夢現聖杯儀典:re@ ウィキ

戦の真は千の信に顕現する

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「今日は昨日のように索敵へと人員を裂きません、と、ミサカは宣言します」

 二日目の朝を迎えて、ゾルダート達へ告げた言葉は弱気なものであった。
一日目を終えて、街へと散開したゾルダートの一部は戻ってこなかった。
大方、戦闘に巻き込まれ、そのまま果ててしまったのだろう。
彼らの強さはサーヴァントとして見ると最弱である。
スリーマンセルであろうとも、関係ない。数という武器はある程度の強さがないと、通用しない。
否、数を揃えても勝てない相手というのは必ず存在する。
【一方通行】という実例を見て、知って、戦って、十分に知っていたはずなのに。
聖杯戦争を甘く見ていた、と言わざるをえない。一度の敗戦を経て、学習したと驕ったか。
どれだけ研究しようが、油断をなくそうが、勝てないものは勝てない。
昨日の戦果を考え、ミサカは考えを慎重にせざるを得ないと悟った。

「守りを固めましょう、とミサカは方針を決定づけます」
「お待ち下さい、ミサカ。我々のことなど取るに足らない駒と考えてもよいのです。
 勝利の為に、聖杯を。栄光を掴む踏み台と思っていただいて結構。
 足りない人員は足せばよろしいのです」
「だから昨日と同じ方針を取るべきであると言いたいんですね、と、ミサカは問いかけます」

 無言で首肯するゾルダート達に対して、ミサカは乏しい表情を珍しく歪め、言葉を紡ぐ。

「却下です、これ以上貴方達を失うことになるのは非効率であり、ミサカとしても不本意です、とミサカは断言します」
「…………それが命令とあらば、従いましょう。しかし、それでは勝利への一歩が遠くなるのでは?」
「狙うのは勝利ではなく生存です、人員を使うべき時が来たら――しっかり動きます、とミサカは思考しています」

 今の言葉には嘘がある。
この決断に私情が入ってないとは断言できない。
彼らが何の価値もなく消えていくのを見たくないというミサカの思いが含まれていないとは、言えない。
戦略的にも彼らを使い捨ての駒のように扱えば、もっと有用な策が取れる。
しかし、ミサカにはそうすることができなかった。
彼らを駒のように扱っては、かつて自分達を扱っていた研究者達と同じになる。
それこそ、自分を救ってくれた幻想殺しの少年に顔向けができなくなる。

――救う理由は人の猿真似で恥ずかしくないのか。

 ほんの少し前。幻想殺しの少年が実験に介入する前は、自我があるかどうかすら怪しかったというのに。
仄かに生まれたこの思いはただの模倣だ。
ヒーローのように救い出してくれた彼のようになりたい、自分の為に涙を流してくれた姉のようになりたい。
憧れから原点の紛い物。まるで、これでは人間になろうとしているロボットではないか。
顔にはくすんだ笑みが自然と浮かび、どうしようもないなと自嘲する。
やはり、違う。どうあっても、生まれというものは変えられないし、変わらない。
何をしようが、自分が御坂美琴のクローンである事実は浮き彫りになったままだ。
幻想殺しの少年が一人の人間として扱ってくれようとも、他はそうだとは限らない。
クローンという模造品。そして、たった一つのオリジナル。
ミサカと彼らとの間には、明確な隔たりを感じていた。
そんな錯覚さえ生まれる程に考える。

 されど。されど、だ。

 例え、模倣であったとしても、貫けばいつかは本物になるはずだ。
あの時伸ばしてくれた手の暖かさは未だ、この掌に残っている。
自分もそんな風に誰かへと伸ばせたら。
彼や姉のように、胸を張って歩いていきたいから。
粗末にしていい生命なんてない。
種ではなく、個として。
彼らではなく、貴方として。
エレクトロ・ゾルダートを、見たい。
彼らがいつか、自分という存在を大切にしてくれるまで、きっと。
自分の戦いは続くのだろう。












 できることならば、この世界全てから目を背け続けたかった。
これは、本田未央の偽りなき本心である。
どうして、自分達は戦わなくてはいけないのだろう。
湧き出た疑問はいつだって途切れることなく、自分へと降り掛かった。
常に命を狙われ続ける危険性、じわじわと滲み出す悪意の塊。
ここは、地獄だ。気を抜けば、一瞬で正気を失う戦場だ。

それでも、自分を無くしていないのはきっと――。

 ぼんやりとした意識が現実へと浮上する最中、本田未央の頭に浮かんだのは自分を守ってくれるしろがねの姿だった。
いつか、心の底から笑って欲しい、と交わした約束。
あの時見せた彼の笑顔。そして、絶望に浸りきっていた自分の顔。
その光景がいつか変わりますように、と。

「…………ふぁ」

 そうして、眠気が完全に弾け飛び、浮かんだ鳴海の笑顔も消えた。
未央はゆっくりと起き上がり、周りをぼやけた頭で見回して、正気に戻るまで数秒。
此処が見知らぬ部屋だと気づき、あれぇと驚きの声を漏らして、更に数秒。

「ようやく目を覚ましたね、未央チャン」

 ふと、視線を声の方に向けると、呆れた顔をした前川みくがじっとりした目で此方を見ているではないか。
どうして彼女がここにいるのだろう、ときょとんとした目で見つめ返す。

「ここ、みくの部屋。ほら、猫チャンコレクションあるでしょ?」
「いや、そんなこと知らないけど。というか、みくにゃんの部屋に入ったことないし」
「うにゃっ、みくが猫好きだって知ってるでしょ!」
「やっぱりキャラ作りじゃないんだ、みくにゃん……魚嫌いなのに」

 死線を潜り抜けた後にしては、いやに素っ頓狂な会話だった。
もっとも、殺伐とした話をするには二人の険がなさ過ぎるし、そんなものはサーヴァントに任せておけばいい。
それよりも、未央は自分の体の何とも言えない不調が気にかかる。
昨日の午後からほとんど寝てばっかりだというのに、身体に纏わりつく倦怠感はやけに重い。

「もう、今はそういうことはいいのっ。それよりも、身体は平気?」
「身体……? ああ、うん。絶好調っていう訳ではないし、疲れてる、かな。
 今からライブをぶっ通しでやれって言われたらちょっちキツイ」
「今はそれどころじゃないでしょ。だって、みく達は今……」
「聖杯戦争、してるんだもんね」
「未央チャン……みくも聖杯戦争の参加者だってこと、知ってたの?」
「んー、知ってるというよりも、ほとんど推測みたいなものだけどね。
 午後のあの一件と昨晩の病院の一件、それと今の状況を考えると、ね。たぶん、私を助けてくれたんでしょ?」

 それでも、命があるだけ自分は運がいいのだろう。
今、自分がこうして生きていられるのはみく達のおかげであろう。
となれば、気絶前に見たおぞげのするサーヴァントも助けてくれたのか。
それなら、お礼を言いたい所だが、病み上がりの今、彼を見てしまうとまた気絶してしまうかもしれない。
されども、命の恩人に対してお礼を言わないのは不義理ではないのか。

「いいよ、別に。ひとまず、未央チャンが死なないでいてくれた。
 みくはそれだけで満足。その、なんていうか、友達が……仲間がいなくなるのは、嫌だし」

そんな未央の葛藤を知ってか知らずか、みくは笑って流してくれた。
躊躇なく、仲間と言ってくれた彼女の優しさを考えると、こみ上げてくるものがある。
自分達は生命を奪い合う敵同士だ。聖杯戦争から抜け出せるのはたった一人。
二人が一緒に生き残れる未来は、現状存在しないのだから。

「……そっか。まだ、私のことを仲間って呼んでくれるんだ」
「当たり前にゃ! 未央チャン達は先にデビューしちゃったけど、みくだっていつかは……!
 絶対、絶対並び立つんだからね!」

 その言葉に含まれた『いつか』はもう来ないかもしれない。
そして、自分はその『いつか』を放り投げて逃げた者だ。
みくが未央に対して糾弾しないということは、どうやら、プロデューサーは元の世界では自分のやらかしを上手くごまかしているらしい。
いつでも戻ってこれるように。いつでもやり直せるように。
彼は自分が家に引きこもってからも、毎日家の前まで来る優しい人だ。
全幅の信頼を寄せてもいいぐらい、良い人なのだ。

「…………うん、そうだね」

 言えなかった。
自分はそんな優しい人に背を向けて逃げ出した、と。
アイドルなんて辞めると言い放ったろくでなしだ、と。
それでいて、アイドルをまだ続けたいと未練を残すどうしようもない奴なんだ、と。

