治安の維持
トーチ・ポートを外敵から守るのは、領主でありこの地方の長でもあるコンラート伯爵の義務である。
したがって、伯爵指揮下にある騎士団ならびにその部下に当たるゴードン男爵軍(正規軍)は有事には軍を編成し、町を守る義務がある(そしてその義務を果たすため、彼らは徴兵権と戦争税を徴収する権利を持っている)。
一方で、彼らは町の中の揉め事に関与することはない。酒場でのケンカや違法品の密輸入、通商路での強盗団の取締りなどといった治安維持や警察的な役務は町を統治・運営するトーチ・ポート参事会と、彼らの命を受けている自警団により行なわれる。
<正規軍>
正規軍の任務はトーチ・ポートを外敵から守ること、そして町に住む貴族やその子弟の身辺を守ることである。よってよほどの大事がない限り、彼らが貴族街以外の場所に展開されることはない。
彼らの中核は騎士とその従士からなる。15年前の戦争終結後、その数は減少傾向にあるとはいえ、今も精兵の集まりとして内外から一目置かれる存在であることに変わりはない。
現在、伯爵軍は騎士12名・従士40名、男爵軍は騎士8名・従士30名を擁している(有事には彼らの子弟や家臣も参戦することを考えると、実戦力はこの数倍に上るだろう)。彼らは国王の招命に応じて兵を集め、戦に出ることもあるが、ここ10数年ほどはそういった事態は起きていない。
彼らが治安維持や警察的な役割を持って町中に繰り出すことは少ないが、モンスターの出現や大規模な海賊・強盗団の襲撃などに対し、参事会の要請を受けて出撃することもある。
表向き、町の統治権は参事会にあるため、犯罪捜査などに口を挟むことはないが、貴族がらみの事件があった場合にはその限りではないようだ。
また、西町では騎士身分の者や貴族が陣頭指揮を執り、兵を展開することも少なくない (その目的は多くの場合秘密にされているが、噂では禁制品の流通やローグ・ギルドが関わっているとも言われている)。
<自警団>
トーチ・ポート町民の治安維持の中心となるのは、トーチ・ポートの住民で構成される自警団である。彼らは各町の参事会によって招集され、町の門や町中のパトロール、犯罪の取り締まりなど、通常の警察任務の多くを担っている。
彼らの主な任務には町中の治安維持、警備(町門、町庁舎、要人など)、徴税の補佐(特に町門や港での関税など)などがあり、それを執行するための権限が与えられている。
トーチ・ポートでは成人・未婚・非長男の男子は自警団入りが義務とされており、当番制で町の警備を行なうことになっている。
また、他国勢力の侵攻を受けた際には彼らは兵士として働かなければならない。周辺に独立国がなくなったため、こうしたことは当分起こらないだろうが。
ただしすべてを当番兵でまかなうことは難しいため、「自警団専従兵」として東町では20名ほど、西町では50名ほどの兵士を雇い入れ、要所の警備や自警団員の統率などを任せている。
現在東町の衛兵隊長はエーチェが、西町ではバルターが勤めている(通常騎士身分にある者は町の要職に就けない決まりになっているが、西町ではゴードン男爵の「強い推薦」によりバルターに任されている)。また幹部には術者が含まれており、犯罪の捜査時には魔法による探査なども行なわれている。
非専従の自警団員の多くはコモナーであり、戦闘能力には乏しい。とはいえ、武器と鎧を付け、危険が迫れば支給された呼子で仲間を呼び集めるため、治安維持の中核であることに違いはない。
<ヒルガ聖堂騎士団>
ヒルガ聖堂に聖堂騎士として任命されたパラディンを中核とした騎士団。現在ジェン・メッツァーに率いられたパラディン(計5名)とその従士である戦士やクレリックからなる。
メンバーの多くは貴族や高位の僧の師弟や親族で、儀杖兵的な意味合いの強い騎士団であり、戦力としては大きなものではないが、その権威と人気は内外に広く知れ渡っている。
とくにヒルガ聖堂騎士団は美形ぞろいで有名で、屋台では年頃の娘たち向けに彼らの姿絵が売られている。
よってその任務も戦いよりは聖堂の儀式の執行や(形式的な)警備・要人の警護が主である。が、宗教がらみの事件の時には大司教より捜査権と裁判権を受け、捜査に当たることもある。
<その他>
1)私兵
公的な警察権や捜査権を持っているわけではないが、彼らの存在はトーチ・ポートに一定の秩序をもたらしているといってよいだろう。
彼らは雇い主である商人や富豪、貴族の財貨や賞品を守り、時には利害にそぐわない違法な品の流通を阻止すべく犯罪者を追い、捕らえることもある。
時にその過程で死者が出る場合もあるが、そうした事件は多くの場合「事故」として報告されるか、あるいは単に「無かったこと」として闇に葬られる。
