◆
アークエンジェルも戦場に投入されたジンハイマニューバも、ラウ・ル・クルーゼが犯した罪の象徴。
正義に唾を吐き大義をドブに捨てる、大虐殺の証とくればイザークに退く選択は無い。
自身の上官に必ずやケジメを取らせる為の第一歩だ、一機残らず破壊する。
正義に唾を吐き大義をドブに捨てる、大虐殺の証とくればイザークに退く選択は無い。
自身の上官に必ずやケジメを取らせる為の第一歩だ、一機残らず破壊する。
「せぇやぁあああああああああああああっ!!!」
ヴァルバラッシャーを引き抜くや、標的の懐へ迷わず疾走。
チマチマと逃げ隠れを繰り返し、無駄に戦闘を長引かせる気はない。
壊すと決めたら実行あるのみ、昂る戦意をそのまま走力へ変える。
チマチマと逃げ隠れを繰り返し、無駄に戦闘を長引かせる気はない。
壊すと決めたら実行あるのみ、昂る戦意をそのまま走力へ変える。
自分から網に引っ掛かり、死にに来るなら好都合。
嘲るだけの自我は残っておらず、しかし殺害に何ら躊躇は生じない。
パイロットの脳波信号を機体が受信、敵の接近に合わせて重斬刀を振り下ろす。
人間一人を屠るには過剰な威力とサイズだ、原形はまず残らないだろう。
嘲るだけの自我は残っておらず、しかし殺害に何ら躊躇は生じない。
パイロットの脳波信号を機体が受信、敵の接近に合わせて重斬刀を振り下ろす。
人間一人を屠るには過剰な威力とサイズだ、原形はまず残らないだろう。
轟音と共にアスファルトが砕かれ、破片がパラパラと散らばる。
同じ機動兵器も無しにMSへ挑めばどうなるか、授業料を命で支払わせてやった。
一人仕留めた達成感も、呆気なく終わった戦闘への肩透かしも抱かず。
プログラムに従い重斬刀をどかし、ひしゃげた死体の確認を――
同じ機動兵器も無しにMSへ挑めばどうなるか、授業料を命で支払わせてやった。
一人仕留めた達成感も、呆気なく終わった戦闘への肩透かしも抱かず。
プログラムに従い重斬刀をどかし、ひしゃげた死体の確認を――
「すっトロいんだよぉっ!!」
生体反応の探知か、内蔵センサーが音声を拾ったか。
どちらが先にせよ、対象の生存が確認出来てからの反応は速い。
地を蹴り付け真横へ跳ねる、カメラアイを操作し声の発生源を映し出す。
傷一つないヴァルバラドが顔面の真横へ跳び、巨大レンチ型の装備を振り被る姿を捉えた。
どちらが先にせよ、対象の生存が確認出来てからの反応は速い。
地を蹴り付け真横へ跳ねる、カメラアイを操作し声の発生源を映し出す。
傷一つないヴァルバラドが顔面の真横へ跳び、巨大レンチ型の装備を振り被る姿を捉えた。
距離を取り回避に成功、ヴァルバラドは虚しく宙で空振り。
という予想を覆し、魔導火をバーニア噴射の如く活用。
急加速を味方に付けてジンハイマニューバへ再度急接近、咄嗟に翳した重斬刀をヴァルバラッシャーが叩く。
ヴァルバラドの身の丈を優に超える刀身が、銅鑼を鳴らしたように衝撃で振るえる。
振動は腕部まで伝わり、片腕があらぬ方へと跳ね上がった。
という予想を覆し、魔導火をバーニア噴射の如く活用。
急加速を味方に付けてジンハイマニューバへ再度急接近、咄嗟に翳した重斬刀をヴァルバラッシャーが叩く。
ヴァルバラドの身の丈を優に超える刀身が、銅鑼を鳴らしたように衝撃で振るえる。
振動は腕部まで伝わり、片腕があらぬ方へと跳ね上がった。
一気に攻め立てる機会、そう見なすならまだ甘い。
ジンハイマニューバの武装は、近接戦闘用の一本のみじゃあない。
左腕がガンマンもかくやの速さで、突撃銃を引き抜く。
銃口は勿論ヴァルバラドを睨み付け、徹甲弾一発であっという間に肉片だ。
ジンハイマニューバの武装は、近接戦闘用の一本のみじゃあない。
左腕がガンマンもかくやの速さで、突撃銃を引き抜く。
銃口は勿論ヴァルバラドを睨み付け、徹甲弾一発であっという間に肉片だ。
「そう来ると思っていたぞ!」
『ガキン!』
『ズキュンパイア!』
『ゴキン!』
クルーゼの私兵部隊に使われたが、ジンハイマニューバは元々ザフト軍のMS。
基本性能や装備含め、何が出来るか出来ないかの機体情報は当然イザークも把握済。
敵が阿頼耶識システムの改良版で反応速度を高めるのなら、こちらは持ち得る情報を元に動きを先読み。
思った通りの展開が起き、流れる動作でケミーカードを装填。
宝太郎から預かった一枚で、高威力の技を発動する。
基本性能や装備含め、何が出来るか出来ないかの機体情報は当然イザークも把握済。
敵が阿頼耶識システムの改良版で反応速度を高めるのなら、こちらは持ち得る情報を元に動きを先読み。
思った通りの展開が起き、流れる動作でケミーカードを装填。
宝太郎から預かった一枚で、高威力の技を発動する。
『OCCULT VALVARA BURST!』
ヴァルバラッシャーを長銃に見立て構えれば、銃口にエネルギーが収束。
無数のハートが集まったかと思えば、刺突剣を思わせる鋭利さの矢を生成。
弾を発射寸前の銃口へ、タイミングを合わせて撃ち込む。
暴発し突撃銃のみならず、左上半身へも爆発の被害が及ぶ。
損壊を受け機体もバランスを崩し、よろけた瞬間をヴァルバラドは見逃さない。
無数のハートが集まったかと思えば、刺突剣を思わせる鋭利さの矢を生成。
弾を発射寸前の銃口へ、タイミングを合わせて撃ち込む。
暴発し突撃銃のみならず、左上半身へも爆発の被害が及ぶ。
損壊を受け機体もバランスを崩し、よろけた瞬間をヴァルバラドは見逃さない。
『もらったぁっ!!」
『VARVARAD CLASH!』
ドライバーを操作しながら、一跳びでジンハイマニューバの頭上へ到達。
ヴァルバラッシャーを放るや、踵落しの要領で真下へ蹴り落とす。
回転数を速めながら、巨大レンチが頭部から股部分までを両断。
コックピット部分の自我無きパイロットも命を断たれ、ジ・エンドだ。
ヴァルバラッシャーを放るや、踵落しの要領で真下へ蹴り落とす。
回転数を速めながら、巨大レンチが頭部から股部分までを両断。
コックピット部分の自我無きパイロットも命を断たれ、ジ・エンドだ。
爆発する機体を背に着地、得物を掴み肩に担ぐ。
イザークが変身するにあたって、くるみはただ単にドライバーを修復したのではない。
性能や細かい癖まで、余す事無くフィットする専用装備にチューンアップが施されている。
