◆
「俺にとってはこの力のデビュー戦なんだ、余り簡単に壊れてくれるなよ?」
対峙する者達をあからさまに見下す、人を人とも思わぬ挑発。
新しい兵器(おもちゃ)の練習台に相応しい、頑丈でしぶといサンドバッグども。
警戒を強める一同を鼻で笑い、キメラベロスが先手を仕掛ける。
新しい兵器(おもちゃ)の練習台に相応しい、頑丈でしぶといサンドバッグども。
警戒を強める一同を鼻で笑い、キメラベロスが先手を仕掛ける。
踏み込むや地面に亀裂が生じ、疾走の勢いで畳のように捲れ上がる。
マッシブな外見に相応しい拳が、空気に悲鳴を上げさせながら放たれた。
いの一番に狙われたのはデク、拳の到達まで2秒もない中を最小限の動きで回避。
構えた両手の握りこぶしはそのままに、体勢を低くしやり過ごす。
マッシブな外見に相応しい拳が、空気に悲鳴を上げさせながら放たれた。
いの一番に狙われたのはデク、拳の到達まで2秒もない中を最小限の動きで回避。
構えた両手の握りこぶしはそのままに、体勢を低くしやり過ごす。
「――っ!」
直撃こそ避けたものの、頬へ刺すような痛みと共に赤い一本線が描かれる。
パンチ一発と同時にかまいたちが発生、不可視の凶器と化し肌を裂いた。
見た目に違わぬ危険な威力と理解、なれどここは恐れず攻めに動くべし。
パンチ一発と同時にかまいたちが発生、不可視の凶器と化し肌を裂いた。
見た目に違わぬ危険な威力と理解、なれどここは恐れず攻めに動くべし。
「SMASH!」
懐へ潜り込み、黒鞭を巻き付けた腕で殴り付ける。
雄英での弛まぬ訓練と、ヴィラン相手に繰り広げた死闘。
培われた経験は余さず糧となり、巨悪を打ち砕く力を得るに至った。
無骨なストレートもデクが放てば、十二分に強力な技となる。
雄英での弛まぬ訓練と、ヴィラン相手に繰り広げた死闘。
培われた経験は余さず糧となり、巨悪を打ち砕く力を得るに至った。
無骨なストレートもデクが放てば、十二分に強力な技となる。
(硬い……!)
しかし鉄拳が叩いた感触は、一発K.Oとは程遠い。
とてもじゃないが生物の肉体に触れたと到底思えない、強靭を通り越し異様な頑強さ。
直撃を許しても不動の体勢を保ち、微かな呻き声すら漏らしはしない。
人間大の大きさながら、デクの目は頂点の見えない山を錯覚した。
とてもじゃないが生物の肉体に触れたと到底思えない、強靭を通り越し異様な頑強さ。
直撃を許しても不動の体勢を保ち、微かな呻き声すら漏らしはしない。
人間大の大きさながら、デクの目は頂点の見えない山を錯覚した。
「……っ!!」
振り被った巨椀を瞳が映し出し、両腕を交差しつつ後退。
反対の腕にも黒鞭を巻き付け、直後強烈な痺れが走った。
フルカウルの影響下で肉体の強度が上がっているにも関わらず、この衝撃か。
骨折は無し、戦闘に支障は一切ないと分析。
反撃に移る余裕を与えさせまいと、三撃目が襲い来る。
反対の腕にも黒鞭を巻き付け、直後強烈な痺れが走った。
フルカウルの影響下で肉体の強度が上がっているにも関わらず、この衝撃か。
骨折は無し、戦闘に支障は一切ないと分析。
反撃に移る余裕を与えさせまいと、三撃目が襲い来る。
「俺を無視なんてシラケる真似すんなよ!」
『ズ・ゴーン!』
デク一人に戦いを押し付けるような、薄情者になった覚えはない。
専用の可変型武器を近距離用に変え、パラドクスが斬り掛かる。
リーチこそ短いが、その分破壊力は折り紙付きだ。
斬撃に合わせ発光衝撃装置が稼働、防御されようと体力を大きく削り取る。
レベル50のライダー達の痛め付けた刃は、怪獣相手にも有効な筈。
専用の可変型武器を近距離用に変え、パラドクスが斬り掛かる。
リーチこそ短いが、その分破壊力は折り紙付きだ。
斬撃に合わせ発光衝撃装置が稼働、防御されようと体力を大きく削り取る。
レベル50のライダー達の痛め付けた刃は、怪獣相手にも有効な筈。
といった予想を裏切り、片手であっさりと掴まれた。
「嘘だろ……!?」
「構って欲しいなら、もっとマシな攻撃をしてみろ」
「構って欲しいなら、もっとマシな攻撃をしてみろ」
抜け出そうとしてもガッチリと固定されたように、ビクともしない。
反対にキメラベロスが得物ごとパラドクスを手繰り寄せ、腹部に蹴りを見舞う。
芯まで重く響く威力に、呼吸が一瞬止まり掛けた。
各部装甲や強化スーツの機能は問題無く作動中、最小限にダメージを抑えてこの痛みか。
反対にキメラベロスが得物ごとパラドクスを手繰り寄せ、腹部に蹴りを見舞う。
芯まで重く響く威力に、呼吸が一瞬止まり掛けた。
各部装甲や強化スーツの機能は問題無く作動中、最小限にダメージを抑えてこの痛みか。
「パラドさん……!」
続けて打撃が繰り出されるも、急ぎデクが個性を発動。
自身とパラドクスを浮遊し、難を逃れた。
宙へ逃げたとて、引き摺り落とす方法など腐る程にある。
二人纏めて撃ち落とさんと、片手を翳す。
自身とパラドクスを浮遊し、難を逃れた。
宙へ逃げたとて、引き摺り落とす方法など腐る程にある。
二人纏めて撃ち落とさんと、片手を翳す。
「そっちから挑発(あお)っておいて、無視(スルー)なんて不作法じゃない?」
「無視してさっさとトンズラこくなら、こっちも楽出来るけどな」
「無視してさっさとトンズラこくなら、こっちも楽出来るけどな」
デク達と入れ替わりで攻め込むは、術師殺しと極道。
持ち前の走力にアクセルの増幅器官で上乗せし、爆発的な速度を叩き出す。
孔富もまた、クーポン二枚を服用(キメ)た事で、先の戦闘時以上の速さだ。
二人分の肉体を持つ故、本来生じる代償も無関係。
トップスピードを乗せた大剣と手刀は、分厚い外皮も知った事かと切り裂く。
持ち前の走力にアクセルの増幅器官で上乗せし、爆発的な速度を叩き出す。
孔富もまた、クーポン二枚を服用(キメ)た事で、先の戦闘時以上の速さだ。
二人分の肉体を持つ故、本来生じる代償も無関係。
トップスピードを乗せた大剣と手刀は、分厚い外皮も知った事かと切り裂く。
「……本当(マジ)?」
尤も、キメラベロス相手にはまだ足りない。
防御へ回した両腕に阻まれ、薄皮一枚裂けやしない。
恐るべきは頑丈さのみでないと、そろそろ教えてやる頃合いか。
防御へ回した両腕に阻まれ、薄皮一枚裂けやしない。
恐るべきは頑丈さのみでないと、そろそろ教えてやる頃合いか。
「型番変更(ドレスアップ):騎士竜戦隊(リュウソウジャー)」
「覚えのある力を使ってやがるが、コルファウスメットの奴からパクりでもしたか?」
「半分正解で半分外れだ。奪ったのは力だけじゃあない」
「そうかい。あいつのみっともねぇ最期を見れなくて残念だよ」
「覚えのある力を使ってやがるが、コルファウスメットの奴からパクりでもしたか?」
「半分正解で半分外れだ。奪ったのは力だけじゃあない」
「そうかい。あいつのみっともねぇ最期を見れなくて残念だよ」
怪獣メダルで変身中も、五道化の権能使用に支障は無し。
右手に剣を生成し一閃、薙ぎ払いアクセルに斬り掛かる。
パワー重視のファイトスタイルが一変し、剣術の基礎を叩き込まれた騎士の如き技を繰り出す。
だが戦闘技術の点で言えば、甚爾もまた殺しに長けた男。
荒々しくも隙を見せず、剣戟へと発展。
片方へ意識を割いたなら、もう片方が打って出るのは当然のこと。
衣服を突き破り二本の腕が出現、計4本が貫手を放った。
右手に剣を生成し一閃、薙ぎ払いアクセルに斬り掛かる。
パワー重視のファイトスタイルが一変し、剣術の基礎を叩き込まれた騎士の如き技を繰り出す。
だが戦闘技術の点で言えば、甚爾もまた殺しに長けた男。
荒々しくも隙を見せず、剣戟へと発展。
片方へ意識を割いたなら、もう片方が打って出るのは当然のこと。
衣服を突き破り二本の腕が出現、計4本が貫手を放った。
「甘っちょろいな」
されど、キメラベロスに焦りはない。
コルファウスメットのように、単にユニバースロボの技を放つのではない。
巨大戦力を操る為の力を、行使可能にする。
亡き紅の凶星が編み出した戦法は、ともすれば凶星病理以上の手数を我が物に出来るのだ。
騎士竜を操る為に必須のリュウソウルを、現在使えるのならば。
次に起きた現象も、必然と言えよう。
コルファウスメットのように、単にユニバースロボの技を放つのではない。
巨大戦力を操る為の力を、行使可能にする。
亡き紅の凶星が編み出した戦法は、ともすれば凶星病理以上の手数を我が物に出来るのだ。
騎士竜を操る為に必須のリュウソウルを、現在使えるのならば。
次に起きた現象も、必然と言えよう。
「何よこれ!?アタシってばいつから伸縮(ゴム)人間になっちゃったワケ!?」
実兄の体を接合し、人間離れした長躯の孔富の胴が更に伸び上がった。
ノビソウルと呼ばれるリュウソウルの効果、とは露知らず。
困惑覚めぬ内に腕をキメラベロスに掴まれた挙句、生きた凶器扱いでアクセルに叩き付ける。
自己紹介もまだだが味方側だ、斬る訳にもいかず後退。
地面に背を叩き付けられた孔富を放り、次いで迫り来る気配の持ち主へと振り返る。
ノビソウルと呼ばれるリュウソウルの効果、とは露知らず。
困惑覚めぬ内に腕をキメラベロスに掴まれた挙句、生きた凶器扱いでアクセルに叩き付ける。
自己紹介もまだだが味方側だ、斬る訳にもいかず後退。
地面に背を叩き付けられた孔富を放り、次いで迫り来る気配の持ち主へと振り返る。
「型番変更(ドレスアップ):超力戦隊(オーレンジャー)」
勿論、答えは前者に決まっている。
