世界三大宗教

『真・女神転生2』では、世界各地の悪魔たちが登場するが、プレイするにあたってそれら悪魔たちの由来や関係する宗教の背景を知っておくと、よりゲームが楽しめる。このページでは各宗教の基礎的な情報をおさらいする。

世界宗教

 世界には数多くの宗教が存在するが、宗教人口の七割をわずか4つの宗教が占めている。その4つの宗教のうち、キリスト教、イスラム教、仏教を世界三大宗教と呼ぶ。ただしこれは宗教人口の多さが定義となっているのではなく、その宗教がひとつの民族に限らずさまざまな民族に受け入れられていること、また明確な創唱者(教祖・開祖)がいる宗教であることが、世界宗教の定義となっている。
 メガテンでおなじみのヴィシュヌやシヴァが属するヒンドゥー教の場合、宗教人口は多いがインドを中心とした『民族宗教』であるため、世界宗教としては認められていない(後述)。また創価学会や摂理・統一教会などの朝鮮系宗教などは、ただのカルト教団なのでもってのほかである。

 さて宗教人口別に見てみると、2003年の時点でキリスト教は約20億7千万人、イスラム教は約12億5千万人、仏教は3億7千万人であるという。特に多いのがキリスト教だが、信仰はヨーロッパ・ロシア・アメリカ・オーストラリア(一部)・ニュージーランド・南アフリカと、非常に広範囲にわたっている。イスラム教は中東を中心として、インドネシア・マレーシアなど、仏教は日本・チベット・タイ・スリランカなど、東アジア、東南アジアに多く受け入れられている。メガテンシリーズの悪魔はこれら世界宗教からの出典も多い。

 さてこのように、現在も人類に深く関係している宗教であるが、一体人類はいつから宗教と関わりだしてきたのだろうか?
 現在の研究では、人類は宗教を遅くとも旧石器時代(約300万年前~約1万年前)ごろにはすでに宗教は存在していたとされている。旧石器時代、まだ人類文化が始まったばかりのころの宗教は、人の営みや自然的な事象に対する畏れや敬いの念、あるいは動物への崇拝など、感情からくる原始的な信仰でしかなかった。やがてそれが長い時間を経て『神』といった観念へ変化し、アニミズムに見られる大自然のあらゆるものに神が宿るとする多神教が生まれた。そして、その多神教からやがて唯一絶対の神を崇める一神教へと展開していったと考えられている。

キリスト教
イスラム教
仏教
ヤハウェ
アッラー
なし
開祖
イエス
ムハンマド
ゴータマ・シッダールタ
特徴
神の子イエスの復活と絶対愛を信仰する。
アッラーへの絶対帰依とイスラム法の遵守。
すべての人を慈悲で救うという教え。
展開
カトリック、プロテスタント、正教会など。
スンニ派、シーア派など。
大乗仏教、上座仏教など。

各宗教の開祖

 世界宗教の定義のひとつは“明確な創唱者がいること”と書いた。つまりそれは、その宗教の中心的な考えがはっきりとしており、またいつ始まったものであるのかも明確にされているということである。

 まずキリスト教の場合、ユダヤ教徒だったイエスが新しく説いた教えが基盤になっており、イエス没後、紀元一世紀半ばに成立したとされている。遅れて七世紀に登場したのがイスラム教で、創唱者ムハンマドは天使ガブリエルの啓示を受け、アッラーの信仰を生む。この啓示を著したのが、聖典『コーラン』である。
 仏教はこのふたつの宗教よりさらに古く、創唱者はゴータマ・シッダールタという、一般的には仏陀・釈迦・釈尊と呼ばれている人物で、紀元前六~五世紀(前五~四世紀とする説もある)に悟りを啓いたという。

 このように世界三大宗教とは、それぞれひとりの人間が興したもので、それが千年・二千年という、途方もなく長い歴史・時間を経る中で社会の風習や生活習慣として深く根付き、現代に至っているのである。

その他の宗教

 世界三大宗教のおおまかな概要を理解できたところで、ほかにも存在する宗教も、簡単にではあるが見てみよう。

 まずは『民族宗教』から。『民族宗教』とは、“創唱者や起源は明確ではないが、ある民族が成り立っていく過程の中で成立してきた信仰”を指す。『民族宗教』は民族が伝えてきた神話や伝承、社会的儀礼といったものが重要な要素であり、さらには祖先崇拝などが見られることもある。また、自分たちの民族が神の末裔であるとする信仰も多い。日本の神道はこれに当たる。ヒンドゥー教はインドの人口の8割が信仰するという巨大な民族宗教である(しかしインドの国教ではない。ヒンドゥー教を国教としているのはネパール)。またチベットの場合、ボン教という民族宗教がかつて存在したが、これはのちに仏教と結びつき、チベット仏教となった。
 一方、ヨーロッパ圏でもかつては各地に民族宗教が存在したが、キリスト教の興隆とともに吸収、あるいは衰微していった。このように、他民族や他宗教の影響を受けて、時代の流れの中で消えていった民族宗教も多い。

 この他には『古代宗教』と分類できる宗教もある。例えば有名なものでは、キリスト教以前に成立したローマのミトラス教や、ペルシアのゾロアスター教があげられるだろう。特にゾロアスター教には終末論や最後の審判という観念があり、キリスト教に大きく影響した。


最終更新:2019年02月16日 14:32