HELL ON EARTH(中編) ◆EboujAWlRA
◆ ◆ ◆
「荷電粒子砲、光学兵器、回転式機関銃砲、マイクロ波場発生装置、そして巨大な艦体を覆うエネルギーバリアー。
さらに看板には幾つものガトリングガンが待ち構えている、か」
「そういうこった」
さらに看板には幾つものガトリングガンが待ち構えている、か」
「そういうこった」
ハザマは宙へと浮かび上がった煉獄を睨みつけながら、湾岸部まで引き返したヴァンとクーガー、上田の話を聞く。
浮かび上がった、と言っても煉獄はそれほど宙高く空を舞い踊っているわけではない。
精々が高さ15メートル程度、ビルの四階ほどの高さだ。
とは言え、この高さが最大の浮遊距離と決まったわけではないが。
浮かび上がった、と言っても煉獄はそれほど宙高く空を舞い踊っているわけではない。
精々が高さ15メートル程度、ビルの四階ほどの高さだ。
とは言え、この高さが最大の浮遊距離と決まったわけではないが。
「無茶苦茶だ! 戦艦につぎ込む武装じゃない!」
「で、どうするんですかぁ? まあ、追いかけっこじゃ負けませんからじっくり考えてくださーい」
「で、どうするんですかぁ? まあ、追いかけっこじゃ負けませんからじっくり考えてくださーい」
上田が叫び声を上げ、クーガーは車へと背をもたれながら揚々とした声を投げかける。
「少し借りるぞ」
ハザマはベレッタM92Fの引き金に指をかけ、躊躇いなく引き絞った。
ベレッタM92Fの銃口から一発の銃弾が煉獄へと向かって放たれる。
飛び出た弾丸は、しかし、煉獄へと到達する前にブレイズルミナスの生み出すエネルギーシールドによって煉獄に触れることすら叶わない。
ベレッタM92Fの銃口から一発の銃弾が煉獄へと向かって放たれる。
飛び出た弾丸は、しかし、煉獄へと到達する前にブレイズルミナスの生み出すエネルギーシールドによって煉獄に触れることすら叶わない。
「全面方位か」
輻射波動機構とブレイズルミナス、この二つの防御は強力だ。
どちらも乗り込むことはもちろん単純な物理攻撃を防ぐ鉄壁の盾だ。
しかし、この装甲とて万能魔法であるメギドならば通る。
メギドとはすなわちソドムとゴモラを滅ぼした神の炎、天罰の力だ。
どれだけ人が知恵を振り絞ろうと防ぐことは出来ない絶対の力。
故に、煉獄を破壊するすべは確かに存在する。
ただ、マイクロウェーブ装置や光学兵器、ハドロン砲が厄介だった。
どちらも乗り込むことはもちろん単純な物理攻撃を防ぐ鉄壁の盾だ。
しかし、この装甲とて万能魔法であるメギドならば通る。
メギドとはすなわちソドムとゴモラを滅ぼした神の炎、天罰の力だ。
どれだけ人が知恵を振り絞ろうと防ぐことは出来ない絶対の力。
故に、煉獄を破壊するすべは確かに存在する。
ただ、マイクロウェーブ装置や光学兵器、ハドロン砲が厄介だった。
「……っ」
ハザマは考える。
仮面ライダーナイトは空を飛べるが、先ほどのように簡単に侵入を許すわけがない。
空を飛ぶ方法も全くないわけではないが、その間の防御が手薄となる。
かと言ってただ眺めているだけではジリ貧だ。
先ほどのハドロン砲はシャドームーンによって防いだが、シャドームーンは手負いなのだ。
極大の損傷を受けているシャドームーンが倒れれば、煉獄の撃破もとより会場からの脱出すら不可能となってしまう。
仮面ライダーナイトは空を飛べるが、先ほどのように簡単に侵入を許すわけがない。
空を飛ぶ方法も全くないわけではないが、その間の防御が手薄となる。
かと言ってただ眺めているだけではジリ貧だ。
先ほどのハドロン砲はシャドームーンによって防いだが、シャドームーンは手負いなのだ。
極大の損傷を受けているシャドームーンが倒れれば、煉獄の撃破もとより会場からの脱出すら不可能となってしまう。
「問題はない」
そんなハザマの思考を遮るように、シャドームーンは低い声で発する。
神の力を手に入れた魔人皇ですら、心が底冷えするような声だった。
神の力を手に入れた魔人皇ですら、心が底冷えするような声だった。
「荷電粒子砲、光学兵器、あらゆる装甲……全て、この次期創世王の前では問題とならん」
そう言うと、シャドームーンは踵を返してバトルホッパーに跨る。
バッタを模したスーパーマシーンは王の騎乗に応えるようにして複眼型のライトを数度だけ点滅させる。
ハザマはシャドームーンの意図が読めず、困惑するしかなかった。
シャドームーンが満身創痍であることは間違いない。
仮面ライダー龍騎・正義武装との死斗に間を置かずに薔薇水晶との戦闘。
月の石の力を利用した修復の時間もなかったのだ。
シャドービームとて無制限に連発できるものではないはずだ。
バッタを模したスーパーマシーンは王の騎乗に応えるようにして複眼型のライトを数度だけ点滅させる。
ハザマはシャドームーンの意図が読めず、困惑するしかなかった。
シャドームーンが満身創痍であることは間違いない。
仮面ライダー龍騎・正義武装との死斗に間を置かずに薔薇水晶との戦闘。
月の石の力を利用した修復の時間もなかったのだ。
シャドービームとて無制限に連発できるものではないはずだ。
「道を作れ」
困惑するハザマを無視するようにシャドービームを放つ。
ただし、煉獄へ向けてではなくその煉獄の下に広がる海水へと向けて、だ。
海水は衝撃を受けて大きく水柱をつくり上げた。
その瞬間、ハザマはシャドームーンの意図を理解した。
狂気の沙汰、だがシャドームーンの複眼はハザマを射抜いている。
躊躇は一瞬だった。
ただし、煉獄へ向けてではなくその煉獄の下に広がる海水へと向けて、だ。
海水は衝撃を受けて大きく水柱をつくり上げた。
その瞬間、ハザマはシャドームーンの意図を理解した。
狂気の沙汰、だがシャドームーンの複眼はハザマを射抜いている。
躊躇は一瞬だった。
「マハブフダイン!」
海が凍りついていく。
ちょうど坂を作るようにして出来上がった氷の道。
その道を確認した後にシャドームーンはバトルホッパーを発進させた。
ちょうど、煉獄の船首を突き刺すような氷の道へと向けてバトルホッパーは走りだす。
ちょうど坂を作るようにして出来上がった氷の道。
その道を確認した後にシャドームーンはバトルホッパーを発進させた。
ちょうど、煉獄の船首を突き刺すような氷の道へと向けてバトルホッパーは走りだす。
「ま、待て! 確かに道……といえば道だが、あの空中戦艦には届かないぞ!」
上田は何度目かになる叫び声を上げる。
その言葉通り、氷の道は確かに天へと伸びるように続いているが煉獄の船首には届かない。
このままバトルホッパーで進んでも途中で海へと落ちるだけだ。
いや、まず氷の上をバトルホッパーを走れるのだろうか。
その言葉通り、氷の道は確かに天へと伸びるように続いているが煉獄の船首には届かない。
このままバトルホッパーで進んでも途中で海へと落ちるだけだ。
いや、まず氷の上をバトルホッパーを走れるのだろうか。
「……走れるのだろうな」
ハザマは舌打ちをしながらバトルホッパーに跨ったシャドームーンを眺める。
あのマシンはただのバイクではない。
やがて全宇宙を支配するとまで言われる創世王の騎馬となるバイクだ。
不可思議な力を用いてそのタイヤを変質させることも可能だろう。
あのマシンはただのバイクではない。
やがて全宇宙を支配するとまで言われる創世王の騎馬となるバイクだ。
不可思議な力を用いてそのタイヤを変質させることも可能だろう。
その証拠に、シャドーチャージャーから溢れ出る緑光がバトルホッパーの両輪を包んでいく。
光りに包まれたバトルホッパーのタイヤは、普通ならば進めるはずのない氷の道をなんの問題もなく進んでいった。
光りに包まれたバトルホッパーのタイヤは、普通ならば進めるはずのない氷の道をなんの問題もなく進んでいった。
「……クーガー、クルーザーを出せ!