オーレンジャーの力の源、超力によって潜在能力を数十倍に上昇。
そこへサイコロンを使って、魔王サイコが最も得意とする念動力を使用。
とある世界線で、宇宙刑事のギャバンとシャリバンをまるで寄せ付けなかったパワーが発動された。
オーレンジャーの力の源、超力によって潜在能力を数十倍に上昇。
そこへサイコロンを使って、魔王サイコが最も得意とする念動力を使用。
とある世界線で、宇宙刑事のギャバンとシャリバンをまるで寄せ付けなかったパワーが発動された。
「これ、は……!?」
キメラベロスを叩き潰す筈が、静止画のように宙へ縫い付けられ動けない。
デク達の実力を考えれば、力で押し切られるのも不可能じゃないだろう。
故にこちらも、早急に蹴散らすまで。
デク達の実力を考えれば、力で押し切られるのも不可能じゃないだろう。
故にこちらも、早急に蹴散らすまで。
「派手に打ち上げてやるよ!劣化複製(デッドコピー):超獣戦隊(ライブボクサー) ミラクルビッグロー!」
「ぐがっ!?」
「ぐがっ!?」
劣化分を超力とキメラベロスのパワーが補い、赤熱化した拳で殴り飛ばす。
打たれた箇所が軋みを上げるも、生憎敵は待っちゃくれない。
撃ち落とそうとユニバースロボの力を選択、だが何処からか電撃の放射され妨害。
ストロンガーのゼインカードを取り込み、パラドが生成したカブトローだ。
自動操縦機能により、無人のままデク達の援護に出たのである。
電撃放射を続ける目障りなマシンを、さっさとスクラップへ変えるか思案。
答えを出す寸前で、聴覚器官に軽快な電子音声が届いた。
打たれた箇所が軋みを上げるも、生憎敵は待っちゃくれない。
撃ち落とそうとユニバースロボの力を選択、だが何処からか電撃の放射され妨害。
ストロンガーのゼインカードを取り込み、パラドが生成したカブトローだ。
自動操縦機能により、無人のままデク達の援護に出たのである。
電撃放射を続ける目障りなマシンを、さっさとスクラップへ変えるか思案。
答えを出す寸前で、聴覚器官に軽快な電子音声が届いた。
『ACCEL!MAXIMAM DRIVE!』
生身でさえ人体をいとも簡単に蹴り砕くが、ガイアメモリの恩恵に与り威力は倍増。
ミサイルの直撃もかくやの蹴り技に合わせ、ドゴルドも得物を豪快に振るう。
霊子兵装を用いずとも、掻き集めた霊力を一際巨大な矢の形状に変化し撃ち出す。
ミサイルの直撃もかくやの蹴り技に合わせ、ドゴルドも得物を豪快に振るう。
霊子兵装を用いずとも、掻き集めた霊力を一際巨大な矢の形状に変化し撃ち出す。
「型番変更(ドレスアップ):高速戦隊(ターボレンジャー)。
型番変更(ドレスアップ):激走戦隊(カーレンジャー)」
型番変更(ドレスアップ):激走戦隊(カーレンジャー)」
それも当たらなければ、何の意味も無い。
走力の劇的な上昇に加え、速さへ振り回されない安定性を付与。
巨岩を思わせる体型からは予想も出来ないスピードで、難なく回避に成功。
避けただけじゃ終わらない、アクセルの片足を掴むやドゴルド目掛け投げ放つ。
走力の劇的な上昇に加え、速さへ振り回されない安定性を付与。
巨岩を思わせる体型からは予想も出来ないスピードで、難なく回避に成功。
避けただけじゃ終わらない、アクセルの片足を掴むやドゴルド目掛け投げ放つ。
「っと!おいおいパワフル過ぎんだろ!」
「ばっ、テメ、こっちに来るんじゃ……うおおおっ!?」
「ばっ、テメ、こっちに来るんじゃ……うおおおっ!?」
咄嗟に受け止めたのは失敗だと、即座に後悔する羽目となった。
蹴り飛ばされる形で倒れ込んだドゴルドの一方で、アクセルはどうにか地に足を付け留まる。
アスファルトに火花を散らす様は、急ブレーキを駆けた時のよう。
ようやく止まった時には軽くつんのめり、しかしみっともなく転がりはしない。
蹴り飛ばされる形で倒れ込んだドゴルドの一方で、アクセルはどうにか地に足を付け留まる。
アスファルトに火花を散らす様は、急ブレーキを駆けた時のよう。
ようやく止まった時には軽くつんのめり、しかしみっともなく転がりはしない。
「成程、仮面ライダーって括りでも中身は千差万別か」
忌々しい置き土産を遺した、錬金術師の小娘を思い浮かべる。
誰に聞かせる気もなく独り言ち、四肢へナニカが巻き付く感触があった。
誰に聞かせる気もなく独り言ち、四肢へナニカが巻き付く感触があった。
「余所見なんて駄目(ノーサンキュー)よ?特別キツい処方箋(オシオキ)をしてあげるわ♡」
耳元で囁かれ、己の体が宙へ急浮上。
いいやこれは浮かんでいるんじゃあない、持ち上げられているのだ。
地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)を驚異(ビックリ)三枚服用(キメ)、限界寸前まで強化。
駄目押しで念糸を使い、拘束をより強固に。
決して逃さぬとの意思の元、敗北(じごく)を見せてやる。
いいやこれは浮かんでいるんじゃあない、持ち上げられているのだ。
地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)を驚異(ビックリ)三枚服用(キメ)、限界寸前まで強化。
駄目押しで念糸を使い、拘束をより強固に。
決して逃さぬとの意思の元、敗北(じごく)を見せてやる。
「極道技巧(スキル)――」
「この程度か?」
ゾクリと、久しく味わう事のない悪寒が駆け巡った。
こめかみに銃(チャカ)を突き付けられ、指先一つで命を左右されるような。
知らず知らずの内に、冥府への片道切符を切られたような。
気付いた時には這い上がれない、終焉という名の沼に足を取られたような。
“死”を、感じずにはいられなかった。
こめかみに銃(チャカ)を突き付けられ、指先一つで命を左右されるような。
知らず知らずの内に、冥府への片道切符を切られたような。
気付いた時には這い上がれない、終焉という名の沼に足を取られたような。
“死”を、感じずにはいられなかった。
「まあ俺以外の奴になら、さぞや良い致命傷(クスリ)になったろうがな」
キメラベロスという、ウルトラマンベリアルの力をダイレクトに押し出した魔王獣でなければ。
セレブロが寄生したのが、コルファウスメットの肉体でなければ。
或いは結果は違った可能性はあるも、所詮現実にならなかったIF(もしも)に過ぎない。
セレブロが寄生したのが、コルファウスメットの肉体でなければ。
或いは結果は違った可能性はあるも、所詮現実にならなかったIF(もしも)に過ぎない。
「型番変更(ドレスアップ):爆竜戦隊(アバレンジャー)」
念糸が引き千切られる、脱出不可能な拘束(ロック)が外れる。
二人のウルトラマンを圧倒した純粋なパワーと、眠りから覚めた太古の神秘(ダイノガッツ)が孔富を凌駕する。
技の総崩れが起きてしまえば最早、隙を晒すのは避けようがない。
防御、迎撃、回避。
咄嗟の動きを理性ではなく本能が選び取るも、手遅れと言う他なかった。
二人のウルトラマンを圧倒した純粋なパワーと、眠りから覚めた太古の神秘(ダイノガッツ)が孔富を凌駕する。
技の総崩れが起きてしまえば最早、隙を晒すのは避けようがない。
防御、迎撃、回避。
咄嗟の動きを理性ではなく本能が選び取るも、手遅れと言う他なかった。
「劣化複製(デッドコピー):爆竜戦隊(アバレンオー) 爆竜電撃ドリルスピン」
「がっ――あああああっ!?」
「がっ――あああああっ!?」
左腕に纏わせたエネルギー体の回転刃が、二人で一つの肉体を貫き刺す。
骨も臓器もミキサーへかけられたように、原形を失っていった。
骨も臓器もミキサーへかけられたように、原形を失っていった。
「孔富さん……!」
仲間の危機に、自分の痛みなど構っていられない。
黒鞭を数本束ねて射出、キメラベロスの剛腕を絡め取る。
完全に身動きを封じるのは困難だが、多少なりとも鈍らせられれば上等。
ガシャコンパラブレイガンと、ゼインカードを元に生成したショットアバドライザー。
二丁をパラドクスが連射し、孔富から引き離す。
黒鞭を数本束ねて射出、キメラベロスの剛腕を絡め取る。
完全に身動きを封じるのは困難だが、多少なりとも鈍らせられれば上等。
ガシャコンパラブレイガンと、ゼインカードを元に生成したショットアバドライザー。
二丁をパラドクスが連射し、孔富から引き離す。
一気に畳みかけるべく、回収済のエナジーアイテムを取り出す。
自身を対象に効果を発動する寸前、パラドクスの手元を勝手に離れていく。
目敏く見付けたキメラベロスが念動力を使い、まんまと敵の強化を許してしまう。
自身を対象に効果を発動する寸前、パラドクスの手元を勝手に離れていく。
目敏く見付けたキメラベロスが念動力を使い、まんまと敵の強化を許してしまう。
「お前……!?」
「良い物持ってるじゃないか。喜べ、俺がお前よりも上手く使ってやる」
「良い物持ってるじゃないか。喜べ、俺がお前よりも上手く使ってやる」
『分身!』
抗議の声も聞き流し、改めて分身のエナジーアイテムを発動。
単体相手でも梃子摺った強敵が、8体へ分裂。
全員で殴りかかるより、数の差を活かし更なる悪夢を実現してやる方が面白い。
単体相手でも梃子摺った強敵が、8体へ分裂。
全員で殴りかかるより、数の差を活かし更なる悪夢を実現してやる方が面白い。
「型番変更(ドレスアップ):侍戦隊(シンケンジャー)」
志波家の当主が扱う、火のモヂカラ。
平時でさえ強力な技の出力を急上昇させ、口内に膨大な熱量のエネルギーを収束。
