真実を惑わせる鏡なんて割ればいい ◆gry038wOvE
許せない……。
許せないじゃないかよ、こんな事!!
人を殺したのに、その事実さえ間接的に人を死に至らしめたのに……悪びれる様子一つ見せないなんて……!! どうかしてるよ……!!
結果的に劉鳳さんを殺したのは俺だけど……でも、こいつだって罪悪感や後悔の念にかられてもおかしくないはずだろ!!
どうしてこんな冷淡に構えて、どうしてこんなに冷徹な瞳をしてるんだよ!!
自分の罪を理解していないんじゃない。理解したうえで、こんな態度をとっているんだ。だから戦ってる……。自分のために。
戦わなければ生き残れないからって、この子は人を殺す。
楽しんで人を殺す浅倉よりはましかもしれない。……だけど、それならわかってくれるかもしれないんだ……。
許せないじゃないかよ、こんな事!!
人を殺したのに、その事実さえ間接的に人を死に至らしめたのに……悪びれる様子一つ見せないなんて……!! どうかしてるよ……!!
結果的に劉鳳さんを殺したのは俺だけど……でも、こいつだって罪悪感や後悔の念にかられてもおかしくないはずだろ!!
どうしてこんな冷淡に構えて、どうしてこんなに冷徹な瞳をしてるんだよ!!
自分の罪を理解していないんじゃない。理解したうえで、こんな態度をとっているんだ。だから戦ってる……。自分のために。
戦わなければ生き残れないからって、この子は人を殺す。
楽しんで人を殺す浅倉よりはましかもしれない。……だけど、それならわかってくれるかもしれないんだ……。
真司はアドベントカードを使わなかった。
使うことに躊躇がある。モンスターでもない、ライダーでもない。人間の姿をしている。それも、年端もいかない少女の姿を。
龍騎はただでさえ戦闘力の強い存在である。パンチ力、キック力はいずれも人を一瞬で気絶させるには充分なパワーを持っている。
使うことに躊躇がある。モンスターでもない、ライダーでもない。人間の姿をしている。それも、年端もいかない少女の姿を。
龍騎はただでさえ戦闘力の強い存在である。パンチ力、キック力はいずれも人を一瞬で気絶させるには充分なパワーを持っている。
「はああああぁぁぁぁぁっ!!!」
だが、手加減で通用する相手でないことは理解している。シャナに対する龍騎のパンチは、全て「剛拳」と呼ぶに値する凄まじい威力のものであった。
真司が睨んだとおり、シャナはそれを全て避けきっている。少女、女、人間。そのどれもが避けきることができないであろうパンチが全て紙一重でかわされていくのだ。
自分の真横。一ミリほどしか間のない位置に攻撃を受けてもシャナは余裕で避けきっている。通常なら怯えるようなギリギリの位置だというのに。
真司が睨んだとおり、シャナはそれを全て避けきっている。少女、女、人間。そのどれもが避けきることができないであろうパンチが全て紙一重でかわされていくのだ。
自分の真横。一ミリほどしか間のない位置に攻撃を受けてもシャナは余裕で避けきっている。通常なら怯えるようなギリギリの位置だというのに。
「あなた何? 徒っていうわけでもなさそうだけど」
シャナにはこうして戦闘中に無駄口を叩く余裕まであるのだ。
真司も龍騎の力によって、疲労は最小限で息切れも少ないため、それに答える。
真司も龍騎の力によって、疲労は最小限で息切れも少ないため、それに答える。
「俺はライダーだ!!」
「ライダー? 見た感じ、馬には乗っていないようだけど」
「ライダー? 見た感じ、馬には乗っていないようだけど」
何故、ライダーが「仮面ライダー」という名前なのかは真司も知らない。
ライドシューターやドラグランザーは確かに騎馬ともいえるが、それは戦闘のメインとなるものではないからだ。
そこにどんな意味があるのかなど詳しく考えたことはない。
ライドシューターやドラグランザーは確かに騎馬ともいえるが、それは戦闘のメインとなるものではないからだ。
そこにどんな意味があるのかなど詳しく考えたことはない。
「あんたは!?」
「?」
「あんたはどうして、そんな力が出せるのかって」
「それを聞いてどうするの?」
「?」
「あんたはどうして、そんな力が出せるのかって」
「それを聞いてどうするの?」
シャナは避けるだけでなく、龍騎の腹部をゲイボルグで突く。
避けていたのは「遊んでいたから」だった。必死でパンチを突く龍騎を、余裕でかわしていくシャナ。龍騎にプライドがあったなら、これほど腹立たしいことはないだろう。
それを攻撃に切り替える。タイミングよくプライドを崩す戦法だ。シャナは挑発しているつもりだが、どうやら真司はそれを理解していない。「別の部分」での怒りが挑発など押し殺している。