また酒場の用心棒なども、酒におぼれるものが他者に危害を加えるのを阻止することで防犯の役に立っているともいえる。
雇い主の支払う額と人脈によって私兵の質は大いに異なってくる。基本的には治安の悪い西町のほうが私兵の人数・質ともに高いようだ。
2)冒険者
自警団の手に負えないような事件や、政治的な問題(特に東西町にまたがる事件であるとか、両町の利害に関与すること)で参事会が手を出せない事件、また参事や貴族たちのなんらかの思惑があるような場合、冒険者が雇われる場合がある。
普通、町庁(参事会)から役人が派遣され、冒険者を「入札」と呼ばれる形式で雇い入れる。この場合冒険者は参事会から派遣されたという形となり、警察権の行使を認められる。
そのほか、探し人や犯罪者の発見(いわゆる“賞金首”)、事件の解決などに賞金がかけられる場合もある。これらもトーチ・ポート内での治安維持に一役買ってはいるものの、こちらは解決時に特に権限を与えられるわけではない。
■東町の治安維持
東町では先の戦争時から町衆の間に「町は自分たちで守る」という意識が強く、犯罪そのものが少ない。ちょっとした揉め事や事件は力自慢の職人や親方の手によって解決されてしまうことも少なくない。
それでも発生する事件・事故への対策として、東町では専従兵を中心とした自警団が町の治安を守っている。
彼らは8時間ごとの3交代制で、どの時間にも専従・当番合わせて30-40名ほどが任務についている。彼らは任務の時間には町壁の物見塔で監視任務についたり、詰所で有事に備える場合もあるし、昼間は町門や税関で徴税官の補佐をすることもあるが、ほとんどの場合2人一組か曹長(専従兵)1名+団員4名の分隊でのパトロール任務につく。概して彼らは勤勉で、町の人々も彼らには一定の尊敬を示している。
自警団員はロングスピアとクラブ、制服としてレザーアーマーとそろいのチュニックを与えられる(専従兵は個人の嗜好に合わせて幅広い装備を持っている)。また、勤務時には全員が呼子(笛)を与えられ、有事にはこれを吹いて仲間に知らせる。町のあちこちにある詰所には専従兵が備えているし、自警団員は呼子の音を聞いたら(たとえ非番時でも)武器を手に集まるよう義務付けられているため、犯罪者は瞬く間に十重二十重に取り囲まれることになる。
また市民の中には(自警団員でないにもかかわらず)呼子の音が聞こえると棍棒を手に集まってくるものもあるという。
したがって、伯爵指揮下にある騎士団ならびにその部下に当たるゴードン男爵軍(正規軍)は有事には軍を編成し、町を守る義務がある(そしてその義務を果たすため、彼らは徴兵権と戦争税を徴収する権利を持っている)。
一方で、彼らは町の中の揉め事に関与することはない。酒場でのケンカや違法品の密輸入、通商路での強盗団の取締りなどといった治安維持や警察的な役務は町を統治・運営するトーチ・ポート参事会と、彼らの命を受けている自警団により行なわれる。
<正規軍>
正規軍の任務はトーチ・ポートを外敵から守ること、そして町に住む貴族やその子弟の身辺を守ることである。よってよほどの大事がない限り、彼らが貴族街以外の場所に展開されることはない。
彼らの中核は騎士とその従士からなる。15年前の戦争終結後、その数は減少傾向にあるとはいえ、今も精兵の集まりとして内外から一目置かれる存在であることに変わりはない。
現在、伯爵軍は騎士12名・従士40名、男爵軍は騎士8名・従士30名を擁している(有事には彼らの子弟や家臣も参戦することを考えると、実戦力はこの数倍に上るだろう)。彼らは国王の招命に応じて兵を集め、戦に出ることもあるが、ここ10数年ほどはそういった事態は起きていない。
彼らが治安維持や警察的な役割を持って町中に繰り出すことは少ないが、モンスターの出現や大規模な海賊・強盗団の襲撃などに対し、参事会の要請を受けて出撃することもある。
表向き、町の統治権は参事会にあるため、犯罪捜査などに口を挟むことはないが、貴族がらみの事件があった場合にはその限りではないようだ。
また、西町では騎士身分の者や貴族が陣頭指揮を執り、兵を展開することも少なくない (その目的は多くの場合秘密にされているが、噂では禁制品の流通やローグ・ギルドが関わっているとも言われている)。
<自警団>
トーチ・ポート町民の治安維持の中心となるのは、トーチ・ポートの住民で構成される自警団である。彼らは各町の参事会によって招集され、町の門や町中のパトロール、犯罪の取り締まりなど、通常の警察任務の多くを担っている。
彼らの主な任務には町中の治安維持、警備(町門、町庁舎、要人など)、徴税の補佐(特に町門や港での関税など)などがあり、それを執行するための権限が与えられている。