「みくにゃんは強いね」
「そんなことないよ? みくだってボコボコにへこたれてる時だってあるし」
「ううん、強いよ。かっこよくて、輝いてて」

 彼女の表情は前を向いていて。百点満点の笑顔が作れていて。
アイドルにふさわしいのは自分ではなく、彼女の方なんだと嫌でも思わされる。

――どうして、自分はこんなにも不格好なんだろう。

 声に出ない鬱屈は胸の中に沈んでいった。
誰かと比べれば比べる程、自分という存在が如何に小さいか思い知らされていく。
逃げ道なんて、どこにもない。見せる笑顔に輝きはなく。
みくの笑顔に合わせるように、未央も嗤った。












「よう。俺が寝ている間にドンパチでもしてきたか? ったく、起き抜けの気怠さがいつもより重いじゃねぇか」

 最悪な朝の目覚めだ。アリー・アル・サーシェスは顔を顰めながら、相対するピロロに対して悪態をついた。
どうやら、彼らはサーシェスが寝ている間に激闘を繰り広げていたらしい。
魔力の消費も相当だったようで、ぐっすり熟睡したと言うのにあまり回復はしていない。
前座の戦いで培っていた魔力の貯金も底をつき、戦うには少しばかり心もとない。
これは一体どういうことだ、とサーシェスは黙りこくったピロロに問いかけた。

「別に、俺は戦いをするなとはいってるんじゃねぇ。戦う機会をむざむざ逃すなんざバカのやることだ、殺せるって判断したなら大いに結構だ。
 ただ、そんな楽しいパーティをやっておいて、俺を除け者にするたぁ、いいご身分だよなあ?
 魔力だけ取っておいて、お楽しみは独り占めって、そりゃあちょっと虫が良すぎるとは思わねぇか――なァ、ピロロ?」

 サーシェスもピロロ達が暗躍していることに対して、何も口に出さない程放任ではない。
しっかりとしたリターンが返ってくるならともかく、今の彼らは自分にとってリスクしか寄越してこない。
情報こそ集めてきているからいいものを、このままだと何も知らぬ内に蚊帳の外へと押し出されてしまう。
こんなにも大規模な戦争だというのに、自分は楽しめないなどサーシェスからすると到底認められなかった。

「まぁ、過ぎたことをいつまでもグチグチ言っててもどうにもならねぇ。
 今回ははしゃぎすぎたってことで済ますが、次はねぇぞ」
「それはありがたいね。ボクも君みたいな色々とわかってくれるマスターを失うのは惜しいからさ」
「はっ、口がうまいこって。とりあえず、今日は俺のやり方に従ってもらうぜ。
 こちとら、ずっとお預けを食らってていい加減はち切れそうでな。まさか、嫌とは言わねぇよなあ?」

 もう限界だった。この平和ボケした街で雑踏に混ざって過ごすのも、人のいいビジネスマンを演じるのも。
目に映る人間の殆どが戦火を知らず、安寧と日々を浪費している。
嗚呼、それはもったいない。
こんなにも楽しい戦争が日常の裏側で繰り広げられているというのに、それを知らずにいるなんて。

「勿論さ。今日はマスターの一存に従うよ」

 戦争を知らない新人がひしめき合うこの街を、自分が変えていく。
小さな子供が痛みに泣き、若い女が苦痛に犯され、男が激情に浸る。
そんな世界をこの偽りの冬木に打ち出すことの快楽を考えただけでも、笑いが止まらなかった。

「おうよ。それじゃあ、早速準備を始めるとしますか」

 口を釣り上げ高笑いを上げろ。トリガーを引き、死体を作り出せ。
誰一人。誰一人として、逃してなるものか。

「それじゃあ、戦争屋のお手並み、見せてもらうよ。
 マスターが用意している間、ボクも魔力を調達しておかないとね。
 いざという時にガス切れはお互い不本意だし」

 この言葉の裏に隠されているピロロの思惑など当然知る由もなく、サーシェスは機嫌良く鼻を鳴らす。
サーシェスが寝ている間、ピロロが街を駆けずり回って魔力を集めたこと。
そして、自分の治癒、魔力の回復を投げ打ってキルバーンの形成に力を注いだこと。
どれも意図的に隠された失態だが、サーシェス自身、追求することはないだろう。
大切なのは、これから戦争をするという事実のみ。
その意にそぐわなければ、令呪を以ってキルバーン達を切り捨てるだけだ。

「――ひひっ、やってやろうじゃねぇか」

 どんなことをしてでも、戦争の場を作り出す。
粘ついた笑みが眼下の世界に狙いを定めた。












「さぁてと、どうしたものか」

 千鳥チコ達の初日は可もなく不可もなく終わった。
ヨシモトは敵と小競り合いこそしたが、討ち取るには至らず。
かといって、此方の手傷は皆無。今すぐにでも戦える状態である。
複数のサーヴァントの情報を得れただけ、マシであろう。

「どいつもこいつも受けを選んで逃げること重視。奇跡を運ぶ戦争の割には消極的なことで」

 深山町を一日回ってはみたものの、各主従生き残ることを重視して、攻めの姿勢を見せちゃいない。
此方がわざわざ正面から出向いてきているのに、興醒めである。
戦争も将棋も一人では何もできない。相手がいなくては始まらないのだ。

「そうは思わないかい? アーチャー」
「…………むむむ」
「はぁ、いつまで盤面を見ているのさ。帰ってから十局、そして朝にも五局。
 アンタの気が済むまで打ってやったじゃないか」
「何故、何故ですの。何度やっても、この私が勝てないなんて!」
「だから、言っただろ。私は女の中で一番強いんだ。
 サーヴァントだからといって、簡単に追い抜かれてたまるかよ」

 ケラケラと楽しそうに笑うチコを尻目にヨシモトは眉をひそめ、本日数度目の溜息をついた。
これでいて、二人の関係はすこぶる良好であり、戦闘の息もあっている。
改めて感じるのは、チコ自身の強運が成したサーヴァントの引き運はとびっきりに良い。
さしたる不仲はなく、勝負事に関してもお互い冴え渡る判断を下せる。
自分で言うのも何だが、いい主従だとチコは感じている。

「不貞腐れてないで、さっさと行くよ。今日もガンガン攻めるんだから」
「方針は変えないんですのね」
「そりゃそうさ。言ったろ? 時間が限られてるって。一週間なんて短いもんだ、こそこそ隠れていたらあっという間に過ぎてしまうよ」
「全く、困ったマスターですこと。ですが、その考え、改めて是とさせていただきますわ。
 昨日は遭遇しなかったものの、今日は私達と同じ考えの主従も打って出るかもしれませんね」
「そうなったら、やることは一つさ。正面から叩き潰してやればいい。
 まあ、アンタ一人で勝てなさそうな相手だったら徒党を組んでボッコボコだね」

 しかし、そんな自分達でも太刀打ちできない主従がこの戦争に紛れ込んでいるかもしれない。
勝負事というものは、約束された展開をなぞらない。
不確定要素――イレギュラーは常に転がっている。
例えばそれは、枠組みを外れた快楽主義の狂戦士であったり。
特に、感情の赴くままに動く人間などは予測がつかない。
そういった手合は死ぬ前に腐る程見てきたし、そもそも自分もそっち側の人間だ。

「あら、同盟なんてクソ食らえって方針と思っていましたが、違うんですのね」
「そりゃあ、状況による。私も此処に来る前はクソッタレな奴等と一緒につるんでいたからさ。
 一人でやり合うにはちょいと手強いって感じでね。
 アンタも一人で戦うには骨が折れそうだって判断したら、普通に協力して事にあたりなよ?
 今の内に倒しておきたい敵だったりさ。そういうのは徒党を組んでボッコボコよ。バカ正直にサシでやらなくてもいいんだ」
「かしこまりました。その言葉、しかとこの胸に収めておきましょう」」

自分の目的はそのまま果てることだ。
やり直しなんてどうだっていい。最後に見た奇跡が――――別の結末へと塗り変わる。
そんなことは絶対にさせないし、許さない。
千鳥チコの終わりはあれでいい。誰に何を言われようと、あの結末がいいのだ。
だから。そう、だから。

「今日はアタシのことなんざほったらかしでいいから、新都を動き回ってきな。アタシを伴うとどうしても動きが遅くなるからね」
「ですが、マスターの危機の場合」
「その時はその時。令呪を使うなりするよ。何かあったらどうにか切り抜けるぐらい訳ないさね」

