ソビエト共産主義共和国連邦の経済は世界で有数の成長を経験している経済の一つである。IFM(国際金融基金)によると182年時点で新ソ連は上位中所得国、社会主義市場経済、新興経済を抱えている。国際的には新ソ連は新興工業国として定義されることが多い。購買力平均(PPP)、国内総生産(GDP)はともに世界第10〜12位と算定されている。新ソ連の通貨テーベの為替レートが不安定であるため、正確な統計を取ることは難しい。
過去30年において新ソ連経済はGDPの25%を喪失したレグルス戦争以前の水準に回復し更に成長を続けた。これは雇用の増加や平均収入の改善など新ソ連の社会的金融的側面について大きな進展をもたらした。人口ボーナス期であったことと新ソ連という国家の成長期であったこと、新ソ連重工業の躍進に伴い新ソ連経済は160年代から高度経済成長期に入った。この間に新ソ連経済は3倍にまで拡大しメソポタミアの奇跡と呼ばれている。170年代まで続いたこの高度成長は度重なる戦争によって減速を余儀なくされたが、180年代にはバグダッド協力機構が設立されるなど市場の拡大に伴い新ソ連経済は安定成長期に入った。しかし190年代にはコンゴ戦争に伴う経済動員と制裁の影響を受け経済成長は再び大きく失速、196年には戦後初めてのマイナス成長を記録した。コンゴ戦争終結後は低成長を続けている。 |
ソビエト共産主義共和国連邦の経済 |
統計 |
通貨 |
テーベ |
補助通貨 |
ヴェル(1テーベ=100ヴェル) |
GDP |
2兆5885億4900万テーベ |
GDP成長率/年 |
0.8% |
人口 |
8903万 |
主要産業 |
化学産業、金属産業、機械製造、農業 |
失業率 |
5.3% |
人口の職業割合 |
農業34% 工業42% |
貧困線以下の人口割合 |
32.4% |
財政 |
公債GDP比 |
29% |
信用格付け |
A |
外貨準備 |
23兆軍事部円 |
歴史
新ソ連の経済は大きな苦難と共に始まったと語られることが多い。レグルス戦争は国土に大きな荒廃をもたらし、GDPは戦前の水準から25%下落した。新ソ連の成立時点でこの地域の経済水準は世界最悪と評価されていた。
その後10年間新ソ連経済の苦境は継続した。諸外国に対抗するための無理な軍拡が経済を損ない、また柔軟性に欠け投資に欠ける計画経済が成長を阻害した。第十一次十字軍とバグダッド自由軍反乱はメソポタミア工業地域を更に破壊しGDPはマイナス成長した。
新ソ連経済の成長の始まりの決定的な要因はメッケルニッヒ政権による軍縮とバグダッド計画である。常備陸軍を75%削減したダイナミックな軍縮と、それによって浮いた予算の大規模な投資によってこの地域の主要な経済地域であったバグダッドは再建され新ソ連経済にプラスの影響を及ぼした。またメソポタミア地域の大規模な再開発計画であったバグダッド計画は工業地帯であったメソポタミアを復興させただけでなく軍縮によってさらに悪化すると見込まれていた失業問題を大きく改善した。
続くヴェーラー政権下で政府による投資はさらに加速した。VGP(人民総合計画)は雇用を創出、東西格差を解消すると共に国土全体を開発する計画だった。この計画は国家予算の4分の1を継続的に投資することを必要とする非現実的とも言える計画であったが、184年に計画の全工程を完遂した。計画の始動後新ソ連は失業率を大幅に改善し、経済学者アルフレッド・オストフォアランドは計画によって新ソ連のGDPは3倍になったと推定している。また計画によって整備された公共インフラ群、特に鉄道と高速道路は新ソ連内部の移動時間を大幅に短縮し現在でも経済に良性の影響を与えている。
またヴェーラー政権は同時に厳格な社会主義体制を大きく転換し、政治と同時に経済の自由化も行った。中でも象徴的なものは企業に対する大幅な規制緩和と国営企業の払い下げであった。市場価格に比べてはるかに安い金額で行われた払下げと良好な雇用環境(安価な賃金、緩い労働基準など)によって新興企業は急速に成長した。現在でも経済規模の7割はこの時期に成立した企業群によって占められており、大企業に限って言うのであれば新ソ連の大企業の9割がこの時期に成立した企業である。
新ソ連の経済の成長は年末騒乱の後も続き、ジェルジンスキー政権下でも成長は続いた。ジェルジンスキー政権下では
第三次東地中海戦争、
パキスタン戦争、
インド戦争など大規模な戦争が続き、後者2つでは経済動員が行われた。しかし本土の戦場化はいずれの戦争でも発生せず、死者も限定的なものに過ぎなかったことで戦時下においても成長は減速しつつも継続した。例外的にインド戦争では動員が厳しく、また民需製品の不足を原因とするインフレーションによって経済成長はほぼ停滞した。一方でジェルジンスキー政権が行った積極的な外交政策は新ソ連経済にプラスだった。友好国家から新ソ連本土で不足する鉱産・農業資源を輸入し、逆に工業製品、石油資源を輸出することで新ソ連は加工貿易体制を確立した。またパキスタン戦争後樹立された北ルークリアの経済を事実上新ソ連が支配したことで新ソ連は巨大な市場と穀倉地帯を入手する事となり、保護された穀物分野以外の農業部門の壊滅という代償を負いながらも新ソ連経済の成長に大きく貢献している。
180年代からは
パクス・ソヴィエティカの拡大に伴って市場規模と需要も増大し続け、新ソ連経済は安定成長期に入った。180年代の経済成長率は平均して2.7%を記録した。しかし180年代の終わりからは本格化した
コンゴ戦争に伴う経済動員によって経済成長率に陰りが見え始めた。コンゴ戦争の終わりの見通しが立たなくなるとテーベ安相場が続き、また国内消費が落ち込んだことが主な原因である。加えて192年から197年まで続いた経済制裁によって原料費が高騰し不況に拍車をかけた。この結果196年にはレグルス戦争後初のマイナス成長を記録している。
ウェーゲナー政権の成立後は新政権への期待から消費が拡大し、コンゴ戦争終結に伴って制裁も解除されたことで経済は回復傾向を見せている。
経済構造
新ソ連の経済体制は混合経済である。政府は国家方針として経済方針を定め規制緩和などで企業を誘導する一方で経済には直接の関与は避け、民間企業が経済を主導する体制を取っている。新ソ連政府はこれら一連の政策を「新ソ連の特色ある社会主義」と呼ぶ一方で、伝統的なマルクスレーニン主義者は資本主義の看板を挿げ替えたに過ぎないとして政権批判の材料とされている。
新ソ連の経済指標を巡ってはしばしば論争が引き起こされている。これは特に新ソ連外部の先進国で語られることの多い論争で、新ソ連政府は経済統計を誇張していると主張している。一方で国際経済ジャーナルのエコノミクス誌に代表される反対者は新ソ連の統計は正確性が担保されていると述べた。ウルブリヒト・ハーマンは新ソ連に対する無意識の蔑視や価値観のアップデート不足が原因で新ソ連の成長に目を向けていようとしていないと新ソ連経済の検証を行った彼の論文中で述べている。
新ソ連では同地域内の所得格差が大きいことが指摘されている。これは市場経済化と急激な人口増加に起因していると考えられている。特に大都市ではホームレスが増加しスラム街を形成している。政府は安全保障上の問題があるとして住宅増加のための予算を178年ごろから支出しているが、人口増加に追い付いていないのが現状である。
国営企業
新ソ連はヴェーラー政権の解放政策以降経済の自由化を進めてきたが、依然として産業には国営セクターが多く残っている。これらは軍需産業や鉄道など安全保障上重要な産業をはじめとして、その他の産業についても万が一のバックアップとして国営企業が残されている。産業分野ごとの国営企業の影響力には差があるが、軍需関連などで特に国営企業の影響が強く、重工業分野では西亜重工が新ソ連最大の重工業企業であるなど国家と産業の関係は依然として密接なものである。これらの企業の多くは賃金が安かったり製品の品質が劣悪であるとされ生産性は高くなく、ラディカルな政治家は公約に国営企業の解体を掲げるものも多いが政府が国政企業の解散を公式に議論したことはない。
国債