そこへ加わるは、魔王サイコが操りし能力(パイロキネシス)。
浮上し地上の獲物どもを逃がさぬと、広範囲に術発動の陣を敷く。
平時でさえ強力な技の出力を急上昇させ、口内に膨大な熱量のエネルギーを収束。
そこへ加わるは、魔王サイコが操りし能力(パイロキネシス)。
浮上し地上の獲物どもを逃がさぬと、広範囲に術発動の陣を敷く。
本体も含めた8体全員が一斉に放つは、大地を火の海に変え生命の悉くを滅ぼす灼熱地獄。
死に物狂いで抗わなければ、待ち受ける末路は一つしかない。
死に物狂いで抗わなければ、待ち受ける末路は一つしかない。
「こんのクソッタレがぁああああああっ!!!」
「どっかの阿保が余計惨めに見るなぁおい……!」
「どっかの阿保が余計惨めに見るなぁおい……!」
悪い冗談としか思えない大火力に、ドゴルドも半ばヤケクソ気味に得物を振り被る。
持ち得る異能を出し惜しみ抜きで使わねば、メラを討つ前にここで丸焦げだ。
引き攣った笑みを浮かべながら、アクセルも対処には迷いがない。
焔に縁のある禪院家の呪術師の顔を、ふと思い浮かべるもすぐに打ち消す。
ああ全く、もっと報酬をふんだくるべきだったと今になって悔やむ。
持ち得る異能を出し惜しみ抜きで使わねば、メラを討つ前にここで丸焦げだ。
引き攣った笑みを浮かべながら、アクセルも対処には迷いがない。
焔に縁のある禪院家の呪術師の顔を、ふと思い浮かべるもすぐに打ち消す。
ああ全く、もっと報酬をふんだくるべきだったと今になって悔やむ。
「回避は間に合わない……!パラドさん!僕に可能な限りのエナジーアイテムを……!」
「お前正気か!?ああクソッ!言い争ってる暇もねぇ!」
「お前正気か!?ああクソッ!言い争ってる暇もねぇ!」
全速力で範囲外へ逃れようとしても間に合わず、火達磨になるだけだ。
技をぶつけての相殺を選択、傍らの仲間に支援を要請。
発勁による運動エネルギー蓄積の余裕がない故、リボンズ相手の時と同じ方法を取る。
無茶だとはデク本人も理解しており、さりとて口論を交わす場合でもない。
エナジーアイテムを集めながら、パラドクスもまた迎撃の為に腹を括った。
技をぶつけての相殺を選択、傍らの仲間に支援を要請。
発勁による運動エネルギー蓄積の余裕がない故、リボンズ相手の時と同じ方法を取る。
無茶だとはデク本人も理解しており、さりとて口論を交わす場合でもない。
エナジーアイテムを集めながら、パラドクスもまた迎撃の為に腹を括った。
「流石に10時間以上を生き延びただけあって、しぶとさは折り紙付きか」
「当然だろうが……!テメェ如き、メラをぶっ殺すまでの通過点に過ぎねぇんだよ……!」
「当然だろうが……!テメェ如き、メラをぶっ殺すまでの通過点に過ぎねぇんだよ……!」
頭上へ出現した光輪は、ドゴルドが有する中でも強力な手札(カード)。
滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)、斬撃の勇者を相手取って以来二度目の使用を決断。
稲妻で形成された三対の翼、内の二本を毟り取り火炎を薙ぎ払ったのだ。
滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)、斬撃の勇者を相手取って以来二度目の使用を決断。
稲妻で形成された三対の翼、内の二本を毟り取り火炎を薙ぎ払ったのだ。
「暖房のサービスなんざ誰も頼んでねぇっつーの。猿の丸焼きでも食いたかったのかよ」
軽口を叩く甚爾の手には、消し炭と化し原形を留めぬナニカ。
令呪一画を切った上で、対処に用いたのは支給品のバショー扇。
アルジュナ・オルタからの撤退時をも超える、限界以上の膂力で暴風を巻き起こした。
代償としてバショー扇は使い物にならなくなったが、命があるだけマシだろう。
令呪一画を切った上で、対処に用いたのは支給品のバショー扇。
アルジュナ・オルタからの撤退時をも超える、限界以上の膂力で暴風を巻き起こした。
代償としてバショー扇は使い物にならなくなったが、命があるだけマシだろう。
とは言っても、双方決して無傷で凌げた訳じゃあない。
サイズダウンに伴い威力低下も免れないが、本来キメラベロスが放つ獄炎は都市一つを焼き払う威力を秘めている。
そこへ三重の強化と分身で、威力と範囲を大幅に引き上げたのだ。
即死にこそ至らないが、防ぎ切れずに負った傷は少なくない。
鎧たるドゴルドにも着実にダメージが蓄積、甚爾とて例外ではない。
天与呪縛の強靭な肉体であっても、アクセルへの変身が無ければ危うかった。
サイズダウンに伴い威力低下も免れないが、本来キメラベロスが放つ獄炎は都市一つを焼き払う威力を秘めている。
そこへ三重の強化と分身で、威力と範囲を大幅に引き上げたのだ。
即死にこそ至らないが、防ぎ切れずに負った傷は少なくない。
鎧たるドゴルドにも着実にダメージが蓄積、甚爾とて例外ではない。
天与呪縛の強靭な肉体であっても、アクセルへの変身が無ければ危うかった。
「クソ……!マジかよ……」
耐え凌いだのはパラドもそう。
パラドクスが装着する装甲には体力ゲージが低ければ低い程、耐久力が上がる機能が搭載済だ。
変身解除にこそ追い込まれたが、未だ命は現世に留まったまま。
パラドクスが装着する装甲には体力ゲージが低ければ低い程、耐久力が上がる機能が搭載済だ。
変身解除にこそ追い込まれたが、未だ命は現世に留まったまま。
だが自身の負傷以上に、パラドの意識を掻っ攫うのは仲間の状態。
一番近くにいた為、その瞬間を見てしまった。
疑似的なれど100%を超える拳で風圧を起こし、火炎を打ち払わんとしたデクが。
OFAの制限と本人の消耗、二つが重なり望まぬままに意識を落とし。
消し切れなかった爆熱に炙られる正にその時、覆い被さり盾となった男の姿を。
一番近くにいた為、その瞬間を見てしまった。
疑似的なれど100%を超える拳で風圧を起こし、火炎を打ち払わんとしたデクが。
OFAの制限と本人の消耗、二つが重なり望まぬままに意識を落とし。
消し切れなかった爆熱に炙られる正にその時、覆い被さり盾となった男の姿を。
「お前、何して……!?」
「ふう……流石にちょっと極熱(あつ)過ぎるわね……」
「ふう……流石にちょっと極熱(あつ)過ぎるわね……」
苦笑いを浮かべる孔富の状態は、口に出すのも憚れる惨たらしさ。
全身の大半が炭と化し、それ以外も焼け爛れた有様。
地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)の効果は継続中なれど、不死を約束はしない。
ましてレジスターの機能で制限が働く以上、限界は必ずあった。
全身の大半が炭と化し、それ以外も焼け爛れた有様。
地獄への回数券(ヘルズ・クーポン)の効果は継続中なれど、不死を約束はしない。
ましてレジスターの機能で制限が働く以上、限界は必ずあった。
(本当に、何やってるのかしらね)
麻薬水(ヤクみず)を使った東京の汚染(シャブづけ)を画策した、怪獣医(ドクター・モンスター)ではない。
本当の意味で命を救済(すく)う、医者(ドク)として殺し合いに抗う。
そう決めた己は偽りで無く、知らぬ内に諦めたつもりもない。
さりとてよもや、ほんのついさっき出会った少年の為に。
自分の命を投げ捨てるとは、一体いつから聖母(ビッチ)を気取るようになったのか。
我が事ながら、可笑しくてならない。
本当の意味で命を救済(すく)う、医者(ドク)として殺し合いに抗う。
そう決めた己は偽りで無く、知らぬ内に諦めたつもりもない。
さりとてよもや、ほんのついさっき出会った少年の為に。
自分の命を投げ捨てるとは、一体いつから聖母(ビッチ)を気取るようになったのか。
我が事ながら、可笑しくてならない。
だけど、思ってしまったのだ。
情報開示の場を設けた際、ルルーシュへの対応で意見が割れた時。
ただ一人、トランクスに手を差し伸べた彼に。
誰よりも強いが為に“みんな”の英雄であり続ける青年を、助けるべき相手と見た姿に。
彼のような、青臭い綺麗ごとを本気で実現せんと突っ走るこの少年がいたら。
自分が本当に救済(すく)いたかった者達も、真の意味で救済(すく)えたんじゃあないかと。
情報開示の場を設けた際、ルルーシュへの対応で意見が割れた時。
ただ一人、トランクスに手を差し伸べた彼に。
誰よりも強いが為に“みんな”の英雄であり続ける青年を、助けるべき相手と見た姿に。
彼のような、青臭い綺麗ごとを本気で実現せんと突っ走るこの少年がいたら。
自分が本当に救済(すく)いたかった者達も、真の意味で救済(すく)えたんじゃあないかと。
病んだ世界を、麻薬(ヤク)を使って治療(なお)すんじゃない。
絶望し嘆く彼ら彼女らへ、極楽昇天(ガンギマリ)の救済(すく)いを啓示するんじゃあない。
堕落への階段を降りる者達の手を掴み、引き上げまだ間に合うと言ってみせる。
深く深くまで刻まれた魂の痛みへ寄り添い、安心させられる。
そんなヒーローが、彼らのような誰よりも救済(すく)いを求めた者達に会えていればと。
たったそれだけの理由は、緑谷出久(ヒーロー)を死なせない為に孔富を突き動かした。
絶望し嘆く彼ら彼女らへ、極楽昇天(ガンギマリ)の救済(すく)いを啓示するんじゃあない。
堕落への階段を降りる者達の手を掴み、引き上げまだ間に合うと言ってみせる。
深く深くまで刻まれた魂の痛みへ寄り添い、安心させられる。
そんなヒーローが、彼らのような誰よりも救済(すく)いを求めた者達に会えていればと。