 過去も未来も自分は今のままにする。
最後に愛しい人に抱きしめられたあの温もりを、台無しにされない為にも。
自分はクソッタレな願いを聖杯に込めて、ぶっ放すのだ。












 たった一つ。ただ、大切なものだけがあったらよかった。そう言い切れる程、神楽坂明日菜は強くあれなかった。
失ったもの。最初から決まっていた終わり。最後に伸ばされた手。抱き締められた温もり。全部、そう、全部彼女は覚えている。
願いにかける想いは、きっと他の人達よりも薄いのだろう。何処か諦めていて。それでいて、完全には吹っ切れない中途半端さ。
情けないなぁ、と笑いながらも、明日菜は前に進んでいく。
今日もまた、日常を繰り返す。病める時も健やかなる時も、こうして学校へと向かうだろう。
タイムリミットのある日常という篝火に寄り添うように。それが、逃げであると知っていながらも繰り返す。

これが神楽坂明日菜の辿った終わり。自分の見た未来とは違う、別の世界線の終わり。

 神楽坂明日菜はどう転がっても、不幸な結末しか待っていない。
理不尽に、不当に、本人の望む望まないに関わらず、幸せへの道が他者よりも険しい。
それは様々な不幸を見聞きした超鈴音でさえ、哀れみを感じる程であった。

(サーヴァントとして明日菜サンを勝たせてあげたいというよりも、友達として……ネ)

 明日菜から話は聞いている。
自分のいた世界と微妙な差異が発生していることも事細かく把握した。
明日菜を蝕む契約について――十四歳までしか生きれない呪いを抱えていることも全部、だ。

(陣地でひたすらに篭もろうと思っていたガ、やはり動かなくてはいけないネ。
 座して聖杯を取れる程、甘くはないカ。特に、あの純黒のサーヴァントを早く討ち取らないことには安心できないヨ)

 どの世界であっても、神楽坂明日菜は幸せになれない。
何かを抱えたままでしか生きれないのか。
ままならない、と鈴音は吐き捨てた。生まれた世界が違えようが、彼女の行く末は同じだった。
失意に溺れ、孤独を味合わせる運命とやらはよっぽどだ。

(数体、T-ANK-α3改を伴って新都方面へと出撃しようか。ひとまず前川みくの所在地に殴り込みでもかける。
 こいつらを使って、陣地から炙り出す。そこから出た所をズドンと殺すべきカ?
 それとも、建物ごと吹き飛ばして殺すのは――流石に目立ち過ぎネ)

 進む道は違えど、自分達は友達だったから。
クラスメイトとして過ごした時間は全部が本当ではなかったけれど。
あの時間には、確かな満足と絆はあったのだ。

(勿論……世界平和、も大事だけどネ。まあ、それと一緒に友達を救えるならば、迷いなんてない)

 今もまだ、鈴音の中にはかけがえのない記憶として、麻帆良学園の思い出は大切に蓋をして取って置かれている。
戦いばかりで血生臭い人生であったが、アレは――あの日々は、僅かながらの充実した時を過ごせた。

(どうやら、私は自分で思っていたよりもあのクラスが好きだったらしい。
 断ち切ったつもりだったんだがネ……情に絆されたカ? けど、それもいいって思えるなら、間違ってはいないだろう)

 そんな日々へと彼女を還す。自分はもうその場にはいないけれど、明日菜はまだ戻れるはずだ。
彼女の死も、契約も、聖杯の奇跡ならば塗り替えられる。
感傷的な願い事だ、とんだロマンチストである。

(その為に、殺す。不特定多数の不幸を背負う覚悟はできている。それが、報いを受ける結末であろうとも、後悔はしない)

 救うと決めた以上は、絶対に救ってみせる。
秩序の中にあって救えるのは、秩序に沿ったものだけだ。
自分が救いたい友達、戦火に焼かれた弱き者達、力及ばず散る魔法使い。
それらを救う為には、秩序の外に出なければならない。

(その代わり、救うヨ。世界も、友達も)

 世界の秩序に従っていて、思いのままに何かを救えると傲慢はもう捨てた。
秩序の外に目を向けるのなら。手を差し伸べるのなら。
その時点で、秩序は鈴音の敵になる。

――上等。

 超鈴音が世界を正す。
秩序の上に立ち、自分の悪(せいぎ)を押し通す。
いつだって、どこだって。世界はこんなはずじゃ、ということばかりだ。
その世界を、全て――変えてみせる。












 二日目の登校もいつもどおりだ。
竜ヶ峰帝人を取り巻く日常に変わりはない。
それは聖杯戦争が日常を侵食する程に行われていないという証拠でもある。
まだ、正式にカウントダウンがされてから一日弱しか経っていない。
どの主従も積極的に動くにはまだ早いと判断したのか。

(とはいえ、動いた主従はある。昨日の校庭への一件も聖杯戦争絡み。
 この学校も絶対に安全とはいえない)

 そもそもこの冬木市にいて、安全と呼べる場所があるのだろうか。
誰がマスターなのかもわからぬ状況なのだ、ちょっとした刺激で溜まっていた戦意が爆発する可能性だってある。
自分のようにまだ本格的に動けずにいるマスターだっているはずだ。
そんなスタンスを取り続けることに対して、サーヴァントがどう思うか。

(前川みくはいないな。サクッと暗殺でもしとこうかと思ったが、残念だな)

 幸いなことに、自分のサーヴァントはそういう類のことに関して、あまり気にしない。
クレア・スタンフィールドという男はマイペースにやるべき仕事を淡々とこなす。
諜報であったり、武器の調達であったり、人殺しであったり。
彼はマスターである自分の助けなくして、この聖杯戦争を十全に戦っていた。

(自分が狙われていることを理解して、引きこもっているのか。
 それとも、聖杯を取るべく、動き始めたのか。まぁ、どちらであっても、俺に殺されるのは変わらないけどな)
(す、すごい自信ですね……)
(当然だ。殺すと決めた以上、俺の手で完遂しなきゃな)

 こう言うと、彼は怒るが、天才――『異常』としかいいようがなかった。
自分のような凡庸さが際立つ人間からすると、クレアは住んでいる世界があまりにも違いすぎた。

(という訳だ、ちょっとさっくり殺してくる)
(え、ええっ)
(何かあったら令呪を使って呼べ。今日は新都を一日周るだろうから、忙しないな)

 こうして切り替えも早く、やると決めたことを必ずやる。
やはり、違う。
自分も、あんな風になれたら。
『異常』そのものになれたら。
何もかもを塗り潰せる非日常の中心にいれたら。
それが、日常との決別であることに気づいていながらも、帝人はまだ動けない。
きっかけさえあれば、動ける。動くには始まりの合図が必要だ。
苛烈な日常の終わりを告げる非日常がやってきたら、竜ヶ峰帝人は進むことができるのに。











 聖杯戦争に放り込まれたストレスは多大であったのだろう。
はやても、加蓮もいつもは起きる時間であったのに、目を覚まさなかった。
もっとも、幸か不幸か。彼女達に血生臭い話を聞かさなくて済む形になって、サーヴァント二人はホッとした。

「さてと、じゃあ要望通り索敵に行くとするわ。新都方面だろ、気になってるのは?」
「ああ、そうだね。昨日、妙な気配を感じ取ってね。できることなら、その詳細が知りたい」

 昨晩に遭遇したサーヴァントも危険であったが、ギーが何よりも気がかりだったのが、新都方面で感じた違和感だった。
何かがおかしい。この世界の位相がずれたような、あるはずもない記憶に引っかかるモノ。

「お前の方こそ、注意しとけよ。姿を変えるサーヴァントがいるんだ、俺の姿を使って乗り込んでくるかもしれねぇぞ?」
「その点に関しては安心してほしいかな。僕なら、どんな姿を取ろうとも、見分ける事ができる」
「そいつは頼もしいね。それじゃあ、マスターのこと――頼む」
「ああ。僕にできる範囲でなら」

 こうしてタイガーを送り出すことで何か手がかりを掴めるといいけれど。
ギーはいいようのない不安にかられて仕方がなかった。
何かがない、自分を構成する大切なモノが欠けている気がしてならないのだ。




『■■■。■■■■■■。■り■■を願■た■■■■。
代償に、■■■に成り果て、■■■の■■■■を継■だ。
そ■て、敗者の痛■と■きを■憶し、■■■は死■■。
最期に、皆の笑■を、明■の幸せを、■■■■■聖■に託■て。
■■■し■する■■で、今度■■幸せ■■■■■■■■■■信じて。
しかし、■■は既に■■■によって■■■■■■■。
■■■■、グリム=グリムが■■■、■■は捻れを■■■■■。
■■■は今■、待■■■■。■■■右手■伸ばす■■を。
■■■、■■■■■■人格■■■■■■願い■■■。
■■■■■■■■■■■誰も■■■』



