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『カスJK梨花とカスに似ている嫌なアイツ』




【♪BGM】

公園。

二宮「宣誓〜!」沙都子「宣誓〜!」
二宮「私たち生徒は〜!」沙都子「私たち生徒は〜!」
二宮「スポーツマンシップに則り─」沙都子「スポーツマンシップに則り─」

梨花「いいわもう!!あんたら鏡ってわけね!!!」
二宮「へへへ〜!!w話は聞いてたよ古手ちゃん!超ベリベリによろしく〜〜〜!!!」
梨花「……うん。ども」
沙都子「どや?(ニヤッ」
梨花「あーあんたはすっこんでて。……普通に紛らわしっしょ?」
二宮「ところで古手殿!!……いやはや小生〜、困り事がありましてな〜〜」
梨花「あ?」
二宮「うち梨花。古手殿も名前梨花。……ファイル名つけるとき、どちらに(1)がつくか。実に悩ましい問題でございして〜〜〜……」

梨花「ヒソヒソ(んだこいつ)」
沙都子「ヒソヒソ(私も最初は思ったからw)」

梨花「……マジで。こういうタイプ無理なんだけど」





喫茶店にて。

沙都子「〜〜♪(スマホ勝手に充電してtiktok)」

二宮「はい、フルフル完了〜!」
梨花「あはは!(LINE交換をフルフルっつうな、平成か)」
二宮「呼び出したくば、いつでもよきにはからえ〜!『りかちゃああぁん!!』って呼べば飛んでくるよ〜!」
梨花「……乙骨か(……つまんね)」

一拍。

梨花「えーと、二宮さんさ」
二宮「どしたし〜?」
梨花「……いつもそんな感じなの?いや~おしゃべりがさ、すごいから〜〜w」
沙都子「……(チラッ」

二宮「あ。バレちった?今うちらオフじゃん?だから元気少々抑え気味なわけ!」
梨花「…………へーーー」

梨花「でも二宮さん、ちょっと心配かも……」
梨花「私たちの高校じゃ『そーゆー子』、ちょっと陰口言われがちだからさ~~w」
二宮「えー羨ましい!!」
梨花「え?」
二宮「うちんとこ、罰ゲームでしかそれ言わないもん!!『バカ』とか『バーカ』とか!」
梨花「……あ?」

二宮「にしても古手ちゃん〜〜?なかなかオブラートに先制攻撃してきますな〜〜〜?あはは!」
梨花「……(コイツ……)」


梨花「(マジで無理)」
梨花「(嫉妬……とかじゃなくて。本気でウザい)」
梨花「(…………いや、嫉妬なのかもしれないけどさ)」

梨花「(私たちは何も考えず、当然みたいにカスJKやってるっつーのに)」
梨花「(環境がちょっと違うだけで、こいつは最初から全部“上”にいる)」
梨花「(努力とかじゃない。最初から、そういう配置)」


梨花「(こういう奴が一番嫌い)」

梨花「(なにより、私が一番大嫌いなヤツに瓜二つなのが)」


梨花「一番ッ腹立つッ……」




沙都子「転がり落ちた子供と〜〜♪突き飛ばした女のうすら笑い〜♪」
梨花「ファイトのそのパート歌わねんだよ普通」

数分後、来店客。
おじいちゃんおばあちゃん二人。
きょろきょろと席を探している。
空いているのは一席だけ。

沙都子のバッグが、どかんと置かれている。

おばあちゃん「……え~と……」
沙都子「〜〜♪」

二宮「……」

二宮、何も言わずに立ち上がり、そっと沙都子のバッグを手に取る。

沙都子「へ?あ??ちょっとニノ、私の!!!」(バクッ)
二宮「あ、ごめんごめん〜〜!!!ほら、これあげるから!キーホルダー!メンゴメンゴ〜〜!(笑)」
沙都子「ったく、気をつけろよ〜〜!(笑)」

おばあちゃん「……!(ぺこり、と小さく頭を下げる)」
二宮「〜☆(いえいえ〜と首を振る)」

梨花「……」




沙都子「〜♪」
店員「お待たせしました、アイスエスプレッソとアイスミルクティーです」
梨花「……ども」
二宮「あ、ミルクティーはうちです!(ひょいと取る)」
店員「……それと、パンケーキとパフェデラックス、ジンジャエールです」
沙都子「うぃ~~す」
梨花「あ?……KY?」
沙都子「は?私腹減ってんすけど?文句あっか姉ちゃん」
梨花「あるわ。キショいわ。死ねや」
二宮「……空腹ヤバいなぁ」
梨花「マジそれな。おい沙都子、影武者にも引かれてん─」
二宮「いやうちの空腹がっ!すいませ〜ん!うちにもパフェデラックスお願いします!」
梨花「え?」
店員「かしこまりました〜」
二宮「ほんとすいません〜〜!」

二宮「挑戦者、現る!!」
沙都子「いやなんやねん対抗意識www(パンケーキくちゃくちゃ」
梨花「…………」




店員。
沙都子の足元から伸びる充電器を見て、露骨に嫌そうな顔をする。

沙都子「はいスワイプ〜、はいまたスワイプ〜〜♪」
二宮「……〜」


二宮、充電器を外す。
沙都子「あ?」

そしてテーブルの上にモバイルバッテリー、ドン。
沙都子「へにゃ?」


二宮「ヒソヒソ(さとっち、裏技ね!)」
二宮「ヒソヒソ(……お店って調理に電気めっちゃ使うから、スマホ充電用の電気弱いんよ~~……)」
沙都子「え?まじ?」
二宮「ヒソヒソ(だからモバイル持参がタイパよしという!……あんま知られてないけどね〜!)」
沙都子「は?ガチ?ガチ??次からはそうするわ~~」

