【種別】
地名
【初出】
II巻
【解説】
約三千年前に
創造神“
祭礼の蛇”
伏羲が作ろうとした都。百二十九の城邑と四の平原を有する予定であった。
フレイムヘイズたちには、“祭礼の蛇”が支配という行為に興味を覚えて作られたが、袋叩きにされて一発昇天したと伝えられていた。
宝具『
玻璃壇』は、この都の監視のために作成された。
“祭礼の蛇”が『
久遠の陥穽』へと放逐された直接の原因。場所や規模の詳細は不明だが、『久遠の陥穽』の
歪みの痕跡を利用して『
神門』が作られた場所や『玻璃壇』が銅鏡型であること、“祭礼の蛇”や『
三柱臣』の古名から、古代中国で作られた可能性が高いと思われる。
正確な詳細は、創造神としての権能に従い、当時の“徒”が願った「自分たちの他に誰もいない快適な世界」を作り出すことを目的に創造に着手された都。
無数の人間の“
存在の力”を
神威召喚の力でこの世に寄り固めることで作り出される封界がコンセプトであり、『大縛鎖』では人間を喰らわずとも“
存在の力”を得ることができ、また生じた
歪みの波及も囲いのうちの総和として保つ。
“祭礼の蛇”としてはここに“徒”が住めばフレイムヘイズも戦う理由がなくなり、誰にとっても良い結果をもたらすのだからフレイムヘイズも祝福してくれるだろうと本気で思っていた。
故に祭祀場で営まれた「世界の在り様そのものを変える」儀式の場には、眷属の『三柱臣』の他、
黒金の大百足や
鎧の竜王といった各地の強大な“
王”に加え、
紫電の軍師、
生命の竜巻、
青き棺の天使たちの“王”とその契約者、つまりフレイムヘイズたちまでもを招いた。
しかし、多くの人間を犠牲にする上、封界に移住や住むのは強制ではなく行き来も自由であるこの創造は、フレイムヘイズからすれば「作るのに多くの人間が犠牲になる、規模が大きいだけの遊び場に過ぎず、この世の一部が“徒”に都合よく作り替えられる支配行為」と捉えられ、彼らに身命を賭してその創造を阻止させるまでに至り、封界創造によって生じる歪みを利用されて“祭礼の蛇”は
両界の狭間に放逐されることとなった。
ベルペオルの独白によれば、支配という意図は全く無く、いまだに彼らの思考と行動を嫌っており、当時の“徒”とフレイムヘイズの認識の決定的な違いが如実に表れることとなった事件とも言える。
後の新世界『
無何有鏡』はこの『大縛鎖』が雛形になっているが、三千年の間の“徒”の願いの変化や、より欲望を叶える創造を行うための試行錯誤や研究により、結果として『大縛鎖』における欠点はほとんどなくなっていた。
【由来・元ネタ】
支配→縛る→縛鎖であると思われる。
最終更新:2024年07月25日 00:40