| 生年月日 |
不明 |
| 年齢 |
35歳 (共立公暦1000年時点) |
| 出生地 |
日本国大阪府大坂市 (現:アケノミヤ学区) |
| 民族 |
日本人 |
| 所属組織 |
ユピトル学園主権連合体 大日本帝国陸軍(自称) |
| 最終階級 |
謎 |
| 渾名 |
怪人No.13号(←拒否) |
概要
霧島兵一郎は、明治の日本から
共立世界に流れ着いた
転移者である。
軍服にマントを羽織って
遊理部に出入りする男で、悪事を見かければ拳が先に飛ぶ性分ながら、本人はいたって大真面目である。
自己紹介
自己紹介だと?こんな、得体の知れぬ機械にか?……ふん、蓄音機の親戚か何かだろう。まあよい。ベラベラと語るのは好かんのだ。男たるもの、多くを語らず行いで示すべし。とはいえ、名乗らぬのは礼を欠く。霧島兵一郎である。怪人ではない、断じて違う。部の連中が勝手に番号で呼ぶが、俺は認めておらん。いいか、そもそも大和魂というものはだな、口先で論ずるものではない。朝は起床喇叭より早く起きて冷水をかぶり、腕立てを百回。飯は残さず、列には並び、弱い者を見れば手を貸し、悪い奴を見れば拳を貸す。貸した拳は返ってこんが、それで構わん。一つ、軍人は忠節を尽くすを本分とすべし。一つ、軍人は礼儀を正しくすべし。一つ、軍人は武勇を尚ぶべし。これは軍人勅諭の……何?長い?まだ半分も話しておらんぞ。雷の術の話もある。あれは痺れるが、痺れるのは気合が足りん証拠でな……む、もう終いか。ならば一言だけ付け加えておく。男たるもの、背中で語れ。(QED証明終了)
来歴
霧島兵一郎の半生は、事象災害を境にして、明治の軍務に捧げた日々と、異世界で学生服代わりの軍服を着込む日々に分かれている。
転移前
1880年代、商都の下町に軒を連ねる町家の一軒で、霧島兵一郎は生を受けた。父は曲がったことを嫌う厳格な人物で、母は子の失敗を黙って包み込む柔らかな人柄であり、兵一郎は二人の背中から、人としての筋の通し方を学んでいる。尋常小学校に上がったのは教育勅語の発布から間もない時期で、奉読の声に合わせて背筋を正す毎日が、少年の姿勢をまっすぐに育て上げた。路地の奥で友人が年上の不良たちに囲まれた日、兵一郎は体格の差を承知のうえで割って入り、鼻血を流しながらも相手を退散させた。翌朝、近所の大人たちが駄菓子を手に代わる代わる家を訪れ、父は無言のまま息子の頭に手を置いたという。二十歳を迎えた兵一郎は、徴兵検査で甲種合格の判定を受け、帝国陸軍の歩兵として入営した。営庭の射撃訓練では、風の具合を読んで弾を置く勘の良さが教官の目に留まっており、小銃の成績は中隊の上位で安定していた。1904年に日露戦争の火蓋が切られると、所属の部隊は海を渡り、満洲の荒野で凍てつく塹壕と砲煙の中を前進していく。同じ釜の飯を食った戦友が隣で斃れ、戦火に家を焼かれた土地の住民が荷車を引いて逃げ惑う光景は、若い兵士の胸に深い傷を刻んだ。凱旋の列に加わって故郷の土を踏んだ後も、兵一郎は軍に留まる道を選び、悪を憎む決意を戦場の記憶とともに抱え続けた。兵営で日を重ねていたある日、
事象災害の渦が彼を呑み込み、未知の世界に運び去った。
転移後
目を覚ました先は