冥黒ディアッカ相手のデビュー戦に始まり、複数の戦闘を経て感覚を掴んだ以上。
敵がMSであっても、そう簡単に遅れは取らない。
イザークが変身するにあたって、くるみはただ単にドライバーを修復したのではない。
性能や細かい癖まで、余す事無くフィットする専用装備にチューンアップが施されている。
冥黒ディアッカ相手のデビュー戦に始まり、複数の戦闘を経て感覚を掴んだ以上。
敵がMSであっても、そう簡単に遅れは取らない。
自軍の機体の破壊を確認し、新たなジンハイマニューバが排除に動く。
見方を殺された敵討ちという、人間らしい動機は含まれない。
元より指示に従って、目に付く生存者全員の殺害以外に思考を働かせるのは不可能。
重斬刀を銃剣(バヨネット)状に取り付けた、突撃銃を乱射。
降り注ぐ鋼鉄の雨の餌食は御免だ、ヴァルバラッシャーを頭部に翳しながら回避へ急ぐ。
見方を殺された敵討ちという、人間らしい動機は含まれない。
元より指示に従って、目に付く生存者全員の殺害以外に思考を働かせるのは不可能。
重斬刀を銃剣(バヨネット)状に取り付けた、突撃銃を乱射。
降り注ぐ鋼鉄の雨の餌食は御免だ、ヴァルバラッシャーを頭部に翳しながら回避へ急ぐ。
「今は僕と追いかけっこの最中じゃなかったかい?うん、飽きたならスパっと終わらせるに限るね!」
不意に頭部を小突かれ、振り返るも誰もおらず。
どこへ移動したかを、アストルフォがご丁寧に伝えてやる気も無し。
幻獣(ヒポグリフ)の速度を加えた槍を一閃、脚部へ衝撃が襲う。
損壊こそ無くとも、足がもつれ体勢が崩れるの間では避けられなかった。
どこへ移動したかを、アストルフォがご丁寧に伝えてやる気も無し。
幻獣(ヒポグリフ)の速度を加えた槍を一閃、脚部へ衝撃が襲う。
損壊こそ無くとも、足がもつれ体勢が崩れるの間では避けられなかった。
『TURN UP!ディープマリナー!』
何者かは知らないが、こちらへ攻撃して来ないなら今は構わない。
ついでに言うと、得られたチャンスを活かさない手もない。
ケミーの力を借り、深海ダイバーのように地面へと潜る。
地中を泳ぎジンハイマニューバの足元へ到達、先とは違い今度は下から攻め込む。
ついでに言うと、得られたチャンスを活かさない手もない。
ケミーの力を借り、深海ダイバーのように地面へと潜る。
地中を泳ぎジンハイマニューバの足元へ到達、先とは違い今度は下から攻め込む。
『VARVARAD CLASH!』
魔導火を纏わせた脚で蹴り上げ、ヴァルバラッシャーが頭上一直線へ突き進む。
真下の反応を探知し避けるも最早襲い、レンチ状の先端は正確にコックピットへ突き刺さった。
真下の反応を探知し避けるも最早襲い、レンチ状の先端は正確にコックピットへ突き刺さった。
核と呼ぶべき箇所へ深刻なダメージを受け、機体は完全に沈黙。
膝を付き、ダラリと両腕を垂らす様は死人のよう。
地上へ戻ったヴァルバラドが見やる先には、鋼鉄の恐竜を従える炎の戦士。
加勢に向かうかと考えるも、戦況から察するに不要かと思い直す。
膝を付き、ダラリと両腕を垂らす様は死人のよう。
地上へ戻ったヴァルバラドが見やる先には、鋼鉄の恐竜を従える炎の戦士。
加勢に向かうかと考えるも、戦況から察するに不要かと思い直す。
「となるとやはり――」
一際険しい視線を向けたのは、まるで神話の如き戦場。
金色を纏いし戦士が、黄金の鉄人を対峙する光景だった。
金色を纏いし戦士が、黄金の鉄人を対峙する光景だった。
○
もし、殺し合いに巻き込まれるよりも前。
一年最後のクラス対抗試験で、一之瀬に勝利を治めた頃の自分が。
お前は遠くない内に特撮ヒーロー染みた姿で、馬鹿デカいロボット恐竜を操ると。
そう言われたら、ほんの数割でも真面目に話を受け取っただろうか。
馬鹿の戯言に付き合う気はないと無視を決め込む姿が、自分の事ながら安易に想像出来る。
ついでに“本物の”阪柳が知れば、「良いじゃないですか恐竜、ドラゴンボーイにはピッタリですね」と。
恰好のネタを見付け、揶揄ってくるだろう。
一年最後のクラス対抗試験で、一之瀬に勝利を治めた頃の自分が。
お前は遠くない内に特撮ヒーロー染みた姿で、馬鹿デカいロボット恐竜を操ると。
そう言われたら、ほんの数割でも真面目に話を受け取っただろうか。
馬鹿の戯言に付き合う気はないと無視を決め込む姿が、自分の事ながら安易に想像出来る。
ついでに“本物の”阪柳が知れば、「良いじゃないですか恐竜、ドラゴンボーイにはピッタリですね」と。
恰好のネタを見付け、揶揄ってくるだろう。
生憎と全ては現実であり、命が掛かった本物の闘争の真っ最中。
改めて考えても荒唐無稽な、夢の世界に迷い込んだのを疑う状況だが。
漂う濃密な死の気配に、強化スーツ越しに撫でられ自然と意識は引き締まる。
クロノギア内部のデータベースを把握、更には黄金の悪魔との死闘で感覚は掴んだ。
鋼鉄の恐竜、ブイレックスはこちらの指示を忠実に待っている。
なればもう一度、自分達のステージを始めるとしよう。
改めて考えても荒唐無稽な、夢の世界に迷い込んだのを疑う状況だが。
漂う濃密な死の気配に、強化スーツ越しに撫でられ自然と意識は引き締まる。
クロノギア内部のデータベースを把握、更には黄金の悪魔との死闘で感覚は掴んだ。
鋼鉄の恐竜、ブイレックスはこちらの指示を忠実に待っている。
なればもう一度、自分達のステージを始めるとしよう。
「行け!ブイレックス!」
待っていたと言わんばかりに、ブイレックスが突撃。
大地を踏み鳴らし駆ける様は、古代の地球へ君臨した王者そのもの。
恐竜モチーフの生体メカだけあって、巨体と裏腹の俊敏さであっという間に距離を詰める。
分厚い岩をも粉微塵に砕く牙を武器に、MSをスクラップへ変えんとする。
大地を踏み鳴らし駆ける様は、古代の地球へ君臨した王者そのもの。
恐竜モチーフの生体メカだけあって、巨体と裏腹の俊敏さであっという間に距離を詰める。
分厚い岩をも粉微塵に砕く牙を武器に、MSをスクラップへ変えんとする。
しかし敵もまた、棒立ちで全ての抵抗を諦めた気配は皆無。
倍以上の巨体を誇るブイレックス相手に、接近戦は愚策と判断を下す。
噛み砕かれる末路を遠ざけんと、スラスターを吹かし後退。
湿地や砂漠地帯ならともかく、市街地では踏破能力も損なわれない。
