キャプテン・マーベル(実写映画)


原題:Captain Marvel
公開:2019年3月8日(米), 2019年3月15日(日)
監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック

概要

マーベル・シネマティック・ユニバースの21作目。主人公はキャプテン・マーベルでブリー・ラーソンが演じた。

あらすじ

クリー帝国の戦士ヴァースは最近謎の女性が現れる夢を繰り返し見るようになり、眠れない日々が続いていた。
そんなある日、同胞の戦士ソー・ラーの救出任務を帯び、クリー司令官の指揮のもと国境の星へと向かう。
敵対するスクラルは変身能力を持ち仲間に化けることが可能性で、潜在意識に埋め込んだパスコードを口頭で照合しなければ見分けがつかない。
国境の惑星では原住民に出会うが案の定スクラルが化けており罠にかかったヴァースの部隊は交戦状態になる。ヴァースはソー・ラーを発見するが、彼もまたスクラルが化けた偽物で、ヴァースはスクラルの将軍タロスの部隊に捕らえられてしまう。
捕虜となったヴァースは幼少期からの記憶をスキャンされ、映し出されたのは見知らぬ惑星での生活の数々と夢に現れた謎の女性、ライトスピード・エンジンの開発者ローソン博士との記憶だった。
怪力を発揮し拘束器具を破壊したヴァースが脱出を試みると捕まっていたのはスクラルの宇宙船で、既に記憶に現れた惑星C-53(地球)の軌道上にあった。それでも脱出を敢行したヴァースは地球上のビデオショップに落下。
駆けつけたS.H.I.L.D.の調査員ニック・フューリーと新人のフィル・コールソンらに逮捕されかけたところに地球人に化けたスクラルの攻撃を受け、反撃して追跡するが取り逃してしまう。
スクラルの記憶スキャンに現れたいくつかのキーワードを頼りに向かった先でニック・フューリーと再開。「ペガサス」と「ローソン博士」というキーワードを頼りに向かった先はNASAの米軍施設だった。
倉庫を捜索したヴァースとフューリーは6年前の1989年、ローソン博士が飛行テスト中に墜落し死亡していることを突き止めるが、目撃者のマリア・ランボーの情報を得る。さらにヴァースは当時の写真になぜか自分が写っていること、ローソン博士の正体がクリー人のマー・ベルという人物で新型エネルギー・コアの開発に携わっていた諜報員であることを知る。
ルイジアナのマリア・ランボーの自宅に向かった2人はヴァースが空軍のパイロットを目指していた地球人の女性だったことを知る。
そこへタロスが現れ、当時のブラックボックスを聞くことでヴァースの記憶と真実が蘇るのだった。

その真実とはー
ローソン博士ことマー・ベルはエネルギー・コアを使った新型飛行機の開発に携わっていたが、ヴァースとのテスト飛行中に異星の戦闘機に襲われ、不時着。
2人の戦闘機を襲ったのは、クリー人で現在ヴァースの上官となったヨン・ロッグであること。
ヨン・ロッグはエネルギー・コア奪取の任務を帯びていて、マー・ベルを銃殺。コアを破壊するようにというマー・ベルの指示を受けヴァースがコアを撃つと爆発を起こし、それに巻き込まれたヴァースがコアの力を吸収してしまったこと。それを見た司令官ヨン・ロッグがヴァースをクリーに連れ去ったこと。
実はスクラルはクリーの侵略によって故郷の惑星を追われた難民たちで、マー・ベルは彼らを救うために長距離移動が可能なライトスピード・エンジンを開発していたことなどだった。
ヴァースの本名はキャロル・ダンヴァース、地球人であった。

マリアの娘、モニカのデザインでクリー戦闘服のカラーを変えたキャロルはエネルギーコアを求め、NASAの戦闘機を改造したジェット機で地球軌道上に隠されたマー・ベルのラボへ向かう。
ラボにはマー・ベルによってスクラルの難民たち6年間匿われていて、タロスはその中にいた家族と再会を果たす。さらにはエネルギー・コア、すなわち四次元キューブが安置されていたのだった。
そこへヨン・ロッグたちクリーの部隊が到着。制御装置が着けられていたキャロルは動きを封じられ、捕らえられてしまう。
キャロルは幻覚の中でスプリーム・インテリジェンスと邂逅し、そこで過去の敗北の記憶を見せつけられるが、彼女は思い出した。転んだ後には必ず自らの意思で立ち上がってきたことを。制御装置を破壊したキャロルは自力で幻覚から覚め、拘束を解くと圧倒的な力でクリーの部隊を撃退。
一方、ニック・フューリーやマリア・ランボーたちはNASAのジェット機にスクラルの難民たちを乗せ、ラボを脱出する。ヨン・ロッグが小型艇で追うが、キャロルもまた追い縋る。
地球に落下する最中、キャロルは自力飛行の能力を体得。ワープで現れたロナンの艦隊を単身で撃破すると、ヨン・ロッグも撃退し、自動操縦の小型飛空挺でクリーの主星ハラに送り返す。