共立世界で、保護に駆けつけた専門部局の手により、兵一郎は転移者向けの精査に回された。乖離度の検査では明治生まれの体が拍子抜けするほど低い値を叩き出し、社会に編入する手続きまでは順調に進んだものの、旧世界の技能を現地の仕事に置き換える面談で雲行きが怪しくなる。申告欄に並んだのは銃剣術と行軍の二つきりで、係官は長い沈黙の末に書類を裏返した。故郷と同じ地名を掲げた街を訪ねてみれば、ガラス張りの高楼と初めて見る乗り物が通りを埋め尽くしており、路面を走る電車にうっかり敬礼を送ったのは本人だけが知る失態である。当面の食い扶持は悪党を捕まえて賞金を受け取るバウンティハンター稼業で繋ぎ、やがて
リンベルーク・アカデミアのサー・フォス・カレッジに入学した。入学の面接で志望の動機を問われた彼は、悪を討つためと即答して直立の姿勢を崩さず、面接官が次の質問を思い出すまでに長い間が空いている。高校課程に相当する学び舎の教室で、軍服とマントの年季の入った男が一人、級友の視線を一身に浴びながら最前列に陣取っている。選択科目には
令咏術-雷属性応用実技と異能物理学基礎を選び、ほどなく
遊理部に番号付きの正規怪人として迎えられた。悪党から制裁金を取り立てる部の稼ぎ方は賞金稼ぎの本業とぴたりと重なり、本人は就職先が見つかったと胸を張っている。
人物
霧島兵一郎の普段の姿は、軍服にマントを羽織って近所を練り歩く男のそれで、遠目に見れば完全にやべえおっさんである。ところが言葉を交わしてみれば、筋道の通った理屈と場をわきまえる分別が次々に顔を出し、初対面の相手ほど見た目との落差に面食らう。「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」の心得は男の辞書から抜け落ちており、分かりやすい悪事が目に入った瞬間、光り輝く鉄拳制裁が考えるより先に飛んでいく。悪いものは悪く、良いものは良い。単純明快な信条を生きる原動力に据えている以上、別の正義を掲げる者たちから目の敵にされるのも道理で、学園では風紀委員会の巡回が彼の軍服を見つけるたびに足を速める。追われる立場に慣れて久しい今も、歩みは相変わらず前だけを向いている。部の仲間から怪人の番号で呼ばれるたび、兵一郎は自称の所属を添えた姓名で名乗り直しており、訂正を受け入れた部員は今日まで皆無である。明治の男に端末の操作は荷が重く、画面を叩く指の力加減を誤っては、硝子に罅を走らせてきた。冗談を好む一面も持ち合わせているものの、生真面目な口調で放たれる駄洒落は間の取り方が壊滅的で、言い終えた本人だけが満足げに頷いている。空回りした正義感が騒ぎを招く日も多い反面、引き受けた頼み事を最後までやり遂げる誠実さは近所の年寄りたちに買われており、軒先の修繕を頼まれる回数は月を追うごとに増えた。
人間関係
遊理部の仲間に対しても、兵一郎は軍隊仕込みの規律と世話焼きの性分を、一人ずつ違う形で向けている。
部長のスーラは、部室では兵一郎に命令を下す立場にありながら、稽古場に移れば鉄拳を学ぶ弟子に早変わりする。光り輝く鉄拳制裁の型を教えてほしいと押しかけてきたのは部長の側で、兵一郎は拳の握り方から叩き直す一方、部室に戻れば部長命令に従って荷運びに走らされる。狂気じみた企画が持ち込まれるたびに正面から反対を唱えるものの、決行が決まれば真っ先に前線に立つのも兵一郎である。懲罰独居房から戻った弟子には営倉入りの心得を正座で説いて聞かせており、説教の最中に次の企画書が膝の上に置かれる流れも、二人の間では定番となった。稽古の成果を試すと称して部長が闘争競技に出場した日、師匠は観客席の最前列で腕を組んで見守り、負けて戻った弟子を拳の握りの復習から迎え直している。弟子の側も師匠の口癖をすっかり覚え込み、企画書の表紙に大和魂の一語を書き添えては、反対を封じる手札に使うようになった。
