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オリスタトナメ 外伝①

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jupiter

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―――とある建物のホールにて。

六郎「うおおおおおおおおお!! 『クレセント・ロォォオオック』!!」
バシバシバシバシバシバシッッ!!

藤島六郎(フジシマ ロクロウ)のスタンド、『クレセント・ロック』はホールの床に拳を何度も打ちつけ、床から無数の『ロケット弾』を生み出した。


六郎「全弾発射だッ!!」
ドシュドシュドシュゥ―――――――z________ッ!!!

幾多もの小型ロケットが目の前にいる男めがけ放たれる!


???「……………」
バシバシバシバシッ

しかし、そのすべてのロケットは男のスタンドによってはじかれ、軌道をかえてしまった。

ボカン! ボカン!
 ボカン! ボカン!


男の周囲にロケットの爆発によって発生した煙が立ち込めていく。
その直後、男の背後からもう一人の人影が姿を現す。

ジャン「殴りぬけッ、『ドッグ・マン・スター』!!」
ブオッ!!


『ドッグ・マン・スター』のスタンド使い、脚蛮 醤(ギャバン ジャン)だ。
六郎が男の注意を引いている間にジャンは男に対して奇襲を仕掛けた。
だが……

???「…………遅いね。」
ジャン「!?」

ガシッ!!

ドッグ・マン・スターの振り下ろした右拳は男のスタンドに片手でいとも簡単に止められてしまった。


ボグッッ!!

ジャン「ぐう……ッ!!」

男のスタンドがもう一方の拳でジャンの腹を突いた。
腹を突きぬかない程度にパワーは抑えられていても、その目にも留まらぬスピードは『ドッグ・マン・スター』をはるかに凌駕していた。

ジャンは腹を腕で抱えて、その場に膝をついた。
離れたところにいる六郎にも、その男を倒す術はもう持ち合わせていなかった。


???「…………『つまらない』。これがほんとうにトーナメントを勝ち上がった者たちの実力なのか? 正直、期待はずれだ。」

長時間に及んだ戦い、六郎とジャンが共闘しても二人はこの男に傷一つ負わせることができなかった。
男は二人に背を向け、建物の出口に向かって歩き出した。

六郎「待ちやがれ……!!」

男は振り返らずに話す。

???「君達はまだここに閉じ込めておこう。……なに、心配することはないよ。一週間後にまた戻ってくる。」


男が出口の扉を開けると、外の明るい光がホール内に差し込んだ。
六郎とジャンが閉じ込められているこの建物は、男にしか外へ繋がる扉や窓を開けることは出来なかった。
二人が扉を開こうとしたり、窓をブチ破ろうとしても、何か『奇妙な力』によってすべて阻まれてしまうのだ。

六郎とジャンにとって、外に出る方法は男に勝つほかになかったのだ。


バタン!!