上田はここに残っているんだ……少し危険だ。
それと、ヴァン!」
「あいよ」
上田はここに残っているんだ……少し危険だ。
それと、ヴァン!」
「あいよ」
ハザマは瞬時にこれからの戦略を組み立てる。
シャドームーンが走りだした以上、それに続くしかない。
自惚れか確信かは判断がつかないが、シャドームーンなりに何らかの思惑があっての行動だ。
シャドームーンが走りだした以上、それに続くしかない。
自惚れか確信かは判断がつかないが、シャドームーンなりに何らかの思惑があっての行動だ。
「フラムを貸せ」
ならば、それに乗じるしかない。
幸いというべきか、シャドームーンのおおよその狙いは想像がついた。
ただ、その行動が本当に可能なのか――――ハザマには、はなはだ疑問ではあったが。
幸いというべきか、シャドームーンのおおよその狙いは想像がついた。
ただ、その行動が本当に可能なのか――――ハザマには、はなはだ疑問ではあったが。
「ほれ」
「お前は機を見て空から煉獄に侵入しろ、経路は私とシャドームーンが作る……ただ、無理はしなくていい。
確信が持てるまでは上田を護衛してくれ」
「お前は機を見て空から煉獄に侵入しろ、経路は私とシャドームーンが作る……ただ、無理はしなくていい。
確信が持てるまでは上田を護衛してくれ」
フラムを受け取ると同時に、ハザマは最大最出力の氷結魔法で海面を凍らせる。
そして、クーガーのRGSクルーザーへと乗り込んだ。
クーガーのアルター能力で作られたRGSクルーザーは、クーガーの意思に応じてどこにでも扉や窓を作ることが出来る。
そして、クーガーのRGSクルーザーへと乗り込んだ。
クーガーのアルター能力で作られたRGSクルーザーは、クーガーの意思に応じてどこにでも扉や窓を作ることが出来る。
「クーガー、クルーザーを出せ!」
「了解いたしましたァァァ! さァァァ行くぞォォォォォォ!」
「了解いたしましたァァァ! さァァァ行くぞォォォォォォ!」
クルーザーが走りだした瞬間、煉獄の4銃身4mm回転式機関砲が火を噴く。
しかし、クーガーのRGSクルーザーは銃弾の雨を巧みに回避する。
それに調子を良くしたのか、クーガー自慢の舌が回り始めた。
速さの中にある瞬間こそ、この男は輝きを放ち始めるのだ。
しかし、クーガーのRGSクルーザーは銃弾の雨を巧みに回避する。
それに調子を良くしたのか、クーガー自慢の舌が回り始めた。
速さの中にある瞬間こそ、この男は輝きを放ち始めるのだ。
「この世の理はすなわち速さだとは思いませんか!?
本来ならば通るたびに破壊されていく氷の道も俺の速さならば消滅してしまう前に走り続けることが出来る!
そう、俺が破壊するのは氷ではなく必要とする時間なんですよカザマさぁぁぁぁん!」
「私はカザマではなくハザマだ……アギ」
本来ならば通るたびに破壊されていく氷の道も俺の速さならば消滅してしまう前に走り続けることが出来る!
そう、俺が破壊するのは氷ではなく必要とする時間なんですよカザマさぁぁぁぁん!」
「私はカザマではなくハザマだ……アギ」
ハザマはクーガーの話を聞きながら、RGSクルーザーの窓を開く。
今も変わらず4銃身4mm回転式機関砲がRGSクルーザーを襲うが、その銃弾が被弾することはない。
ハザマは窓からフラムをなるべく遠方へと投げつけ、海水へと着水する前にフラムにアギをぶつけて爆発を起こさせた。
そして、爆発によって水柱が生まれる。
今も変わらず4銃身4mm回転式機関砲がRGSクルーザーを襲うが、その銃弾が被弾することはない。
ハザマは窓からフラムをなるべく遠方へと投げつけ、海水へと着水する前にフラムにアギをぶつけて爆発を起こさせた。
そして、爆発によって水柱が生まれる。
「マハブフダイン!」
ハザマはフラムの爆発で生み出した水柱にマハブフダインを直撃させて急激な坂を作り上げた。
バトルホッパーの走る氷の坂と同じく煉獄へと向かう道だ。
クーガーの運転するモンスターマシンへと向かって煉獄の4銃身4mm回転式機関砲と輻射波動機構が放つ輻射波動砲弾が襲いかかる。
バトルホッパーの走る氷の坂と同じく煉獄へと向かう道だ。
クーガーの運転するモンスターマシンへと向かって煉獄の4銃身4mm回転式機関砲と輻射波動機構が放つ輻射波動砲弾が襲いかかる。
その光景をシャドームーンは眺めていた。
「……無意味なことを」
シャドームーンはハザマの意図を理解しながら、それを無意味だと切り捨てた。
煉獄は強大だ、おおよそ人の叡智の詰まった最大の戦艦。
煉獄は強大だ、おおよそ人の叡智の詰まった最大の戦艦。
ハドロン砲。
4銃身4mm回転式機関砲。
ユグドラシルドライブ。
GER流体制御システム。
輻射波動機構。
レーザー砲。
ブレイズルミナス。
水中魚雷。
フロートユニット。
全自動迎撃機能。
4銃身4mm回転式機関砲。
ユグドラシルドライブ。
GER流体制御システム。
輻射波動機構。
レーザー砲。
ブレイズルミナス。
水中魚雷。
フロートユニット。
全自動迎撃機能。
――――全て、シャドームーン一人で事足りる相手なのだ。
「このサタンサーベルが方舟を切り裂く……!」
シャドームーンは左手にサタンサーベルを所持しているためにバトルホッパーのハンドルを握っていない。
しかし、王の愛馬として生み出されたバトルホッパーはキングストーン所持者の意のままに動く。
まかり間違っても王を振り落とす不敬を働くわけがないのだ。
バトルホッパーに跨ったシャドームーンの眼前にそびえるハドロン砲と向かい合う。
左手に持ったサタンサーベルを振り上げる。
しかし、王の愛馬として生み出されたバトルホッパーはキングストーン所持者の意のままに動く。
まかり間違っても王を振り落とす不敬を働くわけがないのだ。
バトルホッパーに跨ったシャドームーンの眼前にそびえるハドロン砲と向かい合う。
左手に持ったサタンサーベルを振り上げる。
「無駄だ……貴様の正体が単なる粒子の塊だというのならば、この世の覇者である世紀王の敵ではない」
ハドロン砲の巨大な砲口がシャドームーンの眼前で唸りを上げる。
巨大な質量の塊がストレイト・クーガーと比類するスピードで撃ち出されるその瞬間。
シャドームーンは自身の丹田に備えられたシャドーチャージャーへと、サタンサーベルを握った左手をかざす。
巨大な質量の塊がストレイト・クーガーと比類するスピードで撃ち出されるその瞬間。
シャドームーンは自身の丹田に備えられたシャドーチャージャーへと、サタンサーベルを握った左手をかざす。
「シャドーフラッシュ!」
シャドーチャージャーからシャドームーンの姿を包み隠すほどの翠緑の光が発せられる。
翠緑で彩られた光の壁にハドロン砲が激突する。
光の壁はあくまで光だ、そこに物理的な存在を遮る障害は存在しない。
しかし、シャドーフラッシュはただの光でもない。
この世のどんな光とも似つかぬ王の光。
その光によって重力場が、磁場が、世界を構築する全ての数値が変化する。
シャドームーンの周囲一体に『異次元』が構築されたのだ。
翠緑で彩られた光の壁にハドロン砲が激突する。
光の壁はあくまで光だ、そこに物理的な存在を遮る障害は存在しない。
しかし、シャドーフラッシュはただの光でもない。
この世のどんな光とも似つかぬ王の光。
その光によって重力場が、磁場が、世界を構築する全ての数値が変化する。
シャドームーンの周囲一体に『異次元』が構築されたのだ。
「バカな……こんなことが……!」
上田が何度目にもなる呆然とした言葉を漏らす。
シャドーフラッシュを浴びて、ハドロン砲の軌道がぐにゃりと歪む。
地上から飛び立とうとする影の月から目をそらし、天に聳える真実の月へと逃げ去った。
シャドーフラッシュを浴びて、ハドロン砲の軌道がぐにゃりと歪む。
地上から飛び立とうとする影の月から目をそらし、天に聳える真実の月へと逃げ去った。
「化け物め……」
RGSクルーザーの中からハザマが忌々しく呟く。
ハドロン砲は覇王の威光を前に、奴隷のごとくひれ伏した。
ハドロン砲が真なる月よりも、偽りの月を恐れた瞬間を確かにハザマは目にしたのだ。
ハドロン砲は覇王の威光を前に、奴隷のごとくひれ伏した。
ハドロン砲が真なる月よりも、偽りの月を恐れた瞬間を確かにハザマは目にしたのだ。
「よし……クーガー、その道を昇るんだ」
ハザマの言葉とともに、クーガーは氷の坂へと向かってRGSクルーザーを走らせる。
そして、氷の坂へとたどり着いた瞬間、RGSクルーザーの船底が再構成される。
そこに生まれたものはタイヤだ。
そして、氷の坂へとたどり着いた瞬間、RGSクルーザーの船底が再構成される。
そこに生まれたものはタイヤだ。
ラディカルグッドスピードによってスーパーカーすら凌駕するモンスターマシンと化したRGSクルーザー。
その車体は氷の道をガリガリと削りながら疾走していく。
単なる車ではこの氷の坂をまともに走ることは出来ない。
しかし、アルター能力であるラディカル・グッドスピードによって生み出されたこのモンスターマシンは『普通』という概念から最も遠いマシンだ。
四つのタイヤは特殊な材質で構成されスパイクの仕込まれた四つのタイヤと車の底に備えつけられたブースターがブレーキングとコーナリング可能とさせる。
ラディカル・グッドスピードに再構成されたRGSクルーザーは氷の坂を駆け登る。
その車体は氷の道をガリガリと削りながら疾走していく。
単なる車ではこの氷の坂をまともに走ることは出来ない。
しかし、アルター能力であるラディカル・グッドスピードによって生み出されたこのモンスターマシンは『普通』という概念から最も遠いマシンだ。
四つのタイヤは特殊な材質で構成されスパイクの仕込まれた四つのタイヤと車の底に備えつけられたブースターがブレーキングとコーナリング可能とさせる。
ラディカル・グッドスピードに再構成されたRGSクルーザーは氷の坂を駆け登る。
「カザマさぁん! 俺はね、こう思ってるんですよ!
