スカーレット・スパイダー(Scarlet Spider) / ケイン(Kaine) / ケイン・パーカー(Kaine Parker)

初出:Web of Spider-Man #119(1994年12月)
種族:事故で変異した人間のクローン、男性、地球人

概要

カインという表記もあり。二代目のスカーレット・スパイダーといえば彼を指す*1
"Scarlet Spider"(第二期)の主人公。マスクヒーローだが、親しい協力者には素顔を見せている。
クローンであるため、本来ファミリーネームはないが、一度死亡した時の墓碑には「パーカー」と刻まれていた。
オリジナルであるスパイダーマンに比べて粗暴、がさつ、不愛想に描かれることが多い。
二代目マダムウェブに「ピーターに越えられない一線を越えてしまう」と評された通り、必要とあれば敵を殺せるのがピーターとの大きな違い。
ことあるごとに「俺はヒーローじゃない」「俺はスパイダーマンじゃない」と口にするが、渋々ながら結局人助けしてしまうことが多い。

経歴

オリジン

ジャッカルによってスパイダーマンのクローンとして誕生。ベン・ライリー以前に作られた失敗作で、精神が不安定な上、顔・体には傷があった。
元々はクローンの生存時間テストのために生かされていたが、次第に不完全なクローンであるが故の悪質な細胞の変化、崩壊の兆候を見せたため、また新たに完全なクローン(後のベン・ライリー)が誕生したため、ジャッカルに見捨てられ、行方をくらませた。

その後、ジャッカルの所持していたファイルを調べていたケインは、ピーターとベンのファイルが入れ替えられていたため(ノーマン・オズボーンの仕業)、ベンが本物、ピーターがクローンだと確信。
ケインは「本物」であるベンを苦しませると同時に自身と同じ「クローン」で「弟」であるピーターに自分と違うまっとうな人生を与えるべく動き始めた*2

ベンとの戦い

ピーターとの出会いと戦闘の後、自身がクローンであることに気づきニューヨークを離れていたベン・ライリーが、病気になったメイおばさんを訪問するためにニューヨークに戻り、ケインもそれを追って現れた。
同じ指紋を生かして自身の犯した殺人の罪をベンに擦り付けようとしたり、「弟」ピーターの妻(当時)であるメリー・ジェーン・ワトソンの死を予知し、その原因になりうるドクター・オクトパスグリム・ハンターらを次々と殺害するなど何度もベン(結果的にピーターも)を苦しませたケインだったが、MJとの対話などを経て次第に心を開いていく。
しかしジャッカルを裏切ったもう一人のクローン、スパイダーサイドとの戦闘の中でジャッカルをかばって重傷を負い、回復ポッドの中に入れられた後、行方不明になってしまう。

和解

再び姿を現したのはピーターが引退し、ベンがスパイダーマンを名乗って活動していた頃だった。
ついにベンへの憎悪を爆発させたケインはベンの恋人ジャニーンを人質にし決戦を挑むも、自らを顧みず恋人を救うことを懇願するベンの姿を前に自分の過ちを認め、ベンの手による死を望む。
しかしベンは手を下さず、仕方なしにケインは警官隊の銃口の前にその身をさらす。だがベンはこれまでのわだかまりを捨て、射殺されそうになったケインを命がけで救った。
呪縛から解き放たれたケインはついに警官隊に両手を上げ、自首。逮捕されることを選んだ。

再びニューヨークへ

すでにケインの肉体は崩壊寸前であり、刑務所に収監されそのまま死を受け入れようとしていたが、かつて自ら手にかけた恋人やジャッカル、ベン、ピーターと幻覚の中で再会したことで生き延びることを決意し、脱獄。クローンサーガ中暗躍しベンを殺害したノーマン・オズボーンを付け狙うも果たせず、彼のエージェントを襲撃するにとどまった。

ケインは後にニューヨークに現れ、ヴィランであるラプターに協力してスパイダーマンに復帰していたピーターを攻撃。
ケインの肉体の崩壊を止められるというラプターを守るための行動だったが、崩壊を止められるというのはケインを味方にするためのラプターの嘘だったことが判明。ケインはラプターを殺害し姿を消した。

グリムハント事件

ケインは、蜘蛛の能力を持つ者を狙うアリョーシャとアナ・クラビノフの襲撃で重傷を負いながらも、警告のためにピーターの前に姿を現した。
ピーターのおかげで命拾いしたケインはその借りを返すべく、倒れたピーターに代わってクラビノフ一家を相手に奮戦。
しかし力尽き、ピーターの身代わりとして初代クレイヴン・ザ・ハンター復活の生贄にされて死亡。一連の事件の後、「ケイン・パーカー」として墓地に葬られたが、その墓からは蜘蛛型モンスター、マンスパイダーとなったケインが這い出してきたのだった*3

