カーネイジ
Carnage / クレタス・キャサディほか Cletus Kasady and others
初出:The Amazing Spider-Man #344(キャサディとして),#361(カーネイジとして)
種族:宇宙の寄生生命体
シンビオートと人間の結合体
概要
スパイダーマンにとってはトラウマ的存在の凶悪な
ヴィラン。
ヴェノムの
シンビオートから産まれた子が、連続殺人犯のクレタス・キャサディに取り憑き、殺戮を好む残虐な共生体となった。
悪役だがミニシリーズを中心に常に個人タイトルが出版され続けているほどの人気キャラ。
能力
体のどの部分からでも細胞を糸のように伸ばし、
スパイダーマンのウェブのように使える。
壁に張り付くことができる。
スパイダーセンスのように危険を感知でき、逆に
スパイダーマンには感知されない。
変身能力。
シンビオートの色や形、硬さを思い通りに制御し、普通の衣類のように変えることもできれば、周囲の環境にとけ込んでカモフラージュすることもできる。
また、
ヴェノムには無い能力として細胞の一部をヤリや斧、ナイフなど固形の武器に変化させることができる。
細胞を植物のツルのように相手の頭に巻き付けることで、思考を流し込むことができる。
また2010年の作品"
Carnage"では人工強化スーツと結合したことで翼を作り出し、飛行能力を得た。
オリジンと経歴
シンビオートとは寄生生命体であり、宿主のクレタス・キャサディはサディストのサイコパスで殺戮者である(クレタス・キャサディは、サイコパスの治療院である
レイブンクロフトで生まれているという秘密がある)。
キャサディは子供の頃から残虐で、祖母を階段から突き落として殺し、更に母の飼い犬を虐待した上で殺した。
そして孤児院に収容されるが反社会的な行いから他の児童やスタッフから虐待を受けるようになる。その復讐として院長を殺し、デートを拒否した少女をバスに押し出して轢き殺させ、さらに孤児院に放火してしまう。
かくして彼がこの孤児院で身につけたのは、「人生とは無意味で無駄なものである」「法律なんて言葉だけ」「無秩序で不規則な流血の広がりこそが究極の自由」という哲学だった。
シンビオートとの出会い
やがてキャサディは連続殺人犯となり、11件の殺人で逮捕され刑務所に収監された(他にあと1ダースは殺したんだがな、と自慢して)。
ここで当時
シンビオートの
ヴェノムと共生状態であった
エディー・ブロックと同室になる。
エディーは
ヴェノムの力で刑務所を脱走したが、このとき知らずに
シンビオートの子を残してしまった。
これがキャサディの体内で血液と結びついて共生状態になり、カーネイジとなった。
カーネイジの力で刑務所を脱走すると、再び連続殺人を続けた。その現場の壁には必ず自らの血で書いた"
Carnage"の文字を残していた。
スパイダーマンはカーネイジを発見するが全く歯が立たず、ヴェノムと共闘してやっとのことで倒すことに成功した。しかし
シンビオートはキャサディの血液の中で生き残っていた。
マキシマムカーネイジ
その他の宿主
実はカーネイジの
シンビオートは、キャサディと血液で結びついても宿主を変えることができる。
刑務所長に取り憑いて脱走すると、当時
スパイダーマンだったベン・ライリー(元祖
スパイダーマン、ピーター・パーカーのクローン)は
シンビオートが無辜の市民を傷つけないようにするため、自分に取り憑かせることを選び、スパイダー・カーネイジとなった。
また、
シルバーサーファーと結合してコズミック・カーネイジになったこともある。
トキシン誕生
"
Venom vs. Carnage #1〜4"で、カーネイジのシンビオートは自らの子を警察官のパトリック・マリガンに産みつけた。彼はヴェノムとカーネイジを片手で凌駕するほどの力を持つ
トキシンに変身した。
しかし、パトリックは強靭な意思でその力を正義のために行使した。
死と復活、スコーン誕生
これでカーネイジは死んだと思われていたが、実は仮死状態になっただけだった。
ある日、実業家のマイケル・ホールという男が義手や義足として機能するスーツを作り上げたのだが、実はそのパーツに宇宙で回収したカーネイジの細胞を使っていたのである。腕を失った精神科医タニス・ニーヴスがこれを着用すると、暴走してしまい、蘇生した
シンビオートがタニスに寄生して新たなカーネイジとなった。このとき、義手と融合した影響か飛行能力を得る。
しかし、キャサディもまた下半身を
サイボーグ化されながらも生きていることが明らかになったため、
シンビオートは再び彼の元に戻り、融合した。このとき、カーネイジが産み落とした子がタニスと共生し新たなスーパーヒロインの
スコーンとなった。("
Carnage"#1~5,2010年)
(carnages#3,2011年3月)
女性精神科医タニスと結合したカーネイジ。胸部に女性らしいボディライン。両手の膜で飛行能力を得た。
カーネイジU.S.A(2011年)
ミニマム・カーネイジ
アルティメット版
アルティメット版の
シンビオートはオリジナル版とは全く設定が違う。
こちらではピーター・パーカーの父リチャードが開発した癌治療用の医療器具で、ゲル状の人工生命体スーツである。これを着用することで治療が促進されるというものだった。
これに様々なDNAを掛け合わせたものがアルティメット版カーネイジである。
オリジン
リザードから人間に戻ることに成功したカート・コナーズ博士の元に、戦いで傷ついた
スパイダーマンが訪れる。
コナーズは
スパイダーマンに応急処置を施すが、後で残された血液サンプルを研究するという欲求に逆らえなかった。
その遺伝子の完璧さに魅せられたコナーズは、これを利用すれば癌だけでなくあらゆる難病を治療できると考えた。
そしてピーターに許可を得て、コナーズは助手のベン・ライリーと共に実験を始めることになった。
二ヶ月後、コナーズは自らの
リザードとしての遺伝子と
スパイダーマンの遺伝子を掛け合わせ、さらにピーターの父リチャードが残した
シンビオートを造る技術を用い(おそらくリチャードの遺伝子も含まれている)試験管の中で胎児を造り出した。
しかしこの胎児は試験管を逃げ出し、警備員や通行人の血液とDNAを摂取しながら成長。やがて成体となり、カーネイジとなった。
カーネイジは
グウェン・ステイシーの死という最悪の事態を招いた後、
スパイダーマンによって抹殺された。
能力
スパイダーマンのように壁を登り、細胞をウェブと化して射出する。
リザードのように鋭い牙と爪を持つ。
他人から血液とDNAを吸収する。DNAを吸収すると、その人間の姿に変身することもある。
トリビア
当初、
ヴェノムをもっと悪役に使おうというアイデアがあったのだが、
ヴェノムが一種のヒーローとなってしまい人気がでたので、「良心を持たない
ヴェノム」というキャラとしてカーネイジを制作した。
最終更新:2023年10月22日 03:43