新ソ連の政府債務総額は187年時点で5220億テーベでありGDPの29%に相当する。建国以前にはデフォルトを経験し、その後も債務の増加が続き160年代には対GDP比210%に達していたが、以後減少傾向にあった。しかしその後再び戦時国債の発行拡大によって債務残高及びGDP比は増加した。185年に行われた
アークランド懲罰戦争の莫大な賠償金は新ソ連経済に大きな影響を与えたが、その内1/4以上は債務償還に用いられた。
新ソ連は建国以降一貫して国外債務の借り入れに消極的であり、新ソ連の債務の9割弱がテーベ立ての国内債務であることが大きな特徴である。建国当初においては国外の投資家・国家が新ソ連を都市先として信用しなかったことによるやむを得ない選択であり、以後は国家の安全保障の一環としての戦略として行われている選択である。
金融
182年時点で新ソ連の銀行部門の総資産は9600億テーベである。182年3月の時点で新ソ連には72の銀行が存在し、うち51が民間の銀行であった。資産額では民間と政府系の割合は50:50となる。新ソ連の銀行の資産額の75%はMCレガー連邦貯蓄銀行、メソポタミア銀行、人民銀行の3行に集中しており、この3行はメガバンクと呼ばれている。
新ソ連の金融の管理は連邦銀行が行っている。連邦銀行は財務省の管轄下にあるためしばしば新ソ連には中央銀行の独立性がないとされる。しかし連邦銀行法では、財務省(政府)が中央銀行に対して持つ権限は方針の指示のみとされており、政策の具体的な決定は連邦銀行が独自に行っている。連邦銀行の外貨準備高は182年4月時点で2300億テーベであった。
証券取引所
新ソ連には国内最大のベイルート証券取引所をはじめとして、バグダッド証券取引所、ダマスカス取引所の3つが存在する。新ソ連の証券取引所への上場は政府によってコントロールされており、良好な財政状況とガバナンス、企業規模の要件を満たし、かつ市場が新規企業の上場に望ましい場合に限られている。
通貨
新ソ連の通貨はテーベ(通貨記号はTに二重横線)であり、補助通貨としてヴェルを用いる。1テーベは100ヴェルである。発行は新ソ連の通貨当局である連邦銀行によって発行される。テーベは管理通貨・変動相場制を採用している。近年では連邦銀行の通貨安定化の努力にもかかわらず、新ソ連と近隣諸国との軍事的緊張とインフレーションによって通貨価格の乱高下が続いている
連邦投資公社
連邦投資公社(Union Investment Public Company)は新ソ連政府が保有する政府系投資ファンド。アークランド懲罰戦争の多額の賠償金の国内流入による経済混乱を防ぎ、それらの資産および外貨準備を長期的に運用することを目的として185年に設立された。設立時点で割り当てられた資産は賠償金総額の1/4に当たる1兆2500億テーベ(約50兆軍事部円)。
歴史
政治的意志がしばしば経済原則を超越する新ソ連において国家を主体とする投資は広く国内外に対して行われてきた。その代表的なものはVGPで政府は膨大な関連予算の支出を行ったが、それらはあくまで政府から行われてきたものであった。
しかし新ソ連がアークランド懲罰戦争に勝利すると200兆軍事部円に相当する賠償金の支払いが行われた。この莫大な賠償金が短期間で国内に流入すれば経済に凄まじいショックが加わることが懸念された。そのため政府はこの賠償金を長期にわたって運用し、また国家的な投資を代替する国有投資ファンドの設立を決定した。これが連邦投資公社である。
運営
連邦投資公社は財務省によって運用されているが、新ソ連の前身のレグルスが中華連邦に端を発する金融危機で莫大な損失を出したことから投資には一定の自立性が担保されている。
運用資産は短期的な投資である流動性資産と長期投資に分けられる。投資公社の投資先は国内外を問わず広く選択され、商品は国債・不動産・証券まで多岐にわたる。
投資公社は運用益と国家原油収入の10%を資金源として受け取り、財政赤字の補填・通貨レートの安定化・貿易収支の不均衡の補正に用いられる。
投資公社は外貨準備高を秘匿する観点から年間損益の公表を行わない。
これらの政策によって新ソ連政府は通貨の安定・信用等級の保全・金融産業の拡大・国際的影響力の保全・短期の財政的ショックの緩和策の準備が可能であると考えている。
天然資源
新ソ連は石油と天然ガスを豊富に産出する一方、天然資源の産出において極めて多様性に欠け、特に工業生産に必須である金属資源が著しく欠如している。このような偏った資源産出は工業化を志向するレグルス・新ソ連にとって常に憂慮すべき事項であり、外交政策の決定にも強く影響を与えていた。
液体化石燃料
石油は新ソ連の保有する数少ない天然資源であり、文字通り新ソ連経済の燃料である。新ソ連全体で石油埋蔵量は2400億バレルに達し、これは世界第三位、全世界の石油埋蔵量の13%に当たる。他の世界の主要な産油国では政治の混乱や治安の悪化が続いていることで世界の石油市場における新ソ連の地位は強大である。
採掘された石油は6割がそのまま輸出され、残りは国内で精製・加工される。石油とその関連製品は新ソ連産業の根幹であり、GDPの2.5割、輸出額の5割を占めている。
天然ガスの生産は埋蔵量に比べると低調である。これは世界的に天然ガス需要が低く、また技術の欠如によって採掘は浅い深度に限られていることが原因である。
これらの液体化石燃料資源の埋蔵は主に国土の東側、特にメソポタミア地域に集中している。これはこの地域の東西格差の原因の一つであり、メソポタミア工業地帯の形成の直接的な要因の一つでもある。新ソ連の化学産業都市であるキルクーク、アルビール、クウェート、バスラはいずれもこの地域に存在する。
金属資源
新ソ連は金属資源の算出に乏しい。工業上重要な鉄、ニッケル、タングステン、ボーキサイトといった金属は産出がごく限られるか産出されず、輸入に依存している。クロム・マンガン鉱はシリア・ヨルダン地域で産出し国内消費の1/4から1/2を自給している。
国内で完全自給できる数少ない金属資源がウラニウムである。新ソ連のウランの埋蔵はヨルダン川沿岸に集中し約14万トン超が埋蔵されていると推定されている。現在新ソ連はウランの生産を国内自給向けにとどめているが、新ソ連のウラン採掘には依然として大きな拡張の余地があり、新ソ連政府の核開発の進行と政府のウラン輸出への前向きな姿勢に伴い拡大が進められると推測されている。
また資源省は国の中部にかけて金鉱床が存在する可能性を指摘している。
非金属資源
金属資源に比べると新ソ連の非金属資源はまだ恵まれている。新ソ連で採掘される非金属資源はリン酸塩、大理石、石灰石、硫黄、石膏、カリ、工業用珪砂など多岐にわたる。
リン酸塩は新ソ連の非金属資源としてもっとも重要な資源で、主に国土の西側に集中しているが東南部を除くほぼ全土に集中している。リン酸塩は主に肥料に用いられ、新ソ連農業黎明期の発展に大きく貢献したほか、近年では諸外国に輸出され関連製品は輸出額の5%を占める。
硫黄は新ソ連化学産業にとって重要な資源で、硫酸やゴムの生産に大量に用いられている。新ソ連の硫黄生産は採掘だけでなく、石油の脱硫過程でも生産が行われている。
エネルギー
新ソ連の一次エネルギー供給は8割が石油、1割が天然ガスから供給されている。新ソ連のエネルギー自給率は255%に達し、世界最大級のエネルギー輸出国である。エネルギーの大量供給によって新ソ連は世界で最もエネルギー単価の安い国の一つとなっており、安価なエネルギーを用いて乾燥帯の新ソ連では不足する水資源を海水淡水化で補っている。
石油・天然ガス
石油及び天然ガスは新ソ連のエネルギー供給源の9割を占める。これらは全て国内で採掘・精製されたもので、諸外国に比べ圧倒的に安価なエネルギー単価を生み出している。一方でこの安価なエネルギー単価はエネルギー消費の非効率性の原因になっており、人口当たりの石油消費量は世界第二位である。
原子力
