常人なら目を背けるものだ。
医者である以上死体も見てきた、惨い死体でも、目を背ける事もなく直視することは出来た。
たかがギャンブル、されど壮絶な戦いを経た末に死亡した、八雲藍の死体。
優曇華から八雲藍の情報は聞いてこそはいるが、これでは彼女だと認識は無理だ。
今後、何かしらで更に死体が必要になっても、損傷が激し過ぎてサンプルには不向き。
支給品があれば回収したかったが、周囲にはない。なので放っておこうとは思ったが、
力尽きた死体なのに、なぜか腰が少し浮いた状態で曲がっており、永琳は死体を仰向けにする。
「これは・・・・・・腕?」
仰向けにすれば、死体に鉄製の腕が突き刺さっていた。
それが突っかかっていたことにより、僅かに腰が曲がっていただけだ。
香霖堂での戦いでシュトロハイムが飛ばした、鉄製の右腕。
使いにくいが鈍器や防具、或いは義手としての運用が可能だろう。
彼女は医者だ、義手による手術も設備があれば出来なくはない。
・・・・・・もっとも、この腕が義手としての機能を果たせるかは疑問だが。
持ち運ぶのにも特に困らないので、死体から引き抜き、それを紙にしまう。
少し時間は費やしたものの、目的地は殆ど目と鼻の先のようなものだ。
トラサルディーまでもうすぐの所。香霖堂から漏れる灯りを見つける。
空は暗雲により暗く、灯りは陽が沈んだ夜間のように、よく目立つ。
明らかに人がいると知らせており、無用心極まりない感想を抱いた。
なので、あれは誘蛾灯、もとい罠と言う可能性が極めて高い。
傘を閉じて、静かに窓から軽く顔をのぞかせ、内部の様子を探る。
危険人物ならば逃げる。そうでなければ接触を図る。ただそれだけだ。
数分の時間と、雨に濡れるぐらいの損失ならば、特に気にはしない。
「す、すっかり忘れてたぜ・・・・・・あるって思ってたのによぉ~~~~。」
「他にも首は・・・・・・ない、か。」
中を覗けば、出会った参加者から名前すら挙がらなかったてゐが、背丈が高い男と一緒にいた。
同時に、今しがた死亡と分かったシュトロハイムが仁王立ちで薙刀に貫かれ、
他にも死体と、死体か分からない参加者も近くにいる。
(この光景は、どっちなのかしら。)
永琳は考えた。
てゐ達は乗っているのか。てゐ達が身を護った結果、こうなったのか。
てゐ達が来る頃にはこの店は既にこうなってたのか。加害者、被害者、第三者。
推測は無数、しかし全てにおいて確実性にかけていて、情報が足りなさ過ぎる。
此処で何がおきたのかをある程度把握しなければ、今入るのは愚行と言うもの。
また、男もシュトロハイムの言うジョセフ・ジョースターの挙げた特徴に近いが、
今のところ確信は持てない。まだグレーの段階として、永琳は警戒を続ける。
「って待てよ?」
「あの眼鏡の兄ちゃん、戦えたのか?」
「へ? どうしたのさ、急に。」
再び顔を覗かせれば、誰かの話をしている。
てゐは何時も通りで、妹紅と違って未だ正常のようだ。
けれど、どこか逞しいというか、精悍な顔つきに感じる。
以前の彼女ならば、そういう表情は見受けられなかった。
『未来』の彼女なのか、それともこの殺し合いで成長したのか。
「え、そうなの?」
「と言うわけで、ディスクがあるのはそういうことだよ。
ってか、それを気にして今更どうなるっての、ジョジョ。」
ジョジョ───ジョセフ・ジョースターのあだ名と聞いている。
シュトロハイムが言っていたジョジョと言うのは、彼で間違いないだろう。
けれど、まだ接触しない。彼は安心できる人物と、断言するのにはまだ早い。
優曇華が乗らないと思っていた藍に襲われ、彼女も乗っていないと思っていた妹紅に襲われた。
この極限の状況下では、人は短時間で見違えて変化する。良い意味でも、悪い意味でも。
思い込みはしない。思い込むのは何よりも恐ろしい。
「ま、それもそうだな。なんにしても頭に入れちまえば答えは出るよな。」
妹紅のような事態には陥ってはなさそうだ。てゐとの会話も、スムーズに進んでいる。
声をかける分には安全だ。てゐの仲介もあれば、敵ではないことは示せるはず。
問題は、まだこの惨状の元凶かどうかがいまいち分かっていない事だ。
時間軸のズレもあいまって、知己でも口論や何かしらの問題が起きかねない。
完全なシロとは言い切れない現状、確信を持つ手段を画策していると───
「ところで、アンタは何時まで俺達を見てるつもりだ?