たったそれだけの理由は、緑谷出久(ヒーロー)を死なせない為に孔富を突き動かした。
今更死を恐れてなどいない、それでも未練はある。
命を諦めないことを思い出させ、抗う気力を取り戻させたピルツ。
救済(すく)うと誓っておきながら、最後まで主治医でいてやれなかった流子。
申し訳ない、不甲斐ないと幾度頭を下げても足りないくらいだ。
命を諦めないことを思い出させ、抗う気力を取り戻させたピルツ。
救済(すく)うと誓っておきながら、最後まで主治医でいてやれなかった流子。
申し訳ない、不甲斐ないと幾度頭を下げても足りないくらいだ。
(それでもアタシは……後悔だけはしてないわ……)
意識を落としたヒーローの頬を労わるように撫で、その手も力無く落ちる。
いつかの遠い過去、見慣れた公園で兄が手を引き。
怪獣ごっこに誘ってくれる懐かしき光景が、都合の良い幻想かどうかも孔富には判断が付かない。
一つだけ変えられない事実があるとすれば。
繰田孔富は少年の命を助けた、医者(ヒーロー)として。
やり遂げたような笑みのまま、永遠の眠りについた。
いつかの遠い過去、見慣れた公園で兄が手を引き。
怪獣ごっこに誘ってくれる懐かしき光景が、都合の良い幻想かどうかも孔富には判断が付かない。
一つだけ変えられない事実があるとすれば。
繰田孔富は少年の命を助けた、医者(ヒーロー)として。
やり遂げたような笑みのまま、永遠の眠りについた。
「無事生き残っておめでとうと言ってやるよ。すぐに無駄な延命と思い知るだろうがな!」
「抜かしてんじゃねぇよ!腹立たしい!」
「抜かしてんじゃねぇよ!腹立たしい!」
超火力の獄炎でも全滅を免れたのは、多少意外に思えど結局やる事は同じ。
鮮血色の爪を振るうキメラベロス相手に、ドゴルドが渡り合う。
打ち合う度に大気が震え、互いの宿すエネルギーが拡散。
仲間が力尽きようと、敵が健在な以上は感傷に暮れる余裕もない。
鮮血色の爪を振るうキメラベロス相手に、ドゴルドが渡り合う。
打ち合う度に大気が震え、互いの宿すエネルギーが拡散。
仲間が力尽きようと、敵が健在な以上は感傷に暮れる余裕もない。
「奴さんへの追悼は終わってからにしとけ。俺も仕事の再開だ」
一度変身を解くと、鍛え抜いた肉体のそこかしこに痛ましい火傷が見られる。
診療所で集めたミネラルウォーター数本を、頭から被り冷やしておく。
その他の処置なんぞは、生き残れれば後で幾らでも可能だろう。
診療所で集めたミネラルウォーター数本を、頭から被り冷やしておく。
その他の処置なんぞは、生き残れれば後で幾らでも可能だろう。
「……待ってください」
ドゴルドの加勢に赴かんとした甚爾の足を、止めたのはか細い少女の声。
セリカに渡されたデバイスの中から、粒子が溢れたかと思えば人の形を作る。
セリカに渡されたデバイスの中から、粒子が溢れたかと思えば人の形を作る。
「お前……」
幻夢本社攻略の真っ最中だった為、パラドは滅びたキヴォトスに関する放送を見ていない。
だがデクと共に見張りを請け負ってる間、説明は受けた。
両目を奪われ、バグスターウイルスに感染させられたティーパーティーのホスト。
桐藤ナギサとの初対面を果たすも、彼女の光無き瞳はパラドを見ていない。
姿は確認出来ずとも、声と気配で術師殺しの存在を感じ取る。
だがデクと共に見張りを請け負ってる間、説明は受けた。
両目を奪われ、バグスターウイルスに感染させられたティーパーティーのホスト。
桐藤ナギサとの初対面を果たすも、彼女の光無き瞳はパラドを見ていない。
姿は確認出来ずとも、声と気配で術師殺しの存在を感じ取る。
「聞こえて来る音と声で、凡その事態は把握しています。……私にもなにか――」
「ねぇよ、お部屋でのんびりしてりゃ良いだろ」
「ねぇよ、お部屋でのんびりしてりゃ良いだろ」
バッサリと切り捨てる甚爾は、別段間違ってもいないだろう。
盲目の少女を戦場に連れ出した所で、むしろお荷物になるだけだ。
余計な真似をせず、大人しく待機。
誰にとっても一番良い答えであり、聡明なナギサ自身が理解出来ない筈がない。
盲目の少女を戦場に連れ出した所で、むしろお荷物になるだけだ。
余計な真似をせず、大人しく待機。
誰にとっても一番良い答えであり、聡明なナギサ自身が理解出来ない筈がない。
「分かっています……だけど……」
アークエンジェルの破壊を頼み込み、甚爾達を死地に送り込んだのは自分だ。
キヴォトスを火の海に変えた忌まわしき船を、消し去りたいと願った己を偽らないが。
結果的に、彼らは予想以上の苦難に見舞われている。
あの時、『悪いおもちゃ箱』と揶揄された牢獄に等しい空間へ。
異を唱えた者達を閉じ込め最悪の結末を引き起こした時から、自分の本質は変わっていないんじゃあないか。
鉄砲玉も同然の扱いだと本心では気付きつつ、知らん顔で被害者ぶってるに過ぎないのではないか。
キヴォトスを火の海に変えた忌まわしき船を、消し去りたいと願った己を偽らないが。
結果的に、彼らは予想以上の苦難に見舞われている。
あの時、『悪いおもちゃ箱』と揶揄された牢獄に等しい空間へ。
異を唱えた者達を閉じ込め最悪の結末を引き起こした時から、自分の本質は変わっていないんじゃあないか。
鉄砲玉も同然の扱いだと本心では気付きつつ、知らん顔で被害者ぶってるに過ぎないのではないか。
気配を頼りに歩を進め、手を伸ばし触れた先には爛れた肌。
軽くない負傷に気を病んだとて、向こうは欠片も気にしないのだろうけど。
軽くない負傷に気を病んだとて、向こうは欠片も気にしないのだろうけど。
「私はもう、卑怯者のままでいたくないんです……こんな私にまだ、生きて欲しいと言ってくれた親友(ひと)がいるから……」
「自尊心(それ)を理由にする程度には、持ち直したってか?」
「自尊心(それ)を理由にする程度には、持ち直したってか?」
他人の為に自分の命を削るだけじゃなく、その誰かさんに少しでも顔向けできる自分になりたいが為。
捨てた筈の歪んだ自己肯定感に足を取られ、最後の最後で失敗(しくじ)った猿の前でそれを言うとは。
何とも言えぬ薄ら笑いを浮かべるも、ナギサの決意は簡単に崩せない様子。
首に刃を添えられた際、楽になれると安堵を見出した顔とは違う。
一体全体、どんな奴にメンタルケアしてもらったのか。
捨てた筈の歪んだ自己肯定感に足を取られ、最後の最後で失敗(しくじ)った猿の前でそれを言うとは。
何とも言えぬ薄ら笑いを浮かべるも、ナギサの決意は簡単に崩せない様子。
首に刃を添えられた際、楽になれると安堵を見出した顔とは違う。
一体全体、どんな奴にメンタルケアしてもらったのか。
「……ちょっと良いか?」
やる気があっても、戦力に数えられるかは別。
根本的な問題の解決方法が見付からずにいた時、意を決した風にパラドが前に出る。
望まぬ形で自分達の同胞となったナギサへ、思う所は大いにあるも。
今伝えねばならないのは、一種の賭けとなる案だった。
根本的な問題の解決方法が見付からずにいた時、意を決した風にパラドが前に出る。
望まぬ形で自分達の同胞となったナギサへ、思う所は大いにあるも。
今伝えねばならないのは、一種の賭けとなる案だった。
「お前が今はバグスターになってるんなら、俺に一つ考えがある」
「えっ……?どういう、ことですか……?」
「えっ……?どういう、ことですか……?」
予想外の提案に驚くナギサの言葉を受け、パラドの視線も一点を見つめる。
亡き医者(ドクター)の骸へ宿る、使わず終いだった力。
幻夢本社での情報交換で、詳細を聞いた時はさして深く考えなかったが。
状況を好転させるトリガーに、なるのかもしれなかった。
亡き医者(ドクター)の骸へ宿る、使わず終いだった力。
幻夢本社での情報交換で、詳細を聞いた時はさして深く考えなかったが。
状況を好転させるトリガーに、なるのかもしれなかった。
○
「型番変更(ドレスアップ):超電子(バイオマン)」
「またそれかよ……!」
「またそれかよ……!」
この戦闘中に腐る程見た凶星病理の権能へ、辟易さを隠さず吐き捨てる。
キメラベロスのパワーに加え、バイオ粒子が齎す超電子頭脳の学習能力。
上記を組み合わせる事で、完聖体を発動中のドゴルドとも互角の剣戟を繰り広げた。
キメラベロスのパワーに加え、バイオ粒子が齎す超電子頭脳の学習能力。
上記を組み合わせる事で、完聖体を発動中のドゴルドとも互角の剣戟を繰り広げた。
「劣化複製:超電子(バイオロボ) バイオ粒子斬り!」
「俺相手に電撃で土俵に立とうなんざ、舐めてんのかテメェ!!」
「俺相手に電撃で土俵に立とうなんざ、舐めてんのかテメェ!!」
雷100万本分という、正気とは思えぬ量のエネルギーを蓄積。
滑空しながらの一閃と、喧嘩上刀が激突。
互いに弾かれ合って後退、次なる戦隊の力を選び取り、
滑空しながらの一閃と、喧嘩上刀が激突。
互いに弾かれ合って後退、次なる戦隊の力を選び取り、
「……あ?何でテメェがここに……」
自分の背後へ向け訝しく呟くドゴルドに、釣られて振り向く。
今の今まで鎬を削ったプレイヤーとは、全く異なる者がそこにいる。
滅びたキヴォトス唯一の生存者、ルルーシュ主導で結成された王様戦隊の一員。
桐藤ナギサの登場も驚きだが、最も意識を引き付けられるのは。
闇以外を映さない盲目が一変、光を宿す瞳で戦場をしかと焼け付けていた。
今の今まで鎬を削ったプレイヤーとは、全く異なる者がそこにいる。
滅びたキヴォトス唯一の生存者、ルルーシュ主導で結成された王様戦隊の一員。