シャナにしてみれば、目の前の男が気に入らない存在であるのは言うまでもない。正義のようなことを語った挙句、やっていることは自分のミスによる殺人の責任転嫁。救えぬ偽善者だ。
その偽善者に、シャナが与えた傷は小さかったらしく、龍騎は問題なくシャナの質問に答えた。
避けていたのは「遊んでいたから」だった。必死でパンチを突く龍騎を、余裕でかわしていくシャナ。龍騎にプライドがあったなら、これほど腹立たしいことはないだろう。
それを攻撃に切り替える。タイミングよくプライドを崩す戦法だ。シャナは挑発しているつもりだが、どうやら真司はそれを理解していない。「別の部分」での怒りが挑発など押し殺している。
シャナにしてみれば、目の前の男が気に入らない存在であるのは言うまでもない。正義のようなことを語った挙句、やっていることは自分のミスによる殺人の責任転嫁。救えぬ偽善者だ。
その偽善者に、シャナが与えた傷は小さかったらしく、龍騎は問題なくシャナの質問に答えた。
「知りたいんだよ……。俺があんたに、あんたの罪をわかってほしいから……。俺はあんたをわかりたいんだ!!」
自分の腹に刺さるような形で突いてあるゲイボルグを両手で押さえながら、龍騎は言う。
幸い急所は外しているものの、ゲイボルグの威力とシャナの戦闘力が重なったダメージを龍騎のスーツは完全に吸収することができなかった。
幸い急所は外しているものの、ゲイボルグの威力とシャナの戦闘力が重なったダメージを龍騎のスーツは完全に吸収することができなかった。
「はああああぁぁぁぁっ!!!」
龍騎はゲイボルグを抜く。ダメージは大きいが、スーツが攻撃を吸収してくれたお陰で内部で出血には至っていない。棒で突かれたダメージとさして変わらないのだろう。
通常ならば抜いてはいけないが、龍騎であったためにそれは免れた。
通常ならば抜いてはいけないが、龍騎であったためにそれは免れた。
「教えないと言ったら?」
「戦いで知る。俺はわからせるために戦うことを選んだ。だから、知ってもらう代わりに戦いであんたを知る!」
「戦いで知る。俺はわからせるために戦うことを選んだ。だから、知ってもらう代わりに戦いであんたを知る!」
シャナがフレイムヘイズであるということは明かされない。別に隠すことではない。
だが、こうして熱血教師のような事を言われてもシャナの胸には響かなかった。響かなければ、説教など「うざいだけ」に過ぎない。
龍騎が知りたくても、シャナはただ真司が気に入らないから、真司が求めるものに逆らう。
戦いの中で、会話の中でシャナは城戸真司という男を嫌いになっていく。腹が立っていく。その結果──
だが、こうして熱血教師のような事を言われてもシャナの胸には響かなかった。響かなければ、説教など「うざいだけ」に過ぎない。
龍騎が知りたくても、シャナはただ真司が気に入らないから、真司が求めるものに逆らう。
戦いの中で、会話の中でシャナは城戸真司という男を嫌いになっていく。腹が立っていく。その結果──
「やめた」
「え?」
「戦闘をやめる。急に面倒になったの」
「え?」
「戦闘をやめる。急に面倒になったの」
シャナは龍騎に背を向けて、すたすたと歩いていく。
それは、龍騎が戦いを望んだから。シャナは首輪の回収をしたいという気持ちよりも、この男の性格や態度に対する苛立ちが強かった。だから、シャナはたとえこの戦闘が有利に運ばれていたとしても戦闘を休止する。
その場にいた者は皆、シャナのあまりの気まぐれぶりに呆気にとられた。
それは、龍騎が戦いを望んだから。シャナは首輪の回収をしたいという気持ちよりも、この男の性格や態度に対する苛立ちが強かった。だから、シャナはたとえこの戦闘が有利に運ばれていたとしても戦闘を休止する。
その場にいた者は皆、シャナのあまりの気まぐれぶりに呆気にとられた。
「お……おい、待てよ!」
シャナは真司の言葉を無視する。振り向きもしない。たとえ不意打ちされたとしてもシャナはそれに気付くことが出来るのだから。
龍騎が早歩きのシャナを走って追う。が、自分の体がミラーワールドのタイムアップのように消えかかっていることに気付き、それをやめる。制限が発動したのだ。龍騎は仕方なく変身を解く。
あのまま戦っていれば危険だった。この首がなくなるのもおかしくないことだっただろう。真司の首に巻かれた鉄の金具も、おそらく翠星石のものも、泉新一のものもなくなっていた。
真司は龍騎の変身が解けたことを悟られないよう、ここで黙っているしかない。でなければ、このままシャナに勝機を狙われて、力ない翠星石や傷を負った新一まで危険に晒すことになるのだ。
竜のフリをする。ただのちっぽけな人間に過ぎない真司は、黙って龍のフリをしていなければならなかった。
