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『カスJK沙都子と梨花の日本一クズな卒業式①』




♪BGM


3月1日。
東京都立 みらい総合高等学校 卒業式。
在校生の欠席率を下げるため、出席者にはお菓子と三ツ矢サイダーが配られる。

友達A「うちら舐められすぎじゃんね」
友達B「卒園式やんもう」
梨花「つーか学校側もそれどうなん。後輩みんな餌につられて来たってことじゃん。卒業生の気持ち一切考えてなくない?」
沙都子「卒業生は在庫処分」
梨花「おいやめろ」

沙都子「あ、きたきたw」
梨花「うわw」


卒業生入場。
沙都子と梨花は荒野行動をプレイしている。
音量は下げていない。

(スマホの音)
ピコン♪ バギューンwww

怖そうな先生「おい」
梨花「あ?」
先生「スマートフォンをしまえ」
沙都子「やっば」
先生「式典中だ。最低限の礼儀を守れ」
梨花「別にうちら卒業生じゃないし」
先生「関係ない。場にいる以上守るべき線がある。……いい加減にしろよ?」
友達A・B「……(沙都子らに冷たい目)」
梨花・沙都子「……やば。マジやば」

その瞬間、
卒業生のヤンキーが先生の胸ぐらを掴んだ。

先生「なっ」
ヤンキー「松崎よぉ、最後くらい静かに見届けてくんねぇか」
先生「……」

……沈黙。

友達A「うお、かっけ!」
友達B「映画みたい……」
沙都子「やるじゃん。あんたの騎士w」
梨花「死なすぞブス」


ここでBGMが切り替わる。
クレヨンしんちゃん オトナ帝国より──♪ひろしの回想。
強引にでも泣かせに来る。


卒業生の名前呼び。

「一組、青木太一――」

ばりばり、もぐもぐ。
ぷしゅっ。

保護者「…………」

サイダーの開栓音が、呼名に何度も重なる。
梨花たち在校生は、貰ったキットカットやカントリーマアムを食べ始める。
包み紙は次々と床へ。
式典用のカーペットがゴミで埋まっていく。


「では、在校生代表、榛葉優子さんお願いします」

梨花「は?!ゆっこ!!?」
友達A「なんであいつ?!」
沙都子「まぁイイ子ちゃんやれるのアイツくらいだし」

優子のスピーチは、完璧だった。
整っていて、綺麗で、感情的で、卒業生向け。
卒業生の中に、目頭を押さえる人がちらほら出るほど。

梨花「……すご」
友達B「何この才能……」
沙都子「いやAIだから」
梨花「え?」

「これから先、思い通りにいかないことや不安に感じることもあるかもしれません」
「そんな時は、ここで過ごした日々を思い出してください」
「皆さんならきっと大丈夫です……」

沙都子「うん、チャッピー」
梨花・友達A・友達B「」

優子は寝る前ChatGPTに適当に作らせた文章を、感情たっぷりに朗読していた。

梨花「ぶふっ!wwww …………っ、……!wwww」(必死で笑いを堪える)
友達A「これ笑っちゃだめなの理不尽すぎw」

スピーチ中、沙都子は指を折って何か数えている。

友達B「何してんの?」
沙都子「噛んだ回数。あとで本人に報告w」
梨花「お前らもう仲良しっしょ」


続いて卒業生代表スピーチ。

卒業生代表「授業中に怒られたりしました……」
「行事で失敗もしました……」
「それでも全部──大切な青春です!!!」

沙都子「え?」

卒業生代表「みらい高で学んだことを胸に!!」
「それぞれの道に進み!!」
「頑張っていきたいと思います!!」
「だよね、みんなっ!!」

梨花「は?」

卒業生代表「みらい高……」
「最高ーーーー!!!きゃっほぉーーーーー!!!!」

卒業生たち「サイコーーーーー!!!」

沙都子「優子との温度差」
友達B「親がかわいそう」
梨花「でもうちらの二年後あれ説あるよな」


卒業生退場。
その頃には、在校生のほとんどが夢の中。
沙都子はどさくさに紛れて床の菓子袋を拾い、中を覗き、まだ食えると判断したものだけ口に入れる。

梨花「好きだわ~。そういうのほんと最高」
沙都子「無料だからいいんだよッ!(怒)」


卒業生の多くはあくび。
教師も保護者も真顔。

ただ、
威風堂々のBGMだけが虚しく響くだけ。




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最終更新:2025年12月27日 11:06