どいつもこいつも車を選ぶにあたって燃費や価格ってやつにばかり目が行って単純なスピードというものを蔑ろにしている、と!
確かに一般人が150kmも200kmも出す必要はないのだから仕方がないとも言えるでしょう!
だがしかぁぁし! それでもスピードというものは出せれば出せるほどいいんですよ!
なぜなら車は速く走るための道具だから、でぇぇぇぇぇす!」
「お、おい! クーガー、そこまで行かなくていい!
メギドが当たる距離まで近づけばいいだけで……それと私はハザマだ!」
どいつもこいつも車を選ぶにあたって燃費や価格ってやつにばかり目が行って単純なスピードというものを蔑ろにしている、と!
確かに一般人が150kmも200kmも出す必要はないのだから仕方がないとも言えるでしょう!
だがしかぁぁし! それでもスピードというものは出せれば出せるほどいいんですよ!
なぜなら車は速く走るための道具だから、でぇぇぇぇぇす!」
「お、おい! クーガー、そこまで行かなくていい!
メギドが当たる距離まで近づけばいいだけで……それと私はハザマだ!」
ある程度まで近寄れば後は海へとダイブすればいい。
このRGSクルーザーならば着水の衝撃をほぼ0に出来る。
しかし、行き過ぎた。
RGSクルーザーは、いや、ストレイト・クーガーは止まるという言葉を忘れてしまったかのように氷の坂を走り続ける。
このRGSクルーザーならば着水の衝撃をほぼ0に出来る。
しかし、行き過ぎた。
RGSクルーザーは、いや、ストレイト・クーガーは止まるという言葉を忘れてしまったかのように氷の坂を走り続ける。
「大は小を兼ねるのか!? 速さは質量に勝てないのか!?
いやいやそんなことはない! 速さを一点に集中させてぶつかればどんな非常識な盾であろうと砕け散るゥゥゥゥッ!
ハッハッハッ、ハァァァァァァ!!!!」
いやいやそんなことはない! 速さを一点に集中させてぶつかればどんな非常識な盾であろうと砕け散るゥゥゥゥッ!
ハッハッハッ、ハァァァァァァ!!!!」
クーガーの言葉通りスピードは同時にパワーとなるが、今回の場合は別だ。
このスピードではブレイズルミナスを打ち破ることは出来ない。
障壁にぶつかったRGSクルーザーはその運動エネルギーの行き場を失い、自身の身体を崩壊させるだろう。
RGSクルーザーが氷の坂から飛び立ち、その巨大な機体が宙を舞う。
このスピードではブレイズルミナスを打ち破ることは出来ない。
障壁にぶつかったRGSクルーザーはその運動エネルギーの行き場を失い、自身の身体を崩壊させるだろう。
RGSクルーザーが氷の坂から飛び立ち、その巨大な機体が宙を舞う。
「……ッ! フロントを外せ、クーガー!」
「はいぃ!?」
「はいぃ!?」
ハザマの言葉にクーガーは間の抜けた声を漏らすが、しかし素早くフロントボディを再分解する。
フロントが見開きの車体となったRGSクルーザーとブレイズルミナスのエネルギーシールドが激突しようとする。
その瞬間を見計らったように、ハザマはベレッタM92Fの引き金を絞った。
銃口から飛び出した銃弾が煉獄へと到達する直前でブレイズルミナスが阻む。
そのエネルギーで作られた壁の姿を視認すると、ハザマは手を伸ばす。
フロントが見開きの車体となったRGSクルーザーとブレイズルミナスのエネルギーシールドが激突しようとする。
その瞬間を見計らったように、ハザマはベレッタM92Fの引き金を絞った。
銃口から飛び出した銃弾が煉獄へと到達する直前でブレイズルミナスが阻む。
そのエネルギーで作られた壁の姿を視認すると、ハザマは手を伸ばす。
魔人皇ハザマイデオの乗るRGSクルーザーの背後に時の神の姿が映し出された。
白い法衣と同色の王冠、そしてその顔色はすべてを飲み込むような漆黒の皮膚。
ハザマイデオが取り込んで生まれた、この姿こそが真の『魔神皇』の姿なのだ。
時の神は天を仰ぐように空を眺め、両手を翳した神から力の波が放流される。
神ならざる身でありながらも神の力を手に入れたハザマならば扱える天の炎。
ブレイズルミナスのエネルギーシールドを歪めるように強大な力の塊が渦巻き始める。
超常の存在である悪魔ですらも力を理解できる者が限られる神の御業。
光すらも含む、『万』物が『能』うことのできない力。
すなわち『万能』の力。
「メ」
エネルギーの集合体であるブレイズルミナスのシールドもまた万物のうちの一。
「ギ」
ハザマの身体から放流される力の集合体、それは何物であろうと防ぐことも耐えることも出来ない真なる神の力だ。
「ド」
『そこに存在する全て』を砕く力が空間を捻じ曲げていく。
「ラ」
故に、ありとあらゆる衝撃を拒絶するはずの煉獄の壁は。
「――――オン!」
断罪の光の前に容易く打ち消された。
「……ッ」
しかし、ハザマは力が身体から抜け出す虚脱感に膝を折る。
ラプラスの魔という魔物を取り込んだ主催から科せられた枷は神の力を持ったハザマを蝕んでいる。
その状態で最大の魔法を放てば、当たり前のように然るべき反動を受ける。
とは言え、その成果は絶大だ。
煉獄を覆っていたブレイズルミナスのエネルギーシールドの半分が砕け散っていた。
RGSクルーザーがその穴へと飛び込んでいく。
ラプラスの魔という魔物を取り込んだ主催から科せられた枷は神の力を持ったハザマを蝕んでいる。
その状態で最大の魔法を放てば、当たり前のように然るべき反動を受ける。
とは言え、その成果は絶大だ。
煉獄を覆っていたブレイズルミナスのエネルギーシールドの半分が砕け散っていた。
RGSクルーザーがその穴へと飛び込んでいく。
「ラディカル・グッドスピィード脚部限定ィ!」
ブレイズルミナスのシールドを打ち破った事実と、ハザマの異変を理解したクーガーの行動は素早かった。
クーガーはラディカル・グッドスピード脚部限定を発動させ、フロントを足場にして大きく跳躍して煉獄へと飛び移る。
その際に疲労の激しいハザマの身体を抱え込むことも忘れない。
そして、RGSクルーザーは船体から離れたクーガーとハザマを尻目に煉獄へと突き進む。
RGSクルーザー自身が弓矢となり、煉獄と激突。
衝撃に耐え切れずにエンジンが崩壊し、燃料と引火して巨大な爆炎を巻き上げた。
クーガーはラディカル・グッドスピード脚部限定を発動させ、フロントを足場にして大きく跳躍して煉獄へと飛び移る。
その際に疲労の激しいハザマの身体を抱え込むことも忘れない。
そして、RGSクルーザーは船体から離れたクーガーとハザマを尻目に煉獄へと突き進む。
RGSクルーザー自身が弓矢となり、煉獄と激突。
衝撃に耐え切れずにエンジンが崩壊し、燃料と引火して巨大な爆炎を巻き上げた。
「ンゥゥゥ……ドラマティーック……エスセティーック……ファンタスティーック、ラーンディーングー……!」
ラディカル・グッドスピードの力によって甲板上へとたどり着いたクーガーは肩で息をするハザマをゆっくりと地面へと座り込ませようとする。
しかし、無数の銃口がクーガーたちへと向けて口を開けている姿に気づき、直ぐ様にハザマを抱え直す。
止まったクーガーへと向かって回転式機関砲が火を噴く。
龍が放つ火の息吹じみた周囲に火薬の匂いが立ち込める。
しかし、無数の銃口がクーガーたちへと向けて口を開けている姿に気づき、直ぐ様にハザマを抱え直す。
止まったクーガーへと向かって回転式機関砲が火を噴く。
龍が放つ火の息吹じみた周囲に火薬の匂いが立ち込める。
「おぉっと……激しいお出迎えじゃねえか」
だが、そんな速さではストレイト・クーガーを捕らえることは出来ない。
ストレイト・クーガーは一つ一つ、その装甲が施された脚部で回転式機関砲を破壊していく。
だが、一つの回転式機関砲を破壊した瞬間に生まれる隙を残った複数の回転式機関砲は逃さない。