重く、大きな音とともに建物は再び外の世界からは切り離された。


六郎「ちくしょう……ダメだったか………。」
ジャン「……一週間の間に、何か策を練っておかなければな。」


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――――某日、羽田空港到着ロビーにて。

加賀「―――久々に帰ってきたわね。我が体の故郷、ニッポン。」

N・C「ナンダ、『体の』ッテ。」

加賀御守道(カガ ミモチ)の胸ポケットにささった万年筆から、彼女のスタンドの『ニール・コドリング』が話しかけた。

加賀「私の里心はすでにロンドンに移っているということよ。」

N・C「ドウモイヤラシク聞コエチマウゼ。」

加賀「それにしても機内で食べたハニーローストピーナツ、うますぎたわ。ビールも飲みすぎて何度トイレに立ったかわからないくらい。」

N・C「通路側ニ座ッテタ外国人ガスゲー迷惑ソウナ顔シテタナ。」

加賀「仕方ないのよ。それが通路側に座った者の宿命なの。……しかし、おかげで眠い。眠すぎるわ。」

N・C「ロンドンカラ日本マデ、ズーットピーナツ食ベナガラ『アニメ』観テタカラナ。初メテ飛行機乗ッタワケデモナイノニ興奮シヤガッテ。」

加賀「どうせエコノミーじゃまともに寝れるわけがないじゃない。さ、うんこしたらさっさと都心に向かうわよ。」


そのとき、加賀の背後の柱の影から加賀をじっと見つめる男の姿があった……。



加賀「ふう、徹夜したけど快便だったわ。」

N・C「心ガイギリスニアルンダッタラ、モウ少シ淑女ラシクシヨウゼ。」

加賀「それは無理な話でしょ。だって私警察官だもの。」

N・C「ソレ関係ナクネ?」

加賀「警察といえば……こないだの五輪はさんざんだったわ。私警部なのに、ボロ雑巾のようにこき使いやがって……」


加賀の背後から、男が近づいてくる。

加賀「さらに市民には日本からの観光客に間違えられるし……フィッシュ&チップスとドクターペッパーを私に勧めるんじゃないわよ!」

???「おい、そこのおさげのお姉さん。」

加賀「マラソンのときには同僚でさえもが監視をしている私をコース外に追い出そうとして……」

???「おい、きいてんのか?」

N・C「オイ、ナンカ呼ンデルゼ。」

加賀「…………『お嬢さん』と呼んだら、振り返ってあげるわ。」

???「……おさげのお嬢さん。」

加賀「何かしら?」クルッ


加賀が振り返ると、そこに立っていたのは、見たことがあるようなないような顔の男だった。

???「ここで会ったが百年目……てめえ、加賀とかいう女刑事だな!?」

加賀「そういう君はジョナサン・ジョースター。」

???「あ、ジョナサン??」

加賀「なに、このネタを知らないの?」

???「一体何のことだ?」

加賀「あらあら、『ジョジョ』知らないのね。ほら、そこの本屋さんに行けばコミックス売ってるから買って読んで……」

N・C「ヤ、ヤメロ! コノSSノ世界観ガ崩レカケテルゾ!!」

???「俺はてめーに用があるんだ……。」

加賀「私に……? 私の体を求めているのかしら?」

N・C「心ハ『イギリス』ニ置イテキタカラナ、クソワロタ。」

???「ッチ…………この人をバカにしたような口調、あのときと変わんねーぜ……。」

男は髪をかきあげて加賀を睨みつけた。


???「俺は……桐生麗(キリウ レイ)だッ!! ずいぶん前……おまえに負かされた!!」


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加賀「桐生……? ああ、そういえば戦ったわね。ファンシーな柄のカーディガンと奇抜な配色の髪……今もまったく同じカッコね。」

桐生「ソコにはあんまりツッコまなくていい……。」

加賀「それで、その誇りある血統が私に何の用事?」

桐生「俺は、てめーにリベンジするためにずっと待ってたんだッ!!」

加賀「…………え? あの日から今日までずっと? この空港で?」

桐生「そうだ。てめーがロンドンに住んでることはあのとき聞いたからな……。この空港で整備士として働いて、ずっとてめーが来るのを待ってたんだ!!」

加賀「うわ……引くわ~~」

N・C「キモッ。」

桐生「うるせえッ! だいたいあの勝負だって本当は俺の勝ちだったんだからな。」

加賀「え、なんで?」

桐生「あの戦いで……てめーはインクに火をつたわせてドラム缶を爆破したが……万年筆のインクに油なんか使ってるはずねーじゃねーか!」

加賀「ああ、それは間違えたのよきっと。」

桐生「誰がだ?」

N・C「誰ダロウネェ。」

加賀「ミスはともかく……あのとき私の万年筆には確かに油が入ってたわ。」

桐生「な、なんだって? なぜだ!?」

加賀「…………オリーブオイルよ。」

桐生「!?」

加賀「万年筆といえど、いつかは劣化するもの。油をさすという意味で、インクのなかにオリーブオイルを仕込むことは万年筆を長持ちさせるためによくやることなの。」

桐生「なんだと……」

加賀「地中海あたりでは万年筆用のオリーブオイルが売られていると聞くわ。」

桐生「つまり、水性インクの中のオリーブオイルに火がついたということなのか……。」

加賀「万年筆の手入れをしていなかったら私が負けていた……あなた、運が悪かったわね。……これで私があなたのリベンジを受ける理由はないわ。」

桐生「…………くそッ。」

加賀「私はこれから行かなければならないところがあるの。それじゃあ、あなたも元気でね。」


立ちすくみ、うつむく桐生を尻目に加賀は去っていった。

加賀「あんなウソを信じるなんて……さすがの私でも驚いたわ。」

N・C「負ケルベクシテ負ケタ気ガスルワ、アイツ。」

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桐生(ちくしょう……せっかく見つけたってのに、戦うことすらできねーのかよ……。)

桐生(あの女に負けてから、ドラッグレースでも勝てず、調子を崩しちまった。)

桐生(しばらく女遊びも断って、ひたすらスタンドの訓練をしてきたってのに……みっともねーぜ……。)

桐生があふれた涙を袖で拭って顔を上げたとき、目の前には去っていったはずの加賀が立っていた。


桐生「………………?」

加賀「……あなた、車もってたわよね? リッパなやつ。」

桐生「ああ、レースでも使うクラシックなホットロッドだぜ。」

加賀「……いつのまにか、サイフすられちゃって……。」

桐生「あ?」

加賀「お尻のポケットに入れてたのをスポッと取られちゃってね。交通費がないのよ。」

桐生「警察官がスリにあうなよ。」

加賀「……もし、あなたが今日私の運転手になってくれるんなら、リベンジ受けてあげてもいいわ。」

桐生「…………な!!」

加賀「というか、お願いします。どーか、頼みます。」

桐生「………………」

加賀「…………ダメ?」

桐生「…………ッチ、仕方ねえな! その条件飲んでやるよ!! 俺のクルマの助手席に女座らせることなんてめったにないんだぜ!?」

N・C「マッタク、現金ナヤツダ。」

桐生「ヘヘ、俺の相棒ならどんなところまででもひとっ飛びだぜ! んで、ドコに行くんだよ!?」

加賀「秋田県。」

桐生「あ、ああああっ、秋田県!?? 遠すぎるわ!!」

N・C「……ヤレヤレダゼ。」


to be continued

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