仲村叶は、一般人である。
熱心な特撮番組オタクという特徴はあるが、それを加味しても凡人の域を出ない。
そんな彼女が、何の因果かこの度の殺し合いに参加させられてしまった。
熱心な特撮番組オタクという特徴はあるが、それを加味しても凡人の域を出ない。
そんな彼女が、何の因果かこの度の殺し合いに参加させられてしまった。
◆ ◆ ◆
「なんで私が、こんなことに……。
そりゃ現実離れした話にハマってるけど、自分自身が現実離れした体験をしたいわけじゃないのに……」
そりゃ現実離れした話にハマってるけど、自分自身が現実離れした体験をしたいわけじゃないのに……」
森の中、手鏡にぼんやりと視線を向けながら仲村は呟く。
鏡に映るのは、本来の仲村よりだいぶ若い少女の姿。
深海カノン、という名前らしい。
鏡に映るのは、本来の仲村よりだいぶ若い少女の姿。
深海カノン、という名前らしい。
「別人の体になるなんて、普通に考えてあり得ないんだけど……。
何度ほっぺたつねっても痛いし!
現実が受け入れられない!」
何度ほっぺたつねっても痛いし!
現実が受け入れられない!」
少しでも不安を紛らわせようとするかのように、仲村は一人でしゃべり続ける。
その背後から近づく影に、彼女は気づかない。
その背後から近づく影に、彼女は気づかない。
「!?」
仲村がそれに気づいたのは、背後からの強烈な殺気を感じ取った時だった。
直後、彼女が寄りかかっていた木が爆ぜる。
衝撃だけで吹き飛び、地面に伏す仲村。
その体に、小さく砕けた木片が降り注ぐ。
直後、彼女が寄りかかっていた木が爆ぜる。
衝撃だけで吹き飛び、地面に伏す仲村。
その体に、小さく砕けた木片が降り注ぐ。
「うう……」
かろうじて意識を保っていた仲村は、なんとか首を動かして襲撃者の姿を確認する。
そこに立っていたのは、全身タイツのようなコスチュームを身に纏った筋骨隆々の大男だった。
まるで、アメリカンコミックから飛び出してきたかのような風貌だ。
そこに立っていたのは、全身タイツのようなコスチュームを身に纏った筋骨隆々の大男だった。
まるで、アメリカンコミックから飛び出してきたかのような風貌だ。
「すいません……。私、アメコミはあんまり詳しくなくて……」
「ああ? 何言ってるんだ、おまえ」
「ああ? 何言ってるんだ、おまえ」
仲村の口から漏れ出した言葉に、襲撃者は顔をしかめる。
「痛みで意識がもうろうとしてるのか?
まあいい。あんたに恨みはないが……。
俺の目的のために、死んでもらうぜ」
まあいい。あんたに恨みはないが……。
俺の目的のために、死んでもらうぜ」
瞳に狂気の光を宿しながら、男は仲村に向かって拳を振り下ろそうとする。
だがその瞬間、見えない何かが彼の顔面を直撃した。
だがその瞬間、見えない何かが彼の顔面を直撃した。
「ぐあっ!」
予期せぬ攻撃に対処できず、男は尻餅をつく。
その間に一人の少年が仲村に駆け寄り、その体を抱き起こした。
その間に一人の少年が仲村に駆け寄り、その体を抱き起こした。
「ギリギリセーフ、というところか……。
遅くなってすまない、お嬢さん。
だがもう大丈夫。なぜなら……。
私が来た!!」
遅くなってすまない、お嬢さん。
だがもう大丈夫。なぜなら……。
私が来た!!」
少年はそう告げて、サムズアップを決めながら不敵に笑った。
「あ、ありがとうございます……。
あなたはいったい……」
「私はヒーロー、オールマイト!
信じてもらえないかもしれないが……あの体の、本当の持ち主さ」
あなたはいったい……」
「私はヒーロー、オールマイト!
信じてもらえないかもしれないが……あの体の、本当の持ち主さ」
そう告げて、少年は目の前の巨漢をにらみつけた。
「へえ、この体は元々あんたのなのか」
ニタニタと笑いながら、オールマイトの体に入った男は立ち上がる。
「いい体じゃないか。とても人間とは思えない筋力だ。
この化物じみた体があれば、優勝も充分に狙える!
