地上に姿を現したハンニバル
…よりによって、ヘンリエッタ本人が動きだしたとは
彼女の能力を…噛み付いた対象を己が下僕と変える能力を前にしては、自分の再生力など役に立たない
再生しようがしまいが、噛み付かれてしまえばそこまでなのだから
…よりによって、ヘンリエッタ本人が動きだしたとは
彼女の能力を…噛み付いた対象を己が下僕と変える能力を前にしては、自分の再生力など役に立たない
再生しようがしまいが、噛み付かれてしまえばそこまでなのだから
…さて、どうするか
門条 晴海の遺児の一人である門条 祐樹の身柄は、何としてでも確保したい
あの女が産み落とした三人の子供のうち、一人はすばらしい成果を見せた
天地に関しては、思った以上の成果はでなかったが……祐樹にも何らかの成果を見出せるかもしれない
門条 晴海の遺児の一人である門条 祐樹の身柄は、何としてでも確保したい
あの女が産み落とした三人の子供のうち、一人はすばらしい成果を見せた
天地に関しては、思った以上の成果はでなかったが……祐樹にも何らかの成果を見出せるかもしれない
……そばにヘンリエッタがいる状況は、都合が悪い
祐樹は後回しにして、別の…
祐樹は後回しにして、別の…
…ハンニバルが、思案していた、その時
「貫け、ゾフィエル」
どこからか聞こえてきた、そんな声
直後、突然出現した槍を構えた天使が、ハンニバルに突進してきた
ハンニバルはその突進を避け、天使に向かって剣を振るう
直後、突然出現した槍を構えた天使が、ハンニバルに突進してきた
ハンニバルはその突進を避け、天使に向かって剣を振るう
「屠れ、ゼルエル」
再び、聞こえてきた声
鎧をまとい、斧と盾を手にした天使が出現、ハンニバルの剣を盾で防いだ
鎧をまとい、斧と盾を手にした天使が出現、ハンニバルの剣を盾で防いだ
「ふむ…?召喚系の能力者か。さて、声が聞こえると言う事は…」
ぐるり、辺りを見回す
…エーテルによって、眼帯は焼き切られている
予備の眼帯を持ち歩いている訳でもなく、彼のその「目」はさらされたまま
それは、即座に隠れていた存在を見つけ出した
槍を、斧をかいくぐり、そちらに接近して剣を振るう
…エーテルによって、眼帯は焼き切られている
予備の眼帯を持ち歩いている訳でもなく、彼のその「目」はさらされたまま
それは、即座に隠れていた存在を見つけ出した
槍を、斧をかいくぐり、そちらに接近して剣を振るう
「っ!!」
ぎぃん!と
ギリギリのところで斧を持った天使が割り込み、ハンニバルの剣を受け止める
…そこに、隠れていたのは
少女と見まごう外見の、青年だった
分厚い本を手に、眼鏡の下からハンニバルを睨み付けてきている
ギリギリのところで斧を持った天使が割り込み、ハンニバルの剣を受け止める
…そこに、隠れていたのは
少女と見まごう外見の、青年だった
分厚い本を手に、眼鏡の下からハンニバルを睨み付けてきている
「…何者かね?問答無用で攻撃してくるとは」
「……僕が何者かであるなど、さほど問題はない…………問題は、お前がH-No.1…ハンニバル・ヘースティングという男であるという、事実だ」
「……僕が何者かであるなど、さほど問題はない…………問題は、お前がH-No.1…ハンニバル・ヘースティングという男であるという、事実だ」
淡々と告げてくる青年
しかし、その声には、かすかに怒気がこもっていた
しかし、その声には、かすかに怒気がこもっていた
「…門条 天地を、知っているな?」
「ふむ?……あぁ、知っている。私の研究対象だ。まぁ…さほど成果は見られなかったから、もはや用はないがな」
「ふむ?……あぁ、知っている。私の研究対象だ。まぁ…さほど成果は見られなかったから、もはや用はないがな」
…ハンニバルの、その言葉に
青年は、感情の薄いその顔に…はっきりと、怒りを浮べた
青年は、感情の薄いその顔に…はっきりと、怒りを浮べた
「…っお前……!僕の友に、何をした!!!」
青年が持っている本から、力があふれる
ハンニバルの返答を待たずして、青年は叫んだ
ハンニバルの返答を待たずして、青年は叫んだ
「焼き尽くせ、アフ、ヘマハ、マシト!!」
現れたのは、三人の天使
炎に包まれた鎖がハンニバルに襲い掛かり、その身を捕らえた
炎に包まれた鎖がハンニバルに襲い掛かり、その身を捕らえた
「ぬぅ…っ!?」
「そのまま、焼き尽くせ!!」
「そのまま、焼き尽くせ!!」
灼熱の火炎が、ハンニバルに襲い掛かる
すべてを焼く尽くすような、地獄の火炎
…しかし
それでも、ハンニバルを殺すには、足りない
すべてを焼く尽くすような、地獄の火炎
…しかし
それでも、ハンニバルを殺すには、足りない
次の瞬間、ハンニバルは自身を束縛する鎖を、すべて断ち切り、青年から距離をとった
「ほぅ?……「組織」の人間ではないな。天地が、「組織」の外に知り合いを作っていて…それを、私に報告していなかった、とはな」
「…すべてを、お前に報告する義務などあるまい…天地とて、一人の人間だ。お前の物ではないっ!」
「…すべてを、お前に報告する義務などあるまい…天地とて、一人の人間だ。お前の物ではないっ!」
青年の持っている本から、力があふれ続けている
…あれが、青年の契約都市伝説であろうと、ハンニバルは判断する
そして
…あれが、青年の契約都市伝説であろうと、ハンニバルは判断する
そして
青年が、その力を扱いきれずに
力を使えば使うほど、どんどんと青年に負担がたまっていっているのも、わかる
このままならば、勝手に自滅するだろう
相手にする必要もない
ハンニバルは迫りくる天使の攻撃を避けながら、青年をせせら笑った
力を使えば使うほど、どんどんと青年に負担がたまっていっているのも、わかる
このままならば、勝手に自滅するだろう
相手にする必要もない
ハンニバルは迫りくる天使の攻撃を避けながら、青年をせせら笑った
「………」
…同時に、5人の天使の召喚
青年、玄宗 直希の体に、明らかな負担がかかっていた
……だが、引く訳にはいかない
この男は、自分の友人を害したのだから
青年、玄宗 直希の体に、明らかな負担がかかっていた
……だが、引く訳にはいかない
この男は、自分の友人を害したのだから
「光輝の書」を手に、直希はハンニバルを鋭く睨み付け、「光輝の書」を使い続ける
目の前の相手を、打ち倒すために
己の体にかかる、重い重いその負担に、押しつぶされそうになりながら
目の前の相手を、打ち倒すために
己の体にかかる、重い重いその負担に、押しつぶされそうになりながら
to be … ?