ストレイト・クーガーは一つ一つ、その装甲が施された脚部で回転式機関砲を破壊していく。
だが、一つの回転式機関砲を破壊した瞬間に生まれる隙を残った複数の回転式機関砲は逃さない。
「テトラカーン……!」
しかし、その隙はクーガーが一人だけだった場合に生まれる隙だ。
魔人皇ハザマイデオが反射魔法を唱えることで、逆に攻撃の機会へと変化する。
ストレイト・クーガーとハザマイデオが着実に煉獄の甲板を破壊していく。
魔人皇ハザマイデオが反射魔法を唱えることで、逆に攻撃の機会へと変化する。
ストレイト・クーガーとハザマイデオが着実に煉獄の甲板を破壊していく。
そんな中、船首の方角でブレイズルミナスに罅が入り、魔王の声が響き渡る。
「容易い……所詮、この程度か!」
時はほんの少しだけ遡る。
シャドームーンはハザマの放ったメギドラオンを目視すると、バトルホッパーの鞍に立ち上がる。
氷の坂を駆け登るバトルホッパーは、しかしそれでもシャドームーンを振り落とすことはない。
やがて、その坂が途絶えようとしている。
しかし、バトルホッパーはスピードを落とそうとはしない。
そのまま断崖への道を駆け出し、断崖の数メートル前までたどり着いた瞬間だった。
閃光のような素早さでシャドームーンはバトルホッパーの鞍を蹴りつけて天空へと向かった飛び出す。
そして、バトルホッパーはシャドームーンのジャンプの衝撃で氷の坂に後輪をえぐり込ませ、強引にストップをかける。
氷の道が終わる数十センチ手前で止まったバトルホッパーはくるりと踵を返し、坂を下っていく。
氷の坂を駆け登るバトルホッパーは、しかしそれでもシャドームーンを振り落とすことはない。
やがて、その坂が途絶えようとしている。
しかし、バトルホッパーはスピードを落とそうとはしない。
そのまま断崖への道を駆け出し、断崖の数メートル前までたどり着いた瞬間だった。
閃光のような素早さでシャドームーンはバトルホッパーの鞍を蹴りつけて天空へと向かった飛び出す。
そして、バトルホッパーはシャドームーンのジャンプの衝撃で氷の坂に後輪をえぐり込ませ、強引にストップをかける。
氷の道が終わる数十センチ手前で止まったバトルホッパーはくるりと踵を返し、坂を下っていく。
一方でシャドームーンは宙を舞う。
無数の星と巨大な月が照りつける夜空の中、その全ての光をかき消すようにシャドーチャージャーから光が放たれる。
シャドーチャージャーから放たれた翠緑の光がボロボロのシャドームーンの装甲に纏い始めた。
無数の星と巨大な月が照りつける夜空の中、その全ての光をかき消すようにシャドーチャージャーから光が放たれる。
シャドーチャージャーから放たれた翠緑の光がボロボロのシャドームーンの装甲に纏い始めた。
「シャドーキック!!」
キングストーンの力がそのまま蹴り足へと伝わっていく。
ブレイズルミナスの障壁とシャドームーンの両足が激突し、周囲に火花が走る。
しかし、損傷したシャドーチャージャーから力を引き出し過ぎたためか。
シャドームーンの放ったシャドーキックは、普段のシャドーキックを大きく下回る威力だった。
シャドーキックはブレイズルミナスを破壊できず、シャドームーンは煉獄甲板に乗り込むことなく再び宙に舞うこととなった。
シャドーキックとブレイズルミナスの対決はブレイズルミナスに軍配が上がった。
ブレイズルミナスの障壁とシャドームーンの両足が激突し、周囲に火花が走る。
しかし、損傷したシャドーチャージャーから力を引き出し過ぎたためか。
シャドームーンの放ったシャドーキックは、普段のシャドーキックを大きく下回る威力だった。
シャドーキックはブレイズルミナスを破壊できず、シャドームーンは煉獄甲板に乗り込むことなく再び宙に舞うこととなった。
シャドーキックとブレイズルミナスの対決はブレイズルミナスに軍配が上がった。
――――かに見えた。
「バトルホッパー!」
シャドームーンは宙を舞いながら大きく叫ぶ。
王者の輝石、キングストーンが埋め込まれたシャドーチャージャーが月夜のもとに妖しく光る。
マハブフダインにより氷の道と化した海をバトルホッパーが再び駆け出す。
今度は途中で止まることなく、断崖目指して突き進み大きく飛び出した。
王者の輝石、キングストーンが埋め込まれたシャドーチャージャーが月夜のもとに妖しく光る。
マハブフダインにより氷の道と化した海をバトルホッパーが再び駆け出す。
今度は途中で止まることなく、断崖目指して突き進み大きく飛び出した。
月を背にしてシャドームーンが空を舞う。
そして、シャドームーンはバトルホッパーの回転する前輪へと脚を掛ける。
ぐっと膝を大きく折ると、シルバーガードに隠された強化筋肉・フィルブローンが膨れ上がり始める。
シャドームーンはその膨れ上がった筋肉を爆発させ、バトルホッパーを大きく蹴り返す。
バトルホッパーは乱暴に押し戻されて氷の上へとバウンドするように着地し、そのまま氷の坂を滑り落ちていく。
そんなバトルホッパーには目もくれず、シャドームーンは月の光を浴びながらシャドーチャージャーから再び光を放つ。
そして、シャドームーンはバトルホッパーの回転する前輪へと脚を掛ける。
ぐっと膝を大きく折ると、シルバーガードに隠された強化筋肉・フィルブローンが膨れ上がり始める。
シャドームーンはその膨れ上がった筋肉を爆発させ、バトルホッパーを大きく蹴り返す。
バトルホッパーは乱暴に押し戻されて氷の上へとバウンドするように着地し、そのまま氷の坂を滑り落ちていく。
そんなバトルホッパーには目もくれず、シャドームーンは月の光を浴びながらシャドーチャージャーから再び光を放つ。
「シャドーキック!」
シャドー反転キック。
その勢いのまま、再びブレイズルミナスのシールドへとシャドーキックを放った。
キングストーンの力だけでは足りなかった威力がバトルホッパーの推進力で補うのだ。
ブレイズルミナスのエネルギーシールドに罅が入る。
その罅割れをシャドームーンが認識した瞬間、シャドーチャージャーから放たれる光が増し始める。
シャドームーンが翠緑の光りに包まれ、シャドーキックの破壊力が増していく。
光が増すごとにブレイズルミナスが悲鳴を上げる。
ブレイズルミナスの表面がパズルピースの集合体のようにひび割れていき、ついにはその鉄壁の壁が崩れ落ちた。
キングストーンの力だけでは足りなかった威力がバトルホッパーの推進力で補うのだ。
ブレイズルミナスのエネルギーシールドに罅が入る。
その罅割れをシャドームーンが認識した瞬間、シャドーチャージャーから放たれる光が増し始める。
シャドームーンが翠緑の光りに包まれ、シャドーキックの破壊力が増していく。
光が増すごとにブレイズルミナスが悲鳴を上げる。
ブレイズルミナスの表面がパズルピースの集合体のようにひび割れていき、ついにはその鉄壁の壁が崩れ落ちた。
「所詮、人の盾……相手になどならん!」
シャドームーンはそのまま煉獄の甲板へと降り立った。
そして、降り立つと同時に360度全方面に向かってシャドービームを放つ。
現れる回転式機関砲を破壊する。
そして、降り立つと同時に360度全方面に向かってシャドービームを放つ。
現れる回転式機関砲を破壊する。
だが、撃ち漏らした回転式機関砲がひとつだけ存在した。
ちょうどシャドームーンの背後に現れた回転式機関砲だ。
ちょうどシャドームーンの背後に現れた回転式機関砲だ。
―― FINAL VENT ――
シャドームーンに続くようにヴァンが空中から煉獄へと潜入する。
仮面ライダーナイトのファイナルベント、飛翔斬を用いた大胆な潜入方法だ。
ファイナルベントのカードによって身につけたマントが身体に巻き付き、ヴァン自体が一本の槍へと変化する。
そして、煉獄へと向かってその槍を突き刺した。
この攻撃こそが仮面ライダーナイトの必殺技、飛翔斬だ。