新ソ連は世界有数の核エネルギー推進国家である。181年、発電総量の16%が原子力発電によるものだった。国内の原子力発電所は戦前から稼働しているものと戦後に建設されたものに大別される。戦後に建設された原発は全てネプチューンエネルギー社によって運営されている。戦前から稼働していた原発の運用者は様々だが、いずれも老朽化の問題に直面している。これらの古い原発は老朽化によって維持費が高騰しメンテナンスが困難になり更に維持費が高騰し……という負のサイクルを繰り返している。レグルス人は一般に放射線に強いため原子炉の管理が不十分であっても見逃されやすく、古い原発の放射線漏れが頻発している。これまで政府はこの問題を無視してきたが、観光産業の重視から外国人へ自国の安全性を示す必要性があり、戦前原子炉の10年以内の廃炉を目指している。
水力
水力発電は新ソ連の総発電量の9%を占めている。新ソ連で行われる水力発電は全てチグリス川・ユーフラテス川に設置されたダムによるものである。
再生可能エネルギー
新ソ連政府は環境持続可能性について真剣に検討したことがなく、化石燃料・原子力に対し再生可能エネルギーは優位性がないため再生可能エネルギーの普及はほとんど進んでいない。例外的に太陽光発電は新ソ連で普及している数少ない再生エネルギーである。国土の全域が乾燥地帯である新ソ連では年間300日以上が太陽光発電に十分な日射量がある。新ソ連に存在する太陽光発電施設はいずれも160年代にイットリカン民主主義国の政府支援で建てられたもので、新ソ連の再生可能エネルギー発電中の96%、総発電量の3%を占めている。
国際的な経済の結びつき
貿易
主な貿易相手国は
北ルークリア、
南ルークリア、
大中華、
ラティアンス、
瑞州。
新ソ連貿易の主な焦点は石油及び化学製品の輸出と機械類、金属原料の輸入にある。新ソ連の輸出額は5割を石油と関連製品が占め、次いでリン酸塩、アルミニウム、非有機化学製品(医薬品含む)、機械類、船舶と続く。対して輸入は機械類、非食用原料、農水産物となっている。
対外投資
近年の新ソ連の対外影響力を強化しようとする姿勢に伴い海外への投資が加速している。投資先は主に
ガルシア連邦共和国や
ルークリア人民共和国をはじめとする第五インターナショナル加盟国、
ヌーク社会主義連邦共和国をはじめとする社会主義国と友好的な国家である。また近年では
バグダッド協力機構加盟国も投資対象になっている。投資内容は多岐にわたるが、特筆すべきは投資額の6割強が資源開発に投じられていることで、これは新ソ連の天然資源の欠如に起因している。
企業
新ソ連における企業の形態は、ヴェーラー政権下で開始された経済自由化政策以降、大きく変化した。解放政策以前の企業数は132にとどまり、そのすべてが国営企業であった。以後、段階的に国営企業の民間払下げが行われ、規制緩和が進められた結果、企業数は急増し、181年時点で上場企業は320社を数える。このうち完全民間資本による企業が占める割合は88%を超えている。国営企業は依然として一部の戦略産業(鉄道、重工業、宇宙関連など)を中心に残存しているが、その比重は縮小している。
一方で、経済格差の拡大や労働者保護に関する課題も指摘されている。特に、賃金水準や労働条件に関する規制は緩やかであり、労働災害や長時間労働に関する報告が存在する。また、企業と政府間の関係性を巡る透明性の問題も議論の対象となってきた。194年に発足したウェーゲナー政権は、企業活動に関わる法制度の見直しを進めており、労働者の権利保護、企業献金の規制、腐敗防止措置の導入などが段階的に実施されている。これにより、企業をめぐる制度的枠組みは再編途上にある。
新ソ連の主要企業一覧
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あ行
IRISフィナンシャルグループ
新ソ連最大級の金融企業。保険事業、証券業務、金融事業を手がける。企業の名称は創設者レオニード・スコットの娘の名前に由来する。
IRISグループの完全子会社。個人を対象にした資産管理運用業務、消費者金融業務を行う。
アルティネート
アルティネート社は食器製造及び販売を行う新ソ連の企業。
ウェントコンクリート
コンクリートメーカー。近年のコンクリート建築市場の急速な拡大に伴って発展。基礎杭やコンクリート加工品などに加えて、放射線遮蔽コンクリートなど特殊資材も扱う。
FGE
FGE(Far east General Enterprise)は 大中華との貿易を独占するとともに、新ソ連資本の極東地域での経済活動を統制する半官半民の総合企業。民間株式は大企業に独占されており、幹部会は大中華の巨大な市場に進出したい企業と秩序だった貿易を志向する政府の間での折衝を行う場となっている。本社は広州に所在する。
MCレガー連邦貯蓄銀行
新ソ連の大手商業銀行。かつてレグルス帝国で金融都市として栄えたバグダッドに本店を置く。
ドイツ系レグルス人ディアスポラの街ノイベルリンに起源を持つ不動産会社。MCレガー連邦貯蓄銀行の子会社。
160年の国家秩序本部による欧州人一斉収容に伴い経営陣の80%が拘束され一時的に会社機能が麻痺した。現在はアジア系人種が経営を引き継いでいる。
インダストリアル・コア
アルミニウム精錬を中心に多様な業務を行う重化学企業。無機化学(硫酸・アンモニアの製造)等でも著名。
燃料省石油庁が後押しする民間企業。資源調査、採掘を主な事業として経営する。大手工業コンビナート(企業連合)のインダストリアル・コア社の子会社。ペルシア湾岸の海上オイルリグやシリア地域の細々とした油田に権益を持つ。民間企業であり、事業拡大に積極的で海外進出に関心を持つ。
NPKファクトリー
新ソ連の肥料メーカー。社名は肥料の三大要素N(窒素)P(リン)K(カリウム)から。
MWH
レグルス崩壊後に勃興した企業グループ。正式名称はメソポタミア・ワーカーズ・ホールディングス。レグルス中央政府消滅直後に国有だった資産を接収し大きく発展した。CEOはアイザック・クロムウェル。
鉄道輸送・旅客を行う。連邦唯一の私鉄。主に都市圏で路面電車を運行する。
宇宙開発を行う。
要人や施設保護の為のリソースを供給する民間軍事会社。国内法上の理由から警備企業とされ、装備も制限されている事になっているが、違法な武装を保有していることは周知の事実である。GSCは新ソ連民間唯一のPMCであり、MWHの私兵部隊としての側面も持つ。GSCは旧レグルス帝国軍の兵器や人員を元に形成された。
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ジブリール軍団 |
ジブリール軍団はガルフセキュリティカンパニーの実働部隊。1,0000前後の兵力を保有していると推定されている。また軍団はGSC本社に対して会社の一部門としては明らかに強い力を行使しており、GSC本社と軍団の関係は事実上逆転していると考えられている。ジブリール軍団、ひいてはGSCでは秘密主義的管制が敷かれ、特に幹部はその正体が隠匿されている。彼らの多くは作戦上のコードネームで呼ばれている。
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保有兵器一覧 |
D-2 グラスカッター
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D-3 ワッペン軽トラクター
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N-1 ワゴンバス
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バッファロー
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15cm榴弾砲
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航空機、自動車、鉄道問わない内燃機関の開発製造を行う。
原子力関連技術の研究開発と原子力プラントの建造を行う。
車運企業。レグルス戦争後の砂漠都市間のキャラバン輸送に由来を持つ。
シェルターの建造を専業とする珍しい企業。戦争が身近な新ソ連ではシェルターの需要は高く、特に大型施設や公共施設には地下室兼シェルターの設置が義務づけられている。その為シェルター建造一本でも十分な利益を得ることが出来る。
