「おいおいおいおい。まずいだろ、これは……」
手鏡を見て、マース・ヒューズは顔面を蒼白にして呟いた。
普段からビックリ人間を見慣れているおかげで、精神の入れ替えという超常現象もなんとか受け入れられた。
死んだはずの自分が生きているのも、完全に死ぬ前に精神を別の肉体に移したのだとしたら納得できる。
だが、その移した先が問題だ。
普段からビックリ人間を見慣れているおかげで、精神の入れ替えという超常現象もなんとか受け入れられた。
死んだはずの自分が生きているのも、完全に死ぬ前に精神を別の肉体に移したのだとしたら納得できる。
だが、その移した先が問題だ。
「よりによって、ロイかよ!」
ヒューズに与えられた体。
それは彼が支え続けると誓った親友、ロイ・マスタングのものだった。
それは彼が支え続けると誓った親友、ロイ・マスタングのものだった。
「死ぬわけにはいかねえなあ、こりゃ……」
すでに一度死んだ身。妻子のことは果てしなく心残りだが、ここでまた死んでもそういう運命だったと受け入れられる。
そのはずだった。
だが自分の肉体が親友のものになっているのでは、そうも言っていられない。
自分の死は、親友を道連れにすることと同義なのだから。
そのはずだった。
だが自分の肉体が親友のものになっているのでは、そうも言っていられない。
自分の死は、親友を道連れにすることと同義なのだから。
「こりゃ気合い入れて……」
ヒューズの独白は、途中で途切れる。
軍人として鍛えられた彼の感覚が、近づいてくる気配を察知したのだ。
軍人として鍛えられた彼の感覚が、近づいてくる気配を察知したのだ。
(失敗したな……。何はなくとも、まずは武器を確保しておくべきだった。
いくらロイの体でも、俺じゃ錬金術使えねえし……)
いくらロイの体でも、俺じゃ錬金術使えねえし……)
錬金術の基礎は、「理解」「分解」「再構築」の三段階。
知識が無いゆえに「理解」ができないヒューズでは、いくら国家錬金術師の肉体でも錬金術を使うことはできない。
知識が無いゆえに「理解」ができないヒューズでは、いくら国家錬金術師の肉体でも錬金術を使うことはできない。
(できる限りの抵抗はするが……。
頼むから、殺し合いに乗ってないやつであってくれ!)
頼むから、殺し合いに乗ってないやつであってくれ!)
最低限の備えをしつつ、ヒューズは近づいてくる相手を待ち構える。
やがて、それは暗闇の中から姿を現した。
やがて、それは暗闇の中から姿を現した。
「はぁ?」
「警戒させたのなら済まない。俺は殺し合いに乗るつもりはない。
よければ、情報の交換を……おい、聞いてるか?」
「あ、ああ。済まん。
その、ちょっと……ビックリしちまって」
「そうか。まあ、無理もない。
こんな体じゃな」
「警戒させたのなら済まない。俺は殺し合いに乗るつもりはない。
よければ、情報の交換を……おい、聞いてるか?」
「あ、ああ。済まん。
その、ちょっと……ビックリしちまって」
「そうか。まあ、無理もない。
こんな体じゃな」
ヒューズの前に現れた男。
その姿は、骸骨だった。
その姿は、骸骨だった。
◆ ◆ ◆
「……とまあ、俺の人生はこんな感じだ。
骸骨に変身してはいたが、まさか本物の骸骨になっちまうとはなあ」
「そんな冗談めかして言っていい話なのかよ、これ……」
骸骨に変身してはいたが、まさか本物の骸骨になっちまうとはなあ」
「そんな冗談めかして言っていい話なのかよ、これ……」
少し後。
ヒューズは骸骨になった男……鳴海壮吉と共に近くの建物に入り、そこでお互いの身の上を語っていた。
ヒューズは骸骨になった男……鳴海壮吉と共に近くの建物に入り、そこでお互いの身の上を語っていた。
「しかしこうして情報を交換してみると……」
「ああ、明らかに世界が違うな。
俺の世界じゃ、錬金術なんて何百年も前に廃れた学問だ。
そもそも名前こそ同じだが、中身が同じかどうかは甚だ疑問だぜ」
「こっちもガイアメモリなんて、聞いたことないぜ。
それに、日本……だっけ? そういう国も知らないしなあ」
「おまけに、こいつだ」
「ああ、明らかに世界が違うな。
俺の世界じゃ、錬金術なんて何百年も前に廃れた学問だ。
そもそも名前こそ同じだが、中身が同じかどうかは甚だ疑問だぜ」
「こっちもガイアメモリなんて、聞いたことないぜ。
それに、日本……だっけ? そういう国も知らないしなあ」
「おまけに、こいつだ」
そう言って、壮吉がタブレットを突き出す。
そこに表示されているのは、「バルトス」なる彼の肉体のプロフィールだ。
そこに表示されているのは、「バルトス」なる彼の肉体のプロフィールだ。
「魔王だ勇者だ……。どう考えても、ファンタジーの世界だ。
とうてい同じ世界の住人とは思えねえ」
「それ以前に、骸骨が生きてる時点で別の世界だろ……」
「まあそりゃそうだが……。
俺の世界には、たまにこういう化物が出てくるんでな」
「マジかよ……。まあこっちの世界にも、合成獣(キメラ)とかはいるしなあ」
とうてい同じ世界の住人とは思えねえ」
「それ以前に、骸骨が生きてる時点で別の世界だろ……」
「まあそりゃそうだが……。
俺の世界には、たまにこういう化物が出てくるんでな」
「マジかよ……。まあこっちの世界にも、合成獣(キメラ)とかはいるしなあ」
額に汗を浮かべつつも、ヒューズは納得する。
「さて……それでどうする、ヒューズ。
体の入れ替えにばかげた月、おまけに異世界。
とうてい信じられないことばかりだ。
この狂った箱庭で、おまえは何をなす?」
「聞かれるまでもないさ。
こちとら善良な軍人さんなんだ。
こんなことやらかす連中、野放しにしておけるかよ」