仮面ライダーナイトのファイナルベント、飛翔斬を用いた大胆な潜入方法だ。
ファイナルベントのカードによって身につけたマントが身体に巻き付き、ヴァン自体が一本の槍へと変化する。
そして、煉獄へと向かってその槍を突き刺した。
この攻撃こそが仮面ライダーナイトの必殺技、飛翔斬だ。
「……」
「余計な真似を……恩でも売ったつもりか?」
「うるせえ」
「余計な真似を……恩でも売ったつもりか?」
「うるせえ」
ヴァンは明確な敵意をシャドームーンに向けつつも、しかし、煉獄の甲板を歩きまわる。
シャドームーンもヴァンの敵意を確かに認識していたが、無視するように突き進む。
煉獄の内部が四人の戦士によって破壊されていく。
シャドームーンもヴァンの敵意を確かに認識していたが、無視するように突き進む。
煉獄の内部が四人の戦士によって破壊されていく。
「……」
ヴァンは月光を照り返すシャドームーンの鎧を眺めながら、手の中に残ったエアドロップを握りしめた。
エアロドップの感触がペリドットの髪をした女の顔を連想させる。
なぜ連想してしまうのかはヴァン自身はわかっていない、無意識のものだった。
ただ、大事なものは連想されるビジョンだ。
その女――C.C.の顔がゆっくりと血に染まっていく。
やがて、C.C.の顔は別の女の顔へと変わっていく。
雪代巴の顔だった。
この女もまた血に染まっている。
そして、ヴァンにトドメを刺すように、雪代巴がエレナへと変わる。
当然のように白いウェディングドレスが血に染まっていた。
エアロドップの感触がペリドットの髪をした女の顔を連想させる。
なぜ連想してしまうのかはヴァン自身はわかっていない、無意識のものだった。
ただ、大事なものは連想されるビジョンだ。
その女――C.C.の顔がゆっくりと血に染まっていく。
やがて、C.C.の顔は別の女の顔へと変わっていく。
雪代巴の顔だった。
この女もまた血に染まっている。
そして、ヴァンにトドメを刺すように、雪代巴がエレナへと変わる。
当然のように白いウェディングドレスが血に染まっていた。
C.C.、雪代巴、エレナ。
三人の女が血の海に沈んでいる。
いや、三人だけではない。
そこにはやはり血に染まった雪代縁と――――南光太郎の姿もあった。
そこに立つのは、やはり血に染まったヴァンだけだ。
血に染まっても、ヴァンはまだ生きていた。
いや、三人だけではない。
そこにはやはり血に染まった雪代縁と――――南光太郎の姿もあった。
そこに立つのは、やはり血に染まったヴァンだけだ。
血に染まっても、ヴァンはまだ生きていた。
「……ったく」
ヴァンのシャドームーンへの消えない敵意は、南光太郎への哀れみも関係しているのだろうか。
それはヴァン自身すら分かっていない。
彼の単純な精神性とは裏腹に、現在の状況は複雑すぎた。
姉の死を忘れられなかった雪代縁の記憶、伸ばした手が親友へと届かなかった南光太郎の過去、笑みを浮かべて死んでいったC.C.。
光景は把握できても、その心情を理解することはできなかった。
ただ、はっきりしていることは一つ。
南光太郎の届かなかった手が、血に染まった花嫁へと伸ばした花婿――ヴァン自身の手を連想させたのは事実だ。
秋月信彦という青年を奪ったシャドームーンという魔王を、どうしても許せなかったのかもしれない。
いずれにせよ、いつかは決着を付けなければいけない。
それが今でなくても、いつかは必ず。
それはヴァン自身すら分かっていない。
彼の単純な精神性とは裏腹に、現在の状況は複雑すぎた。
姉の死を忘れられなかった雪代縁の記憶、伸ばした手が親友へと届かなかった南光太郎の過去、笑みを浮かべて死んでいったC.C.。
光景は把握できても、その心情を理解することはできなかった。
ただ、はっきりしていることは一つ。
南光太郎の届かなかった手が、血に染まった花嫁へと伸ばした花婿――ヴァン自身の手を連想させたのは事実だ。
秋月信彦という青年を奪ったシャドームーンという魔王を、どうしても許せなかったのかもしれない。
いずれにせよ、いつかは決着を付けなければいけない。
それが今でなくても、いつかは必ず。
「ヴァン、お前も来たのか!」
「じゃあ、上田先生は地上に一人ってことか……さっさと終わらせますかね」
「じゃあ、上田先生は地上に一人ってことか……さっさと終わらせますかね」
そんなヴァンへとハザマとクーガーが駆け寄る。
空中を浮かぶ煉獄の甲板に乗り込んだ四人。
その四人の中でシャドームーンだけが一人、会話に加わらずに破壊行動を続けていた。
空中を浮かぶ煉獄の甲板に乗り込んだ四人。
その四人の中でシャドームーンだけが一人、会話に加わらずに破壊行動を続けていた。
「しかし、ド派手な真似ですねぇ」
シャドームーンがやたらめったらに煉獄の甲板へとシャドービームを放っていく。
内側からの攻撃では輻射波動機構によって無効化することもできない。
煉獄の操縦室を、機関室を、全てを破壊していく。
ヴァンやクーガー、ハザマが居ることも構わず、いや、自分自身の安全すら無視するかのような破壊行動だった。
人間の作り上げた方舟が王である自身の頭上を跨ぐ。
その事実に対する怒りの感情もあるのだろう。
破壊行動には一片の悔いも見受けることが出来なかった。
内側からの攻撃では輻射波動機構によって無効化することもできない。
煉獄の操縦室を、機関室を、全てを破壊していく。
ヴァンやクーガー、ハザマが居ることも構わず、いや、自分自身の安全すら無視するかのような破壊行動だった。
人間の作り上げた方舟が王である自身の頭上を跨ぐ。
その事実に対する怒りの感情もあるのだろう。
破壊行動には一片の悔いも見受けることが出来なかった。
「くっ……脱出するぞ! ヴァン!」
ハザマはシャドームーンの容赦の無い攻撃に、唯一空を飛べるヴァンへと駆け寄る。
このままではシャドームーンのシャドービームへと被弾してしまう。
シャドームーン自身に害意はないというのにシャドームーンの攻撃を受けてしまう、これほど馬鹿らしいことはない。
このままではシャドームーンのシャドービームへと被弾してしまう。
シャドームーン自身に害意はないというのにシャドームーンの攻撃を受けてしまう、これほど馬鹿らしいことはない。
「へいよ」
ヴァンはシャドームーンを尻目にダークウイングが変形したマントを広げて天高く舞い上がる。
その際、脇に抱えるようにしてハザマとクーガーを抱きかかえる事も忘れない。
煉獄からの追撃はなかった。
船内ではシャドームーンのシャドービームが内側から破壊していた。
その際、脇に抱えるようにしてハザマとクーガーを抱きかかえる事も忘れない。
煉獄からの追撃はなかった。
船内ではシャドームーンのシャドービームが内側から破壊していた。
「落下しながらでも壊してやがる……」
やがて、シャドームーンがフロート機能も破壊する。
大地の持つ強大な力である重力を無視して宙を泳いでいた煉獄が、大地へと引き摺られる。
ゆっくりと、空気の塊を押し出すようにして落下する煉獄。
機関室だろうか、船腹部から凄まじい爆発音が響き渡った。
爆発によってバランスを崩した煉獄は船尾を下にして落下する。
大地の持つ強大な力である重力を無視して宙を泳いでいた煉獄が、大地へと引き摺られる。
ゆっくりと、空気の塊を押し出すようにして落下する煉獄。
機関室だろうか、船腹部から凄まじい爆発音が響き渡った。
爆発によってバランスを崩した煉獄は船尾を下にして落下する。
「ッ!」
その中で、船首から銀燭の光が閃いた。
光学兵器かとヴァンは身構えるが、その正体は光も捻じ曲げる王の姿。
隻腕のシャドームーンが煉獄から飛びだった姿だったのだ。
トドメの一撃とばかりにシャドービームが一撃、煉獄へと放たれた。