スパイダーアイランド

ニューヨーク中の人々が蜘蛛の能力を得る事件中にマンスパイダー、通称「タランチュラ」となっていたケインは洗脳され、ジャッカルに従うだけの存在になったかに見えた。
が、スパイダーマンとの戦闘中、アンチヴェノムの抗体による治療液で満たされたタンクに落下したことで、かつてのベン・ライリーのような完全なピーターのクローンの姿、そして自我を取り戻した。
ピーターに協力することを選んだケインは受け取ったステルススーツを使い、ヒーローたちに協力。黒幕であるスパイダー・クイーンを殺害し、事件の終息に一役買った。
ピーターへの挨拶が終わるとケインはあてのない旅に出るのだった(スーツは借りパクもらった)。

スカーレット・スパイダー

アメリカ各地を旅しながらメキシコを目指すことにしたケインだったが、テキサス州ヒューストンに滞在中に偶然人身売買業者から記憶喪失の少女「アラセリ」(後のハミングバード)を救出することになった。
彼女を追って現れた炎を操るヴィラン「サラマンダー」を新しいカラーのスーツをまとって倒したが、その戦いの中「アラーニャ・エスカラータ」(スペイン語で緋色の蜘蛛)と名付けられる。
次々現れる、アサシンギルドウォッチドッグ、セルゲイとアナ・クラビノフ親子や人狼型ミュータント集団「ロボ・カルテル」などのヴィランを相手に二代目スカーレット・スパイダーとしての戦いが始まった。

ニューウォリアーズ

ヒューストンを去ったケインはメキシコに向かい、ハミングバードと共に行動していたが、ハイエボリューショナリーが人類浄化計画を実行し始めた時にウォーター・スネークと出会い、運命に導かれるようにニューウォリアーズ(第五期)の一員となる。

スパイダーバース

インへリターズによるあらゆる次元のスパイダーマン狩りの中、ケインは異次元のベン・ライリー、アルティメットユニバースのジェシカ・ドリューとスカーレット・スパイダーズ(彼らとは無関係)を結成。インへリターズの一人、ジェニックスの管理するクローン工場を襲撃した。
ベン・ライリーの犠牲によってクローン工場は破壊したものの、激しい怒りに駆られたケインは単身インへリターズの本拠地Earth-001に突入してしまう。
インへリターズにとってアザーの力を宿すケインは厄介ではあるが待ち望んだ「獲物」でもあった。
マンスパイダーの姿になって暴れ狂ったケインだったが、ついにインへリターズに敗れ死亡した……と思われたが、実は生きていた
アザーに由来する力を失い、さらに顔や体の傷が再び現れてしまったものの、ケインはマンスパイダーの死骸から脱皮するように姿を見せた。

能力

もともとは細胞の変異のためピーターより体格も大きく、身体能力の一部はピーターを上回っていたが、スパイダーアイランド事件で完全な姿になって以降はピーターと同じになった。
また、スカーレット・スパイダーになってからも、ウェブで首を絞める、警官から奪った拳銃をすぐ発砲(しかも連射)する、奪った刀で敵の足を切断するなど、戦闘方法がかなり残忍で暴力的。
手加減や遠慮もしないため、場合によってはピーターより手ごわい存在だとドクター・オクトパスは評している。

  • 生体ウェブ
ウェブシューターは不要で、手首から直接出している。

  • 蜘蛛とのコミニュケーション
一種のテレパシーで蜘蛛を操ることができる。

  • マーク・オブ・ケイン
手のひらから熱を発し攻撃できる。暗殺者時代にはこれで被害者の顔に火傷の痕を残していた。
微調節することで自身の散髪・髭剃りにも応用できる。

  • 予知能力
スパイダーセンスが変化したものとして一種の予知能力を持っていたが、スパイダーアイランド事件以降は失っている。

  • スティング
手首から鋭い針を出す。針・棘のような形状だが、刺突だけでなく斬撃も可能。
実はアザーに選ばれた際に発現した能力であり、スパイダーバース事件でアザーの力を失って以降は使えなくなった。

  • マンスパイダーへの変身能力
  • 暗視能力
これもスパイダーバース事件でアザーの力を失って以降は使えなくなった。

また、使用しているスーツは不安定分子製らしく、耐火・耐音波・ステルス機能を持っている。

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最終更新:2021年07月25日 14:54

*1 ジョー・ウェイド彼らの方がスカーレット・スパイダーになったのは早いのだが

*2 ケインはこの時期すでに暗殺者になっており、クレイヴン・ザ・ハンターを生き埋めにし、彼の配下を殺害するなどの活動をしていた。

*3 後にこの復活は蜘蛛の神の使いである、アザーが自身の力の受け皿・依り代としてケインを選んだからと判明。