倍以上の巨体を誇るブイレックス相手に、接近戦は愚策と判断を下す。
噛み砕かれる末路を遠ざけんと、スラスターを吹かし後退。
湿地や砂漠地帯ならともかく、市街地では踏破能力も損なわれない。
小癪にも破壊を免れた獲物を、むざむざと逃がしてやるブイレックスではない。
地面を砕きながら突進、対するジンハイマニューバも攻撃に移る。
サイズが上とは即ち、弾を当て易い巨大な的。
突撃銃のトリガーを引き、76mm徹甲弾をフルオートで発射。
身を捩ろうと躱させはしない、蜂の巣に変わるまで撃ち続けるだけ。
地面を砕きながら突進、対するジンハイマニューバも攻撃に移る。
サイズが上とは即ち、弾を当て易い巨大な的。
突撃銃のトリガーを引き、76mm徹甲弾をフルオートで発射。
身を捩ろうと躱させはしない、蜂の巣に変わるまで撃ち続けるだけ。
「跳べブイレックス!上から叩き付けてやれ!」
銃撃程度で怯むと思ったら、大間違いだ。
三本の黒い爪が大地を踏みしめ、反動を付け跳躍。
大地震が起きたのを疑う程に、衝撃の激しさで地面が陥没。
宙へ身を投げ、全身を一回転。
ジンハイマニューバが照準を頭上へ合わせるより早く、尾を振り下ろす。
聳え立つ山すら叩き割る一撃が、MSを容赦なく襲い粉砕。
元がどんな形だったか判別不可能な、鉄屑の山へと早変わり。
三本の黒い爪が大地を踏みしめ、反動を付け跳躍。
大地震が起きたのを疑う程に、衝撃の激しさで地面が陥没。
宙へ身を投げ、全身を一回転。
ジンハイマニューバが照準を頭上へ合わせるより早く、尾を振り下ろす。
聳え立つ山すら叩き割る一撃が、MSを容赦なく襲い粉砕。
元がどんな形だったか判別不可能な、鉄屑の山へと早変わり。
「蝿が一匹ウロチョロしてやがんな」
空中で風を切る音を絶えず発し、飛び回るは鳥でも飛行機でもない。
飛行ユニットに乗り込んだ最後の一機が、ブイレックスの届かぬ一から一方的に狙い撃つ気か。
構える武装は50mm無反動砲、威力も突撃銃の比ではない。
狙いを付けるは頭部だ、集中的に爆撃し首を吹き飛ばす。
飛行ユニットに乗り込んだ最後の一機が、ブイレックスの届かぬ一から一方的に狙い撃つ気か。
構える武装は50mm無反動砲、威力も突撃銃の比ではない。
狙いを付けるは頭部だ、集中的に爆撃し首を吹き飛ばす。
尤も弾頭の命中は現実に起きず、反対に地上から放たれた光線がMSへ連続し命中。
カメラアイに収めたブイレックスではない、攻撃を行っているのは別の者。
一つ目状のレンズがギョロリと動き、銃口を向ける張本人を射抜く。
カメラアイに収めたブイレックスではない、攻撃を行っているのは別の者。
一つ目状のレンズがギョロリと動き、銃口を向ける張本人を射抜く。
「クク、別に俺が撃たないとは言ってねぇだろ?」
マスクの下で獰猛に笑う間にも、ディフェンダーガンは撃つ手は止めない。
レンジャーキーを取り込んだ影響で、龍園が変身中のタイムファイヤーは通常時以上に全機能が強化されている。
膂力や走力、スーツの防御機能のみならず。
反射神経や動体視力、専用装備たるDVディフェンダーの威力に至るまで上昇。
一撃でMSを破壊するまでは至らないが、機体エネルギーを削る効果は十分発揮。
ダメージの数値に、即座の爆散は起きないが放置するべきでないと判断。
飛行ユニットを操作し、光線を躱しながら砲撃を行う。
レンジャーキーを取り込んだ影響で、龍園が変身中のタイムファイヤーは通常時以上に全機能が強化されている。
膂力や走力、スーツの防御機能のみならず。
反射神経や動体視力、専用装備たるDVディフェンダーの威力に至るまで上昇。
一撃でMSを破壊するまでは至らないが、機体エネルギーを削る効果は十分発揮。
ダメージの数値に、即座の爆散は起きないが放置するべきでないと判断。
飛行ユニットを操作し、光線を躱しながら砲撃を行う。
判断自体は間違っていない。
龍園が既に対抗策を打ってなかったらとの、前提を無視すればだが。
龍園が既に対抗策を打ってなかったらとの、前提を無視すればだが。
無反動砲のトリガーに指を掛けた時、突如飛行ユニットが爆発。
残骸が地面へ突き刺さり、足場を失ったジンハイマニューバもあっという間に落下。
敵の意識が自分を向けられた瞬間、龍園はケヤキモールで手に入れたスペルカードを発動。
使ったのは『投石』、グリードアイランドではプレイヤーのカードを一枚破壊する効果を持つ。
殺し合いでは対象が持つ道具を一つランダムに破壊可能、といった具合に調整を受けた。
効果が及ぶのは正規プレイヤーのみならず、こうしてジンハイマニューバの飛行手段を奪う事に成功。
着地に備えるだけの時間はくれてやらない。
地面へ真っ逆さまとはつまり、狩場へ自ら飛び込むに等しいのだから。
残骸が地面へ突き刺さり、足場を失ったジンハイマニューバもあっという間に落下。
敵の意識が自分を向けられた瞬間、龍園はケヤキモールで手に入れたスペルカードを発動。
使ったのは『投石』、グリードアイランドではプレイヤーのカードを一枚破壊する効果を持つ。
殺し合いでは対象が持つ道具を一つランダムに破壊可能、といった具合に調整を受けた。
効果が及ぶのは正規プレイヤーのみならず、こうしてジンハイマニューバの飛行手段を奪う事に成功。
着地に備えるだけの時間はくれてやらない。
地面へ真っ逆さまとはつまり、狩場へ自ら飛び込むに等しいのだから。
「ブイレックス、終わらせてやれ」
脚部を掴まれ、振り解く暇もなく叩き付けられた。
両手が得物を引っ掴み、反撃に出ようとするも悪足掻きに過ぎない。
上半身を喰い千切られ、口を閉じればコックピットごと圧殺。
両手が得物を引っ掴み、反撃に出ようとするも悪足掻きに過ぎない。
上半身を喰い千切られ、口を閉じればコックピットごと圧殺。
嘗てキヴォトスを襲った悪夢の権化を、それ以上の力で捻じ伏せた。
暴力を行使し支配感に身を委ねるでもなく、まして全能者を気取りもしない。
何処までも冷静な思考で、次に戦うべき存在を見据える。
暴力を行使し支配感に身を委ねるでもなく、まして全能者を気取りもしない。
何処までも冷静な思考で、次に戦うべき存在を見据える。
「前坂から聞きはしてたが、ここまで来ると笑うしかねぇな……」
ああ本当に、とんでもない場所に来ちまったもんだと。