そして、王の帰還を待ちわびるようにバトルホッパーが氷の坂を駆け上る。
坂の頂上まで登りつめたバトルホッパーの鞍へとシャドームーンが着地。
これで全員が煉獄から離脱した結果となる。
光学兵器かとヴァンは身構えるが、その正体は光も捻じ曲げる王の姿。
隻腕のシャドームーンが煉獄から飛びだった姿だったのだ。
トドメの一撃とばかりにシャドービームが一撃、煉獄へと放たれた。
そして、王の帰還を待ちわびるようにバトルホッパーが氷の坂を駆け上る。
坂の頂上まで登りつめたバトルホッパーの鞍へとシャドームーンが着地。
これで全員が煉獄から離脱した結果となる。
「……」
ハザマはヴァンの腕の中で落ちる煉獄の姿を眺めていた。
煉獄が、沈んでいく。
主催者が明確にハザマたちバトルロワイアルの参加者に牙を向いた、その象徴である煉獄が沈んでいっているのだ。
煉獄が、沈んでいく。
主催者が明確にハザマたちバトルロワイアルの参加者に牙を向いた、その象徴である煉獄が沈んでいっているのだ。
「時間だな」
ヴァンはハザマとクーガーを乱暴に降ろすと、仮面ライダーナイトへの変身を解除する。
黒いバトルスーツは霧状に霧散していく。
ファイナルベントを使用したことによって、これで向こう二時間は変身が不能となる。
しかし、戦力がダウンした要因はヴァンのナイトへの二時間の変身不能だけではない。
シャドームーンは相変わらずの猛威を振るったが、破損したシャドーチャージャーで無理矢理にキングストーンの力を引き出せば当然反動が生まれる。
ただでさえ仮面ライダー龍騎・正義武装との死闘で右腕を失い、シルバーガードは本来のそれとはかけ離れた穴あきの鎧となったのだ。
シャドームーンも着実に限界を迎えようとしている。
同時に、ハザマもまた制限によってその力を縛られている。
そこから無理矢理に魔法を絞り続けることは危険だ。
煉獄をなんなく落としたように見えてその実は非情に綱渡りの行動だった。
黒いバトルスーツは霧状に霧散していく。
ファイナルベントを使用したことによって、これで向こう二時間は変身が不能となる。
しかし、戦力がダウンした要因はヴァンのナイトへの二時間の変身不能だけではない。
シャドームーンは相変わらずの猛威を振るったが、破損したシャドーチャージャーで無理矢理にキングストーンの力を引き出せば当然反動が生まれる。
ただでさえ仮面ライダー龍騎・正義武装との死闘で右腕を失い、シルバーガードは本来のそれとはかけ離れた穴あきの鎧となったのだ。
シャドームーンも着実に限界を迎えようとしている。
同時に、ハザマもまた制限によってその力を縛られている。
そこから無理矢理に魔法を絞り続けることは危険だ。
煉獄をなんなく落としたように見えてその実は非情に綱渡りの行動だった。
「ここからだな」
「あん?」
「ここから、本当の戦いが始まる」
「あん?」
「ここから、本当の戦いが始まる」
ヴァンによって地面に降ろされてから、ハザマは小さくつぶやいた。
それでも、陥落させた煉獄は狼煙となった。
この会場に居るハザマたち八人は、主催側が用意していた道筋とはいえ、バトルロワイアルを放棄したことを明確に証明したのだ。
この瞬間、ハザマ達の戦いの舞台は六十五人の殺し合いという惨劇から反逆の革命へと姿を変える。
その最初の戦闘はまずハザマたちに軍配が上がった。
首輪を外す上で必要となる研究所を守りきったのだから。
それでも、陥落させた煉獄は狼煙となった。
この会場に居るハザマたち八人は、主催側が用意していた道筋とはいえ、バトルロワイアルを放棄したことを明確に証明したのだ。
この瞬間、ハザマ達の戦いの舞台は六十五人の殺し合いという惨劇から反逆の革命へと姿を変える。
その最初の戦闘はまずハザマたちに軍配が上がった。
首輪を外す上で必要となる研究所を守りきったのだから。
「で、どうするんですか?」
「そうだな、追撃の可能性を考えるとここから離れることは……待て、上田はどこだ?」
「そうだな、追撃の可能性を考えるとここから離れることは……待て、上田はどこだ?」
上田がハザマ達の姿を確認したら喜び勇んで出てくるだろうと考えていたハザマは、未だに姿を見せない上田に怪訝に眉をひそめると同時に悪寒が背中を走る。
恵まれた巨体を縮こませて隠れているだけならば良い。
しかし、ハザマ、ヴァン、シャドームーン、クーガーたちが離れている隙に上田を殺されていたのだとすれば不味い。
恵まれた巨体を縮こませて隠れているだけならば良い。
しかし、ハザマ、ヴァン、シャドームーン、クーガーたちが離れている隙に上田を殺されていたのだとすれば不味い。
「くそっ!」
「ン、アイツは……」
その中でヴァンが疲労に塗れた声で呟く。
多くの戦闘と隻眼となったことで不自由で不慣れな視界により大きな疲労がヴァンを襲っている。
ヴァンはそんな状態でも獣じみた五感により一つの影を目ざとく発見した。
その影は煉獄の内部に存在していた巫女服の少女だ。
多くの戦闘と隻眼となったことで不自由で不慣れな視界により大きな疲労がヴァンを襲っている。
ヴァンはそんな状態でも獣じみた五感により一つの影を目ざとく発見した。
その影は煉獄の内部に存在していた巫女服の少女だ。
「……悪魔、か?」
ハザマはその少女から悪魔と同じ気配を感じた、髪飾りにも見える角はアクセサリー等ではなく確かな角だ。
この角は皮膚が硬質化して生まれた、少女の身体の一部分だ。
そして、妖気とも呼ぶべき奇妙な威圧感が少女から溢れ出ている。
この角は皮膚が硬質化して生まれた、少女の身体の一部分だ。
そして、妖気とも呼ぶべき奇妙な威圧感が少女から溢れ出ている。
『……』
少女の視線からは敵意は感じない。
だがしかし、悪魔とは人智を逸した存在である。
楽しみながら人を殺せば、邪鬼のない笑顔で人を騙す存在だ。
だがしかし、悪魔とは人智を逸した存在である。
楽しみながら人を殺せば、邪鬼のない笑顔で人を騙す存在だ。
「ならば、アギラ――――」
『竜宮レナ』
「ッ!?」
「ッ!?」
少女の口から、一人の少女の名前が漏れる。
ハザマは動揺して動きを止める。
神の力を持ちつつも人の心のままであるハザマイデオにとって、その名前は心を揺さぶるには十分すぎる言葉だった。
ハザマは動揺して動きを止める。
神の力を持ちつつも人の心のままであるハザマイデオにとって、その名前は心を揺さぶるには十分すぎる言葉だった。
『……助けて、レナの友達』
そのハザマを眺めながら少女は言葉を続けた。
敵意はない、ハザマはそう確信する。
少女の目はハザマと同じだ。
ハザマと同じ、人間の感情を持った悲しい目だ。
敵意はない、ハザマはそう確信する。
少女の目はハザマと同じだ。
ハザマと同じ、人間の感情を持った悲しい目だ。
『貴方と同じレナの友達を、梨花を助けてください』
「待て、お前はいったい……!」
「待て、お前はいったい……!」
ハザマは少女を呼び止めるが、少女は水晶の中へと消えていく。
薔薇水晶の能力である世界を渡る力だ。
少女が何者なのか、それは今のハザマでは理解できない。
しかし、竜宮レナと関わりのある人物の可能性は高い。
囚われた、あるいは利用されている人物。
そう考えるのが妥当だろう。
薔薇水晶の能力である世界を渡る力だ。
少女が何者なのか、それは今のハザマでは理解できない。
しかし、竜宮レナと関わりのある人物の可能性は高い。
囚われた、あるいは利用されている人物。
そう考えるのが妥当だろう。
「Hey! Hey you!」
そんな中で野太い声が響き渡る。
先ほどの少女のか細い声の記憶すらも上書きするような、無駄に精気の溢れた声だった。
先ほどの少女のか細い声の記憶すらも上書きするような、無駄に精気の溢れた声だった。
「ユーたち! ひどいじゃないか、この私を置いて行くなんて! その上、銃も持っていく!