まさか隙が出来るまでずぅ~~~~っと壁に張り付いてるのか?」
頭に円盤状のものを突っ込もうとした寸前、
男が視線を窓───すなわち、彼女へ向けなら言葉を紡ぐ。
(!?)
「え、誰かいるの? ってかなんでいるって分かるの?」
てゐは全く気づいてなく、焦った表情でジョセフの視線の先の窓へ視線を向けた。
別に、永琳は隠密行動に長けているわけではないが、かといってしくじった覚えもない。
答えは、永琳やてゐの知識の外にあるものだ。
「ヒヒ、ちょっとした波紋の応用ね。」
ジョセフはスタンドについて殆ど知らないが、てゐもまた波紋について殆ど知らない。
二人からはデイバッグに隠れて見えないが、ジョセフの左手にはペットボトルの水が渦を巻いている。
波紋によるレーダーを用いて、少し前から誰かが隠れていることには気がついていた。
ただ、首の件で呼吸が乱れて機能を失い、気づく事が出来たのは、ディスクを挿し込む寸前。
ディスクを入れた時どうなるかは分からない。もしかしたら一瞬だが視界が見えなくなるとか、
そういう一瞬でも何かしらの隙が出来たらまずい。故に、その寸前に適当な雑談に興じた。
無論、相手に悟られないように突拍子もない話ではなく、今までの話に繋がるような内容で。
適当に話をして、様子を伺う。誰かいることは分かったが、敵なのか味方までは分からない。
敵ならば隙を突くだろうと、ディスクを入れる素振りを二度も見せたが、まだ出てこない。
味方だとしても、この死屍累々の状況を誤解してもおかしくはなく、下手に刺激も出来なかった。
けれど、いつまでも放って置くわけにも行かないので、ジョセフは声を掛ける。
(敵意はなさそうだし、素直に従った方がいいわね。)
見つかってる以上、隠れるだけ無駄と言うもの。
警告してくる以上、乗っている可能性もないだろう。
無駄に長引かせては余計に疑われてはかなわないので、
素直に近くの玄関から姿を見せる。
「あ、お師匠様!!」
半日と言う、長い年月を生きるてゐにとって、瞬きに過ぎないような時間。
余りにも短い時間のはずが、何十年ぶりに再会する友人のような気分を感じた。
やっと会えた永遠亭のメンバーにてゐは駆け寄るも、
「感動してるところ悪いのだけど、拭くものってないかしら。」
聞き耳立てるために傘はしまったので、永琳はいまやずぶぬれである。
足元に水溜りは当然で、今も髪やら手やら、雫は絶え間なく落ちていく。
「りょ、了解!」
普段の関係を忘れることはなく、てゐは足早に店を散策する。
話には聞いていたが、上司と部下と言う立場は想像がつかず、
今のてゐの行動に、ジョセフは唖然としてしまう。
「シュトロハイムから聞いているわ、ジョセフ・ジョースター。
この文字通りの死屍累々の状況の説明、してもらえるかしら?」
「あ、ああ。わかった・・・・・・」
唖然としているところ、すぐに現実に引き戻され、
二人はテーブルについて説明を始めた。
青年会話中......