体の入れ替えにばかげた月、おまけに異世界。
とうてい信じられないことばかりだ。
この狂った箱庭で、おまえは何をなす?」
「聞かれるまでもないさ。
こちとら善良な軍人さんなんだ。
こんなことやらかす連中、野放しにしておけるかよ」
壮吉の問いに、ヒューズは迷わずそう答えた。
「そうか……。
なら、改めて頼もう。
俺に手を貸してくれ、ヒューズ」
「ああ、喜んで」
なら、改めて頼もう。
俺に手を貸してくれ、ヒューズ」
「ああ、喜んで」
二人が、がっちりと握手を交わす。
「あっ、そうだ」
「どうした?」
「いや、ガイアメモリの話を聞いた時から気になってたんだがな。
さっき手鏡を取り出す時、それっぽいものを見かけたような……」
「本当か?」
「えーと、どこだ……? ああ、これだ」
「どうした?」
「いや、ガイアメモリの話を聞いた時から気になってたんだがな。
さっき手鏡を取り出す時、それっぽいものを見かけたような……」
「本当か?」
「えーと、どこだ……? ああ、これだ」
ヒューズはデイパックから一つの支給品を取り出し、壮吉に見せた。
「これがガイアメモリで合ってるか?」
「これは、トリガーメモリ……。
だが、俺の知っているメモリとは少しデザインが違うな。
俺が死んだ後に作られた新型か?」
「これは、トリガーメモリ……。
だが、俺の知っているメモリとは少しデザインが違うな。
俺が死んだ後に作られた新型か?」
壮吉はメモリを、まじまじと見つめる。
「ヒューズ……。悪いがこのメモリ、俺に渡してもらってもいいか?」
「ああ、もちろんだ。
知識がある人間の方が、有効活用できるだろうからな」
「済まない。代わりに俺の支給品から、好きなものを持って行ってくれ」
「ああ、もちろんだ。
知識がある人間の方が、有効活用できるだろうからな」
「済まない。代わりに俺の支給品から、好きなものを持って行ってくれ」
そう言って、自分の支給品を広げる壮吉。
ヒューズは、その中の一つに目をつけた。
ヒューズは、その中の一つに目をつけた。
「こりゃたしか、東の国で使われてる投擲武器だったな。
よし、これをもらうぜ。こういうのの扱いは得意なんでな」
「わかった」
よし、これをもらうぜ。こういうのの扱いは得意なんでな」
「わかった」
壮吉の許可を得ると、ヒューズはそれを軍服のポケットにしまい込む。
「じゃあ、そろそろ行きますか。
ここから脱出する手段を見つけて、高みの見物を気取ってる連中をぶっ飛ばす!」
「ああ、そうだな」
ここから脱出する手段を見つけて、高みの見物を気取ってる連中をぶっ飛ばす!」
「ああ、そうだな」
二人は、肩を並べて歩き出す。
出会ったばかりにもかかわらず、彼らの間にはすでに充分な信頼関係が築かれていた。
二人にとって、相手の身の上を聞けばそれだけで信頼するには足りた。
相手が「家族を愛する父親」であることは、痛いほど理解できたから。
出会ったばかりにもかかわらず、彼らの間にはすでに充分な信頼関係が築かれていた。
二人にとって、相手の身の上を聞けばそれだけで信頼するには足りた。
相手が「家族を愛する父親」であることは、痛いほど理解できたから。
「家族を幻滅させるような父親には……」
「なりたくねえからなあ」
「なりたくねえからなあ」
【マース・ヒューズ@鋼の錬金術師】
[身体]:ロイ・マスタング@鋼の錬金術師
[状態]:健康
[装備]:操のクナイ(30本)@るろうに剣心
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:主催者の打倒
[備考]
※参戦時期は死亡後
[身体]:ロイ・マスタング@鋼の錬金術師
[状態]:健康
[装備]:操のクナイ(30本)@るろうに剣心
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:主催者の打倒
[備考]
※参戦時期は死亡後
【鳴海壮吉@仮面ライダーW】
[身体]:バルトス@ドラゴンクエスト ダイの大冒険
[状態]:健康
[装備]:T2トリガーメモリ@仮面ライダーW
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:主催者に、罪を数えさせる
[備考]
※参戦時期は死亡後
[身体]:バルトス@ドラゴンクエスト ダイの大冒険
[状態]:健康
[装備]:T2トリガーメモリ@仮面ライダーW
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:主催者に、罪を数えさせる
[備考]
※参戦時期は死亡後
【操のクナイ@るろうに剣心】
隠密御庭番衆、巻町操の用いる武器。
大きく振りかぶり、大量のクナイを一度に投擲する「貫殺飛苦無」が彼女の必殺技である。
隠密御庭番衆、巻町操の用いる武器。
大きく振りかぶり、大量のクナイを一度に投擲する「貫殺飛苦無」が彼女の必殺技である。
【T2トリガーメモリ@仮面ライダーW】
財団Xが開発した新型ガイアメモリの一つ。
従来品と異なり、コネクタを刻印しなくても適合者の体内に入り込み変身させる。
これによって変身できるトリガー・ドーパントは、右腕と一体化した銃による狙撃を得意とする。
財団Xが開発した新型ガイアメモリの一つ。
従来品と異なり、コネクタを刻印しなくても適合者の体内に入り込み変身させる。
これによって変身できるトリガー・ドーパントは、右腕と一体化した銃による狙撃を得意とする。
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