龍騎が早歩きのシャナを走って追う。が、自分の体がミラーワールドのタイムアップのように消えかかっていることに気付き、それをやめる。制限が発動したのだ。龍騎は仕方なく変身を解く。
あのまま戦っていれば危険だった。この首がなくなるのもおかしくないことだっただろう。真司の首に巻かれた鉄の金具も、おそらく翠星石のものも、泉新一のものもなくなっていた。
真司は龍騎の変身が解けたことを悟られないよう、ここで黙っているしかない。でなければ、このままシャナに勝機を狙われて、力ない翠星石や傷を負った新一まで危険に晒すことになるのだ。
竜のフリをする。ただのちっぽけな人間に過ぎない真司は、黙って龍のフリをしていなければならなかった。
『シンイチ、これで良い。とりあえずヤツは退却した』
黙っていたミギーが急に喋りだす。
龍騎とシャナの戦闘力に驚愕していた新一は我を取り戻し、ミギーの言葉に否定をかける。フレイムヘイズとライダー。パラサイトと充分に渡り合えるであろう存在。もし、こんな人物たちが「後藤」の打倒に協力してくれればどんなに嬉しいことか。
巨大なダメージを理由にして、新一はその戦闘を黙って見ていた。そして、シャナを殺さなければならないというのに、こうして黙ってその背中を見送ることしかできなかった。
龍騎とシャナの戦闘力に驚愕していた新一は我を取り戻し、ミギーの言葉に否定をかける。フレイムヘイズとライダー。パラサイトと充分に渡り合えるであろう存在。もし、こんな人物たちが「後藤」の打倒に協力してくれればどんなに嬉しいことか。
巨大なダメージを理由にして、新一はその戦闘を黙って見ていた。そして、シャナを殺さなければならないというのに、こうして黙ってその背中を見送ることしかできなかった。
「ミギー。それじゃあ駄目なんだ。駄目なんだよ……!」
新一は深いダメージを負っている体を震わせて、パラサイトの寄生のお陰で身に付いた驚異的な身体能力でシャナに向かって走る。
そうして新一が必死で振っている右手がシャナに向かって伸びていく。
そうして新一が必死で振っている右手がシャナに向かって伸びていく。
『見てろ、シンイチ。不意打ちをしても無駄だ』
シャナはミギーの不意打ちに気がつき、咄嗟に振り向いてビルテクターを構えた。先ほどの戦闘では使う必要がなかったために使わなかったが、避けるという行為そのものが面倒である今は手軽にビルテクターを使いたい。
だが、シャナを防いだのはビルテクターじゃなかった。三重の盾が存在している、そのうちの一つだった。
城戸真司。その体の前に構えられたデイパック。体を盾に庇ったわけじゃない。偶然にも転がっていたデイパックを盾にすることができたので、真司自身も血を流さずにシャナを庇うことが出来たのだ。
無論、ビルテクターを構えたシャナは彼がいなくても平気だったし、ミギーもシャナを殺すつもりで襲ったわけではないのだから、真司が盾になった行為はまるっきり無意味といえる。
だが、シャナを防いだのはビルテクターじゃなかった。三重の盾が存在している、そのうちの一つだった。
城戸真司。その体の前に構えられたデイパック。体を盾に庇ったわけじゃない。偶然にも転がっていたデイパックを盾にすることができたので、真司自身も血を流さずにシャナを庇うことが出来たのだ。
無論、ビルテクターを構えたシャナは彼がいなくても平気だったし、ミギーもシャナを殺すつもりで襲ったわけではないのだから、真司が盾になった行為はまるっきり無意味といえる。
「おい、何も殺そうとしなくたっていいだろ!!」
「どいてくれ……!! 人間は殺したくない!!」
「俺は人間じゃなくても殺したくない!! たとえ相手が誰だって、そいつを殺したら『殺し合いに乗った』ことになるんじゃないかよ!!」
「犠牲者が減るんだ……。そいつを殺せばきっと!!」
「でも、殺したくないんだよ!! 俺は殺したくない!! 誰にも殺してほしくない!!そう思う心が人間に残された宝なんじゃないか!!」
「うっ……」
「俺はわからせたいだけなんだ!! 人間は獣(モンスター)じゃない!! 言葉が通じるなら、同じように心を持っているなら……わかってもらえるはずなんだよ!! 俺は確かに劉鳳さんを殺してしまったけど、戦いを止めたい!!」
「どいてくれ……!! 人間は殺したくない!!」
「俺は人間じゃなくても殺したくない!! たとえ相手が誰だって、そいつを殺したら『殺し合いに乗った』ことになるんじゃないかよ!!」
「犠牲者が減るんだ……。そいつを殺せばきっと!!」
「でも、殺したくないんだよ!! 俺は殺したくない!! 誰にも殺してほしくない!!そう思う心が人間に残された宝なんじゃないか!!」
「うっ……」