梨花「……」




梨花、ノート広げる。

沙都子「は?何キャラ?」
梨花「……たまに合わんことするのが私の流儀なんだよ、短絡思考が」

梨花「二宮さんさぁ〜、原高じゃん?つまり頭いいわけじゃん?」
二宮「えwそれ人生で初めて言われたかもw一夜漬けガチ勢なだけだし〜〜」
二宮「……ま、英語だけは誰にも負けんがね?(にやり」
梨花「なんで?」
二宮「字幕を読まずに済むから!」
梨花「は?洋画の話?wwウケる〜〜!(うわキッモ)」
梨花「んじゃちょうどいいや。ここ教えてよ、ほら」
二宮「オッケーイ!!カモンベイビー!」

と、言いかけて。
二宮、周りキョロキョロ。

二宮「……しかし古手よ、ここで一つ、困難があるのでござい」
梨花「……困難?」
二宮「この英文、割とムズいわけ。……分かるかな、初期装備でロンダルキア行くくらい無謀なわけ」
梨花「ロンダルキア?(……いや何時代の人?)」
沙都子「何言いたいん」
二宮「つまり……我々にも装備が必要なわけなのだよ、ビクトリィ……」

二宮「アクセ屋いこっか!!ごちそうさまーー!!」(立ち上がる)
沙都子「いやお前が行きたいだけやんwww」(立ち上がる)

梨花「……」


二宮はさりげなく、テーブルの食器をすべてまとめ、返却口へ。
何事もなかったみたいに。

三人は、そのまま店を出る。




アクセ屋。
品々の前でたむろの三人。

沙都子「ごめん、花つまみにいくわ」
梨花「あんたがそれ言うと不快度エグいんよ」
二宮「はよ行ってこんしゃい!我が妹〜〜♥」

——沙都子、去る。

二宮「〜♪」
梨花「……」

残る二人。
梨花だけが、妙に落ち着かない。


梨花「あの」
梨花「二宮……さ」
二宮「ん〜?」
梨花「さっき喫茶店でさ……」

梨花「お客さん来たから、邪魔にならないようにアクセ屋行く提案したでしょ」
二宮「ん?」

梨花「……それだけじゃないじゃん?」
梨花「充電器も、あのバカが納得する形で外してたし。鞄もさ、誰も不快にならないように片してさ」
梨花「パフェ追加だって。あのバカが浮かないように、無理して頼んだでしょ?」
梨花「……外れてる?」
二宮「え?Daigo?」
梨花「誰がメンタリストだボケ」

梨花、顔を上げる。
思ったより近い距離。
二宮は、いつものままニコニコしている。

梨花「……今だってそう」
二宮「今?」
梨花「他のお客さんの邪魔にならないようにさ。隅っこに移動したじゃん。私もさりげなく動かしてさ」

客「かわい〜」「ピアスうける〜」


二宮「……名探偵っ」
梨花「……ねえ、なんなの?」

梨花は、ふっと背を向ける。


梨花「……いいよね。ピエロじゃん」
二宮「らんるー☆?」
梨花「完璧で、友達もたくさんいて、何しても立ち回り上手くてさ。バカのふりして、実は全部計算高くて」

梨花「……私は、そういう子が一番嫌い」
二宮「……」

梨花「即リスカしてほしいくらい嫌い」
梨花「一番生理的に無理」
梨花「ほんとに嫌」
梨花「それはあんたも、」

梨花「……そして私自身もね」


一拍。


梨花「心の押し入れに突っ込んでた劣等感を、ガンガン刺激される感じで、息が詰まる」
梨花「おもんない毎日で塗り隠してきた差を、真正面から見せつけてくるみたいで、嫌」
梨花「……なにより」
梨花「同い年で、しかも私と程度同じな奴と顔が一緒なのが、ほんとに無理なわけ」
梨花「…………うん、それは私の勝手なわがままだけどさ」

二宮「……」

梨花「悪いこと言わないから。つか言いたくないからさ」
梨花「もう、私たちに絡まない方いいよ。……それがお互いのためだから」

梨花「……マジ嫌いなんだって、……二宮」

二宮「……」
二宮「青春だねっ」
梨花「は?お前聲の形好きやろ。……どこ読み取ってその反応なん?」
二宮「だってそうじゃん!」


二宮「お互い本音ぶつけ合ってる時点でさ!もう友達超えて、大草原じゃん!」


梨花「…………え」


二宮「本音ね。うちも正直古手ちゃんキライ!嫌い率90%だわ!!」
梨花「……好き嫌い.com式」
二宮「頭いいしカワイイから超キライなわけ!マジムカムカじゃん!!90!90だよもう!!」


二宮「だから、その嫌い率を下げるよう、二人三脚でやってこうゼっ!」
二宮「……協力、してくれるかな〜……?」

梨花「…………」


——少し間。


梨花「……どのピアス。私に、似合う……かな」
二宮「おーう!オシャレ番長にまかせんしゃーい!!」




その後。


沙都子「楽しかったね〜」
梨花「……」

梨花、無言。
沙都子を横目でチラチラ。


沙都子「……おい反応。楽しかったねぇえ〜??? あ〜???」
梨花「……」
沙都子「……なにそのヘラモード」

梨花「はぁ……」


少し間。


梨花「アンタさ、明日。即ドラゴン細井んとこ行けよ。ニノに失礼」
沙都子「あ??!しねぇよ整形!!!一生おそ松で上等じゃボケボケ!!」


歩きながら、ふと光るもの─。
梨花の耳元で、小さなパールのピアスが、夕方の光を拾う。




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最終更新:2026年01月31日 18:34