 それはまるで、奪われたかのような。



『■■■■■。助■■れな■った、■■■■。
■■■■■■死■■■■■■■、絶望。
その結果、■■■■暴走。
■■■と■■■■■■■により、聖■戦争■崩壊■■。
■■■を■■■■■■■■■世界の敵■■■■。
生き残り■■■■■■■■■、死亡。■■■、■■、■■■■を残して。
黄■螺■■段の袂で、■■■は世界■呪い■■■、死■■』



 それは、まるで過去に経験したかのような。



『■■■■。黒■■■士。■■■の■■■■■■。
■■■■死■■、■■■蘇生■■■■■■■■■。
■■■、生者■■■■死者■■■■■■、■■■■■■敵■■■■■■。
右手■伸ばす■■■諦めた■■■、■■■■■■■■■殺■■。
■■■■■■■、絶望■■■■■■やり直し■■■■■■■■。
■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■。
■■■■■■最期■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■。
■■■■、■■■待■■■■。
■■■■、■■■■■聖杯■■■終■■■■■■■■■■■■■■■』


 ギーという存在を構築していた大切なモノ。
その一端を取り戻せるなら、と。
取り越し苦労ならそれでいい。
もしも、自分は忘れてはならぬことを忘れているとしたら。
ギーは必ず思い出さなければならない。
右手を伸ばして、救うことで、誰かの笑顔が見れるなら。











そうして、舞台は新都へと移る。
道化師は嘲笑いながら、定められた未来を予言する。
また、“誰か”が諦める時が来る、と。







 前川みくはとある百貨店で買い物をしていた。
白の肩出しブラウスにフリルのミニスカートといった女子力満点の服装であり、さすがアイドルの卵といったところか。
いつもなら制服を着て、学校で授業を受けているはず彼女が何故、こんな所で呑気に買い物をしているのか。
時間を遡って数時間前。一通り話をした後、みくと未央は学校を休むことに決めた。
放課後の一件からほぼ半日。自分達には色々なことが起こり過ぎた。
そして、その疲れは無視できないまでに膨らんでいる。
精神的には勿論だが、肉体的にも溜まっているものがある。
みくはともかく、未央は体を動かすのも億劫と感じる程に疲弊していた。

(寝てたらよくなる、って言ってたけど。未央チャンは信用ならないにゃ)

 心配いらないよ、と笑う彼女には隠し切れない陰りが見えていた。
無理して取り繕った、彼女が見せる本来の笑みとは程遠いもの。
みくはそんなものが見たくて彼女を助けたのではない。
疲弊し、自分に対して心配かけまいとする彼女の優しさは嬉しい。
けれど、本当に欲しかった言葉は――助けてという簡素なものだった。
仲間だから。デビューを先に越され、嫉妬心がないとは言わないけれど。
それでも、自分達はアイドルに焦がれた仲間だから。

(この戦いが終わったら……一緒にステージに立つ)

 必ず、二人で帰るんだ。元の世界で心配しているであろうプロデューサー達に謝って。
そして、また――ステージに立つべく切磋琢磨の努力を重ねて。
いつの日か、輝きの向こう側に。その未来を掴む為にも、こんな所では死ねない。
みくも、未央も、訳もわからぬ戦いで死ぬなんてゴメンだ。
生きて夢を叶えたい、その思いで今を戦っているのだから。

(とりあえず、未央チャンの元気が出るものを買わないと。
 健康は食から! みくの手料理で元気をつけるっ!)

 こうして外に出ているのも、少しでも未央に元気になってもらいたいからだ。
美味しい料理を作って、落ち込みがちな彼女の気が紛れてくれたら。
わざわざ新都の街中にまで出て、奮発した材料を揃えようと意気込んでいるのもこの為である。
料理は腕も大事だが、材料だって重要だ。
みくはそれなりに料理ができるという自負はあるが、やはり良き食材を使った方が美味しいに決まっている。

『張り切っちゃってるねぇ、みくにゃちゃん。そういう時こそ、何か失敗をしちゃうものなんだけどね』
(しないし。ルーザーこそ、下手なちょっかいはかけないでよ。こっそり、タバスコをかけたりとかやめてね!)

 唯一の懸念は相方のサーヴァントが余計なことをしないかに尽きる。
球磨川禊という男はこういう時、やられたら嫌なことをしてくる男だ。
今は霊体化をして大人しいが、十分に注意をしておかなければならない。

(今回ばっかりは失敗できないんだから。みくの料理には未央チャンがかかってるにゃ!)

 近所のスーパーで済ませなかった以上、絶対に美味しい食材を選んでみせる。
ある意味、これは戦いだ。自分の培ってきたスキルを存分に発揮するクッキング戦争――!
みくの中に充填した気合を解放する時である。

「頑張ろう、うん……頑張る」

 そうして、小声で自分を奮起させようと前を向いた瞬間。
視界が、崩れた。次いで、爆音。球磨川も霊体化を解き、みくと自分へと螺子を突き刺した。
一体、何が起こったというのだろう。その疑問を考える暇もなく、彼らは世界から消えて――そして、戻った。
ほんの五分間。それだけで世界は死んでいた。

「何、これ……?」
『サーヴァントの襲撃……ではないね。たぶん、好戦的なマスターがこのデパートに爆弾でも仕掛けたんじゃないかな?』

 辺りは瓦礫と火の粉で埋め尽くされ、とてもじゃないが五分前まで人間が普通に生活を営んでいた場所とは考えられない。
幸運なことに、みくがいる階は一階であった為、避難はすぐにできるものの、あまりの惨状に二人は目を細め、顔を顰めた。

「ねぇ、ルーザー。みく以外は」
『……上の階にいた人達はもう駄目だろうね。僕の見立てでは全滅、運良く生き残っていても瓦礫に埋まってる。
 この階にいた人達はもう逃げたか、それとも転がって死体になっているか』
「ルーザーっ!」
『事実だよ。その敵意を僕に向けられても困るな。それよりも――――』

 みくに背を向け、球磨川の両手にはいつのまにかに螺子が握られている。

『――――逃げて。ここから、早く』
「えっ、それって」
『いいから早く。死にたくないんでしょ?』

 それは普段の球磨川からは想像もつかない険の入った声だった。
いつも浮かべている気持ち悪い笑みは表情にはなく、渋い、どことなく苦痛をともなったものだ。
彼がこのような表情を浮かべているのは極めて珍しい。
何か不測の事態――彼にとって、不利益になるものがあったというのか。

「そう言うなよ、ゆっくりしていけばいいさ。抵抗をしなければ、すぐに済むことだ」

 その原因は、炎の向こうから這い出るように現れた。
瓦礫を蹴り砕き、火の粉を鬱陶しいそうに払い、原因たる男は鮮烈に嗤った。
現れた人間――サーヴァントは一言で称するならば、『赤』だった。
炎が乗り移ったかのような赤の髪、傲岸不遜なまでに強気な顔のつくりは力量の表れなのか。

『やあ、昨日ぶり。こんな所で会うなんて奇遇だね』
「そうだな。もっとも、こんな派手な合図を出したんだ。
 誘われたからには、馬鹿騒ぎには乗らないとな」
『そうそう、僕としては親交を深めたいんだけどなぁ。
 こんな物騒な場所で話さずとも、近くに行きつけの喫茶店があるんだ。そこで、話さないかい?
 パーティなんて抜け出して、ぬるい友情を深めようよ!』
「約定を違えたお前が言えたことではないな。
 おっと、俺は全く気にしてないんだが、他の奴等が大層に文句を言ってるんだ。そこを誤解しないでほしいね」
『いやあ、君達には申し訳ないことをしたよ。そのお詫びも兼ねてさ』
「――それとこれとは別の話さ。美味しそうな料理が眼前にあるのに、狙わない理由はないだろう?」
『だから、爆弾でも仕掛けて僕達を追い詰めたって話かい? さっきはすっとぼけていたけど、これは君の仕業だろう』
「いいや、これは俺じゃあないさ、何なら賭けてもいい。炎が舞う舞台っていうのも、中々にかっこいいが、生憎と俺はテロリストじゃない。
 無論、爆弾の扱いなんて俺からすると愛する人へ囁く言葉ぐらいにはできるがな」

 掌に収まった拳銃をくるりと回し、赤の男はふてぶてしく笑った。
自分達への絶対的な害意、それを成し遂げられるだけの実力があると言わんばかりの自信。眼前の男から醸し出される余裕は、みくからでもわかる。
それでも、彼からはルーザーのように訳のわからぬ気持ち悪さはない。
今までも、球磨川禊は何だかんだ言いながらも陥った窮地を踏み越えてきた。
勝てないと感じる敵も撃退してきたのだから。

「ルーザーっ、あんな奴やっちゃうにゃ!」

 今回もきっと。口にこそ出さないが、球磨川への信頼はそこそこの値まであるのだ。
人を嘲笑うような口ぶりも、今でこそ慣れたが相対しているだけで気絶しそうになる気持ち悪さも。
それらを含めて、みくは彼という存在を認めていた。