「俺はわからせたいだけなんだ!! 人間は獣(モンスター)じゃない!! 言葉が通じるなら、同じように心を持っているなら……わかってもらえるはずなんだよ!! 俺は確かに劉鳳さんを殺してしまったけど、戦いを止めたい!!」
前に、真司は浅倉の存在について悩んだ事がある。
蓮は浅倉をモンスターと喩えた。だが、彼を支えに生きた少女の存在を知った。
そう、誰だって生きていれば誰かの支えになっているはずなのだ。人間一人が死ぬということは、何人もの人間に影響を与えることになるのだ。
それがわかった。
やはり、真司はライダーバトルを止めようと思っていたように、このバトルロワイアルを止めたいのだ。殺したくないだけじゃない。誰かが誰かを殺す醜い部分を見たくないのだ。
蓮は浅倉をモンスターと喩えた。だが、彼を支えに生きた少女の存在を知った。
そう、誰だって生きていれば誰かの支えになっているはずなのだ。人間一人が死ぬということは、何人もの人間に影響を与えることになるのだ。
それがわかった。
やはり、真司はライダーバトルを止めようと思っていたように、このバトルロワイアルを止めたいのだ。殺したくないだけじゃない。誰かが誰かを殺す醜い部分を見たくないのだ。
『シンイチ、この人間のいうことは理解したがいが、今は殺すのはやめておこう』
「でも……放っておけば次から次へと犠牲者が……!」
『私の知ったことではない。私は私の身が大切だ。次にシンイチの身が大切だ。他は知った事ではない』
「あのなぁ! 俺の身を案じてくれるのはありがたいが、どうしてそんな考え方しかできないんだよ!」
『それも私自身のためだ。感謝されることはしていない』
「あのなぁ……感謝してやってるんだから少しくらい喜べよ」
『感謝されて喜ぶほど、私の心は余裕(ヒマ)じゃないぞ』
「でも……放っておけば次から次へと犠牲者が……!」
『私の知ったことではない。私は私の身が大切だ。次にシンイチの身が大切だ。他は知った事ではない』
「あのなぁ! 俺の身を案じてくれるのはありがたいが、どうしてそんな考え方しかできないんだよ!」
『それも私自身のためだ。感謝されることはしていない』
「あのなぁ……感謝してやってるんだから少しくらい喜べよ」
『感謝されて喜ぶほど、私の心は余裕(ヒマ)じゃないぞ』
一人の高校生の右手との喧嘩や、無用な正義感を見せた「うざったい」男に呆れと苛立ちを感じたシャナはそのままその場にいる全員に背を向けて去っていく。
本当に腹が立つ。そう、まるで目の前で善意を見せ付けられたような。
まるでこれからシャナが深く関わることになるはずだった「あるミステス」が自分の存在と引き換えに学校を直した時と似ている。……このシャナがそんなことを知る由もないが。
本当に腹が立つ。そう、まるで目の前で善意を見せ付けられたような。
まるでこれからシャナが深く関わることになるはずだった「あるミステス」が自分の存在と引き換えに学校を直した時と似ている。……このシャナがそんなことを知る由もないが。
「……あ。あのチビ人間、逃げやがったですぅー」
翠星石は振り向いているのをいいことに舌を出す。が、その瞬間にシャナにギロッと睨まれて顔が青ざめる。そして、怯えて真司の背中に隠れた。
真司は翠星石のそんな態度が嬉しかった。先ほどまで、劉鳳を殺した仇としてキツい言葉を浴びせられ続けたのにも関わらず、こうして信じて頼ってくれることに、思わず微笑んでしまう。
真司は翠星石のそんな態度が嬉しかった。先ほどまで、劉鳳を殺した仇としてキツい言葉を浴びせられ続けたのにも関わらず、こうして信じて頼ってくれることに、思わず微笑んでしまう。
「何笑っていやがるですか!! この真っ赤っか人間!! 気持ち悪いですぅー!! 近寄るなですぅー!!」
などと言いつつ、翠星石は真司のズボンを掴んでいた。
シャナの姿がまだ見えているから仕方ないかもしれないが、そうして口の悪さを発揮するからには少しでも離れるくらいの意地は見せて欲しい。
しかし、口は悪いが何と微笑ましい女の子だろう。
シャナの姿がまだ見えているから仕方ないかもしれないが、そうして口の悪さを発揮するからには少しでも離れるくらいの意地は見せて欲しい。
しかし、口は悪いが何と微笑ましい女の子だろう。
「そうだ、言いたいことがあるから真っ赤っか人間も、ゴムゴム人間も……一応ついでに右手人間(?)も耳かっぽじってよく聞きやがれですぅー」
シャナの姿が完全に見えなくなった辺りで、未だに右手と喧嘩している新一を、翠星石は呼びかけた。
「……さっきはありがとう……ですぅ」
「え?」
「さっき、二人とも翠星石を庇ってくれたですぅ。よ……用はそれだけですぅ。わかったらとっとと『どういたしまして』と言いやがれですぅ!!」
「え?」
「さっき、二人とも翠星石を庇ってくれたですぅ。よ……用はそれだけですぅ。わかったらとっとと『どういたしまして』と言いやがれですぅ!!」
