恐怖のサンタ クリスマス編 Epilogue

12月22日 晴れ
今日、私はこの世に生を受けた。
理由は、個人のちょっとした嫉妬。
久々に現世に誕生したと思ったら、これだ。
現れる度、私たちは嫌がらせや諍いに使われる。
困ったものだ。
神は、彼ら人間に感情を与えるべきではなかった。
……そうすれば、私とてこのような思いをせずに済んだだろうに。
理由は、個人のちょっとした嫉妬。
久々に現世に誕生したと思ったら、これだ。
現れる度、私たちは嫌がらせや諍いに使われる。
困ったものだ。
神は、彼ら人間に感情を与えるべきではなかった。
……そうすれば、私とてこのような思いをせずに済んだだろうに。
12月23日 曇り
指揮系統の確認、及び学校町の下見を行った。
どうにも、都市伝説が多い。
このような町で騒ぎを起こすなど、愚の骨頂である。
なぜ契約者はこのような土地を選んだのか。
人間の思考は、理解できない。
作戦開始時刻は、明日午前零時。
もう後、1時間もない。
どうにも、都市伝説が多い。
このような町で騒ぎを起こすなど、愚の骨頂である。
なぜ契約者はこのような土地を選んだのか。
人間の思考は、理解できない。
作戦開始時刻は、明日午前零時。
もう後、1時間もない。
12月24日 雪
何という事でしょう。
この世に、このような感情があったなんて。
あの契約者二人に叩かれ、嬲られたあの、快感。
あの甘い感情は、一体何なのでしょうか。
生を受けてから今まで、私にはなかった感情。
ああ、まさかこれは……恋!
この世に、このような感情があったなんて。
あの契約者二人に叩かれ、嬲られたあの、快感。
あの甘い感情は、一体何なのでしょうか。
生を受けてから今まで、私にはなかった感情。
ああ、まさかこれは……恋!
12月25日 雪
何があったのかはわかりません。
契約者が酷くご機嫌で帰ってきました。
その傍らには、一人の女性。
以前に契約者が写真を持っているのを、見た事があります。
……ただ、彼女は死んだはずですが。
何がどうしてそうなったのかは知りません。
しかし、契約者が幸せそうで何よりです。
私も、この恋を実らせねば。
契約者が酷くご機嫌で帰ってきました。
その傍らには、一人の女性。
以前に契約者が写真を持っているのを、見た事があります。
……ただ、彼女は死んだはずですが。
何がどうしてそうなったのかは知りません。
しかし、契約者が幸せそうで何よりです。
私も、この恋を実らせねば。
12月26日 雪
本日、日付変更と共にサンタは全て消え去りました。
……私を除いて。
どうやら、私が「目覚めて」から約一日半。
色々な所に首を突っ込んだのが原因なようです。
車に轢かれそうだったおばあさんの代わりに私が轢かれたり、火事の中に飛び込んでたまたま見つけた少女を助けたり。
全部私の欲求を満たすための副産物だったわけですが、どうやらその行動のおかげで、私は別の都市伝説と結びついたようです。
……私を除いて。
どうやら、私が「目覚めて」から約一日半。
色々な所に首を突っ込んだのが原因なようです。
車に轢かれそうだったおばあさんの代わりに私が轢かれたり、火事の中に飛び込んでたまたま見つけた少女を助けたり。
全部私の欲求を満たすための副産物だったわけですが、どうやらその行動のおかげで、私は別の都市伝説と結びついたようです。
私と結びついたのは、「主人公補正」
車に撥ねられても、炎で燃やされても、兄貴に弾かれても、死なず、誰かを救う。
そんな私を見て、人々が噂し、そして結びついたようです。
おかげで、私は不死性や急速な治癒能力、また少しばかりの運も手に入れました。
車に撥ねられても、炎で燃やされても、兄貴に弾かれても、死なず、誰かを救う。
そんな私を見て、人々が噂し、そして結びついたようです。
おかげで、私は不死性や急速な治癒能力、また少しばかりの運も手に入れました。
これはまさに、神様のくれたチャンス!
愛しの人二人を追えという、神様の思し召し!
昨日わざわざ縁結びの神様にお祈りをした甲斐がありました。
もはや私と愛しの人二人の前には、何の障害もありません。
愛しの人二人を追えという、神様の思し召し!
昨日わざわざ縁結びの神様にお祈りをした甲斐がありました。
もはや私と愛しの人二人の前には、何の障害もありません。
明日から愛しの二人をストーk……調査して、二人の好みのスタイルになろうと思います。
クリスマスの終わった今、私には固定された「姿」というものが存在しません。
それこそ自在に、女性にだってなれます。
ふっふっふ……待っててくださいね、愛しの人よ。
クリスマスの終わった今、私には固定された「姿」というものが存在しません。
それこそ自在に、女性にだってなれます。
ふっふっふ……待っててくださいね、愛しの人よ。
12月27日 曇り
契約者の恋人がなぜ、現世に再び舞い戻ったのか。
それがようやく、判明しましたので、ここで報告致します。
どうやら、彼女が取り憑かれ、契約したのは「磯良」と言う都市伝説らしいです。
とある女の嫉妬を題材にした昔話に登場する、一人の女性の事ですね。
物語の内容自体は長いので割愛致しますが、その中に「亡霊の彷徨う期間」に関する説明があるそうです。
その期間は日にして49日間。その間亡霊は現世を彷徨い、憎むべき相手を呪い殺そうとするわけですね。
今回、恋人さんはどうやらこの「49日間」と言う現世を彷徨う期間を契約によって延長、半年もの長い間ずっと現世と冥界の狭間を彷徨い続けてきたらしいです。
その苦しみはいくばくか、私には想像もできません。
おかげで半霊化までしてしまい、それでも現世に戻ってきたのですから、やはり愛は偉大なのでしょうね。
私も、負けてはいられません。
それがようやく、判明しましたので、ここで報告致します。
どうやら、彼女が取り憑かれ、契約したのは「磯良」と言う都市伝説らしいです。
とある女の嫉妬を題材にした昔話に登場する、一人の女性の事ですね。
物語の内容自体は長いので割愛致しますが、その中に「亡霊の彷徨う期間」に関する説明があるそうです。
その期間は日にして49日間。その間亡霊は現世を彷徨い、憎むべき相手を呪い殺そうとするわけですね。
今回、恋人さんはどうやらこの「49日間」と言う現世を彷徨う期間を契約によって延長、半年もの長い間ずっと現世と冥界の狭間を彷徨い続けてきたらしいです。
その苦しみはいくばくか、私には想像もできません。
おかげで半霊化までしてしまい、それでも現世に戻ってきたのですから、やはり愛は偉大なのでしょうね。
私も、負けてはいられません。
【終】