『そうだね。その信頼に応えたいのは山々だけど』

 しかし、彼の口から吐き出されたのは根拠のない自信ではなく。
みくにさえ聞こえない小さな声で。彼には似つかわしくない弱気な言葉だった。

『………………今回は無理かもね』

 球磨川は、指揮者のように両手を振って、大量の螺子を男目掛けて振り下ろす。
男は後ろへと下がり、螺子の範囲外へと避難する。
一つでも刺さったらまずいと思ったのだろう、その後退は慎重だった。

『もう一度言うよ。早く、逃げて。君を護りながら戦える程、僕は強くないって知ってるでしょ?
 全くさぁ、僕は負け戦しかできないサーヴァントだぜ? その根拠のない信頼が重いんだけど』
「う、うん。でも、ルーザーなら」
『はいはい、そういうのはいいから。早く逃げて本田ちゃんと合流しな』

 元々当てるつもりで出したものではないのだろう。
牽制の螺子は全て地面へと突き刺さり、男には傷一つ無い。
それでも、距離は稼げた。此方への接近を妨げる螺子も大量にある。
みくは何も言わず、背を向けて行動を開始した。ひとまずは未央との合流をしなければならない。
加えて、未央のサーヴァントである寡黙な男ならば、自分達の助けになってくれる。

(今は逃げなくちゃ。絶対、絶対……! 生き残るんだ!)

 何としても、この二日目を乗り切るんだ。
改めて、生きる意志を固め、みくは火の粉と瓦礫が散りばめられた世界から脱出した。







 空は快晴、気分はそれなり。どうやら、天気と気分は繋がりを見せないらしい。
軽く溜息をつき、スタン達はバス停にて腕を伸ばし、首をぐるぐると回す。
スタンと瑞鶴は新都にて索敵ついでのリフレッシュに来ていた。
朝からバスに乗り、揺られ、今し方新都へと二人は降り立った所である。

「ちょっと、何シケた顔をしてるのよ。せっかくの休日だっていうのに」
「……本当は休日じゃないんだけどな。お前が強引に休日にしたんだろ」
「いいのいいの、スタンの気分を良くする為には必要なことなんだから」

 今回のリフレッシュがてらの外出は瑞鶴のほぼ独断であり、表情が優れないスタンを見かねた瑞鶴が無理矢理連れ出したようなものだ。
学校に行けと行ったり、行かなくていいと言ったり。ころころと言動が変わる奴だ、とスタンは悪態をついた。
もっとも、気分が優れないというのは本当のことなので、強く言い返すことはできない。
上手く隠しているつもりはあったが、彼女にバレバレなぐらい、自分の表情には陰りがあったらしい。
今度から、ポーカーフェイスの練習でもしておいた方がよさそうだ。
鍛えなくてはいけないのは剣の腕だけではない現状に、再び溜息。
自分がやるべきことの多さにうんざりである。

「別に俺はいつも通りだっての。心配される程、落ち込んでなんかいない」
「あのねぇ、そういう強がりは私の前でしなくてもいいの。私達、相棒なんだから。
 二人で一つ、一心同体なのよ? そういう何の利益にも繋がらない隠し事はなしっ」

 こうして会話している分にはどうにも、瑞鶴には敵わない。
年の功なのか、してやられてばかりだ。
ちなみにこのことを瑞鶴に言うと、すごく怒るのでスタンはあまり年齢については言及しないようにしている。
そういえば、アリーザの母であるアリシアも同じことを気にしていたことを思い出す。
やはり女性は年齢に対して、過敏に反応するのだな、とまた一つ学んだ次第である。

「それよりも、お昼は何処にする? スタンのご飯が普通の店よりも美味しいから、厳選しないとゲンナリしちゃうわよ」
「俺のせいかよ。つーか、ず……瑞ちゃんが……ってやっぱこの呼び名やめねえか!?
 もっとほら、何かまともな呼び名があるだろ! つうか、絶対わざとその呼び名にしたよなあ!」
「私は困ってないしぃ~? そうやって恥ずかしがっているのを見て楽しいしぃ~?」

 そして、いつもと違うのは呼び方だ。
流石に外でアーチャーと呼ぶのは怪しまれるかもということで、瑞鶴に対してはあだ名を介しているが、どうにも気恥ずかしい。
服装については、お互いどこにでもいるような現代風の格好で、とてもじゃないが戦いをしている人間とは思われないだろう。
スタンは、薄手の半袖パーカーにジーンズ。背には万が一の時を考え、剣を隠したギターケースを背負っている。
頭の耳は、外に出る時に隠す用のニット帽をかぶってバッチリだ。
瑞鶴はキャミソールにデニムのホットパンツと言った如何にも夏という服装である。
傍目から見るとカップルのようだが、当人達は欠片もそんなつもりはない。
精々、できの悪い弟と構いたがりの姉といったところか。

「……お前、今日の晩飯覚えてろよ」
「ちょ、待ってよ! そういう攻めは卑怯じゃない!?」
「だって、俺は困ってないしぃ~? 空腹のお前を見ながら美味しくごはんを食べるのは楽しいしぃ~?」

 この冬木市も夏の空気が色濃く、二人だけではなく道行く人も薄着だ。
会話も軽快で、とてもじゃないが聖杯戦争が行われているとは思えない。
誰しもが夏の到来を受け、日常を過ごしている。

「よーし、決めた。今日の晩飯は七面鳥な、七面鳥」
「あーっ! そういう嫌がらせする!? もう怒った、怒ったわよ!」

そう、一筋の炎と爆発が空に響くまでは。それは、戦争の始まりを予期させるには十分な合図であった。

「なんだよ、あれ……!?」
「……こんな昼間からお盛んね。大方、痺れを切らした主従が仕掛けたんでしょう」

 遠くに見える炎の塊を見て、スタンは唖然とする他なかった。
まさか、こんな街中で戦争を始めようとする奴等がいるなんて。
どれだけ平穏を享受しようが、この街は戦争の舞台だ。
その証拠に戦火の火種は自分達の近くでも燃え上がろうとしている。

「これじゃあリフレッシュもクソもないな。ともかく、巻き込まれないように」
「――ハッ、腰抜けのローディが。この聖杯戦争に参加してる奴等はどいつもこいつも劣等ばかりなのか?」
「お前……ッ」
「どうやら、俺は運がいい。このだだっ広い街で獲物を見つけられるなんてな」

 そうして、自分達も燃え広がった炎に巻き込まれていくのだろう。
気怠そうにロッドケースをくるりと回して。相対する金髪の少年は口元を歪めて、一歩踏み出した。
自分が負けるとは欠片も考えていない、そんな自信。スタンからすると、その病的なまでの意志の力が怖い。
手に持つロッドケースの中には恐らくは剣が入っているのだろう。
お互い、剣を使う担い手であり、地力の差で勝敗は決せられる。

「それじゃあ場所でも変えようぜ。お互い、こんな人通りがある所でいきなり戦うっていうのは不本意だろ?」
「……随分とお行儀がいいんだな。もっと見境なく襲ってくるかと思ったよ」
「俺をそんな能無しの奴等と一緒にしてくれるな。出来る限り、群衆に見られたら困るとか、そういうことは考えている。
 そこいらにいるローディを全部、一掃するのも手間だ。ゴミに時間を取られるなんて腹立たしいことこの上ない」

 もう戦いからは逃げられない。
背負った剣の重みを力に変えて、自分はこれから殺し合いをするのだ。
願いの為に、他者の命を奪う。その覚悟を、胸に携えて。












 走る、疾走する、全速力で。
後ろなど振り返らず、一心不乱に直走る。
家屋の立ち並ぶ風景もいつしか田園が混じる長閑な地域が見えてきた。
始まった戦は正直、負け戦だ。生前の戦を彷彿とさせる絶望的な戦力差。
わかっているっての、と苛立ち混じりに吐き捨てて、耳に入るバーサーカーの咆哮が耳障りで、舌打ち。
昼時の街外れを二体のサーヴァントが高速で駆け抜ける。

(いやいやいや、あれは無理でしょ。単騎で倒せる奴じゃないって)

 徹頭徹尾、瑞鶴は攻撃を回避することに集中し、攻撃を繰り出そうとは思わなかった。
一目見ただけなので、詳しくはわからないが、自分の繰り出す艦載機の爆撃で致命傷を与えられそうにないと予測。
もしかすると倒せるかもしれないといった楽観などさらさらない。こんな序盤で確率の低い賭けをする程、瑞鶴は馬鹿ではなかった。
今の優先事項はこの窮地を脱して生き残ることだ。そして、できることならば、マスターを救出して撤退したい。
振るわれた豪腕を回避しつつ、瑞鶴はひたすらに人気の少ない場所へと移動する。
こんな化物を街中に放ったら阿鼻叫喚の地獄が形成されてしまう。