新一と真司は顔を見合わせた。素直に感謝の言葉が言えないあたり、子供っぽさを感じる。……にしては口が悪すぎる。
とりあえず、二人はやや頬の綻びを直せないまま、「どういたしまして」と言った。
とりあえず、二人はやや頬の綻びを直せないまま、「どういたしまして」と言った。
『ところでシンイチ』
「なんだ?」
『ああいうのを何というか知ってるか?』
「何だ?」
『ツンデレというらしい』
「……なんでそんな事知ってるんだ?」
『どこかの村では昭和五十八年の時点で存在していた言葉らしいぞ』
「へぇー。特にためにならない話だな」
『しかしシンイチ。心に余裕(ヒマ)を持つのもたまにはいいかもしれないな……。君に感謝されても嬉しくないが、今感謝されたのは少し嬉しかったぞ』
「このやろ!」
「なんだ?」
『ああいうのを何というか知ってるか?』
「何だ?」
『ツンデレというらしい』
「……なんでそんな事知ってるんだ?」
『どこかの村では昭和五十八年の時点で存在していた言葉らしいぞ』
「へぇー。特にためにならない話だな」
『しかしシンイチ。心に余裕(ヒマ)を持つのもたまにはいいかもしれないな……。君に感謝されても嬉しくないが、今感謝されたのは少し嬉しかったぞ』
「このやろ!」
新一は頬を歪ませながら、口が悪い右手を軽く叩く。
そんなふざけた心情の中で、新一は思う。
ミギーにも何か……人の心が生まれたのだろうか? 感謝されて嬉しいなんて、まるで人間のようではないか。単なるツンデレパワーではないだろう。
そんなふざけた心情の中で、新一は思う。
ミギーにも何か……人の心が生まれたのだろうか? 感謝されて嬉しいなんて、まるで人間のようではないか。単なるツンデレパワーではないだろう。
(寄生生物の発情期か……?)
『シンイチ、君が今考えていたことはなんとなくわかったぞ』
「え……?」
『今、君はこう思っていた。「俺はツンデレに発情する。口が悪いと嬉しい。人間を生まれさせたい」と……』
「思ってねぇ!!」
「え……?」
『今、君はこう思っていた。「俺はツンデレに発情する。口が悪いと嬉しい。人間を生まれさせたい」と……』
「思ってねぇ!!」
「死にやがれゴムゴム人間ですぅーーー!!!!」
新一に対する翠星石のパンチは、「剛拳」と呼ぶに値する凄まじい威力のものであった。
─────
シャナに死亡者の羅列は不要であった。
知り合いの名前はなく、先ほど交戦した人間たちもこんな短時間で死ぬはずがない。残り人数はしっかりと耳に入れて記憶した。
禁止エリアも地図に書き込むことなく記憶したが、シャナのいる地点ではしばらく気にする必要もなかった。
それらを記憶しながらも、シャナの頭は苛立ちでいっぱいだった。
知り合いの名前はなく、先ほど交戦した人間たちもこんな短時間で死ぬはずがない。残り人数はしっかりと耳に入れて記憶した。
禁止エリアも地図に書き込むことなく記憶したが、シャナのいる地点ではしばらく気にする必要もなかった。
それらを記憶しながらも、シャナの頭は苛立ちでいっぱいだった。
「本当に、なんて変な、じゃない、妙な、違う、嫌な、そう、嫌な奴!」
シャナは思った。
真司が戦いを望まなくなった時、その時にシャナは真司と戦う。
真司が人の死を望まないなら、首輪のサンプルをいくつでも増やしてやる。
真司が戦いを望まなくなった時、その時にシャナは真司と戦う。
真司が人の死を望まないなら、首輪のサンプルをいくつでも増やしてやる。
シャナはつまり、極端な反抗期なのであった。
─────
改めて聞く劉鳳の名は一瞬にして空気を破壊した。
放送が始まってしまったのだ。
長い間止まる時間。なんてタイミングの悪い放送だろう。殺し合いにつかの間の休息かと思いきや、その空気をぶち壊すかのような死亡者の羅列。
放送が始まってしまったのだ。
長い間止まる時間。なんてタイミングの悪い放送だろう。殺し合いにつかの間の休息かと思いきや、その空気をぶち壊すかのような死亡者の羅列。
「し……真紅?」
ドール仲間の真紅が。死んだ。ジュンとの契約以前とはいえ、姉妹の死には心が強い衝撃を受けた。……やはり共に紅茶を飲んだ時間は忘れられない。
後で呼ばれた劉鳳の名も、翠星石の心を痛める。
後で呼ばれた劉鳳の名も、翠星石の心を痛める。
「翠星石……」
「あのチビ人間……翠星石に適当な情報を教えやがってるんですぅ!!」
「あのチビ人間……翠星石に適当な情報を教えやがってるんですぅ!!」
そんなはずがないということはわかっている。死んだ劉鳳の名が呼ばれているにも関わらず、死んでない人間の名前が呼ばれるはずがない。