同じ雷属性を操る歌い手は、兵一郎にとって術式の家庭教師にあたる。明治の世で電気の理屈に触れる機会はまれで、唱えるたびに自分まで感電していた兵一郎を見かね、独学で電気工学を修めたシーナが配線図を描いて説明役を買って出た。回路の話が頭に収まる割合は半分ほどで、図面の余白には毎回、「気合」の二文字が本人の筆で書き足される。射撃の話題となれば、風を勘定してから撃つ狙撃手と、標的を感じた瞬間に引き金を引く歌い手の議論が噛み合い損ね、射場の片隅で日が暮れるまで平行線を辿った。大統領令嬢の肩書きを嫌う相手に最敬礼で挨拶しては睨まれ、翌日も同じ敬礼を繰り返しており、根負けした歌い手は、敬礼の角度にだけ点数を付けるようになった。権力の腐敗を撃つ歌詞には軍人として眉をひそめる箇所もあるものの、悪を名指しで叩く一節に差しかかると、兵一郎は客席の最前列で拳を握りしめて深く頷いている。
副部長から深夜に届いた大量のメッセージは、兵一郎の端末の画面を朝まで埋め尽くした。返信の手順を覚える前の身であった兵一郎は、夜明けを待って墨を磨り、一通ごとに候文の返書を毛筆でしたためている。束になった手紙を抱えて部室に現れた彼から一通ずつ手渡されたシレヴィは、耳まで赤く染めながら礼を述べ、受け取った束を胸に抱えて廊下の奥に消えた。以来、副部長は送信の直前に兵一郎の顔を一度思い浮かべる習慣を身につけており、深夜に届く件数は目に見えて減っている。返書の束を読み返すうちに候文の言い回しまで覚え込んだ副部長から、部の連絡事項が同じ文体で回ってくるようになり、部員たちは解読に辞書を持ち出す羽目になった。夜更けに思い詰めた顔で廊下を歩く副部長を見かけた折には、兵一郎は声を張る代わりに湯呑みの茶を差し出し、黙って隣の椅子に腰を下ろす。
異世界で出会ったエリカは、兵一郎が妻を娶って子をなした世界線における孫娘にあたる。酒と博打をこよなく愛し、喧嘩となれば腕っぷしで押し通す孫娘の豪快さに、祖父は当初こそ面食らったものの、気まぐれに人助けをする時の思い切りの良さを目にするうち、すっかり惹かれていった。欲に正直な孫娘と過ごす時間の中で、祖父の頑なな正義感には少しばかりの遊びが生まれており、孫娘の側も小言を聞き流す素振りの陰で、教えを行動の端々に拾っている。大掛かりな賭けの計画を持ちかけられた折には、渋い顔で反対を唱えた末に熱意に押し切られて手を貸し、二人で実行した計画は大成功に終わった。二挺拳銃の手入れを軍隊式の手順で仕込もうとした祖父は、分解の速さで孫娘に後れを取って以来、小銃の手入れにかける時間を倍に延ばして雪辱を期している。頭の中の警告音に呻いて孫娘が座り込んだ日には、原因が賭け事と承知のうえで背中をさすり、帰り道に甘味屋に寄って機嫌を直させるのも祖父の役回りとなった。孫娘は祖父を「面倒くさいけど頼りになるジジイ」と評し、祖父は「手がかかるが見捨てられん孫娘」と口にしながら、互いを特別な相手と認め合っている。
