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連載 - 女装少年と愉快な都市伝説-07

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秋祭り2日目~深夜2


夢の国》の革命が成り、『鮫島事件』が釣りに終わった、その夜。
一人の男が、学校町を見下ろしていた。

「―――ここが、学校町かァ」

そう呟くと、その男は手に持った"なにか"を噛み千切り、そのまま咀嚼し始める。
夜の静寂の中に、なにか柔らかいものを咀嚼するクチャクチャという音が響く。
…その男は、一見普通の男だった。
どこにでもいそうな普通の服装に、特に目も引くこともない中途半端に整った顔立ち。
しかし、その纏う雰囲気は異常だった。
まるでホラー映画のゾンビのように生気のないその様子。
中途半端に整った顔の中でギョロギョロと蠢くその目は、見るものに爬虫類のような印象を与える。
…なによりも異様なのは、その右手に握られている物体だった。
月明かりを受けてぬめりと光る、べちゃべちゃとしたその物体は―――。

「…うん、なかなかのもんだなァ?」

―――それは、内臓だった。
未だにポタポタと血を滴らせる、新鮮な臓物。
所々に、なにかに食い千切られたかのような痕がついている。
ならば先程、男が噛み千切ったものは。
今男が、クチャクチャと美味しそうに咀嚼しているものは。

「―――エサがたくさん、嬉しい限りだぜ」

男は嗤う。
その街に住む全ての人を、ただのエサだと言い切って。


その街には、あらゆる都市伝説が集まるという。
強さも弱さも、善悪の区別すらなく。

《夢の国》と『鮫島事件』という、二つの大きな波を乗り越えたその街に、今宵新たに入る都市伝説。
それはこの街に、何をもたらすのか。

「―――は。楽しい楽しい、食事の始まりだ」

そう言ったその男の顔は、邪悪な歪みに満ちていた。




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