「世界を救った者を称え、それ相応の願いを叶えてあげるのがデザイアグランプリだ!
お前のように自らの破滅の願いを叶えようとする者に、ゲームマスターの資格はない!」
【詳細】
ゲーム参加者達の集う
デザイア神殿に常駐するコンシェルジュ(案内人の意)。
ナビゲーターである
ツムリと共に参加者に直に接する数少ない運営側の人間であり、ゲーム中負傷した参加者の治療や諍いの仲裁、デザイアマネーの使用の提案等ゲームを円滑に進めるための手助けを行う。
常に穏やかな笑みを浮かべているが、いわゆる「笑顔の仮面」とでもいうのか特定の参加者に肩入れなどはせずくじ引きの提案等はするものの、ある程度公平な目線で参加者に接している。
ツムリや(バイトに近い扱いであるものの)
晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャックに直接指示を出してゲーム進行を取り仕切る立場であり、デザイアグランプリが円滑に進むように裏で手を回している。
ゲームマスターという立ち位置故に権力は強く、本来参加者に選ばれなかった鞍馬祢音/ナーゴや桜井景和/タイクーンを独自権限によって追加参加者として認定し謀略編における参加者として登録した(新たに願いも登録している)。
デザイアグランプリ運営の実質的なトップ故に、多方面に采配を振るっているものの、
ジャマトを育てている
アルキメデルはデザイアグランプの崩壊を目論む野心を持ち、勝手に
ジャマトライダーを送り出す等の行動を取っていた上、同じく運営の幹部と思われる
ニラムはゲームマスターがゲームに横槍を入れている現状を良しとせず英寿に手を貸し注意したものの軽く流される、等苦労人らしき様子が見え隠れしている。
特に「母親に会いたい」という願いを抱え、何度もデザイアグランプリに参加し
デザ神となる浮世英寿を危険視し、願いを叶えるため着々と手順を重ねてくる彼を疎んじるようになり、ついには謀略編にてウィンに指示を出して英寿を脱落させるよう直接指示を出すようになった。
それでも英寿はなんとか食らいついて生き残っていた上、ウィンと運営の繋がりを知られたことで自ら彼を脱落させるため
ジャマーエリアへと出向き、仮面ライダーグレアへと変身。
ウィンを洗脳して英寿を攻撃させ、「ゲーム終了時までにデザイアドライバーを所持していなければ失格」というミッションを不達成に追い込み脱落させてしまった。
14話終了後、新たなDGPのルールが提示されたが…
「ゲームマスターは、ゲームの勝敗を操作してはならない。」
このことからギーツを自ら脱落させたことがルール違反となり、それに伴い復活を許してしまうのでは?という意見もあったものの、脱落直前の吾妻道長の
IDコアに触れたことで英寿は記憶を取り戻すことに成功。
実は運営に疎んじられることは事前に予測し、英寿は自分の部屋に記憶を消された際には怪物と戦っている戦士の元に向かうようにメモ書きを残していたのだ。
記憶を取り戻し、
ラフレシアフォートレスジャマト(洋城ジャマト)の都市蹂躙に現参加者の心が折れかける中、復帰した英寿、
仮面ライダーギーツはその力を存分に発揮した上でラスボスを瞬殺。
しかしボスが倒されてもゲームクリアは宣言されずゲームマスターとして姿を表したギロリは、敗者復活戦と称した「狐狩り」ゲームの開始を宣言。
ゲームマスターが宣言しなければゲームが終了しないというルールを利用し、どこまでも浮世英寿を脱落させようとするのだった。
「狐狩り」のゲーム中、激しくぶつかり合うギーツとタイクーン。
お互いにコマンドフォームへと変身し戦いあうなかギロリは仮面ライダーグレアへ変身し、自身の手でギーツを排除せんと物陰から攻撃を放つ。
しかしそれを見越していたタイクーンに阻まれ、さらにはその不正の様子を鞍馬祢音が自身の父親が
スポンサーであることを利用して
ゲームプロデューサーであるニラムに告発していたことから、ゲームマスター失格とみなされてしまいグレアの圧倒的な能力でギーツ、タイクーン、ナーゴと渡り合うも三人の必殺技を受け敗北。