この私でなく一般ピーポーがこんな状況に置かれたら恐怖のあまり失神していたところだぞ!」
「……上田か。銃ならばもう一つあっただろうが」
「上田『か』!? 上田『か』と言ったのか!?
さすがの防弾ガラスじみた強靭な私のハートでもちょっと挫けてしまうぞ!」
「いやぁ、上田先生。ご無事で何よりです」
「君だけだよクーガーくん……やはり文化人を自称するだけのことはある」
この私でなく一般ピーポーがこんな状況に置かれたら恐怖のあまり失神していたところだぞ!」
「……上田か。銃ならばもう一つあっただろうが」
「上田『か』!? 上田『か』と言ったのか!?
さすがの防弾ガラスじみた強靭な私のハートでもちょっと挫けてしまうぞ!」
「いやぁ、上田先生。ご無事で何よりです」
「君だけだよクーガーくん……やはり文化人を自称するだけのことはある」
その声の先には巨体を揺るがしながら駆け寄る上田の姿があった。
ハザマはどこかで安心しながらも、気の抜けたような気持ちになった。
そのため、素っ気ない返事となったハザマの言葉に大げさに叫び声を上げた上田に対してクーガーが対応を引き取る。
クーガーの言葉に気を良くした上田はクーガーとの会話に熱中する。
巨大戦艦・煉獄を落としたという高揚感から感情が昂ぶっているのだろう。
ハザマはどこかで安心しながらも、気の抜けたような気持ちになった。
そのため、素っ気ない返事となったハザマの言葉に大げさに叫び声を上げた上田に対してクーガーが対応を引き取る。
クーガーの言葉に気を良くした上田はクーガーとの会話に熱中する。
巨大戦艦・煉獄を落としたという高揚感から感情が昂ぶっているのだろう。
「梨花……レナの、友達……」
その横でハザマは確かめるように小さく呟く。
ハザマの心に謎が生まれたが、同時に決意も生まれた。
レナの友人と会いたい。
そこから何かが生まれるかもしれないのだから。
完全に、心を人へと戻すための大事なものを。
ハザマの心に謎が生まれたが、同時に決意も生まれた。
レナの友人と会いたい。
そこから何かが生まれるかもしれないのだから。
完全に、心を人へと戻すための大事なものを。
「戻ったぞ」
「……シャドームーンか」
「……シャドームーンか」
シャドームーンがゆっくりと歩み寄ってくる。
ボロボロの肉体と色の鈍くなったシャドーチャージャーは全盛のシャドームーンとは程遠いが、しかし、その威圧感は消えない。
先ほどの煉獄はシャドームーンを無くしての打倒は難しかったが、同時にシャドームーンこそがハザマたちの最大の障壁であることを思い知らされた。
ボロボロの肉体と色の鈍くなったシャドーチャージャーは全盛のシャドームーンとは程遠いが、しかし、その威圧感は消えない。
先ほどの煉獄はシャドームーンを無くしての打倒は難しかったが、同時にシャドームーンこそがハザマたちの最大の障壁であることを思い知らされた。
「よぉ」
「なんだ」
「別に用ってわけじゃねえよ」
「なんだ」
「別に用ってわけじゃねえよ」
そのシャドームーンへとヴァンが簡単な声をかける。
シャドームーンはヴァンの言葉を無視してドサリと勢い良く座り込む。
確かにシャドームーンの身体にも大きな反動が生まれていたのだ。
シャドームーンはヴァンの言葉を無視してドサリと勢い良く座り込む。
確かにシャドームーンの身体にも大きな反動が生まれていたのだ。
「……」
「先走るなよ、ヴァン」
「先走るなよ、ヴァン」
今なら殺せるんじゃないのか。
そんなヴァンの考えを見ぬいたようにハザマはストップをかける。
それはもちろんシャドームーンの力を理解しているための静止ではある。
いくら満身創痍とは言え、シャドームーンとまともにぶつかればただでは済まない。
下手をすれば返り討ちをあって全滅の恐れすらある。
そんなヴァンの考えを見ぬいたようにハザマはストップをかける。
それはもちろんシャドームーンの力を理解しているための静止ではある。
いくら満身創痍とは言え、シャドームーンとまともにぶつかればただでは済まない。
下手をすれば返り討ちをあって全滅の恐れすらある。
「今はV.V.を倒す。それが優先事項だ」
「わかってるっての……」
「わかってるっての……」
しかし、何よりもこの殺し合いの会場から抜け出すためにもシャドームーンは必要不可欠な人材だ。
ここでシャドームーンが剣を振るっても、ハザマは簡単にシャドームーンを殺すことが出来ないのだ。
シャドームーンを失うことは絶対にできないのだ。
ここでシャドームーンが剣を振るっても、ハザマは簡単にシャドームーンを殺すことが出来ないのだ。
シャドームーンを失うことは絶対にできないのだ。
「で、もう一度聞きますが、これからどうします?」
「……今考えている」
「……今考えている」
クーガーの言葉にハザマは思考を巡らせる。
脱出のことだけを考えたならばこの研究所に留まるべきだ。
いつ研究所を破壊しようと追撃が来るかわからない。
何よりもハザマもシャドームーンもヴァンも、そして表立って態度に出さないが、クーガーも疲労が溜まりきっている。
先に研究所の中で首輪を外してジェレミアと北岡、つかさを待つ。
ベストではないかもしれないがベターの選択ではあるはずだ。
いつ研究所を破壊しようと追撃が来るかわからない。
何よりもハザマもシャドームーンもヴァンも、そして表立って態度に出さないが、クーガーも疲労が溜まりきっている。
先に研究所の中で首輪を外してジェレミアと北岡、つかさを待つ。
ベストではないかもしれないがベターの選択ではあるはずだ。
しかし、ハザマたちが助けに向かわなかったため、ジェレミアたちが生命を落とすという自体も当然考えられる。
そして、ランスロットは強力な機体だ。
その可能性は当然ある。
そして、ランスロットは強力な機体だ。
その可能性は当然ある。
研究所で待つか、研究所で首輪を解除してから向かうか、特定の人物だけがジェレミアの元に向かうか、全員で向かうか。
選択肢ならば多く存在する。
選択肢ならば多く存在する。
「私たちは――――」
ハザマが出した答え――――それは果たしていったい。
【二日目/早朝/F-10 沿岸部】
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世、ベレッタM92F(7/15)@バトルロワイアル(小説)
[所持品]:支給品一式×2、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
鉈@ひぐらしのなく頃に、琥珀湯×2
[状態]:人間形態、疲労(大)、魔力消費(大)
[思考・行動]
0:殺し合いから他の者達と一緒に脱出する。
1:これから――――
2:シャドームーンとの契約を遵守する。
3:翠星石を保護する。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページのユーザ名はtakano、パスワードは123です。
またこれらを入手したことにより、以下の情報を手に入れました。
全参加者の詳細プロフィール
全参加者のこれまでの動向。
現時点での死者の一覧。
各参加者の世界観区分。
nのフィールドの詳細及び危険性。
「彼」が使用したギアスの一覧。
※目的の欄を閲覧することはできませんでした。
【狭間偉出夫@真・女神転生if...】
[装備]:斬鉄剣@ルパン三世、ベレッタM92F(7/15)@バトルロワイアル(小説)
[所持品]:支給品一式×2、インスタントカメラ(数枚消費)@現実、真紅の下半身@ローゼンメイデン、USB型データカード@現実、ノートパソコン@現実、
鉈@ひぐらしのなく頃に、琥珀湯×2
[状態]:人間形態、疲労(大)、魔力消費(大)
[思考・行動]
0:殺し合いから他の者達と一緒に脱出する。
1:これから――――
2:シャドームーンとの契約を遵守する。
3:翠星石を保護する。
[備考]
※参加時期はレイコ編ラストバトル中。
※『多ジャンルバトルロワイアル』のホームページを閲覧しました。
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またこれらを入手したことにより、以下の情報を手に入れました。
全参加者の詳細プロフィール
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現時点での死者の一覧。
各参加者の世界観区分。
nのフィールドの詳細及び危険性。
「彼」が使用したギアスの一覧。
※目的の欄を閲覧することはできませんでした。
【ストレイト・クーガー@スクライド】
[装備]:車
[所持品]:基本支給品一式、昇天石×1@真・女神転生if…、リフュールポット×1
[状態]:身体中に鈍い痛み、疲労(大)
[思考・行動]
0:生きる。
1:翠星石を迎えに行く。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。
※真司、C.C.らと情報交換をしました。
※田村玲子が同化して傷を塞ぎました。アルターについては応急的な処置なので寿命が延びる事はありません。
それ以外の影響があるか否かは後続の書き手氏にお任せします。
※君島の車@スクライドとミニクーパー@ルパン三世はクーガーのアルターで同化しました。
[装備]:車
[所持品]:基本支給品一式、昇天石×1@真・女神転生if…、リフュールポット×1
[状態]:身体中に鈍い痛み、疲労(大)
[思考・行動]
0:生きる。
1:翠星石を迎えに行く。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。
※真司、C.C.らと情報交換をしました。
※田村玲子が同化して傷を塞ぎました。アルターについては応急的な処置なので寿命が延びる事はありません。
それ以外の影響があるか否かは後続の書き手氏にお任せします。
※君島の車@スクライドとミニクーパー@ルパン三世はクーガーのアルターで同化しました。
【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(先端部欠損)、ヴァンの蛮刀@ガン×ソード
[所持品]:支給品一式、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎、昇天石×1@真・女神転生if…、
エアドロップ×1@ヴィオラートのアトリエ、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:右目欠損、疲労(大)
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。生き残る。
1:V.V.を倒した後シャドームーンを殺す。
[備考]
※まだ竜宮レナの名前を覚えていません。