呆れ笑いを浮かべつつ、さてどう介入するかを考える。
何せ繰り広げられるのは、文字通り『最強』の戦士のステージなのだから。
呆れ笑いを浮かべつつ、さてどう介入するかを考える。
何せ繰り広げられるのは、文字通り『最強』の戦士のステージなのだから。
○
金色の巨人を相手に、トランクスは果敢に立ち向かっている。
「おおおおおおおおおおおおっ!!!!」
爆発的な気の放出と、戦闘力の急上昇。
小手先の技や小細工を仕掛けて、勝てる相手でないと分かってからの行動は迅速だ。
神を黄金に逆立たせ、巨人の破壊へ全力を注ぐ。
小手先の技や小細工を仕掛けて、勝てる相手でないと分かってからの行動は迅速だ。
神を黄金に逆立たせ、巨人の破壊へ全力を注ぐ。
タイクーンへの変身は身体機能を引き上げ、戦力強化にはなった。
ジャマ神の力が宿るレイズバックルと合わせれば、ルルーシュにも有利を取れるだろう。
が、トランクス本来の能力で本気を出す際には却って枷になる。
漆黒の甲冑を脱ぎ去り、内に眠る気を解放。
短期決戦用の切札、怒れる超サイヤ人がここに降臨。
ジャマ神の力が宿るレイズバックルと合わせれば、ルルーシュにも有利を取れるだろう。
が、トランクス本来の能力で本気を出す際には却って枷になる。
漆黒の甲冑を脱ぎ去り、内に眠る気を解放。
短期決戦用の切札、怒れる超サイヤ人がここに降臨。
飛んで近付き、殴る。
取った戦法を文字に書くなら、それで済むシンプルなもの。
しかし、トランクスがやったという一点を付け加えれば意味は大きく変わる。
ジェット機の飛行も核やの速度を瞬時に叩き出し、周囲一帯に衝撃波が発生。
ユニバースロボやMSではない、一参加者が起こす現象だ。
四凶への対抗策で招かれたプレイヤーとは如何なる存在か、これだけでも十分理解が出来よう。
取った戦法を文字に書くなら、それで済むシンプルなもの。
しかし、トランクスがやったという一点を付け加えれば意味は大きく変わる。
ジェット機の飛行も核やの速度を瞬時に叩き出し、周囲一帯に衝撃波が発生。
ユニバースロボやMSではない、一参加者が起こす現象だ。
四凶への対抗策で招かれたプレイヤーとは如何なる存在か、これだけでも十分理解が出来よう。
「はぁっ!!!」
金色の巨体を拳が叩く、それも一発二発で終わらせはしない。
剣以上に最も得意とする、尊敬する戦士達と同じ肉弾戦。
常人を超えた達人、更に上の超人ですら果たして捉えられるだろうか。
両腕が完全に消え去ったとしか思えぬ速さで、巨体を打つ怒涛のラッシュ。
指五本で数える間、一体幾つの鉄拳を浴びせたのやら。
不動の山の如し巨体が押され、僅かに後退した。
剣以上に最も得意とする、尊敬する戦士達と同じ肉弾戦。
常人を超えた達人、更に上の超人ですら果たして捉えられるだろうか。
両腕が完全に消え去ったとしか思えぬ速さで、巨体を打つ怒涛のラッシュ。
指五本で数える間、一体幾つの鉄拳を浴びせたのやら。
不動の山の如し巨体が押され、僅かに後退した。
「なんて硬さだ……!」
だがそれだけだ、撃破と呼ぶにはまるで遠い。
目障りな小蝿を叩き落とさんと、振り下ろされた手刀。
捨て置き攻撃を続けるには受ける被害が大きい、拳を引っ込め後方へと退く。
目障りな小蝿を叩き落とさんと、振り下ろされた手刀。
捨て置き攻撃を続けるには受ける被害が大きい、拳を引っ込め後方へと退く。
眼前を通過した巨腕は、空中へ突如現れた壁のよう。
動作一つで暴風が起き、気を張らねば吹き飛ばされるてしまう。
宙へ留まったトランクスへ、巨体の腰部分が開閉。
元はアークエンジェルの後部に備わったミサイル、コリントスが数十発発射。
標的は勿論トランクスただ一人だ。
動作一つで暴風が起き、気を張らねば吹き飛ばされるてしまう。
宙へ留まったトランクスへ、巨体の腰部分が開閉。
元はアークエンジェルの後部に備わったミサイル、コリントスが数十発発射。
標的は勿論トランクスただ一人だ。
遠距離攻撃の手段を持つのは、敵の専売特許に非ず。
両手に収束させた気を連続し放ち、的確にミサイルを破壊。
瞬く間に立ち込める爆風を振り払うように突き進めば、向こうも迎え撃つべく拳を突き出す。
真正面から激突し潰されるのは御免だ、方向転換し腕の真下へ移動。
両手に収束させた気を連続し放ち、的確にミサイルを破壊。
瞬く間に立ち込める爆風を振り払うように突き進めば、向こうも迎え撃つべく拳を突き出す。
真正面から激突し潰されるのは御免だ、方向転換し腕の真下へ移動。
超サイヤ人と言えども制限下にあり、ましてサイズでは圧倒的に上回られている。
嘗て孫悟空は大猿化したベジータと死闘を繰り広げ、辛くも勝利を収めた。
なれど、此度の敵はその比ではない。
大きさとはただそれだけで武器になる。
指先一つで歯向かう輩を蟻同然に潰し、必死の抵抗をあえて受けても精々が痒い程度。
嘗て孫悟空は大猿化したベジータと死闘を繰り広げ、辛くも勝利を収めた。
なれど、此度の敵はその比ではない。
大きさとはただそれだけで武器になる。
指先一つで歯向かう輩を蟻同然に潰し、必死の抵抗をあえて受けても精々が痒い程度。
加えて取り込んだ怪獣メダルはキングジョー、過去にウルトラ戦士達と対峙した宇宙ロボットだ。
ウルトラセブンやウルトラマンX達も、頑強なボディへ攻撃が通じず苦戦を強いられた。
超サイヤ人であろうと、破壊は安易ではない。
ウルトラセブンやウルトラマンX達も、頑強なボディへ攻撃が通じず苦戦を強いられた。
超サイヤ人であろうと、破壊は安易ではない。
「だったら……!」
戦法を少々、変えさせてもらうまで。
睨みつけた頭上には、夜空を遮る金色の腕。
右腕を掲げ上昇し、命中と共に一際大きな金属音が響いた。
破壊には至らない、しかし見よ。
腕の装甲部分へ、確かな凹みが生まれたのを。
睨みつけた頭上には、夜空を遮る金色の腕。
右腕を掲げ上昇し、命中と共に一際大きな金属音が響いた。
破壊には至らない、しかし見よ。
腕の装甲部分へ、確かな凹みが生まれたのを。
拳が当たる僅かなタイミングを見極め、瞬間的に気を一点に収束。
出力を上げ常時全身に纏うのではなく、限定し威力の強化へ繋げる事に成功。
思わぬ衝撃を受け警戒度を引き上げたのか、もう片方の腕を伸ばすもトランクスは既に動いた後。
舞空術を駆使し自身を押し出し、胴体へ蹴りを叩き込む。