士官候補生の課程に籍を置く年下の部員に、兵一郎は陸軍仕込みの号令と敬礼を折に触れて仕込んでいる。気をつけの姿勢で踵を鳴らす角度まで指導は及ぶものの、指導役の癖は観察眼の鋭い教え子に一つ残らず見抜かれており、前夜の夜食の献立まで言い当てられた兵一郎は、以後、口元を拭ってから部室に入るようになった。歴史学を学ぶ教え子からは日露戦争の経緯を根掘り葉掘り尋ねられ、生き証人の講義は毎回、戦友の話に差しかかったところで長い沈黙を挟む。聞き取りの中身は教え子の手で一冊の帳面に綴じられ、表紙には兵一郎の筆で「従軍記」の題が大書された。髪を添えた手作りのお守りを渡された日、他の部員が扱いに困る品を、兵一郎だけは出征の朝に町内の女たちが縫い上げた千人針を思い出して押し戴き、軍服の内ポケットに収めている。お守りは今も同じ場所にあり、稽古の前には胸の上から一度叩いて在りかを確かめる。
逃げ足の速い後輩に対し、兵一郎は顔を合わせるたびに敵前逃亡の不名誉を説いて聞かせており、説教の締めくくりには決まって歩兵の本分が持ち出される。敬語を守り通す礼儀正しさについては部内で唯一見込みのある兵卒と買っているらしく、説教を終えるたびに飴玉を一つ手渡している。ところが後輩の感情が振り切れて白い塔が立ち上がった途端、兵一郎の態度は一変し、塔の陰を狙撃の遮蔽物として真っ先に押さえる。塔の立つ間合いを真顔で尋ねられた後輩は、逃走を戒めた同じ口から隠れ場所の相談が出てくる理不尽に首を傾げ、返事の代わりに困り顔を浮かべた。塔が暴発した現場では、崩れた白い塊の頂に真っ先によじ登って周囲を見渡し、後輩の涙が収まるまで歩哨の構えのまま立ち続けている。
同じ街に生まれ、時代を半世紀以上隔てた首相を、兵一郎は鍛え直すべき怠け者と見定めている。丸みを帯びた体つきを見かねて早朝の行軍に引っ張り出したのは入部から間もない頃で、鎧姿の首相は最初の辻で座り込み、そこから先は兵一郎が背負って歩く羽目になった。行軍の誘いは週ごとの恒例となっており、背負って歩く道のりだけが回を重ねるたびに伸びていく。背中の上の首相は揺られながら本国の決裁書類に目を通し、兵一郎の背中は、いつしか移動式の執務机を兼ねるようになった。道中で国の予算の話を聞かされた日、兵一郎は桁の大きさに目を回して足をもつれさせ、背負った首相ごと路肩の植え込みに倒れ込んだ。鎧ごと担いだ翌朝に悲鳴を上げるのは背負った側の足腰で、首相のほうは涼しい顔で寝坊を決め込んでいる。
戦闘能力
霧島兵一郎の戦い方は、遠間では特別製のスナイパーライフルで敵の数を削り、懐に踏み込んできた相手を光り輝く鉄拳で迎え撃つ二段構えである。狙撃の腕は歩兵時代に叩き込まれた射撃術の延長にあり、風の流れと敵の足取りを頭の中で勘定してから、狙いを絞った一発を送り込む。射撃地点を見立てる目も軍隊仕込みで、散歩の途中でも窪地や物陰を見つけるたびに足を止め、腹這いになって射線を確かめては通行人を驚かせている。光り輝く鉄拳の正体は、
令咏術の雷属性で拳に放電を纏わせる術式で、打ち込む瞬間に走る閃光が技の名の由来となった。雷属性は電気系統の知識を欠いたまま唱えると術者まで感電する代物で、明治の教育で育った兵一郎は、殴るたびに相手と同じだけ痺れてきた。本人の出した答えは根性で耐えることに落ち着いており、痺れた腕をぶら下げたまま二発目を叩き込む姿は、味方の顔色まで青ざめさせる。異能物理学基礎の授業では電流の逃がし方を学んで感電を減らす工夫を重ねており、ノートの半分は回路図、残りの半分は精神論で埋め尽くされた。雷属性の術語がドイツ語で組まれている点にも、ドイツ式の教練で鍛えられた陸軍出の身として妙な親しみを覚えており、詠唱の発音だけは教室随一の堂に入った響きを持つ。
語録
「戦友の分まで生きると決めた。ゆえに、この拳を下ろす日は来ん」