※C.C.の名前を覚えました。
※ファイナルベントを使用したため、二時間変身不能です。
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(先端部欠損)、ヴァンの蛮刀@ガン×ソード
[所持品]:支給品一式、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎、昇天石×1@真・女神転生if…、
エアドロップ×1@ヴィオラートのアトリエ、調味料一式@ガン×ソード
[状態]:右目欠損、疲労(大)
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。生き残る。
1:V.V.を倒した後シャドームーンを殺す。
[備考]
※まだ竜宮レナの名前を覚えていません。
※C.C.の名前を覚えました。
※ファイナルベントを使用したため、二時間変身不能です。
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK、バトルホッパー@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み)
[状態]:疲労(極大)、ダメージ(極大)、全身に負傷、全身に火傷、右腕欠損、シャドーチャージャーに負傷
[思考・行動]
0:創世王を殺す。
1:創世王を殺した後、他の参加者を皆殺しにする。
2:狭間との契約は守る。
3:キングストーン(太陽の石)を回収する。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※会場の端には空間の歪みがあると考えています。
※空間に干渉する能力が増大しました。
※nのフィールドの入り口を開ける能力を得ました。
※回復が始まっていません。回復するかどうかは後続の書き手に任せます。
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK、バトルホッパー@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品0~2(確認済み)
[状態]:疲労(極大)、ダメージ(極大)、全身に負傷、全身に火傷、右腕欠損、シャドーチャージャーに負傷
[思考・行動]
0:創世王を殺す。
1:創世王を殺した後、他の参加者を皆殺しにする。
2:狭間との契約は守る。
3:キングストーン(太陽の石)を回収する。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※会場の端には空間の歪みがあると考えています。
※空間に干渉する能力が増大しました。
※nのフィールドの入り口を開ける能力を得ました。
※回復が始まっていません。回復するかどうかは後続の書き手に任せます。
※狭間偉出夫とシャドームーンは契約を交わしました。内容は以下の通りです。
シャドームーンは主催者を倒すまで他の参加者を殺害しない。(但し正当防衛の場合は例外とする)
狭間はシャドームーンの首輪を解除する。
狭間はシャドームーンが首輪を解除するまで護衛する。
シャドームーンは首輪を解除できれば他の参加者と協力して主催者と戦う。(シャドームーンは会場脱出や主催者の拠点へ侵攻する際は他の参加者と足並みを揃える)
主催者(の黒幕)の殺害はシャドームーンに一任する。
主催者を倒した後はシャドームーンと他に生き残った全ての参加者で決着を付ける。
主催者を倒すまでにシャドームーンが誰かに殺害された場合、狭間は必ずその報復を行う。
シャドームーンは主催者を倒すまで他の参加者を殺害しない。(但し正当防衛の場合は例外とする)
狭間はシャドームーンの首輪を解除する。
狭間はシャドームーンが首輪を解除するまで護衛する。
シャドームーンは首輪を解除できれば他の参加者と協力して主催者と戦う。(シャドームーンは会場脱出や主催者の拠点へ侵攻する際は他の参加者と足並みを揃える)
主催者(の黒幕)の殺害はシャドームーンに一任する。
主催者を倒した後はシャドームーンと他に生き残った全ての参加者で決着を付ける。
主催者を倒すまでにシャドームーンが誰かに殺害された場合、狭間は必ずその報復を行う。
【上田次郎@TRICK(実写)】
[装備]ニンテンドーDS型探知機
[支給品]支給品一式×4(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE、予備マガジン3本(45発)、
上田次郎人形@TRICK、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、情報が記されたメモ、浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品(0~2)、
ファサリナの三節棍@ガン×ソード、倭刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード
[状態]額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲
[思考・行動]
0:ヴァン達に協力する。
[装備]ニンテンドーDS型探知機
[支給品]支給品一式×4(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE、予備マガジン3本(45発)、
上田次郎人形@TRICK、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、情報が記されたメモ、浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品(0~2)、
ファサリナの三節棍@ガン×ソード、倭刀@るろうに剣心、レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード
[状態]額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲
[思考・行動]
0:ヴァン達に協力する。
※水銀燈、真司、C.C.、縁の遺体がF-8民家に安置されました。
※水銀燈、L、真司、C.C.のデイパックが車内に置かれています。
※水銀燈のデイパック
支給品一式×10(食料以外)、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒、双眼鏡@現実、首輪×3(咲世子、劉鳳、剣心)、
着替え各種(現地調達)、シェリスのHOLY隊員制服@スクライド、農作業用の鎌@バトルロワイアル、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、
カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿、剣心の不明支給品(0~1)、ロロの不明支給品(0~1)、
三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル
※Lのデイパック
支給品一式×4(水と食事を一つずつ消費)、ニンテンドーDS型詳細名簿、アズュール@灼眼のシャナ、角砂糖@デスノート、
情報が記されたメモ、首輪(魅音)、シアン化カリウム@バトルロワイアル、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、おはぎ×3@ひぐらしのなく頃に、
女神の剣@ヴィオラートのアトリエ、DS系アイテムの拡張パーツ(GBA)、才人の不明支給品(0~1)、ゼロの剣@コードギアス、
※真司のデイパック
真司の確認済み支給品(0~2) 、劉鳳の不明支給品(0~2)、発信機の受信機@DEATH NOTE、カードキー、神崎優衣の絵@仮面ライダー龍騎
※C.C.のデイパック
支給品一式×4、ゼロの仮面@コードギアス、ピザ@コードギアス、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、
白梅香@るろうに剣心、確認済み支給品(0~1)、S&W M10の弾薬(17/24)@バトル・ロワイアル
※浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品のうちの昇天石×5@真・女神転生if…は、北岡・つかさ・ジェレミア・ヴァン・クーガーで配分しました。
※水銀燈、L、真司、C.C.のデイパックが車内に置かれています。
※水銀燈のデイパック
支給品一式×10(食料以外)、しんせい(煙草)@ルパン三世、手錠@相棒、双眼鏡@現実、首輪×3(咲世子、劉鳳、剣心)、
着替え各種(現地調達)、シェリスのHOLY隊員制服@スクライド、農作業用の鎌@バトルロワイアル、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、
カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿、剣心の不明支給品(0~1)、ロロの不明支給品(0~1)、
三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル
※Lのデイパック
支給品一式×4(水と食事を一つずつ消費)、ニンテンドーDS型詳細名簿、アズュール@灼眼のシャナ、角砂糖@デスノート、
情報が記されたメモ、首輪(魅音)、シアン化カリウム@バトルロワイアル、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、おはぎ×3@ひぐらしのなく頃に、
女神の剣@ヴィオラートのアトリエ、DS系アイテムの拡張パーツ(GBA)、才人の不明支給品(0~1)、ゼロの剣@コードギアス、
※真司のデイパック
真司の確認済み支給品(0~2) 、劉鳳の不明支給品(0~2)、発信機の受信機@DEATH NOTE、カードキー、神崎優衣の絵@仮面ライダー龍騎
※C.C.のデイパック
支給品一式×4、ゼロの仮面@コードギアス、ピザ@コードギアス、カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、
白梅香@るろうに剣心、確認済み支給品(0~1)、S&W M10の弾薬(17/24)@バトル・ロワイアル
※浅倉のデイパックから散乱した確認済み支給品のうちの昇天石×5@真・女神転生if…は、北岡・つかさ・ジェレミア・ヴァン・クーガーで配分しました。
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