ダム・ダム・デュガン(Dum Dum Dugan) / ティモシー・アロイシウス・カドワラダー・”ティム”・デュガン(Timothy Aloysius Cadwallader "Tim" Dugan)

初出:Sgt Fury and his Howling Commandos #1(1963年5月)
種族:人間→人間の意識を移されたLMD、男性、地球人、アメリカ人

概要

S.H.I.E.L.D.のエージェントで、第二次世界大戦中はニック・フューリー率いる精鋭部隊ハウリング・コマンドーズの一員だった人物。
大柄で赤毛、イングリッシュ型あるいはシェブロン型に整えられた口ひげと山高帽(ボーラーハット。彼はアメリカ人なのでダービーハットと呼ぶこともある)がトレードマーク。
ニックネームの「ダム・ダム」*1はティモシーの略称「ティム」と強力な弾丸である「ダムダム弾」をかけたものと考えられる。
ゴジラと戦ったこともある*2歴戦の兵。

経歴

オリジン

マサチューセッツ州ボストン生まれ。アイルランド系。
家が貧しく、14歳でサーカスの怪力男兼パートタイムのボクサーとして働き、第二次大戦前はサーカスでイギリス各地を回っていた。
この頃、オランダで後の親友となるニック・フューリーと出会い、任務中だった彼とその上官サム・”ハッピー”・ソーヤー中尉を助けている。
その後はイギリス陸軍に入隊したデュガンだったが、ソーヤーに招かれ、米軍で新設されたハウリング・コマンドーズ(通称ハウラーズ)でフューリーの右腕として戦うことになった。

第二次大戦

ハウラーズでは伍長として、ナチスに捕まったフランスのレジスタンス救出や、対ハウラーズ用に創設されたブリッツクリーク・スクワッドとの戦闘、ドイツにおける核実験の阻止等に参加。
またその経験からソーヤーが新設した部隊の訓練などを任された他、キャプテン・アメリカバッキーと共に戦ったこともある。

大戦後

朝鮮戦争がはじまるとデュガンは軍に再入隊。再び結成されたハウラーズでフューリーと共に戦うことになった。1959年には、極秘任務用超人部隊の隊員のスカウトなども行っていた。

S.H.I.E.L.D.へ

1965年、デュガンはフューリーの誘いを受け、設立されたばかりのS.H.I.E.L.D.に所属することになった。
しかし翌1966年8月、フューリーと二人で臨んだ極秘任務で負傷。
意識を失うほどの重傷だったが、なんとか息を吹き返したデュガンはフューリーによって「インフィニティ・フォーミュラ」を注入されており、老化しない肉体と長い寿命を得た。
その後もS.H.I.E.L.D.の一員として最前線で活躍。多くのヒーローと苦楽を共にし、ヴィランと戦った。

ゴジラ・スクワッド

怪獣ゴジラが出現すると、対ゴジラ部隊ゴジラ・スクワッドの指揮官になったデュガンは、ヘリキャリアーを移動拠点としてかつてのハウリング・コマンドーズの仲間ゲイブ・ジョーンズや元FBIのジミー・ウーらとともにアメリカ国内で奔走。
ロサンゼルスでの戦闘ではついにヘリキャリアーを失ったものの、新たに特殊ヘリキャリア「ベヒモスIV」と巨大戦闘ロボット「レッド・ローニン」を受領。ゴジラがニューヨーク沖で海に帰るまで戦い続けた。

引退と復帰

内部の腐敗が発覚しS.H.I.E.L.D.が解散した際は引退したものの、S.H.I.E.L.D.が再び動き出すと復帰。
フューリーの補佐や、彼の不在時には代理を務めることもあったが、次第に前線からは遠のいていった。

シヴィル・ウォー前後

シヴィル・ウォーIの間、デュガンは、超人登録法反対派のキャプテン・アメリカを捕らえるために、いくつかの部隊とともに派遣されたが敗北。
シヴィル・ウォーIが終わり、トニー・スタークS.H.I.E.L.D.の長官に就任すると、デュガンはそれを承認できず辞表を提出した。しかし、S.H.I.E.L.D.にとって重要な存在であるデュガンの辞任は受け入れられなかった。
デュガンはウルヴァリンの追跡を担当することになったが、ダケンの襲撃によって重傷を負うことになった。

シークレット・インベージョン

キャプテン・アメリカの死の直後からワールドウォーハルク開始までの間にデュガンは襲撃され、スクラルによってすり替わっていた。デュガンの偽物は自爆攻撃で衛星軌道上のS.W.O.R.D.基地を破壊。
一連のスクラルとの戦闘後、他の誘拐されていた人物らと共に、本物のデュガンが発見された。