(街中に誘導して注目を集めちゃうってのは愚策よね。そんなことをしても、生き残れる訳ないし。
 徒に犠牲を増やすのは本意じゃない。というか、逃げるって言っても、あの化物を振り切れるなんてできない。
 マスターさんが上手くやってくれるのは……無理かな。あの男の子の力量で言うと厳しいか)

 相手のマスターが人気のいる場所で戦う無法者でなくて助かった。
街中――人の往来が激しい場所で戦うなんて大惨事であるし、もしかするとペナルティが課せられるかもしれない。
能力値の高いサーヴァントならいざしらず、自分は生憎とそうではない。
創意工夫、応用力の高さで食らいつく身としては、これ以上の戦力低下は致命的だった。

(だったら、私がなんとかするしかない。あのデカブツをどうにかして倒す……はぁ、無茶にも程があるかぁ)

 展望は八方塞がりで、打開策は見当つかず。
全く持って、どうしようもない。家屋を利用しながらの回避も、田園地帯に入ってしまったら直にできなくなる。

(そういう状況であっても、諦める道理にはならないよね。マスターさんが戦っているのに、私が弱気になっちゃあ駄目ね)

 されど、諦めない、と。
生前の戦、そして今生の戦。それらを通して自分が諦めたことはただの一度もない。
それは、誓い続けた不屈の精神であり、瑞鶴のレーゾンデートル。
だって、この右手は、この願いは――比類なき尊きモノであるから。

(驕るな、強請るな、揺らぐな! 理性無き狂戦士にくれてやる程、私の願いは脆くない!)

 気を引き締めていこう。
相手は格上だが、戦意は此方の方が上だ。
だから、勝てるとまでは言わないが、僅かな勝率さえあれば、何にだって立ち向かえる。
なんて言ったって、自分には天壌無窮の『幸運』が付いている。
劣勢であろうが、この幸運があれば、追い風は吹くはずだ。
夏の光は鋭利に尖り、自分の行く先を照らしている。空は青く、雲は白い。
絶好調の天気に付随して、この窮地を吹き飛ばす一手を。
それは、風切り音と共にバーサーカーへと降り注ぐ矢を見て、確信に至った。
やはり、自分の幸運はとびっきりだ。口を三日月にして、瑞鶴は軽く笑う。

「我が矢――――流星の如し」

 それにしても、助け舟を出してくれたサーヴァントがまさか昨日に軽い小競り合いをした射手とは予想もしていなかったけれど。
視界の端。あの容貌には見覚えがある。驟雨とさえ感じる量の矢を放つ女性のアーチャー。
改めて見ると、洗練された弓矢の扱いである。悔しいが、弓矢を操るといった分野では自分より完全に格上である。

「…………まさか、助けてくれるサーヴァントがアンタとはね」
「言っておきますが、貴方を助ける利益があると判断したまでです。
 アレを後々まで放置しておくより、頭数がいる今の内に仕留めたい、それだけですよ。
 というよりも、私が隠れていた方向に正確に逃げてきたのは、私に対して嫌がらせですか?
 それで、穏便にやり過ごすって選択肢、消えましたからね?」
「やだなー、偶然だってば。そんな、ジト目で見ないでよ」

 それにしても、と瑞鶴は改めて援護をしてくれたアーチャーの全体像をまじまじと見る。
フリルがふんだんにあしらわれた白のブラウス、黒のコルセットスカート。
前に見た時は軽装の鎧を身に纏っていたというのにどういった心境なのだろうか。
下手に突っ込むと色々とどうでもいいことを力説されそうだと瑞鶴は察し、あざとさ満点の服装については深く突っ込まず。
自分があんな服装をしたらマスターに笑われるなとどうでもいいことを考えながら、彼女と軽口をかわす。
アーチャーによる援護は的確であり、瑞鶴の逃げる余裕をある程度生み出してくれた。
合流し、横並びに逃げる二人をバーサーカーは濁った目で睨みつけ、咆哮を上げる。

「相手は狂戦士が一人、此方は射手が二人。どうにか、前衛が欲しい所ですけど」
「ああ、それなら心配はいらないわ」

 アーチャーの矢は、あくまで足止め程度にしかならず、咆哮を上げ、此方へと一直線ににじり寄ってくる。
このままではジリ貧だというのに、瑞鶴の表情には余裕があった。

「もう一体、来るから」

 瑞鶴はにやりと笑顔を見せ、アーチャーに前を見ろと促す。
その視界には一人の男が映り、此方へと手を振りながら近寄ってくる。

「おいおい。小さな飛行機が誘導する先にサーヴァントの反応があると思いきや、女の子二人に……アレは…………説得できっかなぁ。
 つうか、お前キャスターが言ってた奴……ッ!」
「へぇ、あのキャスターと知り合いなんだ。まあ、色々と因縁とかあるけど、今はそれどころじゃないのよね」
「そうみてぇだな。ったく、化物退治は専門外なんだがよ」

 テレビの中に出てくるようなヒーローの出で立ちのサーヴァントは溜息をつきながら、眼前のバーサーカー相手に前へ出る。
三対一。数では圧倒的優位を誇るのに、どうしてか必ず勝てると言った余裕は中々生まれない。
それだけ、バーサーカーが強大であり、自分達の必殺とも言える宝具が通用するかどうかわからないということだ。

「成り行きでこうなっちまったが、今は協力できるな?」
「当然。アレとサシなんて嫌よ」
「まあ、そうなりますわね」

 全てがどうしようもなく厄介で、呼吸一つ、鼓動一つを、重々しい儀式のように感じてしまう。
それだけ、これから起こる戦いは“重い”のだ、と。
全員があの化物は間違いなくこの聖杯戦争の中では、一二を争う強敵だと理解していた。
だから、ここで倒さなくてはならない。厄介事は早めに片付けるに限る。
相対するバーサーカーから感じられる背筋がぞっとするような、気持ちの悪さ。
世界全てに反逆を。バーサーカーの瞳の中に見えた狂気が、足許から広がっていて。
ふっと口元から息が漏れて、身体の中から湧き上がってきた仄かな暖かさが、喉と鼻を通り吐き出される。
もう後戻りはできない。敵は、倒す。それが聖杯戦争のルールだから。
三者三様、溜息なり気合の声なり出して。
そうして、サーヴァントによる戦争が始まった。












「さってとぉ、各地で戦争をおっ始めやがってる奴等がいて嬉しいねえ」

 アリー・アル・サーシェスの戦争に懸ける想いは狂気だ。
略奪も、陵辱も、虐殺も、全てをひっくるめてこその戦争であって、自分はそれを巻き起こすクソッタレ。
百貨店に爆弾を仕掛けたのは勿論、彼である。
日常を謳歌している者に恐怖を刻む為、戦乱を望む者を呼び覚ます為。
彼の行動の全ては戦争につながっている。
何もかも、一切合切を戦火で炙って笑おう。
それが、戦争屋というものだ。

「しかし、お前がちょっかいをかけねぇってのは中々だな。そんなにヤバイのか、あの化物」
「そうだね。アレはボク達の天敵だよ。一度やりあったけど、勝つのは入念な準備が必要かな。
 今回みたいに楽しむ目的で手を出したら死んじゃうよ」

 彼らは勝てない勝負を決してしない。
キルバーンが自分達には手に余ると評したバーサーカーに対してはあくまで、姿を遠巻きに見ることに留めた。
追いかけられているサーヴァントにはご愁傷様であるが、出来る限り時間を稼いで死んで欲しい。

「それで、ボク達が遊ぶ場所は結局何処なのさ?
 あのデパート近くでもないし、今向かっている場所ぐらい教えてくれてもいいんじゃない?
 というより、爆弾なんて仕掛ける必要あったのかい?」
「大アリさ。浮足立った奴等があっちに気を取られている内に本命を取るんだよ。
 大規模な爆発だ、どいつもこいつもあっち方面に向かうだろうさ」

 デパートの爆発に慌てふためく雑踏を尻目にサーシェスが案内した場所は昨日に下見をした研究施設であった。

「っと、着いたぜ。今日の遊び場はここだ」
「あれぇ、昨日は内部構造がわからないから攻め込まないって言ったじゃないか」
「そうだな、昨日の時点ではな。テメエらが遊び歩いてる間、情報屋を使って色々と調べたんだよ。
 まあ、値は張ったが、情報はしっかりと手に入れたぜ。目的の機械もプロトタイプではあるが、配置されているらしい。
 持ち出してくれる親切な誰かさんを待とうかと思ったが、待ちきれなくてな」