- テクノロジクス・エンタープライズ・インターナショナル社
レグルス帝国成立初期から存在する老舗電気機械企業。レグルス崩壊時にMWHによって買収。
MWHグループ最大の研究機関。
連邦最大のコンビナートであるMWHの派生企業。主な事業は発電事業で、石油採掘はそのついでで行っている。採掘した石油はMWHの企業で精製し、再びネプチューンエネルギーに戻って発電に使用される。
銃火器製造を行う。
航空運輸・旅客を行う。後述のオリエントアエロフロートと連邦内の航空産業を二分する。同社と差別化を図るためより安価で手軽な航空企業としての立場を強化している。
MWHのグループ銀行。
オリエントアエロフロート
新ソ連のフラッグキャリア。連邦航空省からの強い後押しを受ける半官半民の企業。連邦内の民間空港の管理運営も行っている。
オリエント・インターナショナル・ホテル
新ソ連の最高級ホテルチェーン。WLA主導で運営されている。想像できる限り全てのサービスを提供する事をスローガンに掲げている。
ホムス所在のホテル兼総合娯楽施設。オリエント・インターナショナル・ホテルが一般に新ソ連国内の市民を対象にしているのに対し、このホテルは外貨獲得のために明確に外国人観光客向けになっている。
イスラーム建築風の建物で、ホムス都市圏中心の都市公園の中心に位置しているので交通の便と静けさを両立している。ホテルの地下にはカジノも存在する。またこのホテルのスタッフとして雇用するために、危険人種として収容されていた白人の美男美女から選定して一部を解放させてまで雇用した。
新ソ連の物価と比較すると極めて高級なホテルではあるが、新ソ連の通貨安によって諸外国からは比較的リーズナブルに宿泊できる。
新ソ連の国内向けホテルの最高峰。スレイマニヤ近郊の山岳に位置する。政府要人や大企業の幹部の多くが宿泊する。隣接してゴルフ場が存在する。名物は硫黄温泉。外見は一般的な社会主義建築ビルだが、トーチカと同じコンクリートで建築されているため一般建築としては異常な強度を誇る。地下には巨大な核シェルターが建築され、1000人を180日に渡って収容可能。またホテル内部に手術室を備える。以上の特徴から新ソ連で最も安全な場所の一つともいわれる。
オリエント興業
新ソ連の観光会社。新ソ連最大の旅行代理店である。経営主体はWLA(労働者娯楽協会)。新ソ連唯一のスキーリゾートや新ソ連国内の観光施設の運営でも知られる。
か行
グルーメント化学産業団
キルクーク市発祥の重化学工業社。染料、窒素、有機化学分野で有力。
グルーメント化学産業団の傘下にある製薬会社。主に連邦軍と取引を行う。
クルト&ヴィルヘルムワーゲン
クルト・デルトニッヒとカール・ヴィルヘルムによって創設された機械修理ガレージショップに由来する自動車企業。新ソ連陸軍の自動車需要に伴い拡大し近年は国産自動車の再開発に挑戦している。
さ行
JEST
正式名称ヨルダン土石製造(jordanische erd- und steinherstellung)。秩序本部第九局の管理する企業の一つ。ヨルダンで強制収容所の囚人を動員した採石を行なっている。
西亜重工(West Asia heavy Industry)
西亜重工は商業省、重工業省の出資する重工業官営企業。連邦内に複数の製鉄所を有するほか国内最大の工作機械生産力を持つ。
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製品 |
汎用旋盤
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ボール盤
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フライス盤
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帯鋸盤
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正式名称Middle East Chemical Industry。西亜重工の子会社。MECIは親会社と異なり民間の出資も含んでいる。バグダッド以北の油田に利権を持つ。バグダッド計画でメソポタミア地域に建設された巨大化学コンビナート群を所有し石油精製の規模では他社を圧倒する。連邦石油公社とは石油採掘事業におけるライバルである一方で、石油購入の主要な相手先でもある。
旧バスラ帝国造船。レグルス帝国時代に整備された造船所。レグルス戦争終結の3日前までレグルス海軍艦艇を建造し続けていたことでも知られている。
ゼクスシグマ製造
時計、計算機など精密機械の製造を手がける企業。社名は製造業における用語である「シックスシグマ」に由来する。
ソビエト漁業組合
正確には企業ではないがここに記載。新ソ連の漁師組合。相互扶助や信用金庫、新技術導入のための窓口の役割を果たしている。
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船舶 |
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た行
DUB
新ソ連最大の衣料品メーカー。新ソ連の複数の大規模綿花農家と契約を結ぶ。また人造繊維加工の国内最大手でもある。新ソ連の安い労働力によって安価で大量の製品を生産している。
Zcom
Zcom(ツェットコム)は新ソ連のホテルブランド。安価なビジネスホテルの運営で知られる。
D.D.アルケミー・インダストリー
合成ゴム産業の統合効率化を図る重工業省の圧力によって成立した化学産業における企業トラスト。新ソ連のゴム供給の78%を占める。
テクノレコード
新ソ連のレコード会社。
は行
バラダメタル
ダマスカス所在の金属加工メーカー。
ファンダメンタル地質調査事務所
クルディスタンに拠点を置く地質調査業者。 国家秩序本部第九局の運営する企業の一つである。国内最大の埋蔵量を誇る硫黄鉱床の発見などの実績がある。
ハンターラビット
猟銃を構えた兎のロゴで有名なレストランチェーン。いわゆるファミリーレストランの一種。
プロミネンスハブ
国際貿易、特に海外製の高級品の輸入で知られる企業。
ヘルベルトモーター
自動二輪を主事業とする企業。
ホイットニー
高級衣料品ブランド。経済自由化の中でノーメンクラツーラや赤い資本家を相手に成功を収めた。製品は高級志向のラヴとリーズナブルなカインドの二種類に分かれている。カインドの中で皮製品は何故か微量の放射線を発しているため殆どの国では税関を通過できないので国外持ち出しが基本できない、あしからず。
ま行
マイニング&クラフティング
新ソ連の製紙メーカー。新ソ連の製紙市場はマイニング&クラフティング社による独占状態にある。
ミケランジェログループ
芸術品の国際貿易を取り扱う商社。179年に当時の郵政大臣ヨハン・ヴェルゼルシキーと会社幹部の間での贈収賄が立件されスキャンダルとなった。この事件は連邦政府の目をルークリアで発生していた国際紛争からそらすことになり、 インド戦争の遠因となった。
ムービースタジオ・インフィニティ
レバノン、バンドゥンに所在する映画スタジオ。新ソ連で3つしかない映画スタジオの一つで新ソ連文化省の後援を得て活動している。
ムーンウルフ
新ソ連最大のティーハウスチェーン。一般にあまり知られていないが、新ソ連では喫茶文化が根強く茶店の需要は高い。茶店は新ソ連の市民の社交場であることが多い。店舗はしばしば開放的な屋外席を持つ。多くの場合、店舗は茶葉の販売も行っている。
や行
ユイソンゲームズ
アーケードゲーム筐体メーカー。業務急拡大に伴い地方へのサービスが追いついておらず、一部の市民からはいつも故障中の筐体の会社として認識されている。
ら行
ラジエーションIG
秩序本部第九局による企業。放射線計測計や蛍光塗料用ラジウムの製造等々を行う。
連邦石油公社
石油省の傘下にある国営企業。採掘、精製、輸送(パイプライン)、販売を一貫でこなす。主にバグダッド以南の油田に権益を有する。国内石油シェアの6割超を保有するほか、採掘ノウハウの点で他企業に優越する。対外進出しない。主な取引相手は前述のMECIや連邦海軍。
