転位音⇔非和声音 対応表
刺繍音 前部原位をもつ、後部復元転位音
経過音 前部原位をもつ、後部経過転位音
先取音 保留転位音
逸音 過復元転位音
繋留音 和音交替点にあらわれる復元転位音のうち、先行音が定位等高音で、スラーにより到達するもの
倚音 和音交替点または内部変換点にあらわれる、復元転位音
後部倚音 前部原位をもたない、後部復元転位音
刺繍的倚音 倚音のうち、先行音=原位音(倚音の前後が同じ音。つまり、刺繍音的進行)なもの
経過的倚音 倚音のうち、先行音が原位と逆方向の隣接音(つまり、経過音的進行)なもの
転位音の還元
還元: ある転位音を、かりにその原位状態に戻してみること
(実際これをしないと和声記号の概念は実音楽に適用できないと思われる)
原位判定の一般原則
1.前部転位音の原位は、後続する隣接転位音と一致する
(つまり、倚音や掛留音があるときは、うしろの原位を和声記号に使用する)
2.先行隣接定位音をもつい後部転位音の原位は、その先行隣接定位音と一致する
(つまり、経過音や刺繍音があるときは、まえの原位を和声記号に使用する)
3.先行隣接定位音をみたない後部転位音の原位は、多くは後続隣接定位音と一致する
(つまり、跳躍からの先取音があるときは、うしろの原位と同じ高さを先取音部分の和声記号に使用する)
ただし、後続定位音を原位とみなしえないときは、後続音と逆方向の隣接定位が原位である
(つまり、上例でうしろの原位が先取音部分で非和声音のとき、この先取音を経過音とみなして前の原位を使用する
このとき、判定上の原位と同じ音はその声部に実在しない)
解決の延引
転位音の解決すべき定位音を、さらに転位することにより、解決を先送りすること
(これにより、はじめの転位音からの進行が1度になったり3・4度になったりする)
解決の延引は、何回でも連続的にできうる
転位音への解決
転位音はふつう定位音に解決するが、
場合により、後部定位音が、つぎの和音記号の前部転位音に解決することもある
「転位音への解決」と「解決の延引」のちがう点
第二の転位音を還元したとき、
解決の延引ならば 第一の転位音の解決進行は成立している
転位音への解決だと これが 成立しない
ただし、後者で解決が成立している場合もあり、このときはどちらにもみなせる
最終更新:2008年11月01日 18:36