ニラムの手によって消滅させられてしまった。
今回、彼が行った不正で特に問題視されたと思われる部分は、ゲームマスターが自らデザイアグランプリのゲームに直接干渉した点と思われる。
ニラムはリアリティを重視するが、フィクションを嫌う性格のためやらせ行為は認められなかった模様。
英寿が脱落後復活する方法として、ゲームマスターによるルール違反が指摘されるのでは?という考察もあったが、それは彼の退場理由につながることになってしまった。
また英寿を脱落させんがために焦ったのか、対応を誤った点も散見され、
- 運営スタッフである晴家ウィンをハッキングで洗脳し手駒にした上、自爆させて強制退場させる(マッチポンプ)
- 正規参加者である英寿を脱落させるため自身の息の掛かったライダーであるパンクジャックを参加させ、あらゆる手で英寿を脱落させようと試みる(ゲームマスターによるゲーム勝敗操作)
- 脱落しても記憶の保持を約束していたウィンに対し、その約束を反故にすることを直接伝えたため離反される(人心管理の失敗)
- 参加者達の願いを「くだらない」と吐き捨てた結果、景和もギロリを敵として認定する。
他にも幾つかあるが、元々英寿は「母親に会いたい」という一番最初の願いを叶えることが出来なかったため、黎明編では「見つけてもらう」ために世界的なスターになった世界を願ったが接触が無く、ベクトルを変えてデザイアグランプリの本質そのものに近づこうと邂逅編にて「グランプリのスタッフと家族になった世界」を願い、ギロリが父でツムリが姉という疑似家族が構成されることとなった。
運営に徐々に入り込みその真実を明るみにしようとする英寿の言動はゲームマスターとしては無視できるものではなかったというのは分かるが、ヴィジョンドライバーを持ち出し、スタッフを洗脳してまでゲーム敗北条件を満たし英寿を脱落させることに成功したものの、彼がデザ神になり続ける中で叶えた願いを見落とし、復活を許してしまう。
そして彼が洋城ジャマトを軽く一蹴する圧倒的な力を見せつけたことと、ラスボスの攻撃でデザ神候補だった道長が退場し、ボスの圧倒的な力に対する諦観から景和と祢音の戦意が低下してしまう現状を看過できなかったあまりに、人道を無視した英寿排除計画を実行してしまったのだろう。
MOVIEバトルロワイヤルでは上述のセリフに見られるように、ギロリもゲームマスターとしての立場に誇りを持ち、デザ神という立場に至った人間を称賛できるだけの思いを持っていたことが分かる。
にも関わらず劇中あのような行動に至った一番の理由として考えられるのは、「デザ神の称号が現状浮世英寿の独占状態にある」こと。
アルキメデルが繰り出すジャマト達の力も増大していく中、英寿以外のライダーがデザ神になれないのであればその驚異に対処するべき戦力が育ちにくい土壌があったこともギロリの焦りにつながっていたであろうことも否めない。
消える間際においてもジャマトの驚異について訴えかけていたあたり、ジャマトという怪物の底知れない力を誰よりも理解していたもののそれを誰にも理解されず、アルキメデルも自分の言葉を軽くいなしてジャマトライダーを送り出し脱落者、民間被害者を増やすという行動を取る。
描写があった訳では無いがスポンサーや
オーディエンスから何かしらの横やりがあった可能性も考えられるなど、ゲームマスターとして権力は強いが自分よりも上の権限を持つ人間がいて、さらには周りが自分の抱えている思い等を理解してくれない状況に対する鬱憤が溜まっていたのでは?という考察もある。
ちなみにデザイアグランプリでは「ライダー同士のバトルはご法度であり場合によってはスコア減点対象になる」というルールがあるが、これは
コラスの
デザイアロワイヤルの性質を鑑みるに、ライダーバトルでジャマトやゲーム内容に関係のない脱落者を極力出さないようにしている可能性が考えられる。