先の連打を超える威力に、巨体は自然とよろける。
いける、確信を抱くやシャドーセイバーを引き抜き刀身にエネルギーを付与。
今しがた蹴り付けた箇所を、鮮血色の刃が切り裂かんと駆け、
出力を上げ常時全身に纏うのではなく、限定し威力の強化へ繋げる事に成功。
思わぬ衝撃を受け警戒度を引き上げたのか、もう片方の腕を伸ばすもトランクスは既に動いた後。
舞空術を駆使し自身を押し出し、胴体へ蹴りを叩き込む。
先の連打を超える威力に、巨体は自然とよろける。
いける、確信を抱くやシャドーセイバーを引き抜き刀身にエネルギーを付与。
今しがた蹴り付けた箇所を、鮮血色の刃が切り裂かんと駆け、
巨人の上半身と下半身が独りでに離れ、空振りに終わった。
「なん……だと……!?」
トランクスに斬られて断たれたのではなく、巨人に備わった機能によるものだ。
元々キングジョーは4機の飛行物体が合体を経て、二足歩行のロボットになった姿。
怪獣メダルの影響を受け、当然のように同じ真似が可能になっただけのこと。
頭と胸、腹と足でそれぞれ結合したまま中心部位で分離。
トランクスの剣を回避してみせたのである。
元々キングジョーは4機の飛行物体が合体を経て、二足歩行のロボットになった姿。
怪獣メダルの影響を受け、当然のように同じ真似が可能になっただけのこと。
頭と胸、腹と足でそれぞれ結合したまま中心部位で分離。
トランクスの剣を回避してみせたのである。
呆気に取られるトランクスへ、腹部より突き出た複数のバルカン砲が展開。
コリントス同様、アークエンジェルの武装で仕留めに掛かる。
超サイヤ人の血で、地面に赤い雨を降らせるまで残り数秒もない。
コリントス同様、アークエンジェルの武装で仕留めに掛かる。
超サイヤ人の血で、地面に赤い雨を降らせるまで残り数秒もない。
だが忘れるなかれ、警戒するべきはトランクス一人だけではないことを。
「させるかよぉおおおおおっ!!!」
『OCCULT VALVARA BURST!』
この瞬間が最大のチャンスと参戦するは、仮面ライダーヴァルバラド。
変身にも用いたケミー、ダイオーニを得物に読み込ませる。
ヴァルバラッシャーを基点に、エネルギー体の金棒を生成。
マルガム複数体を纏めて薙ぎ払う威力だが、単に殴るだけで発動してはいない。
変身にも用いたケミー、ダイオーニを得物に読み込ませる。
ヴァルバラッシャーを基点に、エネルギー体の金棒を生成。
マルガム複数体を纏めて薙ぎ払う威力だが、単に殴るだけで発動してはいない。
魔導火とGN粒子をここぞとばかりに活用し、ジェット噴射もかくやの速度で飛行。
黒鋼スパナとはまた異なる強みを有するのが、イザークの変身するヴァルバラドだ。
ヴァルバラッシャーを両手持ちに変え頭上に掲げると、全身を回転させ巨人の腰へと突っ込む。
黒鋼スパナとはまた異なる強みを有するのが、イザークの変身するヴァルバラドだ。
ヴァルバラッシャーを両手持ちに変え頭上に掲げると、全身を回転させ巨人の腰へと突っ込む。
但し真正面からではなく、真上の結合部位にだ。
「確かに今の俺では、貴様を直接破壊するのは至難の業だろう。だが、中に入れば装甲強度も関係無い!」
キングジョーは驚異の耐久性を誇るが、全ての箇所がそうとは限らない。
分離時に露わとなる結合部位は、金色の装甲と比べ脆い。
バロッサ星人が操る個体が地球を襲った際、ストレイジの面々が暴き出した弱点を此度も突かれる。
分離時に露わとなる結合部位は、金色の装甲と比べ脆い。
バロッサ星人が操る個体が地球を襲った際、ストレイジの面々が暴き出した弱点を此度も突かれる。
先端が突き刺さるや回転数を更に上げて、突き進む。
機体内部に入り込むと、無数の歯車やパーツが所狭しと詰められてあった。
巨人の骨肉も同義の空間にいるのは、当然イザーク一人。
つまり、遠慮も容赦も必要無しだ。
機体内部に入り込むと、無数の歯車やパーツが所狭しと詰められてあった。
巨人の骨肉も同義の空間にいるのは、当然イザーク一人。
つまり、遠慮も容赦も必要無しだ。
『『VALVARA BREAK!』』
背面部のホルスターからもう一本のヴァルバラッシャーを引き抜き、両方共にトリガーを引く。
マッハウィールのエネルギーが付与され、準備完了。
内部を縦横無尽に飛び回り、得物を豪快に振るい片っ端から切り裂いていく。
通り過ぎた後方では内部パーツが次々に火花を散らす。
やがて同じ穴から脱出すると、腹部は爆散の末路を辿った。
マッハウィールのエネルギーが付与され、準備完了。
内部を縦横無尽に飛び回り、得物を豪快に振るい片っ端から切り裂いていく。
通り過ぎた後方では内部パーツが次々に火花を散らす。
やがて同じ穴から脱出すると、腹部は爆散の末路を辿った。
部位の損失は即ち、巨人への合体は不可能になったということ。
しかし標的を片付ける手段は健在、両腕部分から二門の砲台が顔を出す。
アークエンジェルの主砲、ゴットフリートが飛行中のイザークへ照準をセット。
ライトグリーンの光を充填、戦場で数多の敵機を屠った熱線を放たんとする。
高エネルギーを収束させた火線砲の直撃を許せば、ヴァルバラドの装甲があろうと関係無い。
しかし標的を片付ける手段は健在、両腕部分から二門の砲台が顔を出す。
アークエンジェルの主砲、ゴットフリートが飛行中のイザークへ照準をセット。
ライトグリーンの光を充填、戦場で数多の敵機を屠った熱線を放たんとする。
高エネルギーを収束させた火線砲の直撃を許せば、ヴァルバラドの装甲があろうと関係無い。
「そんな隙見せたってことはよ、遠慮なく撃って良いんだよな?」
介入の機会を窺っていたのは、イザークだけじゃあない。
ブイレックスに指示を出し、龍園が狙うのは胴体下部。
長大な両肩のブースターが結合部位へ、エネルギー光弾を撃ち出す。
損壊被害はあっという間に内部まで及び、あれ程の頑強さは見る影もない。
完全に撃墜される前にやぶれかぶれでゴットフリートの発射を試みるが、サイヤの戦士が許す筈がなかった。
ブイレックスに指示を出し、龍園が狙うのは胴体下部。
長大な両肩のブースターが結合部位へ、エネルギー光弾を撃ち出す。
損壊被害はあっという間に内部まで及び、あれ程の頑強さは見る影もない。