「てゐが生きてるのは、貴方達のお陰なのね・・・・・・礼を言うわ。」
てゐが持ってきたタオルで顔を拭きながら、永琳は言葉を紡ぐ。
仲間との脱出こそ最優先で、他人が脱落しても構わない考えだが、
だからといって、身内を助けられた者へ礼が言えない人物ではない。
この場にいた者達のお陰で、てゐは今もこうして生きていられる。
その事については、彼女は本心からジョセフへ、死者に感謝している。
(シュトロハイムの右腕が刺さっていたのは、その八雲藍か。)
窓の位置で分かりにくかったが、シュトロハイムの右腕はない。
先ほど拾ったのも右腕で、右腕が彼ので、先の死体が八雲藍なのはおおよそ察した。
けれど、それらは大した問題ではない。ただの一つの過程を知ったに過ぎない。
(それよりも、問題なのは───彼等。)
一方で、二人の目的であるこの異変の解決は、彼女を悩ませた。
脱出優先であることから、そのことについては賛成ではある。
だが、異変解決の荒木と太田の打倒は、能力を奪う機会が失われるかもしれない。
或いは、能力の奪う手段を確立する前に解決されて、終わってしまうのではないか。
現在は何にも至ってない白紙の計画ではある以上、気にするほどではないとは思うが、
それは此方も同じ事で、爆弾のことについても余り調べきれていない。
どうするか。穏やかな表情ではあるものの、内心は少し焦っている。
「お師匠様の動きは何時も通りって感じだね。ほい、ジョジョも。」
タオルの他にもお茶を出しながら、てゐは言う。
戦力よりも人脈や情報収集を優先。厄介な相手はいたが、
誰かしらと出会っても激戦に至る事はなく、やり過ごす。
月の頭脳と謳われた彼女らしい立ち回りは、流石と言うべきだ。
・・・・・・無論、実験の為に色々やったことはある程度伏せているが。
「おう、サンキューな・・・・・・って何だこれ?」
「何って、お茶だけど? ああ、ジョジョって紅茶派?」
「ああ、お茶ね・・・・・・ってゴミ入ってるじゃあねえか!」
「茶柱だアホ! 寧ろ立ってたら良いことあるんだよ!」
ギャーギャー騒ぐ二人を見ながら、思索をめぐらせる。
もしも、トントン拍子で異変を解決されてしまえば、目的は達成できない。
かといって中止させたり、妨害させるのも難しい。やりすぎれば乗っていると疑われるし、
何より、相手は脱出させたいてゐだ。てゐを死なせないように補佐しながらも、
異変解決もすぐにはさせないが、それでも解決を目指し、荒木と太田から能力の奪取。
凄まじい難題だ。輝夜の難題の一つにでも組み込まれても良いのではないかと思えるほどに。
そう考えていると、視界の隅に映る、一人の参加者だった存在。
「そういえば、あの首だけど・・・・・・」
永琳が視線を向けるは、霖之助の隣の椅子に置かれた、芳香の首。
「あれか? あれは藍が持ってた奴だが・・・・・・知り合い、だったのか?」
先ほどの放送で呼ばれた名前と、
妹紅が呟いていた人物の名前が一致し、
なおかつ破いた写真に写っていた少女。、
「いえ、知らないわ。さっきの話で出てこなかったから聞いただけよ。」
けれど、別に関係ない事だ。
妹紅を戻したいと思うつもりはなく、『アレ』は最早手遅れだ。
彼女がどういう人物だったか知った所で、なんら意味はない。
自分にとっては、知己でもなんでもないのだから。
「さて、と。ひと段落着いたところで・・・・・・」
話も一通り終わり、ジョセフは机に置いたディスクを手にする。
「それにしても、そういう手段で得られるのもあるのね。
スタンドについてはリンゴォから聞いてはいたけれど。」
「今度は邪魔がないように、確認してと。」
いい加減使ってみようと、波紋探知機でも人数はこの場にいる者の数だけ。
誰からも妨害はされることはないはずだ。
「それを終えたら、トラサルディーに向かっても良いかしら?
