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『カスJK沙都子と梨花に政治は分からぬ』




――街頭演説

駅前。
スピーカーの音が割れている。

政治家「日本を変えなくてはーー!」

沙都子「……うるさ」
梨花「歯並び、ピアノの鍵盤」

政治家「若い人たちが政治に興味を――」

沙都子「そろそろ号泣会見やりそうw」
梨花「野々村?w」
梨花「てかそれしか国会議員知らないでしょあんた」
沙都子「政治って声おっきくて意味わかんないし」

政治家は気づかないふりで話し続ける。
中身は誰も聞いていない。

演説が終わる。
拍手が起きる。

沙都子「拍手する?」
梨花(スマホ)「今インスタしてるから黙ってて」

沙都子「……は?」
沙都子「前から思ってたけどさ」
「ちょっと顔整ってるからって、上から来るのうざいんだけど」

梨花「上からじゃないよ」
「事実」
「歯並び悪いよね、あんた」
「あとニキビできたことありそう。そのうち肌荒れしてそう」
「あの政治家と同じくらいに」

沙都子「……なんだと?!」

取っ組み合い。
髪を引っ張る。
肘が当たる。
周りはチラ見して離れる。

少し離れたところ。


政治家、口元だけで笑う。

政治家「秘書」
「あの二人、使える」

秘書「……ライバル候補の演説ですね」
政治家「立たせておけ」

秘書「あなたも父上譲りの狡猾さですね」

政治家「血は争えん」


秘書、二人に近づく。
声は穏やか。

秘書「簡単なお仕事です」
「ここに立って」
「ちょっと騒ぐだけ」

封筒を渡す。

沙都子「え、金?」
梨花「なにそれ」

秘書「交通費です」
「学生さんにも協力してもらいたくて」

沙都子「……」
梨花「……」

二人、顔を見合わせる。

沙都子「やば」
梨花「楽じゃん」

ハイタッチ。

沙都子「政治、ちょろ」
梨花「社会、単純」


当日。

沙都子「……」
梨花「……」

沙都子「今日なんかあったっけ」
梨花「知らない」

沙都子「スタバ行こ」
梨花「行こ」

二人、フラペチーノを飲む。
封筒のことは、もう頭にない。





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カスJK沙都子もたまには善行を積む⑦ カスJK沙都子が感動した“一冊”
最終更新:2026年01月24日 00:16