完全に撃墜される前にやぶれかぶれでゴットフリートの発射を試みるが、サイヤの戦士が許す筈がなかった。
「バーニングアタック!」
残像が生まれる程の速さで両手を振り回し、気を練り上げる。
突き出した掌が光線を放ち、砲台を消し飛ばす。
悪足掻きすらも無に還り、腹部に続き夜空を彩る穢れた花火となった。
突き出した掌が光線を放ち、砲台を消し飛ばす。
悪足掻きすらも無に還り、腹部に続き夜空を彩る穢れた花火となった。
「っ!マズい……!」
残る部位は二つとなったが、欠片も油断は出来ない。
事実、膨大な収束現象を察知したトランクスが振り向けば案の定。
脚部より突き出た黒い砲口に、大量のエネルギーが掻き集められてあった。
事実、膨大な収束現象を察知したトランクスが振り向けば案の定。
脚部より突き出た黒い砲口に、大量のエネルギーが掻き集められてあった。
足付きと呼称される理由となった、折り畳んだ脚を連想させる両舷。
そこへ搭載済の武装も当たり前のように、対峙する戦士達への脅威として存在する。
陽電子破城砲、通称ローエングリン。
アークエンジェルの武装の中でも、切札と言うべき最も強力な兵器。
MS複数機や敵戦艦を、宇宙の塵屑に変えた特大の熱線で勝負に出るつもりか。
顔を強張らせたままトランクスは対処へ急ぎ、
そこへ搭載済の武装も当たり前のように、対峙する戦士達への脅威として存在する。
陽電子破城砲、通称ローエングリン。
アークエンジェルの武装の中でも、切札と言うべき最も強力な兵器。
MS複数機や敵戦艦を、宇宙の塵屑に変えた特大の熱線で勝負に出るつもりか。
顔を強張らせたままトランクスは対処へ急ぎ、
「おい、こいつも使え」
「え?っと……!」
「え?っと……!」
いつの間にやら傍らには、ブイレックスの頭部に立つ龍園の姿が。
仮面ライダーともどこか違う、赤い強化スーツが何かを投げ渡して来た。
受け取ってみれば、鞘に納められた一本の剣。
雄英での戦闘で紛失した王の剣や、現在装備するシャドーセイバーにも劣らない業物と分かる。
互いに名乗ってすらいないが、向こうは恐らくリュージの仲間。
ならば今は深く聞かず、礼を言って受け取る。
仮面ライダーともどこか違う、赤い強化スーツが何かを投げ渡して来た。
受け取ってみれば、鞘に納められた一本の剣。
雄英での戦闘で紛失した王の剣や、現在装備するシャドーセイバーにも劣らない業物と分かる。
互いに名乗ってすらいないが、向こうは恐らくリュージの仲間。
ならば今は深く聞かず、礼を言って受け取る。
「こっちも踏ん張りどころってやつか……」
盲目のお嬢様の依頼を引き受けた事で、全くとんでもない修羅場に放り込まれた。
苦笑いしつつディフェンダーガンを構え、ブイレックスのブースターも最大火力で発射準備を行う。
苦笑いしつつディフェンダーガンを構え、ブイレックスのブースターも最大火力で発射準備を行う。
並ぶトランクスも練り上げた気を、二振りの剣へ纏わせる。
シャドームーンが自身の能力で生成した、シャドーセイバーの強度は言わずもがな。
加えて龍園が譲渡したのは、アレフガルドを救った勇者が振るった剣。
蛮野との戦闘後にリュージが回収した内の一つを、刃物を使う機会は多いと受け取っていたのだ。
後の世にて、魔王ゾーマが破壊に3年もの月日を掛ける程の造りだ。
トランクスの絶大な気を付与しても、問題無く耐えられる。
シャドームーンが自身の能力で生成した、シャドーセイバーの強度は言わずもがな。
加えて龍園が譲渡したのは、アレフガルドを救った勇者が振るった剣。
蛮野との戦闘後にリュージが回収した内の一つを、刃物を使う機会は多いと受け取っていたのだ。
後の世にて、魔王ゾーマが破壊に3年もの月日を掛ける程の造りだ。
トランクスの絶大な気を付与しても、問題無く耐えられる。
「…………」
脳裏に思い浮かべるは、この地で幾度もぶつかった強敵。
銀河を統べる真紅の暴君、宇蟲王を冠する相容れぬ男。
だが全身全霊を懸けて挑み、我が身で剣を受けたからこそ思う。
倒すべき敵なのは覆らない、しかし強き戦士だった。
死力を尽くした闘争を命果てるまで楽しみたい、そんな願いに己も応え決着を付けた。
銀河を統べる真紅の暴君、宇蟲王を冠する相容れぬ男。
だが全身全霊を懸けて挑み、我が身で剣を受けたからこそ思う。
倒すべき敵なのは覆らない、しかし強き戦士だった。
死力を尽くした闘争を命果てるまで楽しみたい、そんな願いに己も応え決着を付けた。
「宇蟲王……お前の技を使わせてもらう!!」
重ね合わせた双剣を突き出すや、長剣状のエネルギーを生み出す。
輝き同士が結合し、新たに一本の刺突剣を形作る。
斬るのではない、一点突破で貫く為の技だ。
悪しき魔獣を撃ち抜く銀の弾丸と化したトランクスが、いざ標的へ己が剣を届かせんと突き進む。
輝き同士が結合し、新たに一本の刺突剣を形作る。
斬るのではない、一点突破で貫く為の技だ。
悪しき魔獣を撃ち抜く銀の弾丸と化したトランクスが、いざ標的へ己が剣を届かせんと突き進む。
「――マックスバーニング!!」
タイムファイヤーとブイレックス、一人と一機が最大出力の光線を放つ。
圧縮冷凍によるロンダーズ囚人の拘束を主活動とする、ブイレックスロボと違い。
対象の完全撃破を目的にした、破壊力特化の砲撃だ。
本来であればロクな抵抗を許さず焼き払うも、敵の火力を思えばまだ足りないくらい。
圧縮冷凍によるロンダーズ囚人の拘束を主活動とする、ブイレックスロボと違い。
対象の完全撃破を目的にした、破壊力特化の砲撃だ。
本来であればロクな抵抗を許さず焼き払うも、敵の火力を思えばまだ足りないくらい。
煩わしい足掻きを一蹴すべく、ローエングリンが遂に発射。
星々の光すら霞む輝きは、余りにも美しく恐ろしい。
この世の終焉を告げる天の使者が、戦場へ降り立ったかのよう。
星々の光すら霞む輝きは、余りにも美しく恐ろしい。
この世の終焉を告げる天の使者が、戦場へ降り立ったかのよう。
「く……おおおおおおおおっ……!!」
いつ押し返され、飲み込まれてもおかしくない光の奔流へトランクスは抗う。
僅かたりとも下がってたまるかと、己に喝を入れる。
この兵器を仲間達に撃たせない為にも、必ずや打ち勝つ。
僅かたりとも下がってたまるかと、己に喝を入れる。
この兵器を仲間達に撃たせない為にも、必ずや打ち勝つ。