桐藤ナギサの登場も驚きだが、最も意識を引き付けられるのは。
闇以外を映さない盲目が一変、光を宿す瞳で戦場をしかと焼け付けていた。
「……っ」
昏き世界に慣れた身が、急に嘗ての視界を取り戻し。
当たり前だが負担は大きく、今にも立ち眩みを起こしそうだ。
太陽がとうに沈んだ時間帯とはいえ、瞳が焼け付く感覚を覚える。
しかし生じる痛みを押し殺し、歯を食い縛り耐え抜く。
戦うと決めた、安全圏に引き籠る時間は終わったと己に喝を入れる。
当たり前だが負担は大きく、今にも立ち眩みを起こしそうだ。
太陽がとうに沈んだ時間帯とはいえ、瞳が焼け付く感覚を覚える。
しかし生じる痛みを押し殺し、歯を食い縛り耐え抜く。
戦うと決めた、安全圏に引き籠る時間は終わったと己に喝を入れる。
「自分勝手とは承知の上です。だけど……あなた達の力を、私に貸してください……!」
「っ!?貴様それは……!?」
「っ!?貴様それは……!?」
ナギサの片手に握られた半円状の物体に、セレブロも驚愕を隠せない。
同時に理解する、いや理解せざるを得ない。
これより何が起きるか、何が自分の前に立ち塞がるか。
断ち切れぬ因縁が、強固な鎖となって己が運命に絡み付く。
同時に理解する、いや理解せざるを得ない。
これより何が起きるか、何が自分の前に立ち塞がるか。
断ち切れぬ因縁が、強固な鎖となって己が運命に絡み付く。
『Zero.』
『Seven.』
『Leo.』
ウルトラメダルの装填に伴い、三体のレジェンドの力を集結。
ここからが桐藤ナギサの再起(リスタート)、抱いた覚悟が嘘じゃないと告げるかの如く。
その名を高らかに叫ぶ。
ここからが桐藤ナギサの再起(リスタート)、抱いた覚悟が嘘じゃないと告げるかの如く。
その名を高らかに叫ぶ。
「ウルトラマンゼット……!!」
『ULTRAMAN Z ALPHA EDGE.』
光を纏い現れる、青をベースとした肉体の戦士。
所々に走る銀と赤のカラーリングは、メダルに宿る英雄達が力を貸した証。
各部位を頑強な装甲で覆い、一見屈強を絵に描いた姿だがしかし。
四肢はスラリと伸び、胸部や臀部は女性らしい丸みを帯びている。
宝石をカットした形状の瞳も含め、顔付きも少女を思わせる幼さがあった。
所々に走る銀と赤のカラーリングは、メダルに宿る英雄達が力を貸した証。
各部位を頑強な装甲で覆い、一見屈強を絵に描いた姿だがしかし。
四肢はスラリと伸び、胸部や臀部は女性らしい丸みを帯びている。
宝石をカットした形状の瞳も含め、顔付きも少女を思わせる幼さがあった。
正史において、ナツカワ・ハルキが変身したのとはまた異なる。
ナギサが変身したが故の、ウルトラ戦士がここに誕生。
ナギサが変身したが故の、ウルトラ戦士がここに誕生。
ウルトラゼットライザーとウルトラメダル、そしてウルトラマンゼットという名のソードスキル。
デスゲームでゼットへの変身には、上記三つが必須となる。
ゼットライザーとメダルはまだしも、ソードスキルは孔富が所持中のまま力尽きた。
銃や剣など目に見える武器ではなくスキルの類を、死体から抜き取る方法は無い。
その問題の解決方法は、パラドによっ提示された。
デスゲームでゼットへの変身には、上記三つが必須となる。
ゼットライザーとメダルはまだしも、ソードスキルは孔富が所持中のまま力尽きた。
銃や剣など目に見える武器ではなくスキルの類を、死体から抜き取る方法は無い。
その問題の解決方法は、パラドによっ提示された。
数多の異世界から集めた技や術を、支給品やドロップアイテムのソードスキルに落とし込むというのであれば。
運営側の手でデータ化され、会場にばら撒かれている筈。
となれば見た目こそ人間に近しくとも、肉体ではなくデータの塊である自分達なら。
バグスターなら、死体が装備中のソードスキルにも干渉が可能なんじゃあないか。
運営側の手でデータ化され、会場にばら撒かれている筈。
となれば見た目こそ人間に近しくとも、肉体ではなくデータの塊である自分達なら。
バグスターなら、死体が装備中のソードスキルにも干渉が可能なんじゃあないか。
絶対の自信があっての考えとは言えないが、試すだけの価値はゼロじゃない。
もう聞こえていないと理解しつつ孔富に断りと謝罪を入れ、干渉を試みた結果。
ウルトラマンゼットのソードスキルは、ナギサへの転移に成功。
更にナギサの場合は孔富と違い、自身を構成する体(データ)の一部としてソードスキルを組み込んだ。
これを受け、ナギサの体はウルトラマンゼットへの変身・戦闘に最適な状態へと再構築(アップデート)。
生身の肉体を治療するのとは異なる、バグスターであるが為に修復作業が行われた。
結果、潰された瞳は光を取り戻す事になったのである。
クルーゼの手でバグスターに変えられた事実が回復を可能にしたと考えると、余りに皮肉と言う他ない。
もう聞こえていないと理解しつつ孔富に断りと謝罪を入れ、干渉を試みた結果。
ウルトラマンゼットのソードスキルは、ナギサへの転移に成功。
更にナギサの場合は孔富と違い、自身を構成する体(データ)の一部としてソードスキルを組み込んだ。
これを受け、ナギサの体はウルトラマンゼットへの変身・戦闘に最適な状態へと再構築(アップデート)。
生身の肉体を治療するのとは異なる、バグスターであるが為に修復作業が行われた。
結果、潰された瞳は光を取り戻す事になったのである。
クルーゼの手でバグスターに変えられた事実が回復を可能にしたと考えると、余りに皮肉と言う他ない。
「随分と……憎たらしい姿になりやがったな……!」
変身者はハルキではなく、姿も記憶にあるのとは違う。
全くの別個体と分かって尚、セレブロは苛立ちを抑えられない。
滅亡ゲームを台無しにされた恨みは、今も健在。
直前まで刃を交えたドゴルドなど眼中に無いかのように、殺意を剥き出し襲い掛かった。
全くの別個体と分かって尚、セレブロは苛立ちを抑えられない。
滅亡ゲームを台無しにされた恨みは、今も健在。
直前まで刃を交えたドゴルドなど眼中に無いかのように、殺意を剥き出し襲い掛かった。
「――!!」
デスゲームにおける実質初の戦闘に、湧き上がる緊張を振り払い迎え撃つ。
叩き付けられた剛腕を紙一重で躱し、反対に放つは拳の連打。
闇雲に殴り掛かるのではない、洗練された打撃が巨体へ次々ヒット。
手数に優れる宇宙拳法は、反撃を許さぬスピーディーな戦法だ。
叩き付けられた剛腕を紙一重で躱し、反対に放つは拳の連打。
闇雲に殴り掛かるのではない、洗練された打撃が巨体へ次々ヒット。
手数に優れる宇宙拳法は、反撃を許さぬスピーディーな戦法だ。
されど敵はキメラベロス、数多の怪獣を大きく引き離すタフネスさの持ち主。
ウルトラマンジードが放った幾つもの技を耐え抜いた、尋常ならざる頑強さは健在。
繰り出される体術の悉くを受け、堪えた様子は微塵も無し。
ウルトラマンジードが放った幾つもの技を耐え抜いた、尋常ならざる頑強さは健在。
繰り出される体術の悉くを受け、堪えた様子は微塵も無し。
「だったら……!」
小難しく頭を捻るのではない、メダルに宿る戦士達の力に身を委ねる。
頭部に備わったブレード状の部位、ゼットスラッガーを取り外す。
怪獣を切り裂く投擲武器になるが、此度は稲妻を帯びたエネルギーで連結。
ヌンチャクを思わせる得物を巧みに操り、キメラベロスを幾度も叩く。
頭部に備わったブレード状の部位、ゼットスラッガーを取り外す。
怪獣を切り裂く投擲武器になるが、此度は稲妻を帯びたエネルギーで連結。
ヌンチャクを思わせる得物を巧みに操り、キメラベロスを幾度も叩く。
「温いんだよ!型番変更(ドレスアップ):五星戦隊(ダイレンジャー)!」
チマチマと煩わしい児戯を、圧倒的な暴力で捻じ伏せる。
そっちが宇宙拳法なら、こちらは天に輝く五つ星が用いた技だ。
気力を増幅させ、同じく手数で攻め込む。
そっちが宇宙拳法なら、こちらは天に輝く五つ星が用いた技だ。
気力を増幅させ、同じく手数で攻め込む。
「天火星秘技・流星閃光!」
「くぅ……っ!」
「くぅ……っ!」
無数の突きを打ち込まれ、ナギサも得物を駆使し捌く。
あらゆる攻撃を吸収するゴーマの怪人相手に、吸収が追い付かない速さで勝利を収めた奥義である。
速さに優れたアルファエッジでどうにか耐え凌ぐも、やがて防ぎ漏らした一発が腹部に命中。
僅かな後退は致命的な隙だ、反応を許さない猛攻が襲来。
このままサンドバッグになりはしない、流れる動作で新たにメダルを填め込んだ。
元はアルカイザーの支給品にあったのを、デクから孔富に譲渡された。
その際ウルトラマンゼットの説明を受けたのが、巡り巡ってナギサの変身に繋がったのだがそれはともかく。
あらゆる攻撃を吸収するゴーマの怪人相手に、吸収が追い付かない速さで勝利を収めた奥義である。
速さに優れたアルファエッジでどうにか耐え凌ぐも、やがて防ぎ漏らした一発が腹部に命中。
僅かな後退は致命的な隙だ、反応を許さない猛攻が襲来。
このままサンドバッグになりはしない、流れる動作で新たにメダルを填め込んだ。
元はアルカイザーの支給品にあったのを、デクから孔富に譲渡された。
その際ウルトラマンゼットの説明を受けたのが、巡り巡ってナギサの変身に繋がったのだがそれはともかく。
『Ultraman.』
『Ace.』
『Taro.』
「勇敢なるお兄様達の力を、お借りします!」
『Ultraman Z Beta Smash.』