ロックウェル造船所
東方SPRトリポリ市に位置する造船所。造船所自体はレグルス時代から存在していたが、新ソ連による再統一戦争で事実上消滅。その後再建が進められた。軍用艦艇の生産を行う。
わ行
ワンダーアーツ
新ソ連の玩具会社。本当に放射線物質を使用した子供用核実験キットなど一見奇天烈な商品で知られる。
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農業
新ソ連は工業化を進めているが、依然として農業は雇用全体の33%を占めている。181年時点で農業生産額はGDPの18%である2100億テーベに達した。新ソ連の農業は主に穀物の生産に焦点を当てており、農業生産の約八割を小麦の生産が占める。新ソ連の土地のうち10%程度である7.6万平方キロメートルが耕作可能である。
新ソ連の国土の多くは乾燥地帯で農業に適しておらず、灌漑網によって農地を維持している。例外的にメソポタミア地域は有史以前から肥沃な農業適地であった。また人類最古の農業が行われた地域でもあり、肥沃な三日月地帯の一角であった。
歴史
この地域における農業の歴史は古く古代メソポタミア文明までさかのぼる。メソポタミアは大河によって肥沃な土と十分な水資源を得ることができ乾燥地帯でありながら農業に適していた。このことからメソポタミアは世界最古の文明のゆりかごとなった。また生産量増加の努力が行われたことも観察されており、古くはシュメール人が灌漑を行った記録が残っている。文明成立以降、この地域はその豊かな土地から常に争奪戦の対象となり支配者は次々と変化した。
しかしながら近代以降にはこの地域の農業は急速にその地位を低下させた。石油の発見によって工業化が急速に進展し、支配者は農業を軽視するようになった。更にその後続いた戦争によって農地は荒廃し、更に簡単に採掘し採算がとれる石油産業への傾注が加速した。結局この地域の農業が再建されるには新ソ連の成立を待たなければならない。
新ソ連はレグルス戦争という未曽有の破壊に見舞われた国家を再建するため、旧ソビエト連邦の五カ年計画に着目した。ここで政府は農業国としてまず国家の地位を確立し、その後漸進的に工業国家に転換するというビジョンを提示し、そのビジョンを元にした五カ年計画の下で新ソ連は農業へ傾注した。街にあふれかえっていた職を持たない市民は集団農場へ移住させられ、戦車を改造したトラクターを使って農作を営んだ。五カ年計画は第十一次十字軍後の政変で破棄されたが、その後も自給自足を希求した政権によって農業に対する政府による後援は続いた。自由化が進んだヴェーラー政権下では農業にもメスが入り、効率性が低かった集団農場制が廃止され、農地の私有が認められるようになった。しかし既存の農業コミュニティが全て解散したわけではなく、むしろ依然として村単位で完結した農業コミューンが新ソ連の農業を形作っている。
174年のルークリア人民共和国の成立は新ソ連の農家にとって大きな苦難の幕開けであった。インドの広大な農地で生産される農作物の流入に対し農家の多くは抵抗できず生活は困窮した。農家は政府の支援を求めたが、政府は採算の取れない農業事業の切り捨てを決断しており、国家安全保障上の理由から保護された穀物農家を除いて多くの農家が農地を離れることを余儀なくされた。
制度
現在の新ソ連の農業の法的基盤は「改正農地収容法」及び「連邦農地再編法」によって裏付けられている。ヴェーラー政権の解放政策の一環として布告された本法はウェルキッシュ・シーラッハ教授によって提唱された「人民と土」に思想的背景がある。「人民と土」は農業ロマンチズムと社会主義イデオロギーの複合による農業戦略であると定義される。シーラッハは最古の職業である農民と最古の生産手段である農地の関係について最も純粋な形の労働形態であるとして、社会にとっての最も基礎的な生産単位としての農村を主張している。
農地再編法によって農地私有が認められるようになった一方で、コミュニティとしての手段農場、農業コミューンは維持された。農業コミューンは農民の生活単位であり、通常の農村施設に加えて政府の農業を含む指導施設や学校が含まれる。農業コミューンに所属する農民は一定の条件下の元で大幅に値引きされた肥料や農業機械を購入することができる一方で、政府からの農業命令を実施する必要がある。
緊急農作物収用法は有事の際の食糧危機を想定しており、非常時には政府は農作物を強制的に買い上げを行うことができると定めている。成立以降13年にわたって買い上げは続いたが、自由化政策に先立って163年に強制買い上げは終了している。
ハイデル・キッシンガーを盟主とするソビエト農業同盟(SAA)は農民と行政の仲立ちをする半政府機関であり新ソ連の農業に大きな影響力を持つ組織である。「社会主義と農業の最良の在り方を模索し、生産的でかつ文化的な農民コミュニティの構築」を理念に掲げている。SAAは全ての農業コミューンに少なくとも1人は専門のスタッフを駐在させている。SAAは営農指導や生活指導を行う他に、流通機関、信用金庫としての役割や相互扶助組織としての役割を持つ。SAAには中央の運営を行う全連邦SAA事務局のメンバーに加え、連邦に存在する全ての農業従事者がSAAの会員として加入することが出来る他、農学者や農作物の流通に関わる者も参加できる。SAAは各地に支部を持ち、支部は各農業コミュニティの民主制によって運営と保全が行われている。SAAの運営は会員の収入ごとに編制された年会費の他に政府からの補助金が与えられている。またSAAは、特にその支部において極めて土地密着型の組織であり、都市層に偏らざるを得ない地元自治体に代わって農村からの支持を得ている。
栽培
有事の際のカロリー自給を志向し、一方でインド産農作物に市場を開放する政府の政策によって作付け面積の多くを小麦・大麦が占めている。小麦の品種は乾燥と熱に強いデュラム種が大部分を占める。
小麦以外の作物では地中海沿岸でオレンジ、ブドウ、リンゴなどの果物、トマトのような野菜、オリーブ、テンサイが生産され、内陸部の灌漑農地では大麦、トウモロコシ、油糧種子、タバコ、綿花が生産される。メソポタミア地域の一部では米の作付けも行われている。また新ソ連は世界最大のデーツ(ナツメヤシ)の生産国である。
近年ではインドの綿花に押され綿花の生産量が減少傾向にある。お茶の生産がクルディスタンで行われてきたが、ルークリア産の茶葉の流入によって国内のお茶生産は壊滅した。最近はフランス製ワインに対抗する目的でブドウの生産が拡大している。また果物・野菜についてはインド産に対抗するため高品質化の努力が行われている。
生産拡大の試み
農業生産の拡大は新ソ連政府の課題の一つであり、長年にわたって取り組まれてきた。新ソ連農業の困難の最大の部分は水不足であり、歴史的にも様々な手段で水不足の克服が試みられてきた。
灌漑はもっとも容易に生産高を上げる手段であり、チグリス川流域のシリア地域では古代から灌漑がおこなわれてきた。新ソ連では160年代に大規模な灌漑が行われ農地面積は約2倍に増加する大きな成功を収めた。
新ソ連では緑化による環境の変更が真剣に議論されており、167年から大規模緑化計画である緑の盾計画が進行している。この計画の主要な目的は砂漠を緑化することで熱帯気候へ置き換えることであり、結果として降水量が増加し水不足を解消することができると考えられている。
品種改良は連邦生化学研究所を代表とする研究機関で行われている。
肥料の大量投入と機械化は政府によって大規模に支援されており、特に新ソ連では原料が自給できることから肥料価格が安価であり土地面積当たりの肥料量が世界最大である。
新技術の開発は特に温暖で比較的農業に適しているレバノンで活発であり、先端技術を検証する実験的農場が数多く存在している。
塩害は特に砂漠を灌漑した地域やペルシア湾周辺で多く、海岸近くでは海水を大規模に淡水化して散布するなどの対策がとられている。
畜産
