上田明也の協奏曲Ⅸ~祭りの始末~
その報告は唐突だった。
「蟻の動きに妙な変化が出てきました。
わずかながら一つの場所に集まり始めています。」
罠か?
だが近づいてみる価値はあるだろう。
「メルその場所に案内してくれ。」
わずかながら一つの場所に集まり始めています。」
罠か?
だが近づいてみる価値はあるだろう。
「メルその場所に案内してくれ。」
俺はメルの案内に従って基地の奥へと歩を進めていた。
「マスター、一部の部屋で急に鼠の数が減っています。」
「え?」
「なにか巨大な都市伝説が発動したかと……。」
「え、何?じゃあ俺たち間に合わなかった?」
「そういうことになります……。」
「っつー……、どうするかな?」
どうやら俺たちは祭りの流れに取り残されてしまったようだ。
「マスター、一部の部屋で急に鼠の数が減っています。」
「え?」
「なにか巨大な都市伝説が発動したかと……。」
「え、何?じゃあ俺たち間に合わなかった?」
「そういうことになります……。」
「っつー……、どうするかな?」
どうやら俺たちは祭りの流れに取り残されてしまったようだ。
一旦足を止めて状況を確認しなおす。
まず真っ先に考えるべきなのは此処からの脱出か……。
「マスター、脱出しますか?」
「ああ、まずはそうだなあ。」
まず真っ先に考えるべきなのは此処からの脱出か……。
「マスター、脱出しますか?」
「ああ、まずはそうだなあ。」
ゴボゴボ……
ん?
ドバババババ!
なんだこの音……?
「マスター!水!水が!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「うぉわわわわわわわわわわ!!!!!」
ん?
ドバババババ!
なんだこの音……?
「マスター!水!水が!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
「うぉわわわわわわわわわわ!!!!!」
廊下の向こう側から大量の水が押し寄せてくる。
そして残念ながら俺たちはあれに対応することはできない。
だが、あの量の水を正面から受ければ溺れる云々以前に骨が砕けるだろう。
そして残念ながら俺たちはあれに対応することはできない。
だが、あの量の水を正面から受ければ溺れる云々以前に骨が砕けるだろう。
――――――――――――ならば。
蜻蛉切りを抜きはなって構える。
呼吸は驚くほど落ち着いていて、踊り狂う水の飛沫の一つ一つがこの目に捉えられる。
直撃を避ける為にやるべきことはただ一つ、この激流を叩き斬る!
「メル、俺の後ろに隠れていろ。」
「へ?」
「良いから速く!」
チャンスは一瞬。
呼吸は驚くほど落ち着いていて、踊り狂う水の飛沫の一つ一つがこの目に捉えられる。
直撃を避ける為にやるべきことはただ一つ、この激流を叩き斬る!
「メル、俺の後ろに隠れていろ。」
「へ?」
「良いから速く!」
チャンスは一瞬。
蜻蛉切りを真っ直ぐに構えてその一瞬を待つ。
迫る激流。
まだだ
まだだ
まだ遠い
遠い
近い
そこだ
すぐだ
迫る激流。
まだだ
まだだ
まだ遠い
遠い
近い
そこだ
すぐだ
――――――今だ!
ズバァン!
激流はまるでそこに岩でもあるかのように二つに別たれた。
「息は吸い終わったか?」
最後の確認。思い切りメルの腕を引く。
「え?ちょ!!いきなり何を、キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
メルが絹を裂くような悲鳴を上げる。
最後の確認。思い切りメルの腕を引く。
「え?ちょ!!いきなり何を、キャーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
メルが絹を裂くような悲鳴を上げる。
ダブン、と俺とメルは激流の直撃を避けながらその中に身を任せていった。
さっきエレベーターが一つ有ったはず。
そこからなら水が溜まり次第プカプカと浮いて逃げられる筈だ。
そう思った次の瞬間だった。
さっきエレベーターが一つ有ったはず。
そこからなら水が溜まり次第プカプカと浮いて逃げられる筈だ。
そう思った次の瞬間だった。
シュルシュルシュル!
メルの身体に髪が絡みつく。
新手の都市伝説か?
しかしこの状況はチャンス。
俺も助けて貰おう。
グイグイと髪はすごい力で俺たちを引き上げる。
これはラッキーだったな、とか思っているとエレベーターの上の方へ俺たちは一気に飛び出ることができた。
新手の都市伝説か?