知り合いの死という悲劇的な事実で頭が混乱しているとはいえ、その程度の計算はできている。
認めたくないだけだ。
知り合いの死という悲劇的な事実で頭が混乱しているとはいえ、その程度の計算はできている。
認めたくないだけだ。
『諦めるべきだ。「真紅」とかいう人間は死んだと考えた方がいい』
「ばか!」
「ばか!」
パラサイトにデリカシーはない。こうして事実から遠ざかり可能性に甘える人間がミギーは嫌悪さえ覚えた。
突発的に、「ばか!」とミギーに怒鳴った新一もまた、「何も言うことが出来ない雰囲気」に言葉を発してしまったことを後悔した。
新一は大切なものを失ったことがある。だが、その時は妙に落ち着いていた。かけがえのない存在が消えてしまったことに、涙は出なかった。
そんな自分が悲しかった。
音を発するもの、声を発するもの、全てが五月蝿い雑音に聞えるだけの怒りはあった。だから、新一はミギーと、自分自身に腹を立てた。
突発的に、「ばか!」とミギーに怒鳴った新一もまた、「何も言うことが出来ない雰囲気」に言葉を発してしまったことを後悔した。
新一は大切なものを失ったことがある。だが、その時は妙に落ち着いていた。かけがえのない存在が消えてしまったことに、涙は出なかった。
そんな自分が悲しかった。
音を発するもの、声を発するもの、全てが五月蝿い雑音に聞えるだけの怒りはあった。だから、新一はミギーと、自分自身に腹を立てた。
「生きてる…………そう信じたっていい。いや、裏切られるまで信じ続けるべきなんだ。誰だって自分の身内が死んだなんて考えていいことなんて何もない。そうだろ? ミギー」
『君は何度か経験しているからな。無理もない。だが、シンイチ。あの時……自分に接近するパラサイトの正体が自分の母親だと気づいた時の君は、とても見てはいられなかったぞ』
「君、こんなヤツの言うことなんて聞かなくていいんだ。真紅……だっけ? その人が生きてると思ったって……」
「黙りやがれです」
『君は何度か経験しているからな。無理もない。だが、シンイチ。あの時……自分に接近するパラサイトの正体が自分の母親だと気づいた時の君は、とても見てはいられなかったぞ』
「君、こんなヤツの言うことなんて聞かなくていいんだ。真紅……だっけ? その人が生きてると思ったって……」
「黙りやがれです」
拒絶。新一に何も喋らせたくないという翠星石の強い意思の感じさせられる、暴力のような言葉。
新一とミギーが喋れば喋るほど、翠星石は自分が哀れになっていく。翠星石は真紅が生きている可能性を信じられなくなっていく。
新一とミギーが喋れば喋るほど、翠星石は自分が哀れになっていく。翠星石は真紅が生きている可能性を信じられなくなっていく。
『シンイチ、君のお陰で彼女はわかることができた』
「わかりたくない現実だってあるだろ!!」
『私は思うぞ。その現実を受け止めなければ、死者の意思は無駄になると。その死を受け止めて、そいつの意思を受け継がなければ、その死もただの犬死だ』
「わかりたくない現実だってあるだろ!!」
『私は思うぞ。その現実を受け止めなければ、死者の意思は無駄になると。その死を受け止めて、そいつの意思を受け継がなければ、その死もただの犬死だ』
新一に言い返す言葉はなかった。
新一は思ったのだ。もし、母親がパラサイトであることを受け止めきれずに、あのまま殺されていたら、きっと死んだ母親の意思を溝に捨てる事になったのだろうと。息子の死を望む母親などいるはずがないと。
新一は思ったのだ。もし、母親がパラサイトであることを受け止めきれずに、あのまま殺されていたら、きっと死んだ母親の意思を溝に捨てる事になったのだろうと。息子の死を望む母親などいるはずがないと。
「行くですぅ……」
翠星石は暗い表情のまま呟いた。
「真紅が何を望んでいたのか、真紅が何を言い残して死んだのか、それを知ってるやつを捜しに行くですぅ。……それに、真紅にステッキを返してやりたいですし」
たとえ真紅が誰とも会わず、簡単に死んでいたとしても翠星石は捜したい。真紅に会っていた人間をただひたすら。
真紅の死を無駄にはさせたくなかった。ミギーの言うことは尤もだ。
真紅が死んでいない可能性を探すんじゃない。真紅の意思が誰かに伝わっている可能性を探すのだ。
翠星石にはまだはっきりとはわからない。具体的に、彼女が何を考えていたのかはわからない。
ただ、殺し合いには乗っていないはずだった。それは可能性じゃない。「真紅が死んだ」という事実と同じくらいに──真実だ。そう確信できる。姉妹なのだから。
真紅の死を無駄にはさせたくなかった。ミギーの言うことは尤もだ。
真紅が死んでいない可能性を探すんじゃない。真紅の意思が誰かに伝わっている可能性を探すのだ。