「ブイレックス、ヘタレんじゃねぇぞ……!」
発破を掛ければ咆哮を返され、何とも元気な野郎だと呆れ笑いが零れる。
熱血染みた真似は自分の趣味じゃないが、かといってデカブツの鉄の塊に勝利を譲ってやるものか。
温存して来た令呪を一画切り、出力を数段引き上げる。
熱血染みた真似は自分の趣味じゃないが、かといってデカブツの鉄の塊に勝利を譲ってやるものか。
温存して来た令呪を一画切り、出力を数段引き上げる。
手を抜いた覚えはないし、抜く気もない。
勝利を奪い取る気概は、微塵も揺らいでいない。
されど、気持ちだけで勝負が付く程お優しい場じゃない事だって分かっていた。
押されずとも押し切れず、暫しの拮抗を見せる。
限界を迎えるのはどちらが先か、断じて屈するかと戦士達が咆え、
勝利を奪い取る気概は、微塵も揺らいでいない。
されど、気持ちだけで勝負が付く程お優しい場じゃない事だって分かっていた。
押されずとも押し切れず、暫しの拮抗を見せる。
限界を迎えるのはどちらが先か、断じて屈するかと戦士達が咆え、
逆転の一手を、最も弱き駒が打った。
○
「いやはやとんでもないですね。殺し合いの規模を超えてませんか?」
独り言ちた幼女の言葉に内心同意しつつ、ちひろも呆けたようにその光景を眺めていた。
男の子が好むヒーローものの作品が、そのまま現実になった。
或いは初ライブ失敗の傷が響き、荒唐無稽な夢を見ている。
半ば現実逃避に似た思考は、轟く爆音が強引に現実へ引き戻す。
目と耳を塞いで蹲りはしないけど、直視するだけで精神をゴリゴリ削られそうだ。
男の子が好むヒーローものの作品が、そのまま現実になった。
或いは初ライブ失敗の傷が響き、荒唐無稽な夢を見ている。
半ば現実逃避に似た思考は、轟く爆音が強引に現実へ引き戻す。
目と耳を塞いで蹲りはしないけど、直視するだけで精神をゴリゴリ削られそうだ。
別にちひろとて、殺し合いでの十数時間を遊んで過ごした訳じゃない。
禪院家やキリトの家で、妙に“濃い”NPCに襲われた。
バルバトスに襲撃を受けあわや全滅の危機に陥り、挙句サチを攫われた。
神将ライダーとの遭遇や、異次元空間に囚われだってした。
だがここまでの規模の、災害同然の破壊には流石に眩暈がする。
禪院家やキリトの家で、妙に“濃い”NPCに襲われた。
バルバトスに襲撃を受けあわや全滅の危機に陥り、挙句サチを攫われた。
神将ライダーとの遭遇や、異次元空間に囚われだってした。
だがここまでの規模の、災害同然の破壊には流石に眩暈がする。
(これ……私がいる意味あるのかな……)
ラブギターロッド片手に乗り込んだ所で、結果は目に見えている。
巻き添えで呆気なく消し炭になり、却ってトランクスに迷惑が掛かるだろう。
紫の人や赤いスーツの人には、邪魔だから退けと怒鳴れるかもしれない。
ガラの悪い男子との交遊もないちひろには、それだけでも震え上がる展開だ。
巻き添えで呆気なく消し炭になり、却ってトランクスに迷惑が掛かるだろう。
紫の人や赤いスーツの人には、邪魔だから退けと怒鳴れるかもしれない。
ガラの悪い男子との交遊もないちひろには、それだけでも震え上がる展開だ。
四凶と並ぶ程の強さはないし、巨大ロボを呼べもしない。
仮面ライダーに変身出来るでもなく、仮に変身する道具があっても使いこなせるかどうか。
争いを知らぬ者、若しくは殺し合いでの実戦が不足してるが故の現実が重く圧し掛かる。
下手に顔を出さず、アストルフォに守ってもらい身を潜める方が遥かに賢い筈。
仮面ライダーに変身出来るでもなく、仮に変身する道具があっても使いこなせるかどうか。
争いを知らぬ者、若しくは殺し合いでの実戦が不足してるが故の現実が重く圧し掛かる。
下手に顔を出さず、アストルフォに守ってもらい身を潜める方が遥かに賢い筈。
(ああ……どうしよう…………)
そう、どう考えたって正解はそれしかないのだ。
責められるものでもないし、悪事を犯してもいない。
理解出来ない程、ちひろは馬鹿じゃない。
責められるものでもないし、悪事を犯してもいない。
理解出来ない程、ちひろは馬鹿じゃない。
だけど、それ以上に、
(今の私、めちゃくちゃムカついてる)
鳩野ちひろという少女は、負けず嫌いだった。
歌声を馬鹿にされた中学時代のトラウマ。
初ライブでの失敗を笑われた悔しさ。
それら全てを弾き語りへの熱意に変え、見返してやると練習の鬼になった時のように。
初ライブでの失敗を笑われた悔しさ。
それら全てを弾き語りへの熱意に変え、見返してやると練習の鬼になった時のように。
他の誰よりも先に、神殺しの手からサチを助けると意気込んでおきながら。
勝手にしょぼくれて後ろ向きになる、情けない自分に腹が立つ。
戦闘への恐怖と緊張は健在、されど沸々と湧き上がる怒りが踏み出す覚悟を決めさせた。
勝手にしょぼくれて後ろ向きになる、情けない自分に腹が立つ。
戦闘への恐怖と緊張は健在、されど沸々と湧き上がる怒りが踏み出す覚悟を決めさせた。
「アストルフォ、巻き込まれないギリギリまで私を連れて行って欲しい。って言ったら、怒る?」
自分でも、何て無茶を言い出すんだろうと思う。
不死身のスーパーヒーローでもない、何処までいっても普通の枠を超えられない女子高生が。
首を突っ込むのが間違いと分かってるけれども、
不死身のスーパーヒーローでもない、何処までいっても普通の枠を超えられない女子高生が。
首を突っ込むのが間違いと分かってるけれども、
「マスター。それはマスターが心から決めた、やりたいことなんだね?」
「……うん」
「……うん」
ここで臆せばきっと、サチにだって手を届かせられないから。
頷いたちひろへ向け、騎兵たるサーヴァントは笑い返す。
無謀な試みに出る少女への嘲りじゃあない、それでこそ己が主というような快濶な笑み。
任せてと心強い承諾を得られたなら、今更やっぱり無しだなんてのは言わない。
三人を乗せた幻獣が空高く飛翔、混乱を巻き起こした巨体へ手を翳す。
頷いたちひろへ向け、騎兵たるサーヴァントは笑い返す。
無謀な試みに出る少女への嘲りじゃあない、それでこそ己が主というような快濶な笑み。
任せてと心強い承諾を得られたなら、今更やっぱり無しだなんてのは言わない。
三人を乗せた幻獣が空高く飛翔、混乱を巻き起こした巨体へ手を翳す。