 くははと声を上げて笑うサーシェスの顔はいつにもなく上機嫌であり、鼻歌混じりなぐらいだ。

「あの女社長さんにはわりぃが、利用させてもらうぜ。この施設をよぉ」

 その悪徳の欲望は戦争に関連するものであったならば、何にでも伸ばされる。
それは、平和の為に使われるであろう兵器であっても。
その理念がサーシェスと似ても似つかない尊き願いであっても。
全部ひっくるめて、彼は笑ってこう言うのだ。

人殺しの武器に、是非もクソもあるか、と。



【C-6/御坂妹のマンション/二日目・午前】

【御坂妹@とある魔術の禁書目録】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]学園の制服、専用のゴーグル
[道具]学校鞄(授業の用意と小型の拳銃が入っている) 、思い出のプリクラ
[金銭状況]普通(マンションで一人暮らしができる程度)
[思考・状況]
基本行動方針:元の世界へ生還する
1.協力者を探します、とミサカは今後の方針を示します
2.これ以上人員の欠員はさせない、とミサカは意気込みます
3.学園で体育の着替えを利用してマスターを探ろうか?とミサカは思案します
4.光を巻き込みたくない、けれど――とミサカは親友に複雑な思いを抱いています
[備考]
自宅にはゴーグルと、クローゼット内にサブマシンガンや鋼鉄破りなどの銃器があります
衣服は御坂美琴の趣味に合ったものが割り当てられました
ペンダントの購入に大金(少なくとも数万円)を使いました
自宅で黒猫を飼っています



【レプリカ(エレクトロゾルダート)@アカツキ電光戦記】
[状態](7号~20号)、健康、無我
[装備]電光被服
[道具]電光機関、数字のペンダント
[思考・状況]
基本行動方針:ミサカに一万年の栄光を!
1.ミサカに従う
2.ミサカの元に残り、護衛する
[備考]
14号に関しては――。



【C-8/アイドル女子寮/二日目・午前】

【本田未央@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ)】
[状態]失血(中)
[令呪]残り3画
[装備]なし
[道具]なし
[金銭状況]着の身着のままで病院に搬送されたので0
[思考・状況]
基本行動方針:疲れたし、もう笑えない。けれど、アイドルはやめたくない。
1.いつか、心の底から笑えるようになりたい。
2.加藤鳴海に対して僅かながらの信頼。
[備考]
前川みくと同じクラスです。
前川みくと同じ事務所に所属しています、デビューはまだしていません。
気絶していたのでアサシン(あやめ)を認識してません。なので『感染』もしていません。
自室が割と酷いことになってます。
C-8に存在する総合病院に担ぎ込まれました。現在は脱走中の身です。
家族が全滅したことをまだ知りません。



【しろがね(加藤鳴海)@からくりサーカス】
[状態]健康
[装備]拳法着
[道具]なし。
[思考・状況]
基本行動方針:本田未央の笑顔を取り戻す。
1.全てのサーヴァントを打倒する。しかしマスターは決して殺さない。
2.この聖杯戦争の裏側を突き止める。
3.本田未央の傍にいる。

[備考]
ネギ・スプリングフィールド及びそのサーヴァント(金木研)を確認しました。ネギのことを初等部の生徒だと思っています。
前川みくをマスターと認識しました。
アサシン(あやめ)をぎりぎり見てません。



【B-9/マンションの一室(チコの部屋)/二日目 午前】

【千鳥チコ@ハチワンダイバー】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]財布や腕時計など遠出に役たつ物が入ったバッグ、マグネット将棋セット、和菓子いくつか
[金銭状況]無駄遣いしても生活に苦がない程度。
[思考・状況]
基本行動方針:攻めて、攻めて、攻め続ける。攻めの手を切らない。
1.移動。ヨシモトから見える範囲でぶらつく。
2.今日は新都で騒ぎを起こしてみるか。
[備考]



【B-6/神楽坂明日菜の家/二日目・午前】

【神楽坂明日菜@魔法先生ネギま!(アニメ)】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]学園の制服
[道具]学校鞄(授業の用意が入っている)、死んだパクティオーカード、スマートフォン 、思い出のプリクラ
[金銭状況]それなり
[思考・状況]
基本行動方針:死にたくない
1.皆がいる麻帆良学園に帰りたい。
2.でもだからって、そのために人を殺しちゃうと……
3.――助けて。
[備考]
大きめの住宅が居住地として割り当てられました
そこで1人暮らしをしています
鈴音の工房を認識しているかどうかは後続の書き手にお任せします
スマートフォンの扱いに慣れていません(電話がなんとかできる程度)



【キャスター(超鈴音)@魔法先生ネギま!】
[状態]健康
[装備]改良強化服、ステルス迷彩付きコート
[道具]時空跳躍弾(数発)
[思考・状況]
基本行動方針:願いを叶える。
1. 純黒のサーヴァント(球磨川禊)を何とかして排除する。前川みくを殺すことで退場させたい。
2.明日菜が優勝への決意を固めるまで、とりあえず待つ
3.打って出る。新都へと赴き、みくを暗殺する。
4.T-ANK-α3改を放って、マスターを暗殺する。
[備考]
ある程度の金を元の世界で稼いでいたこともあり、1日目が始まるまでは主に超が稼いでいました
無人偵察機を飛ばしています。どこへ向かったかは後続の方にお任せします
レプリカ(エレクトロゾルダート)と交戦、その正体と実力、攻性防禦の仕組みをある程度理解しています
強化服を改良して電撃を飛び道具として飛ばす機能とシールドを張って敵の攻撃を受け止める機能を追加しました
B-6/神楽坂明日菜の家の真下の地下水道の広場に工房を構えています
工房にT-ANK-α3改が数体待機しています
チャットのHNは『ロマンチスト』。



【C-2/学園/二日目・午前】

【竜ヶ峰帝人@デュラララ!!】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]
[道具]
[金銭状況]割と貧困
[思考・状況]
基本行動方針:不透明。聖杯は欲しいが、人を殺す覚悟はない。
1.――――。
[備考]
※とあるサイトのチャットルームで北条加蓮と知り合っていますが、名前、顔は知りません。
※他の参加者で開示されているのは現状【ちゃんみお】だけです。他にもいるかもしれません。
※チャットのHNは『田中太郎』。
※冬木市で起きた事件のおおよそを知っています。
※部屋には銃火器、手榴弾があります。



【B-4/八神はやての家/二日目 午前】

【八神はやて@魔法少女リリカルなのはA's】
[状態]下半身不随(元から)、睡眠
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]なし
[金銭状況]一人暮らしができる程度。
[思考・状況]
基本行動方針:日常を過ごしたかった。けれど、もう目を背けることはできない。
1.戦いや死に対する恐怖。
[備考]
戦闘が起こったのはD-5の小さな公園です。車椅子はそこに置き去りにされました。
北条加蓮、群体のサーヴァント(エレクトロゾルダート)を確認しました。
自室に安置された闇の書に僅かな変化が生じました。これについての度合いや詳細は後続の書き手に任せます。
自室一帯が低ランクの工房となっています。魔力反応を遮断できますが、サーヴァントの気配までは消せません。



【キャスター(ギー)@赫炎のインガノック-what a beautiful people-】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:はやてを無事に元の世界へと帰す。
1.ワイルドタイガーによる人海戦術を頼る。
2.脱出が不可能な場合は聖杯を目指すことも考える(今は保留の状態)。
3.例え、敵になるとしても――数式医としての本分は全うする。
[備考]
白髪の少女(ヴェールヌイ)、群体のサーヴァント(エレクトロゾルダート)、北条加蓮、黒髪の少女(瑞鶴)、ワイルドタイガー(虎徹)を確認しました。
ヴェールヌイ、瑞鶴を解析の現象数式で見通しました。どの程度の情報を取得したかは後続の書き手に任せます。
北条加蓮の主従と連絡先を交換しました。
自身の記憶に何らかの違和感を感じとりました。
新都で"何か"が起こったことを知りました。



【北条加蓮@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]睡眠
[令呪]残り三画
[装備]
[道具]
[金銭状況]学生並み
[思考・状況]
基本行動方針:――やり直したい。
1.自分の願いは人を殺してまで叶えるべきものなのか。
2.タイガー、ギーの真っ直ぐな姿が眩しい。
3.聖杯を取れば、やり直せるの?
[備考]
とあるサイトのチャットルームで竜ヶ峰帝人と知り合っていますが、名前、顔は知りません。
他の参加者で開示されているのは現状【ちゃんみお】だけです。他にもいるかもしれません。
チャットのHNは『薄荷』。
ヴェールヌイ及び瑞鶴は遠すぎて見えてません。
ギーの現象数式によって身体は健康体そのものになりました。
血塗れの私服は自室に隠しています。
八神はやての主従と連絡先を交換しました。