輝夜が待っているかもしれないから。」
「おう、分かったぜ。」
今度こそ額へディスクを運ぶ。
そしてディスクを挿し込み、悲劇を───
「ん?」
「え?」
「へ?」
───招かなかった。
まだ、ジョセフの額にディスクは入っていなかった。
挿し込む寸前に、三人はあるものに気づき、声を上げて止まった。
声を上げた理由は───音だ。静かにうなり声を上げる、機械音。
三人が音の元凶となる場所へ視線を向け、視線の先にあるものは───
パソコン。
デスクトップのタイプの、白を基調とした古めのパソコン。
何もしていないのに勝手に起動し、音を立てながら立ち上がる。
「何だぁ? このテレビみてーな箱は。」
パソコンなんてジョセフの時代には存在しない。
だから、テレビのような物体としたものとしか認識できなかった。
「店主がいつか言ってた式神だね。操作方法知らないけど。」
てゐは何度か通った以上、これが何かは聞き及んでいる。
もっとも、店主自体がこれの用途は分かってただけで、
使い方を分かっていたかは、今となっては分からないが。
起動し、質素な緑だけの背景の画面へと切り替わる。
スタート画面やら何やらも後を追って出てくるが、
二人には使い方が分からないので、あぐねてしまう。
「これ、私が操作しても良いかしら?」
とは言え、此処で悩んでも仕方がない。
悩む二人をよそに、永琳がパソコンの前の椅子へと座る。
「アンタ、こいつが何かわかるのか?」
「分からないけれど、なんとなくは分かるわ。」
医者であるが故に、機械にも多少の心得はある。
あくまで多少レベルであって、パソコン自体操作したことはないので、ほぼ直感だ。
けれど、二人よりかは間違った行動もしないだろう。
「俺達じゃあ出来るわけでもねえし、任せるぜ。」
自分達が特に出来ることもないので、操作は永琳に任された。
マウスを、カーソルを動かしてパソコンの画面内を動く。
ジョセフもてゐも、パソコンと言うものが分かってないので、
物珍しげに永琳が操作しているところを画面を見つめる。
『まるで子供みたい』と、微笑を浮かべながら、永琳はパソコンを操作する。
デスクトップのショートカットアイコンがあったのは、メールボックス。
スタート画面を押すと、幾つか項目は出てくるも、どれを指してるか分かりにくい。
外的要因で電源がついたものだ。恐らくは目立つ存在に何かしらあるのだろう。
目立つといえば、ショートカットアイコンが唯一存在する、メールボックス。
カーソルを合わせクリックするも、右でクリックしたことで更に項目が確認され、
余計にどれを選べば良いかわからなくなったが、今度は左クリックでメールボックス押す。
右クリックで出てきた項目は消え、メールボックスが開かれる。
メールボックスを開けば、案の定メールが一件入っている。
タイトルは───
『ジョセフ・ジョースターへ。太田、といえば分かるよね?』
【D-4 香霖堂/真昼】
【ジョセフ・ジョースター@第2部 戦闘潮流】
[状態]:精神消耗(大)、胸部と背中の銃創箇所に火傷(完全止血&手当済み)、てゐの幸運
[装備]:アリスの魔法人形×3、金属バット
[道具]:基本支給品、毛糸玉、綿、植物油、果物ナイフ(人形に装備)、小麦粉、三つ葉のクローバー、香霖堂の銭×12、スタンドDI
SC「サバイバー」
[思考・状況]
基本行動方針:相棒と共に異変を解決する。
1:太田!? ってか、俺を名指し!?
2:こいしもチルノも救えなかった・・・・・・俺に出来るのは、DIOとプッチもブッ飛ばすしかねぇッ!
3:シーザーの仇も取りたい。そいつもブッ飛ばすッ!
[備考]
※参戦時期はカーズを溶岩に突っ込んだ所です
※東方家から毛糸玉、綿、植物油、果物ナイフなど、様々な日用品を調達しました。この他にもまだ色々くすねているかもしれません。
※因幡てゐから最大限の祝福を受けました。
※永琳、てゐと情報交換しました
【因幡てゐ@東方永夜抄】
[状態]:黄金の精神、精神消耗(大)、頭強打
[装備]:閃光手榴弾×1、スタンドDISC「ドラゴンズ・ドリーム」
[道具]:ジャンクスタンドDISCセット1、蓬莱の薬、基本支給品、他(コンビニで手に入る物品少量)
[思考・状況]
基本行動方針:相棒と共に異変を解決する。
1:太田!?
