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『枝豆と無垢』


(キャラ) ずんだもん、ふみ




 ボクの名前はずんだもん!
東北の、いや世界の中心となる予定の『枝豆の妖精』なのだ。
……あ、もしもし? ごめん、今日の同窓会いけません。
今、ボクは殺し合いにいます。
フフフフ~……。
(殺し合いなう、どやぁ。これにはボクをバカにしてきた連中も嫉妬の嵐なのだ~~……)


「……って、全然マウントになってないのだぁっ!!!」


待て待て待て待つのだ!?
殺し合いって何!? 何なのだ!?
わけがわからないのだ!エヴァQを劇場で初見した時くらいわけがわからないのだ!
カヲル君でもないのに変な首輪つけられて、ボクのずんだ首がピンチなのだ!
シンジ君!「わけがわからないよ!!」って復唱していい許可をボクにくれなのだ!!
ついでにこの島をずんだインパクトで更地にしてほしいのだぁああ!!!

てかこれ、絶対、豆しば業界がボクの天下を恐れて仕組んだ陰謀なのだ!?
それとも『水ダウ』のドッキリなのだ!?
そのうちつまみ枝豆さんが背後から現れて、ボクに「たけし“さん”だろ小僧ッ!!」ってキレてくるやつなのだ!!

そうじゃないと……そうじゃないと説明がつかない!!!
あまりにも無理ゲー! クソゲー! 誰か攻略サイトをボクに寄越すのだぁああ〜〜〜!!!!
どわぁああああああああああああああああああ!!!!!!!!


🫛『──さてさて、絶望的な状況を前に脳がずんだ餅になってしまった、ずんだもん』

🫛『──これから自分が、狡知の星晶獣によって最高にエグいプレイの餌食になるとも知らず、薄ら寒いメタ発言を連発しています』

🫛『──今回は、そんな救いようのない枝豆を添えて、バトル・ロワイアルについて学んでみましょう』

🫛『──せいぜい頑張れ! ずんだもん!』


おい!! 呑気にナレーションするななのだぁああああああああ!!
嗚呼、ぁぁぁぁ…………。
AA,aa,.......





 月光の美しさを、その無垢な網膜が正しく捉えたことなど、かつて一度としてあっただろうか。


「…………」


 弱冠十歳、顔を腫らした少女──ふみ。
ふみという個体を形作るのは、慈しみを知らぬ肉親からの性的暴力と、汚濁にまみれた日常の澱だけだった。
彼女にとっての『世界』とは、逃げ場のない密室で繰り返される、蹂躙の同義語。
生存とはすなわち、痛みが通り過ぎるのを待つだけの、無機質な時間に過ぎない。
その瞳はとうの昔に光を拒絶し、底の知れない硝子玉のように、ただ虚空を反射していた。


「……っ、…………」


 舞台は、島の辺縁──。──骸を晒す、廃工場内部。
ひび割れた窓から漏れ出す月光は、救済の光などではなく、死者に手向けられる冷ややかな憐憫に似ている。
ふみは床に這いつくばり、憑かれたように右手を動かしていた。
その手に握られた白チョークが、コンクリートの粗い肌に削り取られ、断末魔のような音を立てる。

「へんじ おねがいします」
「みんなを ころしてください」
「あいたいですあいたいですあいたいです」
「あいたいですあいたいですあいたいです」
「あいたいですあいたいですあいたいです」
「あいたいですあいたいですあいたいです」
……

チョークは疾うにその役目を終え、削れた指先が直接地面を叩く。
剥がれかけた爪、裂けた指腹から溢れ出す鮮血。
白かった文字が、どろりとした醜悪な赤へと塗り替えられていく。
しかし、彼女に痛みを感じる神経など残ってはいない。
血で湿ったコンクリートを掻きむしるその様は、祈りというよりは、呪詛の胎動に近かった。

彼女はあまりにもか細く、あまりにも脆かった。
そしてその深すぎる亀裂から、狂おしいほどの『救い』を欲していた。
剥き出しの肉を摩耗させてまで綴られる、そのメッセージ。
それはかつて自身の世界を鮮烈な殺意で彩った、あの連続殺人鬼へと宛てられた、純粋で、かつ致命的な祈りであった。


「…………」

「……え?」


 そんな【無垢の祈り】が通じたとでも言うのか。
文字だらけの床一面に、一歩、また一歩と──。
──場違いなほど軽やかな『足音』が刻まれる。


「……っ!」

「え? なにこの文字? 耳なし芳一?」


ふみは弾かれたように顔を上げた。
そこに立っていたのは、月光に照らされて不気味に発光する、異形の姿。
さしずめ、運命の歯車が、軋んだ音を立てて回り始めるというわけか。


「…………」

「……もしかしてガリレオのBGM再生していい感じ……? じ、実に面白──」

「あの…………!」

「え?」


「…………参加者……みんな、殺してくれませんか…………?」

「うぇ? うぇ? うぇ? We?」


暗澹たる地獄の底で、こうして『殺人鬼』と少女の邂逅は果たされたのだった────。


…………という経緯らしいのだ。^^;







🫛『──……やれやれ。自分の首がいつ弾け飛ぶかも分からない状況で、他人の絶望に首を突っ込まされるとは』
🫛『──ずんだもんの不運っぷりを畑にまけば、少しは豊作になるかもしれません……』

🫛『──さてさて、幕を開けたこの奇妙なバトル・ロワイヤル』
🫛『──この哀れな枝豆は、血に濡れた少女の瞳の先に、何を見るのでしょうか』
🫛『──そして、出口のない【無垢の祈り】が辿り着く終着駅は、どこにあるのか』



「……あなたが、『骨無しチキン』さん?」

「え?!(煽られた? チキン? 骨無し??)」

「……お願いします。……みんなを殺してください。私を助けて、くださいっ…………。──」

「──殺人鬼さん……」

「うぇへへぇ??!!!?──」


「──うーん…………」



🫛『──この緑色の愚者が導き出した答えは、如何に…………』



「……ボクの辞書に『見捨て』なんて言葉はないのだ。いや、さっきまではあったけど、今マッハで消去したのだ」

「……え?」

「ボクの名前はずんだもん。……世界で一番優しくて、ちょっぴり骨無しな……、──」


「──君だけの『さつじんき(仮)』なのだ!!」



はい警察さん~! ボクに逮捕状よろしくぅ!!



【ずんだもん@東北ずん子プロジェクト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×2
[思考]:
1:流れ流され生きていく……これがボクの人生なのだ!
2:とりあえず殺人鬼として、この子を守るのだ。それが主人公っぽくてかっこいいのだ!

【ふみ@無垢の祈り】
[状態]:精神的欠落、指の裂傷
[装備]:不明
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1
[思考]:
1:みんな、しんじゃえばいいのに。
2:『骨なしずんだ』さん…………?




【作者コメント】
秒で没喰らったw
危機管理力www
最終更新:2026年03月07日 13:49