翠星石にはまだはっきりとはわからない。具体的に、彼女が何を考えていたのかはわからない。
ただ、殺し合いには乗っていないはずだった。それは可能性じゃない。「真紅が死んだ」という事実と同じくらいに──真実だ。そう確信できる。姉妹なのだから。
「そうだな、行くか」
先ほど盾にした園崎魅音のデイパックは一直線に破れ、中から支給品を覗かせている。
これもまた死んだ人間から受け継がれるものの一つであった。近くには劉鳳のデイパックも転がっている。
魅音のものは破れているので、真司のデイパックにそれを全て入れ替えた。
これもまた死んだ人間から受け継がれるものの一つであった。近くには劉鳳のデイパックも転がっている。
魅音のものは破れているので、真司のデイパックにそれを全て入れ替えた。
「俺たちはどうする?」
『アテはない。……だが、ライダーというものにも興味がある。できるなら同行したい』
「ということだけど?」
「勝手にしやがれですぅー。翠星石は何も言わないですぅー」
「俺も、もう誰も殺そうとしないと約束するなら、あんたたちを迎え入れる」
『難しい注文だな』
「でもミギー。やっぱり俺は思ったよ。この人の言っていることは正しい。殺したくないって思う心が、人間に残された最後の宝なんだよ……だから……」
『わかった、シンイチ。手加減するよう努力はしよう。ところで一つ気になることがあるのだが』
『アテはない。……だが、ライダーというものにも興味がある。できるなら同行したい』
「ということだけど?」
「勝手にしやがれですぅー。翠星石は何も言わないですぅー」
「俺も、もう誰も殺そうとしないと約束するなら、あんたたちを迎え入れる」
『難しい注文だな』
「でもミギー。やっぱり俺は思ったよ。この人の言っていることは正しい。殺したくないって思う心が、人間に残された最後の宝なんだよ……だから……」
『わかった、シンイチ。手加減するよう努力はしよう。ところで一つ気になることがあるのだが』
また何か「発見してはいけないもの」を発見してしまったのかと新一は背筋を凍らせた。
ミギーがこんなことを言い出すときは大抵ろくなことがない。
ミギーがこんなことを言い出すときは大抵ろくなことがない。
『君の名前は何だ? ライダーの青年』
新一は少し拍子抜けしてしまう。
何かと思えば、単なる自己紹介だ。自分たちの身に危険が迫ってると勘違いした自分が少し恥ずかしい。
何かと思えば、単なる自己紹介だ。自分たちの身に危険が迫ってると勘違いした自分が少し恥ずかしい。
「あ、言ってなかったな。俺は城戸真司。お前らはミギー新一? なんか手品師みたいな名前だったな」
「違うって……。俺は泉新一で、この右腕がミギー」
『よろしく』
「よろしくって……」
「違うって……。俺は泉新一で、この右腕がミギー」
『よろしく』
「よろしくって……」
目がついた親指がにょろーっと伸びて挨拶してきたのはとてもシュールな光景だった。
得体の知れない生物であるうえ、明らかに新一とは意思が共通していない。
それも、良いんだか悪いんだかわからない性格をしている。
得体の知れない生物であるうえ、明らかに新一とは意思が共通していない。
それも、良いんだか悪いんだかわからない性格をしている。
「ミギーのことはなるべく内緒でお願いします」
『私からも頼む』
「ああ。わかった」
『私からも頼む』
「ああ。わかった」
パラサイト、ライダー、ドール。
過去に命の殺り合いを経験したものたちが、今、徒党を組んだ。
過去に命の殺り合いを経験したものたちが、今、徒党を組んだ。
【一日目 朝/B-2 森】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式 確認済支給品(0~2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:殺し合いから脱出。
2:蒼星石、クーガー、かなみ、「この殺し合いで真紅と会った者」との合流(蒼星石を最優先)、水銀燈は警戒。真紅と会った者からは真紅の意思を聞き出す。
3:真紅にステッキを返す。
4:真紅、劉鳳の死に対する深い悲しみ。
5:真司と新一と協力。ミギーのことは内緒にする。
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式 確認済支給品(0~2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:殺し合いから脱出。
2:蒼星石、クーガー、かなみ、「この殺し合いで真紅と会った者」との合流(蒼星石を最優先)、水銀燈は警戒。真紅と会った者からは真紅の意思を聞き出す。
3:真紅にステッキを返す。
4:真紅、劉鳳の死に対する深い悲しみ。