2:暇が出来たら、コロッセオの真実の口の仕掛けを調べに行く
3:柱の男は素直にジョジョに任せよう、私には無理だ
[備考]
※参戦時期は少なくとも星蓮船終了以降です(バイクの件はあくまで噂)
※制限の度合いは後の書き手さんにお任せします。
※蓬莱の薬には永琳がつけた目盛りがあります
※永琳、ジョセフと情報交換しました
(まさか、太田が直接接触してくるなんて・・・・・・!)
流石に予想外だった。
こんなにも早く、しかも向こうからの接触。
(もっとも、主催者と関わりのある人間は既に複数いるのだが。)
これからどうするか悩んでいた矢先にこれだ。
しかも、異変解決に臨むジョセフを名指ししている。
話を切り上げて、トラサルディーは向かってる場合ではなくなった。
太田は一体、何をするのか、それは月の頭脳をもってしても分からない。
分かることは一つ。彼女の目的は───輝夜の難題を超えるであろう難題ということだけ。
【八意永琳@東方永夜抄】
[状態]:精神的疲労(小)、かなり濡れている(タオルで拭いてる)
[装備]:ミスタの拳銃(5/6)@ジョジョ第5部、携帯電話、雨傘、タオル@現地調達
[道具]:ミスタの拳銃予備弾薬(残り15発)、DIOのノート@ジョジョ第6部、永琳の実験メモ、幽谷響子とアリス・マーガトロイド
の死体、永遠亭で回収した医療道具、基本支給品×3(永琳、芳香、幽々子)、カメラの予備フィルム5パック、シュトロハイムの鉄製右
腕@第2部
[思考・状況]
基本行動方針:輝夜、ウドンゲ、てゐと一応自分自身の生還と、主催の能力の奪取。
他参加者の生命やゲームの早期破壊は優先しない。
表面上は穏健な対主催を装う。
1:・・・・・・どうする?
2:レストラン・トラサルディーに移動
3:輝夜の捜索、一応リサリサの捜索
4:しばらく経ったら、ウドンゲに謝る
5:柱の男や未知の能力、特にスタンドを警戒。八雲紫、藤原妹紅に警戒。
6:情報収集、およびアイテム収集をする
7:計画や行動に支障が出ない範囲でシュトロハイムの事へ協力する
8:リンゴォへの嫌悪感
[備考]
※参戦時期は永夜異変中、自機組対面前です。
※シュトロハイムからジョセフ、シーザー、リサリサ、スピードワゴン、柱の男達の情報を得ました
※『現在の』幻想郷の仕組みについて、鈴仙から大まかな説明を受けました。鈴仙との時間軸のズレを把握しました
※制限は掛けられていますが、その度合いは不明です
※『広瀬康一の家』の電話番号を知りました
※DIOのノートにより、DIOの人柄、目的、能力などを大まかに知りました。現在読み進めている途中です
※『妹紅と芳香の写真』が、『妹紅の写真』、『芳香の写真』の二組に破かれ会場のどこかに飛んでいきました
※リンゴォから大まかにスタンドの事は聞きました
※てゐ、ジョセフと情報交換しました
○永琳の実験メモ
禁止エリアに赴き、実験動物(モルモット)を放置。
→その後、モルモットは回収。レストラン・トラサルディーへ向かう。
→放送を迎えた後、その内容に応じてその後の対応を考える。
→仲間と今後の行動を話し合い、問題が出たらその都度、適応に処理していく。
→はたてへの連絡。主催者と通じているかどうかを何とか聞き出す。
→主催が参加者の動向を見張る方法を見極めても見極めなくても、それに応じてこちらも細心の注意を払いながら行動。
→『魂を取り出す方法』の調査(DIOと接触?)
→爆弾の無効化。
※テーブルに橙、シュトロハイム、霖之助、藍のディパック(中は全員基本支給品のみ)、賽子×3、トランプセット(JOKERのみト
リックカード)、マジックペン、焼夷手榴弾×2、飲みかけの茶が入った湯飲み(ジョセフのだけ茶柱)@現地調達が置かれています
店内に橙の死体、霖之助の死体、秦こころの薙刀が突き刺さったまま仁王立ちのシュトロハイムの死体があります
また、霖之助の側の椅子に宮古芳香の首が鎮座してます
川の近くに藍の死体があります
最終更新:2017年09月29日 02:02