戦いのあと、キャロルはスクラルのため安住の星を探すことをタロスに約束。そしてフューリーがキャロルの呼び名をマー・ベルにちなんでつけることを提案。キャロルはポケベルを改造し、緊急時に呼び出すための装置をニック・フューリーに託すと宇宙に飛び去って行った。
一方、フューリーは今後も訪れるであろう宇宙からの脅威に対抗するための計画を立案。ヒーローたちを探し集めることを目的とするその計画の名を、キャロルの写真に写る戦闘機に書かれたサイン"アベンジャー”をヒントに決定するのだった。

ミッドクレジットシーン

サノスの『スナップ』により全宇宙の知的生命体の半数が消滅した現在。スティーブ・ロジャーズたちアベンジャーズの面々がフューリーが残していったポケットベルを調査している。コールサインが消滅して困惑しているところに、キャロルが現れる。

ポストクレジットシーン

フューリーのデスクに上がったグースが飲み込んでいた四次元キューブを吐き出す。(実際ネコはすぐデスクやテーブルに上がるし、しょっちゅう吐く)

登場人物

キャロル・ダンヴァース(ヴァース)/キャプテン・マーベル ブリー・ラーソン クリー人の女戦士。怪力や両手からフォトン・ブラストを発するなどの能力がある。
ニック・フューリー サミュエル・L・ジャクソン S.H.E.I.L.D.のエージェント
タロス ベン・メンデルソーン スクラルの将軍。フューリーの上官ケラー役との二役。
ヨン・ロッグ ジュード・ロウ クリーの司令官
ミン・エルヴァ ジェンマ・チャン ヨン・ロッグに忠実なクリーの女戦士
マリア・ランボー ラシャーナ・リンチ キャロルの元同僚でパイロット
ウェンディ・ローソン博士(マー・ベル) アネット・ベニング 空軍の研究者に扮しているが実はクリー人。またスプリーム・インテリジェンスの姿は最も尊敬している相手に見えるため、キャロルにはローソン博士に見える。
フィル・コールソン クラーク・グレッグ S.H.I.L.D.の新人エージェント
モニカ・ランボー アキラ・アクバー マリアの娘
ロナン リー・ペイス ロナン・ジ・アキューザー。「告発者」の異名を持ち単独で他者を裁き、刑を執行する権限を持つ。
グース ロジー、ゴンゾ、アーチー、リッソ NASAの施設にいた猫。実はフラーケンという危険な宇宙生物

トリビアやイースターエッグなど

  • スタン・リーが 2018年11月12日に死去。オープニングのマーベルのロゴは彼を偲ぶバージョンになり、"THANK YOU STAN"の文字が表示される。
  • ニック・フューリーの片目が失明している理由が猫型宇宙生物フラーケンのグースに引っ掻かれたためであることがわかる。
  • 最後にキャロルを呼び出すために改造されたポケベルはもちろん『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でニック・フューリーが消滅する直前に使用したもの。
  • マリア・ランボーの娘モニカは原作ではキャプテン・マーベルの名を継ぐキャラクター。また2023年公開予定の映画『マーベルズ』に登場予定である。今回はキャロルから『おチビ中尉』("Lieutenant Trouble")と呼ばれるが、アメリカ空軍などで"Lieutenant"は"Captain"の1つ下の階級である。 またマリア・ランボーの機体には"Photon"のコールサインが記述されていて、これはモニカが一時期名乗っていたヒーロー名である。
  • ストーリーの終盤にキャロルがスクラルの安住の星を探すという約束をするが、これは30年間果たされることはなく、2023年のドラマ『シークレット・インベージョン』につながることとなる。
  • マー・ベルという名は原作では初代キャプテン・マーベル(男性キャラ)の名である。また原作ではウォルター・ローソンという男性の博士が登場。彼はマー・ベルとヨン・ロッグの戦いに巻き込まれて死亡し、マー・ベルは地球に潜入調査するためローソン博士の名を借りて生活していた。つまり本来は別人である。


最終更新:2023年07月14日 01:49