【狐、化け狐、妖狐】

人間たちを化かす存在として狐は広く語られている。

あぶらあげ好み、よろこぶ時は壺を叩き鳴らすような音で鳴くと言う。また凶事が起こるような時は前触れとして「ぐゎんげぐゎんげ」と鳴くとも言う。

数千年をへた古木で叩いたり、それを燃やした火で照らしたりすると、狐の正体をあばく事が出来るという。*1

九尾の狐は狐の妖怪のうちでは最大規模のものとして知られる。また天狗刑部姫も狐との関係が深い。

狐と星

狐は骨を頭にのせて北斗星を拝み、骨を落とさぬように宙返りをすると思う姿に化ける事が出来ると言い伝えられている。

【神狐】

狐は稲荷神のつかいとして広く信仰もされていた。しかし、稲荷信仰は古くは狐ではなく蛇であったとする考察もあり、古い形態には不明な点も多い。

【天狗】

「天狗」は古くは「あまつきつね」と読まれており「天狐」の意味であると考えられていた。

【狐おとしの呪文】

「追打鬼(ついだき)婆羅羅鬼(ばららき)法性房(ほっしょうぼう)の門葉(もんよう)」と唱えると、人間にまとわりついた狐の霊は落ちると言われている。法性房とは平安時代に多くの怨霊を鎮めたとされる比叡山の高僧・尊意(そんい)のこと。

【狐と子供】

狐は人間の子供をしばしば襲って喰うことがある。疫病にかかり、弱り切った状態の幼児は最も利用・摂取しやすい盆血・赤気であり、疱瘡(天然痘)にかかった幼児を狐が舐めに来たという言い伝えは各地に残されている。

最終更新:2023年01月26日 14:46

*1 『農政全書』