ハウリング・コマンドーズPMC

S.H.I.E.L.D.が解体された際、新しく結成されたH.A.M.M.E.R.に参加する権利を与えられたデュガンだったが
ノーマン・オズボーンの下で働くことを拒否し、「ハウリング・コマンドーズPMC(PMCは民間軍事会社の意)」を結成。
シークレット・ウォリアーズゴーゴン(ミュータント)と戦った際にはフューリーの要請を受けハウリング・コマンドーズPMCと共に参戦。
ハイドラリヴァイアサンとの戦いの中でPMCの多くの仲間を失い、自身も政府に逮捕されるも、一連の事件の後に釈放された。

ダッキー・ドーズン

しばらくしてデュガンは、ハワード・ザ・ダックによって採用され、Earth-12591のナチス・ゾンビによるEarth-616への侵攻を阻止するA.R.M.O.R.の作戦グループ「ダッキー・ドーズン」に参加した。
最初は躊躇したものの、デュガンはバトルスターらと任務に同行し作戦に貢献、無事Earth-616に帰還した。

LMD

デュガンはデイジー・ジョンソンの指揮下でS.H.I.E.L.D.が再編されると正式に復帰。

以前からフューリーが抱えていた最高機密である侵略者暗殺任務、いわゆる「マン・オン・ザ・ウォール」の手助けもおこなっていたがインフィニティ・フォーミュラが切れて年を取り始めたフューリーは、交代要員を探し始めた。
なぜ自分の血からインフィニティ・フォーミュラを取り出して、利用しないのだろうと考えていたデュガンだったが、フューリーの口から明かされたのは衝撃の事実だった。

「1966年8月、極秘任務で負傷したものの、デュガンはインフィニティ・フォーミュラを注入された」

あれはフューリーの嘘であり、デュガンはあの任務中に胸に跳弾を受け死亡。そして親友の死に耐えられなかったフューリーLMDの使用を決意。
デュガンのLMDが作成され、この瞬間まで自身が本物のデュガンだと信じて稼働してきたというのだ。
自身をフューリーの自己満足・正当化のための道具に過ぎないと断じたデュガンは二度と自分を甦らさないように願い、自身の頭を銃で撃ちぬいた。

復活

S.H.I.E.L.D.の新部門、S.T.A.K.E.が設立されると、マリア・ヒルは、その実戦部隊である新ハウリング・コマンドーズを指揮するためにデュガンを復活させることを決意。技術者にデュガンの予備LMDの一つを起動させた。
デュガンの意識が実際にはLMDのいずれにも保存されておらず、中心となる情報ソースから発信されていることを発見したからである。
自身が単なるコピーだと自嘲したデュガンだったが、本物のデュガンのやり残した仕事であるとマリア・ヒルに諭され、完全なシャットダウンと引き換えに新生ハウリング・コマンドーズの指揮官を引き受けた。
また同時にデュガンはS.H.I.E.L.D.と、ロベルト・ダコスタによって買収・改革されたA.I.M.の連絡役も兼任するようになった。

本物のデュガン

改革されたはずのA.I.M.S.H.I.E.L.D.に反逆したとき、マリア・ヒルロベルト・ダコスタを見つけるようジョン・ギャレットに圧力をかけた。
ギャレットは、S.H.I.E.L.D.にウイルスを開発させ、ギャレットに従うようデュガンの行動パターンを変更。
ギャレットはさらに、デュガンの予備のLMDをすべて起動し、意識のないロボット軍団に変えた。ギャレットとデュガン軍団がダコスタのアベンジャーズの基地を攻撃したとき、ダコスタ側の技術主任であるトニー・ホーは、デュガンの身体からギャレットの影響を取り除くことに成功した。その過程でトニー・ホーは、デュガンが連絡役になって以来、デュガンを研究していたことを明らかにし、デュガンの意識が、60年代から仮死状態で保存されていた彼の肉体にあることを発見した。
これによりデュガンは、自分の精神が人工的に作られたものではなく、本物であることを知ったのだった。

能力

人間として

常人としては高い筋力。銃とボクシングの名手でもある。
また指揮能力も高く、フューリーに代わってハウリング・コマンドーズの指揮を執ることもあった。

LMDとして

人間の限界を超えた各種身体能力。近距離から発射された拳銃弾を掴んで潰したこともあった。
破壊されても予備のボディに意識を移し、再起動・復活することが可能。

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最終更新:2021年06月24日 01:33

*1 バカや間抜けの意味のスラングでもある。

*2 対ゴジラ部隊「ゴジラ・スカッド」の隊長だった