女性らしいフォルムは変わらず、全体的にマッシブに変化。
目元を赤いマスクで覆った形態になるや、力業で突きの連打を振り払う。
パワー重視のベータスマッシュの、見た目に違わず重々しい蹴りがキメラベロスの胴へ命中。
ダメージこそ薄いが体勢を僅かに崩し、畳みかけるべく肉弾戦を仕掛ける。
敵に負けず劣らずのラリアットは、当たれば大いに怯ませるだろう。
目元を赤いマスクで覆った形態になるや、力業で突きの連打を振り払う。
パワー重視のベータスマッシュの、見た目に違わず重々しい蹴りがキメラベロスの胴へ命中。
ダメージこそ薄いが体勢を僅かに崩し、畳みかけるべく肉弾戦を仕掛ける。
敵に負けず劣らずのラリアットは、当たれば大いに怯ませるだろう。
「ノロマが。それで当てられると思ってるのか?」
相手が素直に攻撃を受ける筈がなく、命中寸前でカウンターが炸裂。
捻じ込まれた拳に呻く暇すらくれてやらず、二発三発と続けて叩く。
パワーと耐久が飛躍的に上がった一方で、敏捷性が削がれたのがベータスマッシュの弱点。
打たれ強さ故に耐えてはいるも、長く続き出来る相手じゃない。
捻じ込まれた拳に呻く暇すらくれてやらず、二発三発と続けて叩く。
パワーと耐久が飛躍的に上がった一方で、敏捷性が削がれたのがベータスマッシュの弱点。
打たれ強さ故に耐えてはいるも、長く続き出来る相手じゃない。
「天重星・回転蹴り!デケェだけのサンドバッグがよ!!」
両腕で構えを取った防御の体勢に、構うものかと回転の勢いを乗せ蹴り付ける。
キメラベロスの重量と合わせ、本来の使い手以上の威力が発揮された。
10発目に到達した時、とうとう後方へと大きくよろける。
防御が崩れ、がら空きの胴体を晒したとくればこっちのもの。
渾身の一撃を叩き込まんと脚部が唸り、
キメラベロスの重量と合わせ、本来の使い手以上の威力が発揮された。
10発目に到達した時、とうとう後方へと大きくよろける。
防御が崩れ、がら空きの胴体を晒したとくればこっちのもの。
渾身の一撃を叩き込まんと脚部が唸り、
『UNICORN!MAXIMAM DRIVE!』
「チィ……ッ!」
背後で響く電子音声へ、標的を急遽変更。
振り向くや放った回し蹴りは、回転刃状のエネルギーを纏う大剣を弾き、
振り向くや放った回し蹴りは、回転刃状のエネルギーを纏う大剣を弾き、
「よぉ、女をボコるのは楽しかったか?」
懐に潜り込んだ真紅のライダーへ、ガラにも無く背筋が凍り付く。
エンジンブレードの投擲があっさり対処されるなど、予想通りの展開だ。
見事にそちらへ意識を向けてくれたお陰で、ここまで接近出来た。
背へ腕が振り下ろされるも、生憎ここでしくじる程素人じゃあない。
エンジンブレードの投擲があっさり対処されるなど、予想通りの展開だ。
見事にそちらへ意識を向けてくれたお陰で、ここまで接近出来た。
背へ腕が振り下ろされるも、生憎ここでしくじる程素人じゃあない。
『ICEAGE!』
手にしたガイアメモリを起動、なれど目的は技の発動に非ず。
ようやっと隙を見せてくれた敵の胴体へ、突き刺してやる。
分厚い外皮だろうと関係無い、奥深くにメモリが入り込んで行く。
ようやっと隙を見せてくれた敵の胴体へ、突き刺してやる。
分厚い外皮だろうと関係無い、奥深くにメモリが入り込んで行く。
「な、ん……!?なに、しやがったテメェ……!?」
一見すると何の意味もないどころか、敵を更に強化するに等しい。
実際はまるで異なると、苦し気に呻くキメラベロスの様子からも明らか。
怪獣メダルとは全く別の力を、本人の意思を無視し打ち込まれた結果。
強化を齎すのと正反対、異物の侵入によって変身状態維持のバランスが崩れ掛かっている。
まして甚爾が挿入したのは氷河期の記憶を宿す、アイスエイジメモリ。
地球外の存在とはいえ、寄生生物たるセレブロとは最悪の相性だ。
実際はまるで異なると、苦し気に呻くキメラベロスの様子からも明らか。
怪獣メダルとは全く別の力を、本人の意思を無視し打ち込まれた結果。
強化を齎すのと正反対、異物の侵入によって変身状態維持のバランスが崩れ掛かっている。
まして甚爾が挿入したのは氷河期の記憶を宿す、アイスエイジメモリ。
地球外の存在とはいえ、寄生生物たるセレブロとは最悪の相性だ。
T2ガイアメモリの特性は甚爾も把握しており、一つの可能性に賭けたが結果は上々。
普段は賭け事でロクに勝ちを得られないのに、こういう場面では運が向くらしい。
偶然にも敵はナギサが変身した戦士と、浅からぬ因縁持ちだったのが功を為した。
ガイアメモリ突き刺す十分な隙が、実際に生まれたのだから。
普段は賭け事でロクに勝ちを得られないのに、こういう場面では運が向くらしい。
偶然にも敵はナギサが変身した戦士と、浅からぬ因縁持ちだったのが功を為した。
ガイアメモリ突き刺す十分な隙が、実際に生まれたのだから。
「ガキのケツ追っ掛けるのに執着し過ぎたな。だからこんな猿の小細工も躱せねぇんだよ」
「ケ……わ、私はそんなふしだらな真似はしていません!」
「そのまんま受け取る奴があるかよ。ロクな男に引っ掛からねぇぞ、嬢ちゃん」
「はい!?」
「ほざいてんじゃねぇぞクソ猿がァッ!!!」
「ケ……わ、私はそんなふしだらな真似はしていません!」
「そのまんま受け取る奴があるかよ。ロクな男に引っ掛からねぇぞ、嬢ちゃん」
「はい!?」
「ほざいてんじゃねぇぞクソ猿がァッ!!!」
激昂とは裏腹に、動きは明確に精細さを欠いている。
ガイアメモリの排出を試みる真っ最中であるも、反撃の兆しが見えそれで満足は誰もしない。
ガイアメモリの排出を試みる真っ最中であるも、反撃の兆しが見えそれで満足は誰もしない。
『PERFECT CRITICAL FINISH!』
『CROWDING BURST!』
その証拠にどうだ、光弾が殺到するや弾けて火花を散らす。
キメラベロスならば問題無く耐えられる弾幕も、今の状況では非常に目障りな妨害。
二丁の銃を連射するパラドクスへ、両腕にエネルギーを掻き集め斬撃を飛ばす。
ヒラリと跳んで躱す憎たらしい標的を、蜂の巣にする機会はお預けだ。
キメラベロスならば問題無く耐えられる弾幕も、今の状況では非常に目障りな妨害。
二丁の銃を連射するパラドクスへ、両腕にエネルギーを掻き集め斬撃を飛ばす。
ヒラリと跳んで躱す憎たらしい標的を、蜂の巣にする機会はお預けだ。
『Jack.』
『Zoffy.』
『Father Of Ultra.』
「トウジさん!これを!」
『ENGIN!MACIMAM DRIVE!』
双剣を交差し、十字状の刃が巨体を焼き斬る。
間髪入れずに放たれる三日月を象った斬撃を、爪で立て砕く。
今すぐにでも纏めて蹴散らしたいが、メモリを排出せねば自身も危険だ。
多少のダメージは捨て置き意識を研ぎ澄ませ、
間髪入れずに放たれる三日月を象った斬撃を、爪で立て砕く。
今すぐにでも纏めて蹴散らしたいが、メモリを排出せねば自身も危険だ。
多少のダメージは捨て置き意識を研ぎ澄ませ、
「おいまさか、俺を忘れたなんて言う気じゃねぇだろうな?」
「クソが……!劣化複製:獣電戦隊(ライデンキョウリュウジン) 獣電剣・稲妻ブレイブフィニッシュ!」
「クソが……!劣化複製:獣電戦隊(ライデンキョウリュウジン) 獣電剣・稲妻ブレイブフィニッシュ!」
得物に稲妻を迸らせた激怒戦騎へ、舌打ちしたい衝動に駆られる。
長刀を生成しこちらも高圧の電撃を付与、飛翔からの急降下を経てデーボ・モンスターを屠った技だ。
見覚えのあり過ぎる動きに、ドゴルドが漏らすは失笑。
ああ全く、よりにもよってソレを使うとは。
長刀を生成しこちらも高圧の電撃を付与、飛翔からの急降下を経てデーボ・モンスターを屠った技だ。
見覚えのあり過ぎる動きに、ドゴルドが漏らすは失笑。
ああ全く、よりにもよってソレを使うとは。
「言った筈だぜ、テメェはメラを殺すまでの通過点に過ぎないってよ」
呆れは即座に怒りへ変わる。
再戦の機会を奪われた宿敵も、魔境に等しい殺し合いでは絶対的強者に非ず。
誰に言われるまでもなく、ドゴルド自身がプレイヤー達と剣を交えたからこそ理解出来た。
雷鳴の勇者とて、路傍の石を蹴散らす如く力尽きても何らおかしくはない。
分かっている、分かっているがしかし。
己が認めた唯一無二の好敵手であった事実は、誰にも否定させない。
沸き立つ灼熱の憤怒と反対に、思考は一層研ぎ澄まされる。
出そうと思って技を出すのではない、魂へ記憶された感覚のままに振り被る。
正しき在り方とかけ離れた者だろうと関係無い。
再戦の機会を奪われた宿敵も、魔境に等しい殺し合いでは絶対的強者に非ず。
誰に言われるまでもなく、ドゴルド自身がプレイヤー達と剣を交えたからこそ理解出来た。
雷鳴の勇者とて、路傍の石を蹴散らす如く力尽きても何らおかしくはない。
分かっている、分かっているがしかし。
己が認めた唯一無二の好敵手であった事実は、誰にも否定させない。
沸き立つ灼熱の憤怒と反対に、思考は一層研ぎ澄まされる。
出そうと思って技を出すのではない、魂へ記憶された感覚のままに振り被る。
正しき在り方とかけ離れた者だろうと関係無い。
「テメェ如きの猿真似じゃ、空蝉丸の足元にも及ばねぇんだよ!!」
黒い火花が散る。
黒き閃光は、微笑む相手を選ばない。
黒き閃光は、微笑む相手を選ばない。
「がっ……」
呪力の稲妻を乗せた一閃はキメラベロスであっても、芯まで重く響く。
なれど戦闘不能へ追い込まれないのは、流石ベリアルの力と言うべきか。
