身体の入れ替え、と聞いた時点で自らの自慢が奪われることは覚悟していた。ペラペラな身でどう戦おうか、どう元の身体を取り戻そうか、色々と考えながら目を覚ます――
「――あれ、あれれぇ?なんだこれ?」
男は一人呟く。抱いたものは疑問、だがそれも当然の事。何故なら彼の住む世界においてこの様に肉厚な身体は存在しないのだから。
ブンボー軍団の一員、ハサミ。彼はまだ知らない種族の肉体を手に入れた。
ブンボー軍団の一員、ハサミ。彼はまだ知らない種族の肉体を手に入れた。
✂︎―――――
「うーん、面白いな!」
肉厚な身体、最初はどうかと思ったが結局彼は気に入った。デイパックの中に入っていた見慣れたペラペラに書かれてきたのは、この肉体のプロフィール。須藤雅史という名前らしい。シザース、カードデッキ、ミラーワールド等々事細かく須藤についての説明が書かれていたが、その中にこの肉厚な身体についての説明はなかった。よってこの身体については自ら調べるしかないと判断。
「あいたっ」
そして今、試しに近場にあった木の枝で身体をなぞってみた。妙な感覚が伝わる中、より力を入れてみる。すると赤い液体と共に痛みが襲う。たらたらと流れていく液体をじっと眺め、想う。
「なるほどね、良いじゃん良いじゃん!」
新鮮な感覚だった。ペラペラな身体には当然『中身』なんて存在しない。だがこの肉厚な身体には『中身』が存在する。この液体が詰まっているのか、他の何かが詰め込まれているのか、好奇心が収まらない。
そういえば、とドウマと名乗った人物を思い出す。あれも肉厚な身体であった。ならばここには肉厚な身体を持つ者がたくさんいるのだろう。
「ケケッ、楽しみになってきた!新しいオモチャの作り方を考えなきゃ!」
いつのまにか流れなくなった腕をぶんぶんと振り回して、宣言。新たな世界に放り込まれ、無知な状況故――より暴走し出す好奇心。
ジャキン
だが、それはここで打ち切りとなる。
「……うーん、男の人かぁ。これもアレかな、乗り越えなきゃいけない試練ってやつ」
「?あれれ」
「?あれれ」
金属音を鳴らし、自らに近づく影が一つ。やはり肉厚、見た目は大きく違うようだ。
だが、何よりも注目すべき点があった。
だが、何よりも注目すべき点があった。
「(……ボクと同じ)」
彼女の手にあったもの、それは間違いなく――
「(ハサミだ)」
形状こそ少し違うものの、鉄の体に持ち手部分。自らを客観的に見た様な感覚。だがそれが自分みたく浮いて自我を持つならばよかった。目の前のアレは、まるでペットの如く扱われているじゃないか。
「あたしさ、女の子じゃないと興奮できないの。だから早く死んでね」
だが疑問を抱く間も一瞬。気がついた時には目の前に彼女がいて――
ジャキン
「(――あ)」
さっき見た赤色で目の前が染まる、尋常でない痛みが脳を襲う。何が起こってる、理解できない、知らない、わからない。ただ、決定された事項だけは少し間をおいて、理解できた。
死。二度目だ、それも前とは違って、実力も何も発揮できずに訳もわからず死んでいく。
「(……切られるってこんな感じかあ)」
ただ、自分が自分のままじゃ絶対に出来なかった体験だけを味わって、意識は遥か底に沈んでった。
【ハサミ@ペーパーマリオ オリガミキング(身体:須藤雅史@仮面ライダー龍騎) 死亡】
✂︎―――
「……やっぱ気分良くない!」
ハサミの野望を切り落とした主、名を武智乙哉と言った。
女子高生の身ながら、正体は美しい女性を狙っては、切り刻み自らの欲望を満たすシリアルキラー、その性質や残忍さにより世間からは21世紀のシリアルキラー、なんて名があてがわれている。
そんな彼女はミョウジョウ学園黒組という場で一人の女子高生を狙うことになるのだが――それはここにいる乙哉はまだ知らない記憶。
女子高生の身ながら、正体は美しい女性を狙っては、切り刻み自らの欲望を満たすシリアルキラー、その性質や残忍さにより世間からは21世紀のシリアルキラー、なんて名があてがわれている。
そんな彼女はミョウジョウ学園黒組という場で一人の女子高生を狙うことになるのだが――それはここにいる乙哉はまだ知らない記憶。
事件が示す様に、彼女の好みは美しい女性。目の前の人間はそれに一切当てはまらないが、願いを叶える為にはそのくらい我慢すべきって事くらいはわかっている
「私の願い……『シリアルキラー保険』!」
やがて黒組でも願うことになるその願い。この先どれだけ殺人を犯そうとも一切の罪に問われない権利、それっぽく名付けては叶えるべき願いとする。
「……ああ、でもこの場所はボーナスステージみたいなものだよね」
だがそれ以前に、この殺し合いの場所こそがいくら殺しても罪に問われない場所。目の前の死体の様な男ばかりではないだろう、美しい女性の肉体を切り裂く悦びを想像するだけで既にゾクゾクと感じてくる。
それに偶然か意図されたものか、この肉体の主も自らと同じ様な性癖を持っていたらしい、対象は『強い人物』と自分とは少し違う様だが。それに肉体の主は色々と普通の人間と違うらしい、『ドーパント』とやらについてはよくわからずそれに変身する術も今は無いらしいが、明らかに発達している聴覚、それだけでも価値がある。
「……うんうん、優勝優勝!」
男のデイパックを回収し、その場からスキップで離れる。彼女の欲望を満たす旅は、ここから始まる。
【武智乙哉@悪魔のリドル】
[身体]:五条一葉@風都探偵
[状態]:健康、若干の性的興奮
[装備]: ボビィのハサミ@クロックタワー
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品1~5
[思考・状況]基本方針:『シリアルキラー保険』を手に入れる。
1:はやく綺麗な女の子に会いたい。
2:皆殺し。
[備考]
※参戦時期は本編開始前、黒組加入前。
[身体]:五条一葉@風都探偵
[状態]:健康、若干の性的興奮
[装備]: ボビィのハサミ@クロックタワー
[道具]:基本支給品×2、ランダム支給品1~5
[思考・状況]基本方針:『シリアルキラー保険』を手に入れる。
1:はやく綺麗な女の子に会いたい。
2:皆殺し。
[備考]
※参戦時期は本編開始前、黒組加入前。
【ボビィのハサミ@クロックタワー】
武智乙哉に支給。
両手で扱う大バサミ。あらゆる動物や人間がこのハサミによって切り殺された。
武智乙哉に支給。
両手で扱う大バサミ。あらゆる動物や人間がこのハサミによって切り殺された。
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