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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - Tさん-a-11

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 ――そっちが仕掛けてこない限り、こっちからも仕掛けるつもりはない。
 そう言って俺たちの所まで歩いてきたのは、短い銀髪の兄ちゃんと長い黒髪の姉ちゃんと――
「……なんで八百屋さん?」
 THE・八百屋な格好のおっさんだった。
「人形頭に乗っけてる奴に言われたくねえよ」
「あ、テメ、リカちゃんに突っ込み入れる前に人一人背負ってるTさんの方に突っ込めよ」
「なの」
 人形より人の方が目立つだろうに、そう思っていると黒髪の姉ちゃんの方がリカちゃんが喋るのを見て、
「あ、かわいい……」
 と呟いた。
 とりあえず顔見せが終わったところで短い銀髪の兄ちゃんが一行の前に出て、
「さて、顔を突き合わせたところで」
 交渉を仕掛けてきた人と同じ声で言った。
 うむ、とTさんは俺の横で頷き、
「いろいろと確認し合おうか」
 そして対話が始まった。


            ●


 なにやらめんどくさそうな会話を始めた二人を見てなんとなく思う。
「うーん、微妙に似てるかもしれねえなー」
「お兄ちゃんとぎんのかみのおじさん?」
 リカちゃんも似たような意見のようだ。頷いて、
「そうそう、――世間に溶け込んでるように見えてその実何故か一部分で大きくズレてたりしてそうな辺り、特に」
「ズレてるの?」
「ズレてない人間は光の玉とかぽんぽん撃ったりしないんだぜ?」
 そんなことを話していると、
「……あの」
 長い黒髪の姉ちゃんが窺うように話しかけてきて、
「ん? どうした姉ちゃん」
 姉ちゃんは俺の頭上を見、
「その子、見せていただいてもよろしいですか?」
 興味ありげに言ってきた。
 あー、珍しいだろうからなー。
「おーけーおーけー」
 笑顔で頭からリカちゃんをとって姉ちゃんに渡す。
 姉ちゃんは正面からリカちゃんを見て、
「お名前は?」
「わたし、リカちゃん」
「あ、俺はTさんの契約者な」
 そんな感じで交流を図っていると暇そうにしてた八百屋スタイルのおっさんが声をかけてきた。
「ほお~、この人形本当に生きてんのか?」
「生きてるの!」
 応えるように手をビシッと挙げたリカちゃんを見ておっさんは、
「すげぇなー」
 目を丸くしていた。
「あ、私は聖未来です。占い師さんの契約者です」
 どうやらこの姉ちゃんは契約した都市伝説≪必ず当たる占い師≫と同じような占い師になるために頑張ってるらしい。
 健気だ。
 占い師の姉ちゃんに続いておっさんも自己紹介してくれた。
「俺は八百屋の大将な」
「あ、本物の八百屋さんなんだ」
「こんな格好趣味でする奴いんのかよ?」
 ……ほら、女装とかする人、いるしさ…………させてたとかそんな言葉聞こえない聞こえない。
「今度買いに来いよ」
 八百屋の大将はニカッと笑う。
「安くしてくれよ」
「ああ、ただし、店は戦場だぜ?」
「よし、Tさんに任せよう」
「アッハハ、そいつぁいい!」
「だよなー!」
 笑い合っていると、
「――っておいそこっ!」
「ん?」
「なんなの?」
 ≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃんがこっちを指さしてきた。
 Tさんもコーラの兄ちゃんを背負い直しながら、
「契約者よ、一応正体が掴めるまでは警戒しておこうか」
 多少呆れたように言われた。
「んなことTさんがやってくれてるじゃん。とりあえず大丈夫だって判断したから俺が親交を深めるのを止めなかったんだろ?」
 Tさんを見返して言うと、
「まあ、な」
 ため息と共に頷いた。
 その後Tさんは≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃんに向き直り、
「敵対性は無し、とりあえずこの騒ぎの原因を叩きにいくという目的は一緒。それが俺の判断だ。そちらは?」
「能力に関する虚偽が見受けられないし、まあ信じてもいいだろう」
 そうか、
 Tさんはそう言うと今度は俺に話しかける。
「契約者」
「ん?」
「≪スパニッシュフライ≫がこの青年を操っていたらしい。最悪契約者も飲む可能性がある、気をつけろ」
「お、おう」
 ≪スパニッシュフライ≫ってーとアレだ。確か媚薬効果のある蠅だったっけか。
「リカちゃん、もしもの時は俺を殴り倒して気絶させてくれ」
「わかったの」
 くれぐれも頼む、とリカちゃんに言ったTさん。続けて、
「校内の構造も大体把握した、変に迷うこともなくなるだろう」
「学校で迷うもくそもないと思うけどな」
 それもそうだな、と軽く笑うTさん。そこに≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃんが、
「ところで二階へ上がる手段を持ってるか?」
 変なことを訊いてきた。
「え? んなもん普通に上がっちまえばいいんじゃねえの?」
「それがそうもいかない。≪13階段≫の契約者の能力が階段に張られていた」
「≪13階段≫か」
 Tさんが腕を組む、≪13階段≫か、たしか、
「くろふくのおじさんがいってたの」
「黒服のおじさん?」
 怪訝な顔をする占い師の姉ちゃんに、
「知り合いだ」
 と言って、Tさんは持っている一味の情報を全て話しだした。
「――俺たちが今持っている一味の情報の全てだ」
 話が終わったのを見計らって確認する。
「マッドガッサーって屋上にいんだよな」
「ああ」
 ≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃんが頷く。
「外には≪魔女の一撃≫がいるという話だったな」
 Tさんは唸っている。
「あの魔法陣もその魔女のせいだったりすんのか?」
 魔女という単語に連想して訊いてみる。
「おそらくそうだろうな」
 それなら、と占い師の姉ちゃんが言う、
「屋上に行くには階段を上る方が安全ですよね?」
 ≪必ず当たる占い師≫の兄ちゃんが返答する。
「≪13階段≫がなければな」
 Tさんは腕組みを解くと、
「では、――階段を破壊するか?」
 階段に向かって歩いて行きながら言った。
「あー、食堂もう既にあんなだし、ま、いいか? 壊しちまっても」
 他に方法ないならそれでもいいんじゃねえかな。と思いながら同意する。
「≪夢の国≫の時もいろいろと直っていたな。黒服さんは携帯の電源を切っているようだし、――ミサイルの爆発は午前零時という話だったな?」
「間違いなく」
 では、
「彼らになら直せると信じて、破壊させてもらおうか」
 そう言って階段の前に立った。
「Tさんまたあの人に頭が上がんなくなるな」
 にやけながら若干意地悪に言ってやると、
「……この青年を助けたのでチャラには……ならんか」
 ため息をつきながら手を突き出した。





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