無様に倒れはせず、サイコロンの念動力を高出力で発動。
ドゴルドを大きく引き離すと、入れ替わるように残る面子が総攻撃へ移る。
なれど戦闘不能へ追い込まれないのは、流石ベリアルの力と言うべきか。
無様に倒れはせず、サイコロンの念動力を高出力で発動。
ドゴルドを大きく引き離すと、入れ替わるように残る面子が総攻撃へ移る。
『PERFECT KNOCKOUT CRITICAL BOMBER!』
『ACCEL!MAXIMAM DRIVE!』
「ゼスティウム光線!」
手刀がアルファベットのZを描き、スパークさせたエネルギーを射出。
ウルトラ戦士が最も得意とする光線技をナギサが放ち、二人のライダーは蹴りを叩き込んだ。
本来の変身者以上のスペックを叩き出す甚爾は勿論、パラドクスもレベル99に相応しい威力。
文字通りの“必殺技”を一撃たりとも寄せ付けまいと、三角錐状のシールドで防ぎつつ異物の除去を急ぎ、
ウルトラ戦士が最も得意とする光線技をナギサが放ち、二人のライダーは蹴りを叩き込んだ。
本来の変身者以上のスペックを叩き出す甚爾は勿論、パラドクスもレベル99に相応しい威力。
文字通りの“必殺技”を一撃たりとも寄せ付けまいと、三角錐状のシールドで防ぎつつ異物の除去を急ぎ、
「っ!散々調子に乗ってくれたな……!劣化複製(デッドコピー):冒険戦隊(ダイタンケン) ボウケンフラッシュ!」
宇宙最強を目論む遺伝子生命体と死闘を繰り広げた、サージェスロボの力を選択。
体外へ飛び出たガイアメモリへ、こんな玩具に梃子摺らされたのかとの不愉快さも一旦無視。
四肢から発射した熱線で、パラドクス達を纏めて薙ぎ払う。
体外へ飛び出たガイアメモリへ、こんな玩具に梃子摺らされたのかとの不愉快さも一旦無視。
四肢から発射した熱線で、パラドクス達を纏めて薙ぎ払う。
「なに……してやがる……!?」
そうして見た。
自分達とは異なる戦場で、金色の巨人が地へ落ちる様を。
鋼鉄の恐竜やサイヤの戦士によるものだけなら、まだ分からんでもない。
しかし如何にも凡愚な小娘の手で、キングジョーとの融合に綻びが生じるのは。
想定外と言わざるを得ず、保ち続けた余裕も剥がれていき、
自分達とは異なる戦場で、金色の巨人が地へ落ちる様を。
鋼鉄の恐竜やサイヤの戦士によるものだけなら、まだ分からんでもない。
しかし如何にも凡愚な小娘の手で、キングジョーとの融合に綻びが生じるのは。
想定外と言わざるを得ず、保ち続けた余裕も剥がれていき、
「お前――――っ」
決定的な敗北を齎す光景を、両の瞳が映し出す。
立ち上がった最後の一人が、己へ向けて拳を振り被るのを。
幾百幾千もの悪を打ち破った、象徴(ヒーロー)と同じ必殺の構えを取る少年が。
後悔も無力感も全て背負って突き進むと決めた、揺らがぬ覚悟を湛えた瞳を。
立ち上がった最後の一人が、己へ向けて拳を振り被るのを。
幾百幾千もの悪を打ち破った、象徴(ヒーロー)と同じ必殺の構えを取る少年が。
後悔も無力感も全て背負って突き進むと決めた、揺らがぬ覚悟を湛えた瞳を。
「っ、デク……!任せるぞ……!!」
「――うん、任された!」
体力ゲージが大きく減った状態で再変身した為、地面に激突し再度生身を晒すパラドが。
回収していたエナジーアイテムを二つ、勝負を託し投げ渡す。
歴代継承者達の個性を活用し、運動エネルギーを限界まで蓄積。
更にはマッスル化と高速化が付与され、数段階上へと到達。
回収していたエナジーアイテムを二つ、勝負を託し投げ渡す。
歴代継承者達の個性を活用し、運動エネルギーを限界まで蓄積。
更にはマッスル化と高速化が付与され、数段階上へと到達。
目が覚めた時、傍らの骸を見てすぐに理解出来た。
またしても、間に合わなかったのだと。
悔やまない筈がない、自分を強く責めたい衝動だってあったに決まってる。
手を伸ばせる程近くにいながら、一体何人を取り零せば気が済む。
仲間を手に掛けた敵と、それ以上に己自身への怒りに突き動かされそうだった。
またしても、間に合わなかったのだと。
悔やまない筈がない、自分を強く責めたい衝動だってあったに決まってる。
手を伸ばせる程近くにいながら、一体何人を取り零せば気が済む。
仲間を手に掛けた敵と、それ以上に己自身への怒りに突き動かされそうだった。
(だけど僕は――皆が命を繋いでくれたから、ここにいる)
イドラが、レッドが、アスランが、孔富が。
仲間達は皆、憤怒のままに暴れる為に自分を生かしたんじゃあない。
だから見失うな、ヒーローである事を選んだ己を。
散って逝った仲間達と、自分自身を裏切らない為にも。
仲間達は皆、憤怒のままに暴れる為に自分を生かしたんじゃあない。
だから見失うな、ヒーローである事を選んだ己を。
散って逝った仲間達と、自分自身を裏切らない為にも。
もうこれ以上、誰一人奪わせてなるものか。
「DETROIT SMAAAAAAAAAASH !!!!!!」
倒さねばならない巨悪を前に、デクも遂に切札を選択。
この時の為に、守るべき命を守り抜く為に残しておいたとすれば。
アスラン・ザラの奮戦が、彼らを死なせないことへ繋がるのなら。
令呪の使い時は、この瞬間を置いて他にない。
この時の為に、守るべき命を守り抜く為に残しておいたとすれば。
アスラン・ザラの奮戦が、彼らを死なせないことへ繋がるのなら。
令呪の使い時は、この瞬間を置いて他にない。
「型番変更(ドレスアップ):超新星(フラッシュマン)!!
型番変更(ドレスアップ):光戦隊(マスクマン)!!」
型番変更(ドレスアップ):光戦隊(マスクマン)!!」
フラッシュ星より与えられしエネルギーとオーラパワーを全て、光線の出力上昇に充てる。
両腕を十字の形状に組み放った熱線が狙うのは、突っ込んで来た標的。
無謀にも自ら黒焦げの死体になりに来た、そう嗤うのは簡単だ。
両腕を十字の形状に組み放った熱線が狙うのは、突っ込んで来た標的。
無謀にも自ら黒焦げの死体になりに来た、そう嗤うのは簡単だ。
なれど笑えない、嘲笑う余裕がある筈もない。
拳一つで破壊光線は掻き消され、見る見る内に距離はゼロまで縮まる。
拳一つで破壊光線は掻き消され、見る見る内に距離はゼロまで縮まる。
ヒーローが悪に敗れる訳にはいかないから。
いつだって人々の希望であろうとした、象徴が一心に背負って来た重みを。
誰よりも知る少年が、負ける筈はなかった。
いつだって人々の希望であろうとした、象徴が一心に背負って来た重みを。
誰よりも知る少年が、負ける筈はなかった。
「これで――!」
自分だけで掴み取った勝利じゃない。
共に戦った仲間達、後を託し力尽きた仲間達。
彼ら一人一人が共にいてくれた事実が、今この瞬間へと押し上げてくれた。
喪失感をも噛み締め、ここに決着が――
共に戦った仲間達、後を託し力尽きた仲間達。
彼ら一人一人が共にいてくれた事実が、今この瞬間へと押し上げてくれた。
喪失感をも噛み締め、ここに決着が――
マズい事が起きる。
「――――――っ!!??!」
“4代目”の個性が警戒を促し、デクは心臓が凍り付く錯覚を覚えた。
何かが起きる、起きてはならないナニカが現実になってしまう。
危機感が全身を駆け巡るも、一度動き出した以上は止められない。
この一撃で以て終わらせるべく放った拳が、巨体へと触れ、
何かが起きる、起きてはならないナニカが現実になってしまう。
危機感が全身を駆け巡るも、一度動き出した以上は止められない。
この一撃で以て終わらせるべく放った拳が、巨体へと触れ、
「HYPER CLOCK UP」
決着は、確かに付けられた。
○
「は…………?」
間の抜けた声を最初に零したのは、さて誰か。
何が起きたか、誰が何をやったのか。
視界へ飛び込む現実を口に出すのは簡単でも、理解がまるで追い付かない。
終わる筈だった、犠牲はあれど自分達の勝利で幕を閉じる筈だった。
では何故、敵は未だ五体満足を保っているのか。
何が起きたか、誰が何をやったのか。
視界へ飛び込む現実を口に出すのは簡単でも、理解がまるで追い付かない。
終わる筈だった、犠牲はあれど自分達の勝利で幕を閉じる筈だった。
では何故、敵は未だ五体満足を保っているのか。
ヒーローが胸を真っ赤に染め、倒れ伏しているのだろうか。
アビドス高校にてセレブロが個性の一つ得たハイパークロックアップは、本来の機能と変更点がある。
天道総司が度々行った、時空間移動は使用出来ない。
本物のハイパーゼクターを使った訳でなく、あくまで一介のNPCにそこまでの強力な異能は運営側も持たせないだろう。
制限で雁字搦めにした時間停止こそ、この場におけるハイパークロックアップの効果。
天道総司が度々行った、時空間移動は使用出来ない。
本物のハイパーゼクターを使った訳でなく、あくまで一介のNPCにそこまでの強力な異能は運営側も持たせないだろう。
制限で雁字搦めにした時間停止こそ、この場におけるハイパークロックアップの効果。
連発出来る類ではない、止められる時間は10秒にも満たない。
変身能力や機能を使用中は、更に短縮される。
それでも、たった数秒で勝負を覆す破格の異能だ。
変身能力や機能を使用中は、更に短縮される。
それでも、たった数秒で勝負を覆す破格の異能だ。
差はあれど、誰もが瞬時の行動へ映るまでにラグが生じる中。
事態を引き起こしたセレブロだけは、一切迷いがなかった。
温存し続けたハイパークロックアップを発動し、僅かな猶予でデクの心臓を貫手で破壊。