戦争とその後の飢餓に伴って多くの家畜が殺され、また家畜の飼育には多くの飼料が必要であること、国土の多くは放牧に耐えられないほど貧弱であることからこれまで新ソ連の畜産の規模はごく小さかった。例外は馬とラクダ、家禽であった。この地域の馬はアラブ種が主で、かつて機械化が進んでいなかったレグルス軍は輜重部隊に大量の軍馬を用いるため大規模に馬の育成を行っていた。レグルス戦争でこれらの馬は食料にするため多くが殺処分された。また赤軍はレグルス軍の兵站軽視を反面教師に自動車化を進め馬の需要も激減した。しかし当時アッシリア政府の長であったアインス・オルフェーベルは馬の育成の振興に力を入れ、競馬産業を興した。現在の新ソ連の馬の育成はここに起源を持っている。
ラクダはこの地域の伝統的な駄獣で、馬が軍や金持ちの持ち物であったのに対し駱駝は一般階級の持ち物であった。ラクダは砂漠の過酷な環境や砂塵の土地に耐え、ロバや馬匹には及ばないが重量物を運ぶ事が出来るため、特に戦後のインフラ破綻期にかけて大きく活躍し砂漠の都市間輸送に広く用いられた。肉は貴重品ではあるが、ラクダが何かしらの要因で死んだ際には食用に供される。また牝に限るが乳を食用にすることができる。モータリゼーションや交通機関の整備によって都市の近くではラクダを見ることは少なくなったが、現在でも内陸部の農村でラクダが使われている様子を見ることができる。
家禽は牛や羊といった大型の家畜に比べ粗食に耐え、必要な飼料も少なく規模の小さな施設でも育てることができた。そのため戦後すぐのころは各家庭で鶏を何羽か飼っていることも珍しくなかった。このような光景は食料供給が安定化すると見られなくなったが、家禽産業は依然として新ソ連の畜産において重要な役割を占めている。
北ルークリア成立以降安価な飼料が流入するようになり新ソ連の畜産は大きく成長し始めている。ヤギ、水牛の数は戦前の水準に戻り、政府が後押しする牛の飼育数は戦前の倍以上になった。
漁業
伝統的にはこの地域の漁業は主にメソポタミアで行われる自給自足的な河川漁業に限られてきた。近代以降は地中海での海洋漁業が成長したが、工業汚染の拡散によって河川漁業とともに衰退に追いやられた。レグルス帝国の末期にかけてからは汚染の少ないインド洋での遠洋漁業が提唱された。このアイデアは150年代の後半にかけて国民のタンパク質不足に頭を悩ませていた新ソ連政府によって採択され、初の遠洋漁船団が組織された。漁場での主なライバルはルークリア国だったが、度重なる戦争でインド洋での海上優勢が確立されたことで遠洋漁業は依然として新ソ連漁業を支えている。
林業
国土のうち森林面積は5%もなく、さらにその中で林業に用いることができる森林はごくわずかである。国内の木材需要のほぼすべては輸入に頼っている。
工業
新ソ連は勃興期にある工業国でGDPの55%を製造業・建設業が占める。この地域の工業は歴史的に重工業が主体で自由化政策以前の計画経済期には国家によって製鉄所・コンビナートをはじめとする現在の重化学産業の基盤が築かれた。一方で市場経済化が進展した今日では商品作物を加工する軽工業の進展も著しい。
新ソ連には三大工業地帯(湾岸工業地帯・上メソポタミア工業地帯・地中海工業地帯)と三大工業地帯には及ばないものの工業が集積している複数の工業地域(アンマン工業地域・ダマスカス工業地域・クルディスタン工業地域等)が存在する。
湾岸工業地帯はペルシア湾沿岸のバスラを中心に発展した工業地帯で、世界最大級の油田地帯である特徴を生かした化学産業と、アジアから輸入したボーキサイトを用いたアルミニウムの精錬が主に行われる。新ソ連最大の工業地帯であり、特に事業所の数では次点の上メソポタミア工業地帯の2倍に達する。
上メソポタミア工業地帯はロシア・アナトリアの鉱産資源を運ぶ鉄道とユーフラテスの河川交通の境界にあることから鉄鋼業・機械製造などの分野で知られているほか、湾岸工業地帯ほどではないが化学産業も盛んである。またバグダッドはレグルス時代から工業都市として知られており、工業地帯全体では新ソ連の自動車工場の7割が集積している。
地中海工業地帯はベイルートからタッルアファールにかけて広がる工業地帯である。レグルス帝国時代に大艦隊を築くために整備され、世界最大級の造船地帯になっている。また造船に用いる鉄鋼を確保するため沿岸には製鉄所も並ぶ。戦争の被害を最も受けた地域であり、ロシアやアジアとの結びつきを強めた近年ではその地位は低くなっている。
アンマン工業地域は新しい工業地域で、レグルス戦争後に整備された。戦前にパレスチナに存在していたエレクトロニクス産業が移転したことで形成された工業地帯である。ダマスカス工業地域は政府によって一極集中が進んだレグルス時代に大きく繁栄した重工業地帯だったが、重工業を行うには輸送手段が乏しい立地と戦争被害によって急激に生産額が低下し、一時期は最盛期の半分を割った。近年は食品加工や繊維産業、印刷業をはじめとする軽工業地域として再生を遂げつつある。クルディスタン工業地域は軽工業中心の地域で、食品加工や窯業が盛んである。
食品加工産業
新ソ連の食品加工産業は主に自給的なものである。最大のセクターは製粉が占め、次いで食肉加工、飲料製造と続く。食肉加工は近年成長が著しく、10年以内に製粉産業を抜くとみられている。新ソ連の飲料産業はレッドジェットドリンク株式会社による独占が続いている。
タバコ産業は厳密には食品産業ではないがここに記載する。新ソ連のタバコ製造は主に新ソ連産と北ルークリア産の物を用いる。タバコの生産は殆ど自給的だが、ルークリアでのタバコ増産の影響から事業拡大の兆しを見せている。
繊維産業
新ソ連の建国期からクルディスタン・シリア西部で綿花の栽培に伴って僅かな繊維産業が発展していたが、綿花の殆どは輸出されていた。北ルークリア産の綿花が流入すると大規模な繊維工場が建設されたが、現在ではむしろ化学繊維の加工が主流である。
金属産業
新ソ連の金属産業は主に鉄鋼産業とアルミ精錬で構成される。
新ソ連の鉄鋼業は「鉄鋼は国家にとってのパンである」というメッケルニッヒ長官の発言に代表されるように国家の基礎産業として自給自足体制の確立が急速に進められた。新ソ連の鉄鋼産業の原料は石灰石を除きアナトリア・ロシアからの輸入に依存している。立地は輸入用の鉄道と輸出用の河川通行に接続できる上メソポタミア地域と、鉄鋼を大量に消費する造船業が栄える地中海地域で盛んである。
アルミニウム産業は非常に安価な新ソ連のエネルギー単価によって発展した産業である。アルミニウムは「電気の缶詰」と呼ばれるほど精錬に電気を消費するが、この特性が新ソ連の特徴に合致したことで大きく成長した。アルミニウムは新ソ連の主要な輸出品の一つであり、その額は石油関連製品、リン酸塩に次ぐ。
化学産業
化学産業は新ソ連の重工業、ひいては新ソ連の産業そのものを支える柱であり、GDPの3割以上を占めている。その中でも新ソ連で大量に産出する石油に関連する分野は比重が重い。新ソ連の化学産業の生産はプラスチック、化学繊維、合成ゴム、工業用塩、化学溶剤、肥料に至るまで多岐にわたり、巨大なコンビナートで生産が行われている。
医薬品産業
化学産業の発展に伴い成長を遂げたのが医薬品産業である。主要な原料を安価で入手でき、軍という大口の安定した顧客が存在することで医薬品産業は発展し、現在では主要な輸出品の一つとなっている。
建設
大規模な公共事業と近年の大きな経済ブームによって新ソ連の建設需要は常に高く保たれている。統計省の発表によれば新ソ連市民のうち、家を持っている割合は3割程度であり、中流階級の成長と国家の住宅投資に伴って住宅需要が成長することが見込まれている。また産業の拡大にも注目すべきであり、建設業界の成長は続くとみられている。
新ソ連における建設にはその環境による課題が複数存在する。酷暑は当然のことながら、特に国の東部地域では地震が多く厳格な安全基準を満たさなければならない。しかし実際には大手建設企業アロンダイト社の不正に代表されるように安全基準に達していない建設物も多い。
造船業
この地域の造船業は地中海沿岸で特に栄えてきた。レグルス時代の海軍拡張以降、地中海沿岸には造船区画が密集した工業地帯が造成された。レグルス戦争末期にかけてレグルスの海軍力復活を恐れた連合国によってこれらの造船施設は解体されたが、170年代に始まった海軍拡張と列強外交政策によって造船産業は再び繁栄し、レグルス時代にはなかった民間船の大量建造も進んでいる。