トーチ・ポートでは成人・未婚・非長男の男子は自警団入りが義務とされており、当番制で町の警備を行なうことになっている。
また、他国勢力の侵攻を受けた際には彼らは兵士として働かなければならない。周辺に独立国がなくなったため、こうしたことは当分起こらないだろうが。
ただしすべてを当番兵でまかなうことは難しいため、「自警団専従兵」として東町では20名ほど、西町では50名ほどの兵士を雇い入れ、要所の警備や自警団員の統率などを任せている。
現在東町の衛兵隊長はエーチェが、西町ではバルターが勤めている(通常騎士身分にある者は町の要職に就けない決まりになっているが、西町ではゴードン男爵の「強い推薦」によりバルターに任されている)。また幹部には術者が含まれており、犯罪の捜査時には魔法による探査なども行なわれている。
非専従の自警団員の多くはコモナーであり、戦闘能力には乏しい。とはいえ、武器と鎧を付け、危険が迫れば支給された呼子で仲間を呼び集めるため、治安維持の中核であることに違いはない。
<ヒルガ聖堂騎士団>
ヒルガ聖堂に聖堂騎士として任命されたパラディンを中核とした騎士団。現在ジェン・メッツァーに率いられたパラディン(計5名)とその従士である戦士やクレリックからなる。
メンバーの多くは貴族や高位の僧の師弟や親族で、儀杖兵的な意味合いの強い騎士団であり、戦力としては大きなものではないが、その権威と人気は内外に広く知れ渡っている。
とくにヒルガ聖堂騎士団は美形ぞろいで有名で、屋台では年頃の娘たち向けに彼らの姿絵が売られている。
よってその任務も戦いよりは聖堂の儀式の執行や(形式的な)警備・要人の警護が主である。が、宗教がらみの事件の時には大司教より捜査権と裁判権を受け、捜査に当たることもある。
<その他>
1)私兵
公的な警察権や捜査権を持っているわけではないが、彼らの存在はトーチ・ポートに一定の秩序をもたらしているといってよいだろう。
彼らは雇い主である商人や富豪、貴族の財貨や賞品を守り、時には利害にそぐわない違法な品の流通を阻止すべく犯罪者を追い、捕らえることもある。
時にその過程で死者が出る場合もあるが、そうした事件は多くの場合「事故」として報告されるか、あるいは単に「無かったこと」として闇に葬られる。
また酒場の用心棒なども、酒におぼれるものが他者に危害を加えるのを阻止することで防犯の役に立っているともいえる。
雇い主の支払う額と人脈によって私兵の質は大いに異なってくる。基本的には治安の悪い西町のほうが私兵の人数・質ともに高いようだ。
2)冒険者
自警団の手に負えないような事件や、政治的な問題(特に東西町にまたがる事件であるとか、両町の利害に関与すること)で参事会が手を出せない事件、また参事や貴族たちのなんらかの思惑があるような場合、冒険者が雇われる場合がある。
普通、町庁(参事会)から役人が派遣され、冒険者を「入札」と呼ばれる形式で雇い入れる。この場合冒険者は参事会から派遣されたという形となり、警察権の行使を認められる。
そのほか、探し人や犯罪者の発見(いわゆる“賞金首”)、事件の解決などに賞金がかけられる場合もある。これらもトーチ・ポート内での治安維持に一役買ってはいるものの、こちらは解決時に特に権限を与えられるわけではない。
■東町の治安維持
東町では先の戦争時から町衆の間に「町は自分たちで守る」という意識が強く、犯罪そのものが少ない。ちょっとした揉め事や事件は力自慢の職人や親方の手によって解決されてしまうことも少なくない。
それでも発生する事件・事故への対策として、東町では専従兵を中心とした自警団が町の治安を守っている。
彼らは8時間ごとの3交代制で、どの時間にも専従・当番合わせて30-40名ほどが任務についている。彼らは任務の時間には町壁の物見塔で監視任務についたり、詰所で有事に備える場合もあるし、昼間は町門や税関で徴税官の補佐をすることもあるが、ほとんどの場合2人一組か曹長(専従兵)1名+団員4名の分隊でのパトロール任務につく。概して彼らは勤勉で、町の人々も彼らには一定の尊敬を示している。
自警団員はロングスピアとクラブ、制服としてレザーアーマーとそろいのチュニックを与えられる(専従兵は個人の嗜好に合わせて幅広い装備を持っている)。また、勤務時には全員が呼子(笛)を与えられ、有事にはこれを吹いて仲間に知らせる。町のあちこちにある詰所には専従兵が備えているし、自警団員は呼子の音を聞いたら(たとえ非番時でも)武器を手に集まるよう義務付けられているため、犯罪者は瞬く間に十重二十重に取り囲まれることになる。