感謝するぜ!」
「そんな感謝、全く嬉しくないな」
この化物じみた体があれば、優勝も充分に狙える!
感謝するぜ!」
「そんな感謝、全く嬉しくないな」
男の言葉を、オールマイトは即座に斬り捨てる。
「私の力は、人々を守るためのものだ。
それを、殺戮のために使うというのなら……容赦はしない!」
それを、殺戮のために使うというのなら……容赦はしない!」
オールマイトは腕に鈍色の筒をはめ込み、それをおのれの肉体に向ける。
「ドカーン!」
叫び声を引き金に、筒から弾丸と化した空気が発射される。
だが男は両腕を交差させ、その空気を防御する。
だが男は両腕を交差させ、その空気を防御する。
「なにっ! 空気砲が……」
「さっきは不意打ちだから、派手に転んじまったが……。
真正面から撃たれたならどうにでもできるっての。
それが可能な体だってのは、おまえが一番わかってるんじゃねえのか?」
「くっ……」
「さっきは不意打ちだから、派手に転んじまったが……。
真正面から撃たれたならどうにでもできるっての。
それが可能な体だってのは、おまえが一番わかってるんじゃねえのか?」
「くっ……」
自分の顔で煽られ、オールマイトは歯噛みする。
「薄々感づいてはいたが……。
これはまずいな」
「え? 何がですか?」
「私に支給されたものの中で、武器になるのはこの空気砲だけだ。
そしてこの肉体である、響少年だが……。
以前はヒーローと一体化していたそうだが、現在は単なる一般高校生!
戦闘力は無きに等しい!
つまり空気砲が効かなければ、私に対抗手段はないのだ!」
「ええ……。それって詰んでません?
どうすれば……」
「こうするのさ!」
これはまずいな」
「え? 何がですか?」
「私に支給されたものの中で、武器になるのはこの空気砲だけだ。
そしてこの肉体である、響少年だが……。
以前はヒーローと一体化していたそうだが、現在は単なる一般高校生!
戦闘力は無きに等しい!
つまり空気砲が効かなければ、私に対抗手段はないのだ!」
「ええ……。それって詰んでません?
どうすれば……」
「こうするのさ!」
突如、オールマイトは走り出した。
そしてある程度仲村と距離を取ると、襲撃者に空気砲を放つ。
すかさず、また走る。
そしてある程度仲村と距離を取ると、襲撃者に空気砲を放つ。
すかさず、また走る。
(これは……)
仲村には、オールマイトが何をしようとしているのか理解できていた。
彼は襲撃者の注意を引き付け、その間に仲村を逃がそうとしているのだ。
たしかに襲撃者を倒すだけの力が無いのなら、一人でも生き残れる策を選ぶのは悪い判断ではない。
だが、必ずしも最善手とは言い切れない。
彼は襲撃者の注意を引き付け、その間に仲村を逃がそうとしているのだ。
たしかに襲撃者を倒すだけの力が無いのなら、一人でも生き残れる策を選ぶのは悪い判断ではない。
だが、必ずしも最善手とは言い切れない。
(ここで逃げたら……私は私の好きなものに顔向けできない!)
仲村が愛するのは、あくまでフィクションの中のヒーローだ。
だが仲村の心の中で、たしかにヒーローたちは生きている。
彼らの言葉は、これまで何度も仲村を救ってきた。
平和な日常の中と、命がけの状況を一緒にはできないかもしれない。
だがそれでも、仲村はおのれを支えるものを信じる。
だが仲村の心の中で、たしかにヒーローたちは生きている。
彼らの言葉は、これまで何度も仲村を救ってきた。
平和な日常の中と、命がけの状況を一緒にはできないかもしれない。
だがそれでも、仲村はおのれを支えるものを信じる。
(まだできることを全部やってないのに……諦めるわけにはいかないでしょ!)
万策尽きたわけではない。まだ、仲村の支給品は確認を終えていないのだ。
その中に、状況を好転させられるものがあるかもしれない。
わらにもすがる思いで、仲村は自分のデイパックをあさる。
そして、一つの支給品をつかんだ。
その中に、状況を好転させられるものがあるかもしれない。
わらにもすがる思いで、仲村は自分のデイパックをあさる。
そして、一つの支給品をつかんだ。
(この説明、とても信じられないけど……。
信じられないことなら、すでに充分起こってる!