コラスがギロリの前任者で以前はあのようなゲームが行われていたのだとすると、現在のデザイアグランプリはギロリなりに考えたもので、ジャマトに対抗する戦力を確保しつつ世界を救った人間をたたえ、その報奨としてデザ神として世界を作り変える権利を与える、その繰り返しでジャマトという驚異に備える、ということを念頭に置いたゲームデザインになっていたかもしれない。
デザイアグランプリ中、ポイント不足等で脱落者が出ることを「ジャマトに対抗する人間を自分たちで減らしている」と指摘する声もあるが、
これもまたニラム他スポンサー達から「そういう体裁であること」を求められどうしても変えられなかった部分であるとも見ることが出来る。
ゲームマスターという立場に対するプライド、想いはたしかにあったギロリだったが浮世英寿という個人に対する危機感から道を踏み外し自分が消えてしまう末路に至ったのは哀れとしか言いようがないものの、
ゲームマスターの立場を追われる流れは確かに自分の行いが原因であり、自業自得とも言える。
本編のみを見た場合と、15話と16話の間に位置するであろうMOVIEバトルロワイヤルでのギロリを見た場合でその末路に別の見方をすることも出来るだろう。
ギロリが退場した後、新たなゲームマスターとして
チラミが招かれたものの、彼が企画した新シーズンのデザイアグランプリは先代とは毛色が違いオーディエンスの反応を重視するものだった。
さらにはヴィジョンドライバーを持ち出してジャマト側に奪われるという失態をしでかしておりさらには深く考えずドライバーの奪還に動いた結果自らの指紋をベロバにコピーされみすみすセキュリティを突破されてしまう等の醜態を晒し、現在では「ギロリの方がましだった」、「ギロリのほうが良かった」という意見が
視聴者から出るなど評価が回復しつつ有る。
ただ、ギロリのやらかしはあまり擁護できるようなものでは無かったこともあり、チラミと比べて評価が回復しつつあるという段階で許されたわけではない。
さらにヴィジョンドライバーが
創世の女神とリンクしていることが判明したため、運営に入り込もうとしている英寿を警戒していたことへの納得度も増している。
劇場版ではジャマトの大本がはるか未来に地球を滅ぼした異常進化した植物であったことが語られ、ジャマトの進化に関して警戒していたのもそれが要因なのだろう。
また彼が常に手袋をし変身時のみ外していたのも、ヴィジョンドライバーの悪用を警戒していたため、とも見られている。
その後ニラムによって消滅させられたギロリだったが、
スエルの権限にて
ゲームマスターとして復活。
他にも複数人のゲームマスターが確認されており、おそらく歴代のGMを復活させ現代に投入したものと見られる。
だがギロリはスエルの意思に従うつもりは微塵もなく、今や一部のVIPの娯楽にまで落ちぶれた上、デスゲームですらない現代人の殺戮を繰り返す今のデザイアグランプリに失望し、世界を守るゲームでありかつては敵視していた浮世英寿を指示する側に回った。
【余談】
ゲームマスターという立ち位置であるが、デザイアグランプリの運営陣は一枚岩ではなく
オーマ大臣/仮面ライダーソーサラーの傀儡でしか無かったマヤ大王のように、彼の更に上もいる可能性がある。
複数の大企業がグランプリのスポンサーであることが判明しているため、ゲームそのものの真相が見えつつある状況だが果たして。
名前は「睨む」様子を示す形容詞、あるいは効果音が由来と思われる。
グランプリの運営陣は皆目にまつわる用語を由来とし、案内人として参加者に接しながらもその裏でゲームマスターとしてゲームの推移を見守る立場からの連想か。
明らかに日本人ではないというか一般人ではない名前だが今のところ突っ込まれたことはない。
ごく普通の日本家屋に住んでいるようだが、あくまで偽名であり本名は別にあるのだろうか。
なお
ニラムという別の幹部も登場しているが、そちらとの具体的な関係性は不明。
彼がずっとデザイアグランプリのゲームマスターだったわけではなく、映画にて前任者である
コラスという人物が登場している。
後にデザイアグランプリの運営に関わる人間は「この時代の人間ではない(=現代人ではない)」と言及されている。
最終更新:2023年08月25日 12:11