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ザルドゥル・ヴィ・ヴェイルストレーム

ザルドゥル・ヴィ・ヴェイルストレーム
作:@Freeton2
生年月日 宇宙新暦986年6月1日
年齢 50アストラ歳(星年齢
出生地 星間文明統一機構
ツォルマリア本国
民族 ツォルマリア人
学歴 パルディステル中央軍事学院卒業
ラムティス軍事大学修了
(戦術史と艦隊運用を専攻)
所属 セトルラーム共立連邦
連邦国防省
航空宇宙軍
階級 航空宇宙軍元帥
中央子爵
地位 航空宇宙軍最高指揮官
異名 静寂元帥


概要

 ザルドゥル・ヴィ・ヴェイルストレームは、セトルラーム共立連邦の軍人である。
連邦の全艦隊を統べる職に就いており、星系の内側を固める防衛から遠方へ向かう遠征まで、作戦の指揮を一手に引き受けている。
旧体制から民政への移管にあたり、軍の実力を文民の決定の内側に収める道筋を作り、内戦の芽が育つ前にこれを摘み取った。

自己紹介

 「私はザルドゥル・ヴィ・ヴェイルストレーム。この連邦の空と星を護る任にある。新しく艦に乗る諸君に、最初に言っておきたいことがある。戦いは、叫び声で勝つものではない。艦橋が静かであるほど報告は正確に届き、判断も速くなる。私が声を張る日は、既に何かを損なった日だ。そういう日を減らすために、諸君には静かな覚悟を求める。報告は短くていい。飾りを付ける前に、数と位置を言え。感想は帰投してから、いくらでも聞く。私の返事も短い。それで足りるように、考えてから話せ。約束については、私は必ず守る。集合の刻限に遅れて来る者を、私は待たない。二分の遅れは、どこかで誰かの二分を削る。時間の重さを軽く見る者は、いずれ艦の重さも軽く見るようになる。言葉より行動で示せ。私も同じようにする。私の下では、失敗の報告が最も速く上がってくる状態にしておきたい。一度目の失敗は手順の問題として扱う。二度目は、手順を書き直してから持って来い。誇るべき過去を並べるつもりはない。語るとすれば、これから諸君と守るものについてだ。共に、この宇宙を護ろう」

来歴

 軍務の出発点は、星間文明統一機構の統治下に置かれた生国の軍学校にある。艦隊運用の課程で上位の評価を受けており、卒業の年には艦と艦の間合いを扱う理論をまとめ、これが後年になって連邦軍の教範に取り込まれた。任官の後は本人の希望によって辺境のイドゥニア星系に赴任し、補給の細い戦域で小艦隊を預かる立場に就いた。輸送路を断つ戦法が戦果に繋がり、艦隊単位の指揮を任される地位に若くして進んでいる。共立連邦が成立して以降、旧体制の後期には、航空宇宙軍の中枢に席を得た。当時の独裁者ヴァンス・フリートンが星域の支配を広げる作戦を命じた際、ザルドゥルは執行を拒んだ。旧体制は、この一件を境に統制を失っていく。政権が倒れた後、アリウス・ヴィ・レミソルトの主導した民政移管を軍事の側から支え、軍の実力を文民の決定の内側に収める原則が定まった。派閥の間では中道に軸を置き、王党派の懐古と世俗派の急進を、いずれも実務の必要に照らして扱う。連邦軍の頂点に立つ職に就いてからは、星域の防衛計画の策定と遠征の統括を執っている。

人物

 性格の軸は、静けさの中で物事を運ぶところにある。議論の席では相手が言い切るまで待ち、返す言葉は短く、口にするのは原因と復旧の順序だけである。侮りを含む物言いを避けており、部下の失敗を正す場面でも声の高さは最後まで一定に保たれる。公私の線引きは厳しく、私的な交友の相手が政務に関わる場合、席と時刻を改めてから話を通す。暮らしぶりは質素で、官舎の調度は支給品のままに置いている。艦橋の隅に据えた古びた紅茶の道具が、唯一の私物めいた贅沢である。来客が誰であっても自ら茶を淹れ、同じ器で出す。艦を降りた後の予定を部下に尋ねる習慣があり、休暇の申請が滞っている者の机には、書式を揃えた用紙が置かれる。故郷の家族を戦火で失った過去を抱えており、自ら語る場面は稀で、部下がそれを知ったのは戦没者の記録からだった。星図を見上げて黙り込む時間が長くなるのは、決まって名簿に目を通した後である。感情の起伏を外に出す代わりに手順を整えて気持ちを収める癖があり、悲報の届いた日は艦内の点検表が一枚増える。