5:真司と新一と協力。ミギーのことは内緒にする。
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[所持品]支給品一式×3、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不能)、確認済み支給品(0~1) 、劉鳳の不明支給品(1~3)、魅音の確認済み支給品(1~3・真司のデイパックの中に移しかえられてます)
[状態]ダメージ(大)。
[思考・行動]
1:やっぱり戦いを止めたい。
2:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
3:翠星石のことは守り抜きたい。
4:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。
5:翠星石、新一と協力。ミギーのことは内緒にする。
※翠星石、真司共にメイド服の女(咲世子)を危険人物だと思ってます。
[装備]無し
[所持品]支給品一式×3、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不能)、確認済み支給品(0~1) 、劉鳳の不明支給品(1~3)、魅音の確認済み支給品(1~3・真司のデイパックの中に移しかえられてます)
[状態]ダメージ(大)。
[思考・行動]
1:やっぱり戦いを止めたい。
2:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
3:翠星石のことは守り抜きたい。
4:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。
5:翠星石、新一と協力。ミギーのことは内緒にする。
※翠星石、真司共にメイド服の女(咲世子)を危険人物だと思ってます。
【泉新一@寄生獣(漫画)】
[装備]無し
[所持品]基本支給品(水を一本消費)、拡声器@現実、イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル、傷薬×4@真・女神転生if...
[状態]ダメージ(大)、疲労(中) 、背中に火傷(処置済み)
[新一の思考・行動]
1:シャナを倒す。殺すのはやめる。
2:生き残る。
3:ミギーの行動や言動の変化に疑問。
4:真司、翠星石と行動する。
[ミギーの思考・行動]
1:シャナを倒す。
2:出来る限り周りに存在を知られないようにする。
3:生き残る。
4:感謝されると嬉しい……?
[装備]無し
[所持品]基本支給品(水を一本消費)、拡声器@現実、イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル、傷薬×4@真・女神転生if...
[状態]ダメージ(大)、疲労(中) 、背中に火傷(処置済み)
[新一の思考・行動]
1:シャナを倒す。殺すのはやめる。
2:生き残る。
3:ミギーの行動や言動の変化に疑問。
4:真司、翠星石と行動する。
[ミギーの思考・行動]
1:シャナを倒す。
2:出来る限り周りに存在を知られないようにする。
3:生き残る。
4:感謝されると嬉しい……?
【シャナ@灼眼のシャナ】
[装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if...、ビルテクター@仮面ライダーBLACK
[所持品]:基本支給品(水を一本消費)、首輪(魅音)
[状態]:健康、力と運が上昇、極度のイライラ
[思考・行動]
1:コキュートスを探す。
2:危険人物には容赦しない。
3:役に立たない人物からは首輪を回収する。
4:首輪の解除ができそうな人間を探す。解除が無理なら殺し合いに乗る。
5:真司に対する苛立ち。彼が戦いを望まなくなった時に殺す。
[装備]:ゲイボルグ@真・女神転生if...、ビルテクター@仮面ライダーBLACK
[所持品]:基本支給品(水を一本消費)、首輪(魅音)
[状態]:健康、力と運が上昇、極度のイライラ
[思考・行動]
1:コキュートスを探す。
2:危険人物には容赦しない。
3:役に立たない人物からは首輪を回収する。
4:首輪の解除ができそうな人間を探す。解除が無理なら殺し合いに乗る。
5:真司に対する苛立ち。彼が戦いを望まなくなった時に殺す。
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078:果てしない炎の中へ(後編) | 泉新一 | 102:Reiner Rubin |
城戸真司 | ||
翠星石 | ||
シャナ | 103:緊張 |