予め頭で組み立てた光景を現実に変え、その後の展開も実現させんと動き出す。
事態を引き起こしたセレブロだけは、一切迷いがなかった。
温存し続けたハイパークロックアップを発動し、僅かな猶予でデクの心臓を貫手で破壊。
予め頭で組み立てた光景を現実に変え、その後の展開も実現させんと動き出す。
「劣化複製(デッドコピー):鳥人戦隊(イカロスハーケン)」
持ち前の飛行能力に加え、ジェットマシンの合体機による噴射力を追加。
サイコロンの念動力を自身を対象に発動、標的の元まで爆発的な加速で飛び立つ。
音を優に超えた速さで目指すは、奇怪な生物に跨る三人組。
中世的な顔立ちの騎士が顔色を変えるも、もう遅い。
サイコロンの念動力を自身を対象に発動、標的の元まで爆発的な加速で飛び立つ。
音を優に超えた速さで目指すは、奇怪な生物に跨る三人組。
中世的な顔立ちの騎士が顔色を変えるも、もう遅い。
「っ!マスター!掴ま――」
「遅ぇよ。劣化複製(デッドコピー):鳥人戦隊(イカロスハーケン) ジェットフェニックス」
「遅ぇよ。劣化複製(デッドコピー):鳥人戦隊(イカロスハーケン) ジェットフェニックス」
呼んで名の如く、燃え盛る不死鳥と化し突撃。
魔術要素が関わらない、科学技術の結晶たるジェットマンの力はアストルフォとも相性最悪。
悲鳴を上げたヒポグリフが消え去り、乗っていた三人も宙へ放り出される。
マスターの手を掴もうと伸ばすが、それすら届かない。
セレブロに捕まった主を悔し気に見上げながら、シノアを引き寄せるだけで精いっぱいだ。
ヒポグリフは咄嗟に送り還し消滅を免れ、落下のダメージ程度でアストルフォは死に至らない。
状況が最悪な事に変わりはないが。
魔術要素が関わらない、科学技術の結晶たるジェットマンの力はアストルフォとも相性最悪。
悲鳴を上げたヒポグリフが消え去り、乗っていた三人も宙へ放り出される。
マスターの手を掴もうと伸ばすが、それすら届かない。
セレブロに捕まった主を悔し気に見上げながら、シノアを引き寄せるだけで精いっぱいだ。
ヒポグリフは咄嗟に送り還し消滅を免れ、落下のダメージ程度でアストルフォは死に至らない。
状況が最悪な事に変わりはないが。
「むぐぐぐぐ!?」
顔面を鷲掴みにされたちひろは、言葉らしい言葉を発せず藻掻くしか出来ない。
腕を振り回し抵抗を試みるも、キメラベロス相手では痒みすら与えられなかった。
異変に気付いた者達が得物へ手を伸ばすが、ちひろの存在へが咄嗟の攻撃を躊躇させる。
時間にすれば凡そ10秒前後、不意にセレブロが口元から指を外す。
何のつもりか冷静に思考は回してられず、あらん限りの叫びを発した。
腕を振り回し抵抗を試みるも、キメラベロス相手では痒みすら与えられなかった。
異変に気付いた者達が得物へ手を伸ばすが、ちひろの存在へが咄嗟の攻撃を躊躇させる。
時間にすれば凡そ10秒前後、不意にセレブロが口元から指を外す。
何のつもりか冷静に思考は回してられず、あらん限りの叫びを発した。
「今すぐ……は、離れろーーーーっ!!」
サチがくれたイヤリングの効果で、自身に摩訶不思議な力が宿ったのはとうに知っている。
陵辱の限りを尽くす六天使の拘束を打ち消し、神の牙が生み出す異次元空間をも消し去った。
あらゆる拘束の概念を打ち消す解放の魔法があれば、巨体に捕まった程度すぐに抜け出せる。
陵辱の限りを尽くす六天使の拘束を打ち消し、神の牙が生み出す異次元空間をも消し去った。
あらゆる拘束の概念を打ち消す解放の魔法があれば、巨体に捕まった程度すぐに抜け出せる。
「…………あれ?」
そんな予想を裏切り、何も起きない。
自分は捕まったままで、キメラベロスにも異変は無し。
自分は捕まったままで、キメラベロスにも異変は無し。
「心配しなくてもすぐに離してやるよ」
「え、な、ぎぃっ!?」
「え、な、ぎぃっ!?」
困惑するちひろを鼻で笑い、お望み通り“解放”してやる。
顔面を掴むのとは反対の手が左腕へ伸びるや、ボキリと嫌な音が聞こえた。
目の前を火花が散る程の痛みで、軽く意識が飛び掛けた所を遠くへ放り投げる。
ついでに支給品袋も奪い取ってやった。
殺すのは簡単だ、だが屍とまだ息があるのでは駆け付ける優先度も違う。
現にどうだ、アストルフォは自身の負傷も二の次で救出へ急いだではないか。
顔面を掴むのとは反対の手が左腕へ伸びるや、ボキリと嫌な音が聞こえた。
目の前を火花が散る程の痛みで、軽く意識が飛び掛けた所を遠くへ放り投げる。
ついでに支給品袋も奪い取ってやった。
殺すのは簡単だ、だが屍とまだ息があるのでは駆け付ける優先度も違う。
現にどうだ、アストルフォは自身の負傷も二の次で救出へ急いだではないか。
「貴――様ァッ!!!」
「お前……!よくもデクを……!!」
「お前……!よくもデクを……!!」
超サイヤ人の変身は解けたが、タイクーンの鎧を纏いトランクスが急接近。
パラドもまた消耗など知った事じゃあないと、三度目の変身を行い疾走。
仲間を奪われた怒りを刃に乗せるも、セレブロは慌てる事無く謡うように唱える。
パラドもまた消耗など知った事じゃあないと、三度目の変身を行い疾走。
仲間を奪われた怒りを刃に乗せるも、セレブロは慌てる事無く謡うように唱える。
「イノセンスダイブ」
「がぁっ!?」
「ぁ……」
「がぁっ!?」
「ぁ……」
憤怒のままに斬り付ける筈が、突如襲った激痛に腕が止まる。
共にライダーへ変身中にも関わらず、ダメージの軽減が全く起きなかった。
思考が混乱に侵食されるトランクス達を尻目に、返り討ちにした本人は如何にも満足気に頷く。
共にライダーへ変身中にも関わらず、ダメージの軽減が全く起きなかった。
思考が混乱に侵食されるトランクス達を尻目に、返り討ちにした本人は如何にも満足気に頷く。
「なん、で……」
激突の寸前でアストルフォに救出されたが、礼を口に出す余裕なんてない。
焼けるような左腕の痛みすら、今だけは気に掛けてられない。
信じ難い光景に、ちひろはわなわなと震えるばかり。
あの化け物が使ったのは、サチが自分にくれたイヤリングに宿る力。
友情の証として手渡された魔法は、己の元から綺麗さっぱり消失し。
代わりに暴虐と戦火の中心たる、寄生生物の手に渡った。
焼けるような左腕の痛みすら、今だけは気に掛けてられない。
信じ難い光景に、ちひろはわなわなと震えるばかり。
あの化け物が使ったのは、サチが自分にくれたイヤリングに宿る力。
友情の証として手渡された魔法は、己の元から綺麗さっぱり消失し。
代わりに暴虐と戦火の中心たる、寄生生物の手に渡った。
仕掛けは何も難しくない。
他者の個性を奪う最悪の個性、AFO(オール・フォー・ワン)を使いイノセンスを自分の異能へ変えた。
ソールのイヤリングの影響で見に宿すイノセンスも、ソードスキルの一種と解釈されたのだろう。
令呪を切る必要もなく奪い、今やセレブロが自由自在に使える能力に過ぎない。
他者の個性を奪う最悪の個性、AFO(オール・フォー・ワン)を使いイノセンスを自分の異能へ変えた。
ソールのイヤリングの影響で見に宿すイノセンスも、ソードスキルの一種と解釈されたのだろう。
令呪を切る必要もなく奪い、今やセレブロが自由自在に使える能力に過ぎない。
練習代わりにトランクス達へ放ったのは、イノセンス系統の魔法の一つ。
イノセンスダイブは魔力を直接叩き付ける、シンプルな術。
だがその真価はあらゆる防御やカウンターをすり抜け、対象にダメージを通すことにある。
タイクーンやパラドクスの強固な装甲を無視出来たのも、それが理由だった。
イノセンスダイブは魔力を直接叩き付ける、シンプルな術。
だがその真価はあらゆる防御やカウンターをすり抜け、対象にダメージを通すことにある。
タイクーンやパラドクスの強固な装甲を無視出来たのも、それが理由だった。
「ま、今回はこれで引分(ドロー)にしてやるよ。型番変更(デッドコピー):動物戦隊(ジュウオウジャー)」
「待て……!」
「待つわけねぇだろアホが」
「待て……!」
「待つわけねぇだろアホが」
野生解放に伴い、先とは異なる方法で飛行速度を上げる。
逃がしはせぬと怒りをぶつけられるが、退き時をセレブロは見誤らない。
サイコロンを使い広範囲へ火球を豪雨の如く降らせ、一同を纏めて足止め。
念動力も加えた飛行で飛び立ち、あっという間に姿は砂粒よりも小さくなった。
逃がしはせぬと怒りをぶつけられるが、退き時をセレブロは見誤らない。
サイコロンを使い広範囲へ火球を豪雨の如く降らせ、一同を纏めて足止め。
念動力も加えた飛行で飛び立ち、あっという間に姿は砂粒よりも小さくなった。
| 205:大天使戦役・Ⅴ章 -What's your FIRE- | 投下順 | 205:大天使戦役・終章 -一切を 存分に喰らい尽くして- |
| 時系列順 | ||
| イザーク・ジュール | ||
| 黒見セリカ | ||
| 桐藤ナギサ | ||
| 龍園翔 | ||
| 伏黒甚爾 | ||
| 前坂隆二 | ||
| セレブロ | ||
| ジンガ | ||
| 小鳥遊ホシノ | ||
| 激怒戦騎のドゴルド | ||
| 柊真昼 | ||
| トランクス | ||
| 鳩野ちひろ | ||
| 繰田孔富 | ||
| 柊シノア | ||
| アストルフォ | ||
| 朝比奈まふゆ | ||
| ユフィリア・マゼンタ | ||
| 糸見沙耶香 | ||
| キャル | ||
| 緑谷出久 | ||
| パラド |