【C-8/デパート/二日目・午前】

【前川みく@アイドルマスターシンデレラガールズ(アニメ)】
[状態]魔力消費(中)、決意
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]学生服、ネコミミ(しまってある)
[金銭状況]普通。
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を取るのかどうか、分からない。けれど、何も知らないまま動くのはもうやめる。
1.人を殺すからには、ちゃんと相手のことを知らなくちゃいけない。無知のままではいない。
2.音無結弦に会う。未央は生きていたが、それとこれとは話が別。
3.未央を護る。
[備考]
本田未央と同じクラスです。学級委員長です。
本田未央と同じ事務所に所属しています、デビューはまだしていません。
事務所の女子寮に住んでいます。他のアイドルもいますが、詳細は後続の書き手に任せます。
本田未央、音無結弦をマスターと認識しました。
アサシン(あやめ)を認識しました。



【ルーザー(球磨川禊)@めだかボックス】
[状態]『女の子の語らいを邪魔するのはよくないよね、霊体化しとこっと』
[装備]『いつもの学生服だよ、新品だからピカピカさ』
[道具]『螺子がたくさんあるよ、お望みとあらば裸エプロンも取り出せるよ!』
[思考・状況]
基本行動方針:『聖杯、ゲットだぜ!』
1.『みくにゃちゃんに惚れちまったぜ、いやぁ見事にやられちゃったよ』
2.『裸エプロンとか言ってられる状況でも無くなってきたみたいだ。でも僕は自分を曲げないよ!』
3.『道化師(ジョーカー)はみんな僕の友達―――だと思ってたんだけどね』
4.『ぬるい友情を深めようぜ、サーヴァントもマスターも関係なくさ。その為にも色々とちょっかいをかけないとね』
5.『そういえばチャットの約束、すっかり忘れてたよ。でも、別にいっかぁ』
[備考]
瑞鶴、鈴音、クレア、テスラへとチャットルームの誘いをかけました。
帝人と加蓮が使っていた場所です。
本田未央、音無結弦をマスターと認識しました。
アサシン(あやめ)を認識しました。彼女の消滅により感染は解除されました。
※音無主従、南条主従、未央主従、超、クレア、瑞鶴を把握。



【アサシン(クレア・スタンフィールド)@バッカーノ!】
[状態]健康
[装備]
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯は俺が奪う。
1.とりあえず、マスターは護る。
2.他参加者、サーヴァントは殺せる隙があるなら、遠慮なく殺す。利用できるものは利用し尽くしてから始末する。
2.純黒のサーヴァントはどうでもいいが、殺せるなら殺す。前川みくは殺せそうなら、さくっと殺す。
[備考]



【C-7/二日目 午前】

【スタン@グランブルーファンタジー】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]剣、ギターケース
[道具]教材一式
[金銭状況]学生並み
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を取る。
1.知り合った人達が敵であっても、戦わなくちゃいけない。
[備考]



【ボッシュ=1/64@ブレス オブ ファイア V ドラゴンクォーター】
[状態]魔力消費(大)
[令呪]残り3画
[装備] 獣剣
[道具]ロッドケース
[金銭状況]奪った分だけ。今は余裕がある。
[思考・状況]
基本行動方針:勝利し、空を見に行く。
1.最低限の戦果を良しとする。
2.戦闘の結果を見て、今後どうするかを考える。
[備考]
NPCを何人か殺害しています。
バーサーカーを警戒しています。



【B-7/二日目 午前】

【アーチャー(瑞鶴)@艦隊これくしょん】
[状態]健康
[装備]弓矢、キャミソールにデニムのホットパンツ
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を取る。
1. 協力してバーサーカーに対処する。
[備考]
※はやて主従、みく主従、超、クレア、ゾル、加蓮を把握。
チャットのHNは『加賀岬』。



今川ヨシモト@戦国乙女シリーズ】
[状態]健康
[装備]ヨシモトの弓矢 、白のブラウス、黒のコルセットスカート
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに従いますわ!
1.協力してバーサーカーに対処する。
2.同時に、チコの周囲を警戒。サーヴァントらしき人物がいたらチコに報告して牽制を加える。
3.夜間、遠方からC-7の橋を監視。怪しい動きをしている人物が居れば襲撃。
[備考]
※本人の技量+スキル「海道一の弓取り」によって超ロングレンジの射撃が可能です。
 ただし、エリアを跨ぐような超ロングレンジ射撃の場合は目標物が大きくないと命中精度は著しく下がります。
 宝具『烈風真空波』であろうと人を撃ちぬくのは限りなく不可能に近いです。
※瑞鶴、みく主従を把握。
※チッチは新都の何処か安全な場所でまったりしています。もしかすると、知人の漫画家辺りと将棋でも打ってるかもしれません。



【ヒーロー(鏑木・T・虎徹)@劇場版TIGER&ampBUNNY -The Rising-】
[状態]健康
[装備]ヒーロースーツ
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターの安全が第一。
1.協力してバーサーカーに対処する。
2.何とか信頼を勝ち取りたいが……。
3.他の参加者を探す。「脚が不自由と思われる人物」ってのは、この子だったか。
4.八神はやてとキャスターの陣営とは上手く付き合っていきたい。
[備考]



【バーサーカー(ブレードトゥース)@メタルマックス3】
[状態]全身ダメージ(小)、脇腹負傷
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:マスターを殺す。
1.マスターを殺したい。
[備考]
どんな命令でも絶対服従。近づかない限り暴走はしません。
マスターに殺意を抱いています。



【B-8/とある研究施設 /二日目 午前】

【アリー・アル・サーシェス@機動戦士ガンダムOO】
[状態]魔力消費(中)
[令呪]残り三画
[装備]正装姿
[道具]銃火器、ナイフなどといった凶器
[金銭状況]当面は困らない程の現金・クレジットカード
[思考・状況]
基本行動方針:戦争を楽しむ。
1.我慢ができなかったので、テロを起こしたりするし、研究施設にドンパチしにいったりもする。
2.カチューシャのガキ(ゆり)が生きていたら遊ぶ。
[備考]
カチューシャの少女(ゆり)の名前は知りません。
銃器など凶器の所持に関しては後続の書き手にお任せします。



【アサシン(キルバーン)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険- 】
[状態]霊体化
[装備]なし(死神の笛、ファントムレイザーはまだ復活していない)
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに付き合い、聖杯戦争を楽しむ。
1. 復帰はしたけれど、まだ戦うまでには至らない。
[備考]

【アサシン(ピロロ)@DRAGON QUEST -ダイの大冒険-】
[状態]魔力消費(極大)精神疲労(極大)
[装備]いつも通り
[道具]なし
[思考・状況]
基本行動方針:マスターに付き合い、聖杯戦争を楽しむ。
1.サーシェスに気づかれる前にキルバーンの状態を戻す……事はできなさそうだけど、どうするべきか。
[備考]




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056:無間叫喚地獄 投下順 058:希望の道、きみと
056:無間叫喚地獄 時系列順 058:希望の道、きみと

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049:閑話休題のアイオライト 御坂妹 :[[]]
レプリカ(エレクトロゾルダート)
055:そして、彼らは手を取った 本田未央 058:希望の道、きみと
しろがね(加藤鳴海)
029:願い潰しの銀幕 千鳥チコ :[[]]
047:正【えいゆう】 アーチャー(今川ヨシモト) :[[]]
049:閑話休題のアイオライト 神楽坂明日菜 :[[]]
054:前川みく抹殺計画 キャスター(超鈴音) 058:希望の道、きみと
竜ヶ峰帝人 :[[]]
アサシン(クレア・スタンフィールド) :[[]]
053:願い、今は届かなくても 八神はやて :[[]]
056:無間叫喚地獄 キャスター(ギー) 063:幕間・巷に雨の降る如く
北条加蓮 063:幕間・巷に雨の降る如く
ヒーロー(鏑木・T・虎徹) :[[]]
055:そして、彼らは手を取った 前川みく :[[]]
ルーザー(球磨川禊) :[[]]
054:前川みく抹殺計画 スタン 059:壊苦/会苦の剣士達
アーチャー(瑞鶴) :[[]]
033:空へと至る夢 ボッシュ=1/64 059:壊苦/会苦の剣士達
バーサーカー(ブレードトゥース) :[[]]
046:這い寄る悪夢 アリー・アル・サーシェス :[[]]
052:そしてあなたの果てるまで(前編)
052:そしてあなたの果てるまで(後編)
アサシン(キルバーン) :[[]]
アサシン(ピロロ) :[[]]

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