また市民の中には(自警団員でないにもかかわらず)呼子の音が聞こえると棍棒を手に集まってくるものもあるという。
■西町の治安維持
「敗戦国側」である西町は穏健な東町に比べ秩序に欠け、犯罪も(自分にかかわりがなければ)見て見ぬふりをされることも少なくない。生き馬の目を抜くような苛烈な競争が行なわれているためか凶悪犯罪の発生率も高い。
その対策として、西町参議会は領主である男爵の資金提供を受け、東町より数・質ともに勝る専従兵を雇い入れている。一方で、彼らのうち数名は西町を闇で支配するローグ・ギルドと関わりがあると噂されている。
東町同様、平時でも専従兵を中心とした自警団が8時間ごとの3交代制で、どの時間にも40-50名ほどが治安維持任務についている。
専従兵の質(戦闘力)が東町より高く兵数も多いにも関わらず、犯罪の検挙率では東町ほどの成果が上がっていない。これは、住人たちの犯罪への無関心さが一因にあるとも言われている。
また、西町の専従兵の多くは傭兵や冒険者崩れで、暴力に頼って生きてきた者たちが多いため、概して彼らは横暴で尊大である。
よって町民たちに好まれていないし、積極的に彼らに協力しようとするものも少ない。
守備隊長であるバルターを始めとして専従兵の何人かは貴族や騎士身分であるが、彼らもまたそれに輪をかけて横暴にして粗暴であり、町民たちには恐怖の対象とすら見られている(彼らは身分に守られており、人を殺しても罪に問われる事がほとんどないことを知っているからである)。
こうした風潮を受け、西町では私兵を雇う者が多い。その数は一定していないが専従兵の数倍に達するだろうと考えられている。彼らは警察権を持っているわけでもないし犯罪捜査を行なうこともないが、彼らの存在によって犯罪発生件数は低く押さえられているという説もある。
■標準的な自警団員
自警団員は大半がコモナーである。
彼らは月に何日かの合同訓練の日に定期的に訓練を受けてはいるが、戦力として多くは期待されていない。教えられている戦法も呼子によって(実際の戦力である)専従兵に連絡が届き、彼らが到着するまでの足止めが中心である。
特に東町では「市民のけが人を出さない」とのエーチェの方針から、(非公式ながら)「危なくなったら逃げろ」と教えられている。
ゆえに動きを邪魔しないレザーアーマーと、相手に近寄らず戦えるロングスピアを装備として支給されている。
「敗戦国側」である西町は穏健な東町に比べ秩序に欠け、犯罪も(自分にかかわりがなければ)見て見ぬふりをされることも少なくない。生き馬の目を抜くような苛烈な競争が行なわれているためか凶悪犯罪の発生率も高い。
その対策として、西町参議会は領主である男爵の資金提供を受け、東町より数・質ともに勝る専従兵を雇い入れている。一方で、彼らのうち数名は西町を闇で支配するローグ・ギルドと関わりがあると噂されている。
東町同様、平時でも専従兵を中心とした自警団が8時間ごとの3交代制で、どの時間にも40-50名ほどが治安維持任務についている。
専従兵の質(戦闘力)が東町より高く兵数も多いにも関わらず、犯罪の検挙率では東町ほどの成果が上がっていない。これは、住人たちの犯罪への無関心さが一因にあるとも言われている。
また、西町の専従兵の多くは傭兵や冒険者崩れで、暴力に頼って生きてきた者たちが多いため、概して彼らは横暴で尊大である。
よって町民たちに好まれていないし、積極的に彼らに協力しようとするものも少ない。
守備隊長であるバルターを始めとして専従兵の何人かは貴族や騎士身分であるが、彼らもまたそれに輪をかけて横暴にして粗暴であり、町民たちには恐怖の対象とすら見られている(彼らは身分に守られており、人を殺しても罪に問われる事がほとんどないことを知っているからである)。
こうした風潮を受け、西町では私兵を雇う者が多い。その数は一定していないが専従兵の数倍に達するだろうと考えられている。彼らは警察権を持っているわけでもないし犯罪捜査を行なうこともないが、彼らの存在によって犯罪発生件数は低く押さえられているという説もある。
■標準的な自警団員
自警団員は大半がコモナーである。
彼らは月に何日かの合同訓練の日に定期的に訓練を受けてはいるが、戦力として多くは期待されていない。教えられている戦法も呼子によって(実際の戦力である)専従兵に連絡が届き、彼らが到着するまでの足止めが中心である。
特に東町では「市民のけが人を出さない」とのエーチェの方針から、(非公式ながら)「危なくなったら逃げろ」と教えられている。
ゆえに動きを邪魔しないレザーアーマーと、相手に近寄らず戦えるロングスピアを装備として支給されている。