「いい加減に……どっかいけぇええええええええっ!!!」
洒落た決め台詞なんてもの、咄嗟に出て来る訳がない。
力の限り声を張り上げ、必死に戦う仲間の助けになれればと。
刻まれた令呪一画の消費に合わせ、己が身に宿る魔法を発動。
天使の名を冠する戦艦に閉じ込められた、怪獣の核が『解放』される。
力の限り声を張り上げ、必死に戦う仲間の助けになれればと。
刻まれた令呪一画の消費に合わせ、己が身に宿る魔法を発動。
天使の名を冠する戦艦に閉じ込められた、怪獣の核が『解放』される。
己が意思を完全に無視し、キングジョーのメダルが巨体から引き剥がされていく。
一度離れてしまえばどうなるかを、あえて説明するまでもない。
自我らしい自我はなくとも、自身の危機とは理解してるのかメダルを強引に留まらせる。
だが令呪の影響で術自体の出力も上がった事で、並の抵抗では意味が無い。
怪獣メダルとアークエンジェル、二つの融合が徐々に綻びを見せた結果。
ローエングリンの出力にも不調が生じ、見る見る勢いを落とす。
一度離れてしまえばどうなるかを、あえて説明するまでもない。
自我らしい自我はなくとも、自身の危機とは理解してるのかメダルを強引に留まらせる。
だが令呪の影響で術自体の出力も上がった事で、並の抵抗では意味が無い。
怪獣メダルとアークエンジェル、二つの融合が徐々に綻びを見せた結果。
ローエングリンの出力にも不調が生じ、見る見る勢いを落とす。
「っ!そこだぁあああああっ!!」
必然、トランクス達が押し負ける道理はない。
双剣が打ち払い、人機一体の光線が撃ち抜く。
ローエングリンを掻き消して尚も止まらず、逃れられない破壊を齎す。
破片一つすら残さず、激突の余熱だけが今の今までいた証拠だ。
双剣が打ち払い、人機一体の光線が撃ち抜く。
ローエングリンを掻き消して尚も止まらず、逃れられない破壊を齎す。
破片一つすら残さず、激突の余熱だけが今の今までいた証拠だ。
三つの部位を失い、勝機は完膚なきまでに潰えた。
メダルが埋め込まれた頭部も、圧倒的不利を悟ったのか。
それとも距離を引き離せば、メダルを引き抜かれる感覚が消えると踏んだのか。
己を造った寄生生物すら無視し、戦場からの撤退を図る。
メダルが埋め込まれた頭部も、圧倒的不利を悟ったのか。
それとも距離を引き離せば、メダルを引き抜かれる感覚が消えると踏んだのか。
己を造った寄生生物すら無視し、戦場からの撤退を図る。
残念ながら、逃げ切る事など不可能だが。
「一応言っとくが、死んでもテメェの自業自得になるぜ?」
「俺の死に場所はここじゃない!それともリュウエン、貴様はこの期に及んでいらぬ手加減に出る腰抜けか?」
「舐めた口利きやがる。ブイレックス!遠慮なく飛ばしてやれ!」
「俺の死に場所はここじゃない!それともリュウエン、貴様はこの期に及んでいらぬ手加減に出る腰抜けか?」
「舐めた口利きやがる。ブイレックス!遠慮なく飛ばしてやれ!」
いつの間にやらブイレックスの尾には、ヴァルバラドが待機中。
受けた指示を拒む気はなく、豪快に振り回し逃げた頭部目掛け打ち出した。
受けた指示を拒む気はなく、豪快に振り回し逃げた頭部目掛け打ち出した。
「――――っ!!」
烈火炎装はとうに発動済だ、魔導火の噴射で更に加速。
GN粒子の放出で、宙でも細かな体勢調節は可能だが。
言葉に偽り非ず、加減抜きなブイレックスの射出による負担は馬鹿にならない。
みっともなく意識を失うだけならマシ、より惨い末路も妄想じゃない。
GN粒子の放出で、宙でも細かな体勢調節は可能だが。
言葉に偽り非ず、加減抜きなブイレックスの射出による負担は馬鹿にならない。
みっともなく意識を失うだけならマシ、より惨い末路も妄想じゃない。
「それが……どうしたぁっ!!!」
己の決意は、こんな所で燃え尽きる程つまらないものだったか。
罪を背負い戦うとの誓いは、所詮ただの口先三寸か。
舐めるなと言わせてもらおう、侮るなと怒鳴り返してやろう。
容易く朽ち果てるものか、許し難き上官へケジメを付けさせず誰が終われるものか。
罪を背負い戦うとの誓いは、所詮ただの口先三寸か。
舐めるなと言わせてもらおう、侮るなと怒鳴り返してやろう。
容易く朽ち果てるものか、許し難き上官へケジメを付けさせず誰が終われるものか。
何よりも、そう。
「あいつの遺したこの力で!負けるものかよ!!!」
『VARVARAD CLASH!』
空を駆ける星の如く、獲物を決して逃さぬ矢の如く。
ラウ・ル・クルーゼが虐殺の象徴へ貶めた、天使の元へと。
ヴァルバラドが到達、装甲部を貫いて尚止まりはしない。
突き破るや、GN粒子を操り急停止。
背後を見ぬままに得物を肩に担ぎ、直後起こるは大爆発。
ラウ・ル・クルーゼが虐殺の象徴へ貶めた、天使の元へと。
ヴァルバラドが到達、装甲部を貫いて尚止まりはしない。
突き破るや、GN粒子を操り急停止。
背後を見ぬままに得物を肩に担ぎ、直後起こるは大爆発。
「…………」
蹂躙され徹底的に踏み躙られた、キヴォトスの住人達の無念が完璧に晴らされた訳ではない。
それでもこの瞬間、悪しき記録に反撃の刃を突き立てた。
爆風に煽られた怪獣メダルが宙を舞い、やがて地面を転がる様が。
一つの決着を表していた。
それでもこの瞬間、悪しき記録に反撃の刃を突き立てた。
爆風に煽られた怪獣メダルが宙を舞い、やがて地面を転がる様が。
一つの決着を表していた。
| 205:大天使戦役・Ⅳ章 -ガールズリミックス:フルブラスト・アクション | 投下順 | 205:大天使戦役・Ⅵ章 -ZERO to INFINITY- |
| 時系列順 | ||
| イザーク・ジュール | ||
| 黒見セリカ | ||
| 桐藤ナギサ | ||
| 龍園翔 | ||
| 伏黒甚爾 | ||
| 前坂隆二 | ||
| セレブロ | ||
| ジンガ | ||
| 小鳥遊ホシノ | ||
| 激怒戦騎のドゴルド | ||
| 柊真昼 | ||
| トランクス | ||
| 鳩野ちひろ | ||
| 繰田孔富 | ||
| 柊シノア | ||
| アストルフォ | ||
| 朝比奈まふゆ | ||
| ユフィリア・マゼンタ | ||
| 糸見沙耶香 | ||
| キャル | ||
| 緑谷出久 | ||
| パラド |