しかしこの状況はチャンス。
俺も助けて貰おう。
グイグイと髪はすごい力で俺たちを引き上げる。
これはラッキーだったな、とか思っているとエレベーターの上の方へ俺たちは一気に飛び出ることができた。
……ぽ~~~~ん!!
「…マ、マスター!空です!空が見えますよ!!」
「あぁ……どうやら、溺死はしないですんだようだな…」
「あぁ……どうやら、溺死はしないですんだようだな…」
辺りを見回す。
どうやら俺たちを助けてくれたのはこの黒服らしい。
だが何故か髪の毛は絡みつけられっぱなしである。
どうやら俺たちを助けてくれたのはこの黒服らしい。
だが何故か髪の毛は絡みつけられっぱなしである。
「ああ、済まない。そこの都市伝説っぽい人。
俺の"契約者"を話して貰えると助かる。」
とりあえず嘘を吐く。
しかしまあ互いが互いにとっての契約者ではあるし嘘ではないっちゃ嘘ではない。
「ああ、そうか。それは済まなかったね。敵の残党かと思ったんだ。」
「なんだ、あんたも計画の阻止の為に侵入していた口かい?」
「ああ、そうなんだよ。お互い苦労したらしいな。」
何故だろう、こいつとは始めてあった気がしない。
俺の性癖を正直に話しても共感してくれそうな気さえする……!
俺の"契約者"を話して貰えると助かる。」
とりあえず嘘を吐く。
しかしまあ互いが互いにとっての契約者ではあるし嘘ではないっちゃ嘘ではない。
「ああ、そうか。それは済まなかったね。敵の残党かと思ったんだ。」
「なんだ、あんたも計画の阻止の為に侵入していた口かい?」
「ああ、そうなんだよ。お互い苦労したらしいな。」
何故だろう、こいつとは始めてあった気がしない。
俺の性癖を正直に話しても共感してくれそうな気さえする……!
「あ、あの……そろそろ解放してくれると嬉しいんですけど……。」
顔を赤くしてメルが呟く。
まああんな縛られ方では当然だろう。
うっわ、やべぇエロス……、これご飯三杯楽勝だわ。
「まあとりあえずこの子は返すよ。」
無闇矢鱈と卑猥に縛られていたメルを解放して貰った。
「おお、ありがとう。ところで今の縛り方を見るに……、お兄さん中々行ける口だね?」
「ほぅ……、なんだ?お前もまさか……。」
「やはり仲間か。あんたとは旨い酒が飲めそうだよ。」
「ちなみに俺は小さい女の子だけじゃなくてショタもいけるぞ、勿論大人のお姉さんもバッチリだ。」
「ほっほう……、俺はロリ専だねえ。良いぞ良いぞ、笛吹と名乗っているんだ。
これは連絡先な。また会おうぜ!」
顔を赤くしてメルが呟く。
まああんな縛られ方では当然だろう。
うっわ、やべぇエロス……、これご飯三杯楽勝だわ。
「まあとりあえずこの子は返すよ。」
無闇矢鱈と卑猥に縛られていたメルを解放して貰った。
「おお、ありがとう。ところで今の縛り方を見るに……、お兄さん中々行ける口だね?」
「ほぅ……、なんだ?お前もまさか……。」
「やはり仲間か。あんたとは旨い酒が飲めそうだよ。」
「ちなみに俺は小さい女の子だけじゃなくてショタもいけるぞ、勿論大人のお姉さんもバッチリだ。」
「ほっほう……、俺はロリ専だねえ。良いぞ良いぞ、笛吹と名乗っているんだ。
これは連絡先な。また会おうぜ!」
ポン、と携帯の番号とメルアドを渡す。
黒服なのに気分の良い奴も居た物だ。
これは組織の黒服に対する見方を改めないといけないのかもしれない。
黒服なのに気分の良い奴も居た物だ。
これは組織の黒服に対する見方を改めないといけないのかもしれない。
トラックは戦いでぶっ壊れてしまったので、
俺たちは駅前に止めてあった白いベスパで郊外にある家まで帰ったのだった。
俺たちは駅前に止めてあった白いベスパで郊外にある家まで帰ったのだった。
【上田明也の協奏曲Ⅸ~祭りの始末~】