機械製造
新ソ連産業の初期の段階では新ソ連の機械製造は輸入代替的な成長を志向した。しかし機械類の国内製造に失敗し、さらに自由化政策以降関税障壁や輸入に関する煩雑な手続きの多くが取り払われたことで海外製機械の流入により機械製造は危機に立たされた。政府は再び関税障壁を強化し機械類の自給体制の確立を急いだ。182年に西亜重工が近代旋盤の開発に成功したことを契機に機械類の自給体制の整備が急速に進んでいる。
自動車産業
機械製造業の例にもれず新ソ連での自動車産業は困難な歴史を歩んだ。自動車製造のノウハウが失われていたことや、国内での自動車需要の少なさ、乾燥地帯特有の過酷な環境は自動車開発を更に困難なものにした。軍需品であったトラックの生産は各地の中小工場で行われたが、乗用車の開発は行われなかった。新ソ連初の乗用車工場は大中華の中華自動車工場によって建設された。以後新ソ連の乗用車産業は大中華に独占される状況が続いたが、183年に新ソ連の大手自動車メーカーのクルト&ヴィルヘルムワーゲンがスプートニクを発売したことでこの情勢にも変化が生じている。
エレクトロニクス産業
新ソ連においてはエレクトロニクス産業は新しい産業分野で、生産拠点は主にアンマン工業地域に集中している。新ソ連は真空管製造の世界的なリーダーであり、世界の真空管生産の約半分を占めている。エレクトロニクス関連の企業は産業と同様に新興企業が多く、例えば新ソ連のラジオ生産の7割を担っているザフトロンは169年創業である。
軍需産業
新ソ連の軍需産業は戦略的に重要な産業分野であるとともに、世界最大級の兵器生産能力を備えている。また軍需産業は新ソ連における大規模な雇用主であり、製造業のうち33%の労働者は何らかの形で軍需産業に携わっている。軍需産業は新ソ連の先端分野を牽引してきた。自動車産業、造船業、航空宇宙産業、原子力産業はいずれも始めは(一部は今でも)軍事目的で運営されてきた。
新ソ連の軍需産業は政府の経済原則を外れ原則ほとんどすべてが国営か、少なくとも経営に国家が深く関与している。軍需産業の債務はしばしば国家予算によって建て替えられる。政府と軍需産業界の間では日常的に人員の移動が発生しており、アンマン大学のディルクセン法学教授をはじめとして軍産複合体と政府が密着していると指摘する者もいる。
新ソ連の高い軍需生産能力に反して武器輸出は限定的なものにとどまっている。
テクノロジー
新ソ連の科学研究は政府民間の両方が積極的に進めている。技術研究開発機関(TRDA)は技術省の傘下の研究統括機関で国立の研究所の多くを管轄している。ソビエト科学アカデミー(SSA)は反対に民間の研究開発を監督し、著名な業績に対して褒章やフェローシップを与え、また学会の自治を行う。アカデミーの予算の多くは政府から与えられているが、政府とからは独立した自主性を持つ機関である。
サービス・小売
新ソ連の第三次産業は182年にはGDPの45%を占めた。自由化政策以降政府関連の支出は減少傾向にあるにもかかわらず、民間部門の発展によってこの割合は今後ますます増大すると予想されている。
観光
観光産業は新ソ連において将来性が期待されている分野の一つである。181年時点で外国人・国内観光客はおおよそ半々の割合で、合わせて300万人前後に過ぎないが、政府は今後外国人観光客をさらに誘致し10年で訪問者数を3倍にする計画を立てている。
新ソ連には古代遺産と複数のリゾート、観光都市が存在し観光客を集めている。リゾートと観光都市の開発は主に政府主導で行われてきたが、投資に対し回収率は悪く観光業の増進には投資分を回収しようとする意図がある。
新ソ連の著名な観光地にはクウェートシティリゾート、ラマーディの観光施設、ダマスカス平和塔、バビロニア遺跡などがある。
メディア
新ソ連のメディア産業はいまだ発展途上である。ラジオ及びテレビ放送は政府によって管理されているため、民間セクターは主に紙媒体のメディアと映画に集中している。
小売
配給制の終焉と中流階級の誕生によって小売・卸売りは大きく成長した。ショッピングモールと外食店、小売店などが数多く建設され、一部は全国規模のチェーン店に成長した。
性産業
新ソ連の連邦法は売春に関する規制を設けておらず、取り締まりの程度は共和国によって異なる。最も厳格な性産業規制を持つ東方共和国では売春・買春の双方が違法である一方で隣接する中東共和国ではどちらも合法であるなど共和国ごとによって規制には大きな差がある。
レグルス時代にはこの地域の性産業は全て違法であり懲役刑が科せられていたが、レグルス帝国の崩壊に伴って主に都市部で売春が流行した。共産党は一貫して売春に厳格な姿勢を取ってきたが、規制に及ぶことはなかった。民主化以降は社会の自由化の風潮の中で政府による規制は放棄された。
近年では貧困層の拡大に伴う無秩序な売春とそれに伴う性感染症の拡大が社会問題となっている。
航空輸送
新ソ連の航空輸送産業はこの10年で飛躍的な成長をとげた。その原因は政府による観光産業の整備による国外観光客の増加と、国内富裕層の増加による外国旅行需要の増加である。新ソ連の航空路線の76%は国外を繋ぐ路線である。新ソ連政府は現在欧州とアジア、アフリカを結ぶ航空輸送網のハブ化する計画を推進している。
新ソ連の空港は122箇所が登録され内13箇所が主要空港に指定されている。サービスはシリア地域とメソポタミア地域に集中している。カールハインツ・メッケルニッヒ空港は新ソ連最大の空港で年980万人が利用している。新ソ連を訪問する外国人の40%はこの空港を経由して入国し、出国する新ソ連国民の25%がこの空港を経由して出国する。
新ソ連で発着する路線の大部分は新ソ連の航空会社によって運営され、そのうちの98%はオリエントアエロフロートとホライズンスカイウェイズの二社によって運航されている。オリエントアエロフロートは官営のフラッグキャリアであり、ホライズンスカイウェイズはMWHグループの企業である。オリエントアエロフロートは外国人と富裕層向けの高級路線、ホライズンスカイウェイズは中流向けの安価な航空サービスを提供し棲み分けを行っている。
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Rn-1406 シュバン |
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Si-7 バグ |
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Rn-1405 メーヴェ |
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鉄道
新ソ連では強固な鉄道網が建設され、主要な都市は鉄道で接続されている。総延長は6500kmに達する。特に国土の東側では鉄道が多い傾向があり、これは後述する歴史的背景に由来している。
新ソ連は平らな砂漠地形が多く砂塵地帯を除けば鉄道運行に適している。荒涼とした砂漠地域を走る鉄道のほとんどがディーゼル車であり電化区間は都市部のごくわずかな区間に限られる。軌間はほとんど標準軌を採用しているが、ごく一部の古いローカル線では旧植民地時代を思い起こさせる狭軌鉄道が未だに現役である。またロシア諸国と接続されているクルディスタン地域の主要幹線はロシア標準の広軌が採用されている。
近年では都市部の中流層や富裕層を中心にモータリゼーションが起こっているが、都市の外では自動車の故障のリスクが高いため、遠距離輸送では依然として鉄道が主役である。
砂漠を通過する区間では砂塵による影響を避けるため沿線を緑化したり、鉄道陸橋を設置して対処している。
高速鉄道はメソポタミア南北線とシリア・レバント南北線の2本が敷かれている。シリア・レバント線は極めて砂漠化率が高く、高速に伴う事故を防ぎ安全性に万全を期すため、全域にかけて前述の鉄道陸橋、または線路にかぶせられた簡易的なトンネルを通過する。
歴史