指揮能力

 用兵の骨格は、艦列の間合いを一定に保つ統制にある。隣接する艦の距離が揃っていれば火線の重なりが計算どおりに働き、損傷した艦を後方に下げる入れ替えも短い時間で済む。この統制を保つため、平時の演習では隊形の維持だけを繰り返させており、艦橋に流れるのは低い声の符牒だけである。攻勢では、敵の輸送路と補給の結節点を先に押さえる手を好む。辺境の戦域を預かった経験から、糧食とエネルギーの状態が艦隊の寿命を決めると見ており、後方を締め上げてから正面に圧力を加える。防勢の場合、星系の航路が集まる地点に火網を予め敷いており、進入した敵を包囲の内側で処理する。指揮の様式も戦法と一体で、開戦の前に配置を固め切り、交戦中の命令は数語で済ませる。戦況の変わり目に投入するための予備艦隊は、常に手元に確保している。練度を測る基準には、隊形が崩れてから復元するまでの時間を用いる。戦例の検討を毎日の日課に組み込み、統治下の軍学で身につけた作法のとおり、過去の戦いの航跡図を自ら引き直している。

語録

「艦橋で一番大きな音を立てているのが指揮官なら、その艦はもう半分沈んでいる」
 演習の講評において、無線に怒号を流し続けた艦長に向けた一言で、以後この部隊の交信量は目に見えて減った。

「飾りは帰投してから聞く。今は数と位置を言え」
 交戦中の通信に前置きの長い報告が続き、これを断ち切る形で発せられた。

「刃を鞘に収めたまま帰れる日を、私は勝ちと数える」
 遠征の必要を問われた席で示した戦果の定義であり、参謀本部の評価基準にも同じ考え方が入っている。

「弾は撃てば減る。飯は食っても減る。私が毎晩数えているのは、後の方だ」
 補給計画の会議が深夜まで続いており、卓上の残量表を指さしながら口にした。

「詫びは一度でいい。二度目は手順書を持って来い」
 同じ失敗を重ねた士官に返した言葉で、この後に部内の手順書が一斉に書き改められた。

「勲章は胸を重くするだけだ。私の背が丸いのは、そのせいにしておく」
 授章式の後、祝いの言葉を並べた副官に返した軽口であり、式典の写真では実際に背が丸い。

「急いで決めた策は、急いで壊れる。茶が冷めるまでは、私は考えている」
 即断を促された作戦会議の席で、湯気の残る器を前にして返答を保留した。

エピソード

  • 支配拡大の命令を拒んだ夜、艦隊をパレスポル星系に展開させ、艦橋に立ったまま朝を迎えた。指示したのは針路の微調整だけで、夜明けまで砲門は沈黙を保った。明るくなる頃、政権側の艦隊は燃料の都合で後退した。
  • 女大公との交渉では、相手の熱弁が終わるまで卓上の茶に手を伸ばし続けた。話し終えた相手が息を整えたところで艦隊の展開図を一枚だけ広げ、双方の妥協点を即座に確定させた。
  • 前大統領の処罰を求める声が強まった際、軍の警護下に身柄を置く案を自ら提出した。手続きだけを淡々と進めており、当人が礼を述べた場では話題を天候に移した。
  • 大統領官邸での対局では、相手の軽口が続く間、盤面だけを見て指し続けた。終盤に入る前に形勢が固まり、口数の多い側が先に駒を投げた。
  • 補給の報告が修辞で膨らんでいた際、最後まで黙って聞き通した後、同じ内容を書き直させた。以後この部署の報告書からは形容の類が消え、提出も早まった。
  • 星系に侵入した敵艦隊を包囲し、数時間で壊滅させた。戦闘の間に発した命令は短い一覧に収まり、終わった後は艦橋の当直表を書き換えてから休んでいる。
  • ゾレイモス首相との合同会議では、互いに短い相槌だけで議事が進み、書記が発言記録の欄を殆ど空欄のまま提出した。後日、双方が別々に作成した方針書は、同じ結論に行き着いていた。

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最終更新:2026年08月27日 11:07