かけるしかない!)
信じられないことなら、すでに充分起こってる!
かけるしかない!)
仲村は、視線をオールマイトに戻す。
巧みに距離を保ち続けていた彼だったが、やはり身体能力の差はいかんともしがたいのか追い詰められつつあった。
だが、まだ襲撃者の間合いには入っていない。今なら間に合う。
巧みに距離を保ち続けていた彼だったが、やはり身体能力の差はいかんともしがたいのか追い詰められつつあった。
だが、まだ襲撃者の間合いには入っていない。今なら間に合う。
「オールマイトさん! 口開けて!」
叫びながら、仲村はそれを投擲する。
その言葉で、オールマイトは理解した。
投げられたものを、食べればいいのだと。
限界まで口を開けて、オールマイトは投げられたもの……派手な色のキノコを迎え入れる。
次の瞬間、とんでもない現象が起きた。
その言葉で、オールマイトは理解した。
投げられたものを、食べればいいのだと。
限界まで口を開けて、オールマイトは投げられたもの……派手な色のキノコを迎え入れる。
次の瞬間、とんでもない現象が起きた。
「は……?」
襲撃者は間の抜けた表情で、はるか上を見上げる。
その視線の先にあったのは、5メートルほどに巨大化した少年の肉体だった。
その視線の先にあったのは、5メートルほどに巨大化した少年の肉体だった。
「ふーむ……。Mt.レディの個性のようだねえ」
呆然と立ち尽くす襲撃者に対し、オールマイトは冷静に現状を把握する。
「あまりヒーローとして絵面はよくないが……。
そんなことを言ってられない相手なのは、よくわかってるからね。
恨まないでもらおう!」
そんなことを言ってられない相手なのは、よくわかってるからね。
恨まないでもらおう!」
その言葉と共に、オールマイトは蹴りを繰り出した。
巨大な足に激突された襲撃者はなすすべもなく宙を舞い、やがて降下して森の中に消えた。
それを見届けていたオールマイトだったが、やがてその体が元の大きさに戻る。
支給品の効果が切れたらしい。
巨大な足に激突された襲撃者はなすすべもなく宙を舞い、やがて降下して森の中に消えた。
それを見届けていたオールマイトだったが、やがてその体が元の大きさに戻る。
支給品の効果が切れたらしい。
「しまったな……」
曲がりなりにも勝利したにもかかわらず、オールマイトは渋い顔を浮かべる。
「深く考えずに吹き飛ばしてしまった……。
捕縛を考えたら、地面に叩きつけておくべきだったな」
「捕縛って……。あれは明らかに死んでるでしょ……」
「いや、おそらくは死んでいない。
何せ、私の体だからね」
「どれだけ頑丈なんですか……」
捕縛を考えたら、地面に叩きつけておくべきだったな」
「捕縛って……。あれは明らかに死んでるでしょ……」
「いや、おそらくは死んでいない。
何せ、私の体だからね」
「どれだけ頑丈なんですか……」
真顔で断言するオールマイトに、仲村は軽く引く。
「というわけで、奴を見つけなければ。
ついてきてくれ、えーと……。
そういえば、まだ名前を聞いてなかったな」
「あ、仲村叶です……」
「オーケー、仲村くんだな!
さあ、行こう!」
「あ、ちょっと!」
ついてきてくれ、えーと……。
そういえば、まだ名前を聞いてなかったな」
「あ、仲村叶です……」
「オーケー、仲村くんだな!
さあ、行こう!」
「あ、ちょっと!」
走り出すオールマイトを、仲村は慌てて追いかけた。
◆ ◆ ◆
走りながら、オールマイトは思考を巡らす。
(あの肉体、明らかにワンフォーオールを使っていた。
まるで全盛期……少なくとも、オールフォーワンに傷を負わされる前の私だ……。
主催者サイドに肉体の時間を戻せる個性の使い手がいるのか、
あるいは緑谷少年からワンフォーオールを奪って私の肉体に戻した……?
何にせよ、緑谷少年に悪影響が出ていなければいいのだが……)
まるで全盛期……少なくとも、オールフォーワンに傷を負わされる前の私だ……。
主催者サイドに肉体の時間を戻せる個性の使い手がいるのか、
あるいは緑谷少年からワンフォーオールを奪って私の肉体に戻した……?