陸軍記念日の朝、校舎の屋上で故郷の方角に黙祷を捧げた後に。背後で待っていた部員たちも、この日ばかりは企画書を鞄に戻して引き返した。
「受けた恩は倍にして返す。それが義理というものだ」
落とした財布を拾ってくれた下級生に、菓子折りを差し出して。箱の中の菓子は、軍隊式に等間隔で整列していた。
「質実剛健、これに尽きる。贅沢をする暇があれば腕立てをせい」
購買で高級弁当を買い込む級友に。翌日の昼、彼の机には同じ弁当が載っていた。
「雷の授業は、しびれるほど楽しい。……電気と感激をかけたのだ。笑ってよいぞ」
実技の後、感電の痺れが残る腕をさすりながら。教室に残った級友は、揃って窓の外を眺めていた。
「怪人は好かん。だが快人なら許す。快く人を助ける男、快人霧島である」
部員に番号で呼ばれ、名乗り直した直後に。部室の黒板に書かれた「快人」の字は、週が明けると元の字に書き直されていた。
「待て、そこの悪党。話は拳で聞こう」
路地裏で恐喝の現場に出くわして。相手が口を開く前に、話し合いは終わっていた。
「正義の拳に届け出が要るのか」
巡回の風紀委員に、私闘の届出書を突きつけられて。書類は翌朝、楷書の達筆で提出された。
「白紙ではない。大和魂を書いておいた」
異能物理学の答案を返された際に。欄外の大書には、担当教員の赤字で丸が付いていた。
「腹が減っては戦はできぬ。腹が減っておらずとも、戦はする」
部の合宿の朝、配膳の前から庭で素振りを始めて。朝食の席に着いた頃には、味噌汁がすっかり冷めていた。
エピソード
- 自宅の玄関にしょんべんを垂れていく異星人猫に業を煮やした兵一郎は、門前で夜通しの歩哨に立ち、現れた猫に向かって誰何の声を繰り返し張り上げた。猫は一目散に逃げ去ったものの、翌晩から歩哨の足元で丸くなって眠るようになり、近所には「玄関前の勇者」の噂とともに、猫を抱えて立哨する軍服姿の目撃談が広まっている。
- 公園で忍者のコスプレをした少年たちに出くわした彼は、頼まれる前から即席の戦闘訓練を始め、匍匐前進と手旗信号を日暮れまで仕込んだ。泥だらけで帰宅した子供たちの親から苦情が届いた翌週、公園に集まる忍者の数は倍に膨れ上がっていた。
- 秘密結社に狙われていると思い込んだ彼は、結社の尻尾を掴むべく怪しい集団に潜り込み、ゴミ袋を担いで町内を一巡りした。集団の正体は地域の掃除隊で、年度末に届いた感謝状を罠と疑った彼は、額縁の裏まで改めてから床の間に飾っている。
- 部内展示会に「悪を裁く鉄拳装置」を出品した彼は、実演の相手役を自ら買って出た。装置の拳は正確に作者の顎を捉え、目を回した出品者に代わって、部長が審査員票の山を満面の笑みで抱え込んだ。
- 遊理部の実験で装置が暴走し、火花を散らして部室を跳ね回った折には、配電盤に拳を叩き込んで電源ごと装置を沈黙させた。照明も同時に落ちた暗がりで部員たちの拍手が湧き起こり、輪の中心では痺れた本人が直立の姿勢のまま固まっていた。
- 風紀委員会が部室の使用停止を迫った日、彼は「学問の自由と正義」を墨書した幟を掲げて廊下に座り込み、週末を跨いだ籠城で部の活動を守り抜いた。差し入れを運ぶ部員の列は最終日まで続き、撤収の朝には風紀委員の側からも握り飯の包みが届いていた。
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最終更新:2026年09月26日 12:15