泥中散華、未だ遠く
「蓮の花のようになりたいんスよ。自分に合った場所で咲くだけで『清らか』だとかチヤホヤされて、そっとしといてもらえるように」
深い諦観と失望を乗せて、どうでもよさそうに女は言った。
深夜、親の寝付いている間に子供たちが失踪する――――そんな事件が連続し、世間を騒がせている中でもハロウィンの夜はやってくる。
怪物に扮した人々が賑やかに行き交う街の只中で、境界対策課祓魔隊第六班の面々は二つにチームを分けて業務に取り掛かっていた。
怪物に扮した人々が賑やかに行き交う街の只中で、境界対策課祓魔隊第六班の面々は二つにチームを分けて業務に取り掛かっていた。
一つは、件の児童連続失踪事件と関与を疑われるとある『飴玉』がハロウィンで配られていることへの調査。
一つは、『様子のおかしい子供たちが集められている』と通報のあった建物への突入。
一つは、『様子のおかしい子供たちが集められている』と通報のあった建物への突入。
子供達と共に救出された奇妙な通報者、自称アルバイターの陽依蓮実(ひよりはすみ)がもたらした情報によると、犯人は『子供達に飴玉を配らせていた』らしいが――――?
素性の分からない子供たちに、混迷する情報、目的の分からない犯行計画。凄絶な悪意を背後に隠した事件は、次第に陰惨な方向へと転がり落ちていく。
これは、一人の人間が祓魔師になった一夜のお話。
基本情報
作品URL | https://syosetu.org/novel/357543/ |
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権利者 | クサリ |
コンタクト先 | X(旧Twitter) https://twitter.com/kusari13 |
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