何にせよ、緑谷少年に悪影響が出ていなければいいのだが……)
【仲村叶@トクサツガガガ】
[身体]:深海カノン@仮面ライダーゴースト
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、巨大キノコ@スーパーマリオシリーズ、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:生き残る
[備考]
※参戦時期は本編終了後
[身体]:深海カノン@仮面ライダーゴースト
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、巨大キノコ@スーパーマリオシリーズ、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:生き残る
[備考]
※参戦時期は本編終了後
【オールマイト@僕のヒーローアカデミア】
[身体]:響裕太@SSSS.GRIDMAN
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(武器はなし)
[思考・状況]基本方針:人々を守る
1:自分の肉体に入っていた男を捕縛する
2:緑谷が少し心配
[備考]
※参戦時期は雄英教師就任後
[身体]:響裕太@SSSS.GRIDMAN
[状態]:健康
[装備]:空気砲@ドラえもん
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2(武器はなし)
[思考・状況]基本方針:人々を守る
1:自分の肉体に入っていた男を捕縛する
2:緑谷が少し心配
[備考]
※参戦時期は雄英教師就任後
【巨大キノコ@スーパーマリオシリーズ】
2個セットで支給。
食べるとスーパーキノコよりもさらに巨大化できるキノコ。
このロワにおいては、効果発動中は物理ダメージを受けないが状態異常は有効。
1分で効果が解除される。
2個セットで支給。
食べるとスーパーキノコよりもさらに巨大化できるキノコ。
このロワにおいては、効果発動中は物理ダメージを受けないが状態異常は有効。
1分で効果が解除される。
【空気砲@ドラえもん】
腕にはめ、「ドカーン!」と叫ぶと空気を発射できるひみつ道具。
武器系ひみつ道具の筆頭としておなじみ。
腕にはめ、「ドカーン!」と叫ぶと空気を発射できるひみつ道具。
武器系ひみつ道具の筆頭としておなじみ。
◆ ◆ ◆
「くそっ、さすがにあれは予測できなかった……」
なぎ倒された木々の傍らで、血まみれの男が呟く。
「しかし、あれだけの目に遭って死なないとは……。
本当に化物だな、この体。
まあ、おかげで助かったが……」
本当に化物だな、この体。
まあ、おかげで助かったが……」
荒い息を漏らしながら、男はデイパックから一つのアイテムを取り出す。
「つけてるだけで傷を癒やす腕輪なんて、信じちゃいなかったが……。
人間が巨大化できるなら、これも嘘じゃなさそうだ」
人間が巨大化できるなら、これも嘘じゃなさそうだ」
腕輪をはめると、男は大きく息を吐く。
「とりあえず、これで傷が癒えるまで待つか……。
それが済んだら、あの二人に復讐してやるぜ……。
そしてその後は……あいつらだ……」
それが済んだら、あの二人に復讐してやるぜ……。
そしてその後は……あいつらだ……」
男の両手が、自らの頬をかきむしる。
「この力があれば、タコ野郎も俺を馬鹿にした連中も叩きのめせる……。
待ってろよ……。必ず優勝して、復讐を……」
待ってろよ……。必ず優勝して、復讐を……」
男の名は、鷹岡明。
狂気に支配され、我欲に溺れた男。
ヒーローからは、遠くかけ離れてしまった男。
狂気に支配され、我欲に溺れた男。
ヒーローからは、遠くかけ離れてしまった男。
【鷹岡明@暗殺教室】
[身体]:オールマイト@僕のヒーローアカデミア
[状態]:ダメージ(大)
[装備]:いやしの腕輪@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:優勝する
1:オールマイトたちに復讐する
[備考]
※参戦時期は夏休みにE組を襲う直前
[身体]:オールマイト@僕のヒーローアカデミア
[状態]:ダメージ(大)
[装備]:いやしの腕輪@ドラゴンクエストシリーズ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:優勝する
1:オールマイトたちに復讐する
[備考]
※参戦時期は夏休みにE組を襲う直前
【いやしの腕輪@ドラゴンクエストシリーズ】
装備していると、一定時間ごとにダメージが回復するアクセサリー。
装備していると、一定時間ごとにダメージが回復するアクセサリー。
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