この地域に最初に開通した鉄道はオスマン帝国統治時代にビザンティウムからバグダッドを繋いだもので、所謂3B政策の一環として建設が行われた。その後オスマン帝国は崩壊し支配者は英仏に代わったが、この期間に敷設された鉄道は植民地向けの軽便鉄道で、それらも沿岸や都市を繋ぐ程度のものでしかなく広大な砂漠のほとんどは未開の地のままだった。
この状況が改善されたのは第二次世界大戦後、俄にこの地域が東西衝突の最前線に浮上した事がきっかけだった。柔らかい脇腹である中東を守りたいソ連は多くのリソースを投資し、その一環で鉄道網の建設を行った。この時期に敷設された代表的な鉄道はバグダッド=バクー間を繋ぐ物で、冷戦期には地中海のボトルネックであるスエズ運河を狙える位置に展開する赤軍を物資面で支えた。対する西側もインフラの強化を進めたが、こちらはどちらかといえば道路と港湾設備の整備を重視したため鉄道はさほど発達しなかった。この違いが現在でも国土の東側で鉄道業が盛んで、対して西側ではモータリゼーションの機運が強い理由である。
冷戦期が終わると晴れて真の独立国となったレグルス国はインフラ開発に取り組んだが、モータリゼーションが進んだ西側主導の統一であったことから鉄道は顧みられることはなかった。鉄道開発が再開するには幾度もの戦乱が過ぎ、レグルス帝国が建国されるまで待たなければならない。
典型的な中央集権独裁国家だったレグルス帝国は首都であるダマスカスを中心に鉄道に力を注いだ。これには国力的な理由からモータリゼーションを推し進める事ができないという事情も後押ししていた。帝国時代の開発の影響は現在も残っており、現在の新ソ連の主要な路線の殆どはレグルス時代の鉄道を修繕したものとなっている。特に大都市部の地下鉄は地下100m以上に建設されたシェルターとしての役割を持っていたため、レグルス戦争末期の核爆発にも耐えて車両含めて未だ現役で使われている。
事業領域 |
所属 |
種別 |
通称 |
コーポレートカラー |
本社 |
主な事業区域 |
貨物鉄道 |
シリア貨物鉄道 |
鉄道省 |
シリア貨物 |
灰色 |
ベイルート |
東方SPR・中東PSR |
ヨルダン貨物鉄道 |
ヨルダン貨物 |
緑色 |
ザルカ |
沿ヨルダンSPSR |
アッシリア貨物鉄道 |
アッシリア貨物 |
橙色 |
キルクーク |
アッシリアWSSR・クルディスタンPSR |
イラク貨物鉄道 |
イラク貨物 |
黄緑色 |
バスラ |
メソポタミアSSR・クウェートSSPR |
旅客鉄道 |
連邦旅客鉄道 |
連邦鉄道 |
赤色 |
ダマスカス |
連邦全域 |
研究機関 |
鉄道技術研究所 |
技術省 |
鉄技研 |
市民蒼 |
新バビロン |
軍事輸送 |
連邦軍輸送計画 |
革命陸軍 |
UTプロ |
黒色 |
アレッポ |
+
|
... |
プロドヴィガット機関列車 |
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|
車両陸運
自動車は左側通行である。道路総延長は約8000kmである。
新ソ連では自家用車の普及が現在進行形で進んでいる。国民所得が大きく上昇したここ十年間で自家用車保有率は3%から56%まで上昇し、それまで赤い貴族や赤い資本家などの上層階級しか持てない贅沢品から努力すれば手に入る中層階級の成功の証へと変化している。
自動車庁の高速道路委員会は全国に高速道路を張り巡らせることを目的に活動する機関である。現在の新ソ連には速度無制限区間を含む高速道路が200km敷設されている。
歴史
戦後この地域の道路は大規模な破壊にさらされ、その後維持補修もほとんど行われなかったことで荒廃の一途をたどった。これは結果として交通インフラとしてのラクダの復権をもたらす一因となった。新ソ連の成立後もモータリゼーションが進んでいない国情から政府は鉄道整備を重視し、道路整備は先延ばしにされた。このため新ソ連ではその後もしばらく駱駝と鉄道が主要なインフラだった。
メソポタミアの大規模な開発計画であるバグダッド計画ではメソポタミア地域の道路インフラの整備が掲げられ、続くVGPでその範囲は全国に拡大した。現在新ソ連各地で道路網の整備が行われ、既に都市の多くではアスファルトで整備された道路が大半である。都市間道路や高速道路も現在進行形で整備中だが、トラック輸送にシェアを取られることを危惧する連邦駱駝運輸ギルドや自然保護団体によって抗議活動が行われている。
競馬
新ソ連競馬は建国直後、国内に溜まった不満をそらすことを目的として整備された。この事業は時の権力者
アインス・オルフェーベルの目に止まり多大な政府の支援を与えられた。競技水準はとても世界基準には及ばないが、貧しい市民にとっては数少ない娯楽として機能している。
※重賞…重要なレースの事。G3→G2→G1と格式が上がり、よりハイレベルなレースになる。
著名な競走馬
インヴィジブルフラッシュ・・ 156年度青銅杯・黒銀杯優勝。黒く大型な馬体で知られ、新ソ連初の二冠馬になった。
レグルスベルセルク・・ 169年にデビューし超ハイペースの暴走逃げで圧倒的強さを見せた牡馬。生涯成績13戦8勝、うちG15勝。主な勝鞍はニューイヤーズメモリアル、革命記念、人民大賞。
レッドスケア・・ レグルスベルセルクに引導を渡し三階級制覇G17勝という空前絶後の戦績を残した伝説的名牝。
ノーモアエスケープ・・ 178年度黒銀杯、179年度革命記念優勝。未勝利上がりでありながら黒銀杯での劇的な勝利と、逃げることを否定する馬名でありながら大逃げする戦法で有名になった。僅か三勝の馬だが新ソ連でも随一の人気を誇る。
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レース名 |
距離 |
コース面 |
開催日 |
G1レース |
ニューイヤーズメモリアル |
バグダッド |
芝3200m |
1月第2日曜日 |
オリエントカップ |
アンマン |
ダート1900m |
2月第3日曜日 |
牝馬セミミドルチャンピオンシップ |
バグダッド |
芝1600m |
3月第2日曜日 |
ヨルダン大統領賞 |
アンマン |
芝1200m |
2月第3日曜日 |
連邦大統領賞 |
クウェート |
芝2400m |
3月第4日曜日 |
バグダッドフィリーズ |
バグダッド |
芝1600m |
4月第1日曜日 |
MoG杯 |
ベイルート |
芝2000m |
4月第4日曜日 |
革命記念 |
バグダッド |
芝1600m |
5月第1日曜日 |
優駿牝馬 |
ダマスカス |
芝2000m |
5月第3日曜日 |
人民大賞 |
ベイルート |
芝2200m |
5月第4日曜日 |
彗星賞 |
アンマン |
芝1200m |
9月第3日曜日 |
サンダーボルトカップ |
バグダッド |
芝1200m |
9月第4日曜日 |
牝馬晴風杯 |
クウェート |
芝2400m |
10月第1日曜日 |
プラチナステークス |
ダマスカス |
芝3000m |
10月第2日曜日 |
オクトーバーメモリアル |
アンマン |
芝2800m |
10月第3日曜日 |
10月革命杯 |
ベイルート |
芝2400m |
10月第4日曜日 |
青銅杯 |
ダマスカス |
芝1800m |
11月第1日曜日 |
オルフェーベル記念 |
クウェート |
芝2000m |
11月第2日曜日 |
セミミドルグランドチャンピオンシップ |
ベイルート |
芝1600m |
11月第3日曜日 |
晴風杯 |
クウェート |
芝2400m |
11月第4日曜日 |
黒銀杯 |
ベイルート |
芝1600m |
12月第1日曜日 |
2歳牝馬セミミドルカップ |
バグダッド |
芝1600m |
12月第2日曜日 |
若駒杯 |
ダマスカス |
芝2200m |
12月第3日曜日 |
ドリーマーズステークス |
クウェート |
芝2400m |
12月第4日曜日 |
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最終更新:2025年07月16日 03:50