トリオ TS-120/TS-130シリーズで電波を出そうの会

Day08 - 受信感度の調整

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ts-120s

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PLLアンロック直ったら、いよいよ受信性能を改善しよう。

なにしろ40年以上は経過しており、IF段とて離調は避けられない。
ここでは、信号を入れてIFユニット上のコイルを調整し、受信感度をベストに持っていく。


どうでもいいですが、リレーは元々オムロン製が使われていたはず。*1

MATSUSHITAと書かれたオレンジ色のリレーは、おそらく過去の持ち主がLZN403-12VDCから、旧松下電工のNF4EB-12Vに交換した形跡と思われる。

準備:出力可変できる信号源を用意しよう。

強弱を伴うお空の信号を使って調整するのは至難の業だ。
アマチュア的には、アマチュアバンド内の周波数を吐ける信号源にステップアッテネータをかけ、S0~9+程度振れる信号を作っちゃうのが良い。
  • 信号源は、較正されたSSG(標準信号発生器)があれば文句なしだが、個人レベルで持っている人もそうはいまい。
    • PLLかDDSか、ハムバンド内の値を持つ水晶を利用した1石水晶発振器でもいいので用意しよう。*2
    • なんならnanoVNAの信号を使うのも手だ*3
  • 複数のパイ型アッテネータをトグルスイッチでオンオフできる「ステップアッテネータ」は、自作して持っとくとこういう時に役に立つ。

感度の調整(IFユニット)。

  1. TS-120のアンテナ端子から14MHzあたりの信号を入れ、IFユニットのコイルT1~T7のコアゆっくりいじり、Sメータ指示を最大にする。それを何度も繰り返す。基本的には、アンテナに近い側から順番にやっていけばいい。
  2. Sメータ指示の調整はVR1(SSG 100dB→S9+60dB)/VR2(SSG 40dB→S9)/T6(SSG 8dB→S1)で行う。*4
ウチの個体でも、丁寧に調整したら元S7→S9ちょい+と、S3つぶんぐらいは上がった。

ついでに電解コンデンサ交換。

もしIF基板を外すのなら、ついでに電解コンデンサも取り換えちゃおう。
一部の基板は外すと元に戻せるかドッキドキだが、IFユニットなら楽勝だ。

AGCの時定数は受信時のフィーリングに直結する。


AGCはQ14(JFET)をSSB/CW切替としして、C40(1uF)・R39(10k)・R38(2.2M)あたりで時定数を構成しているようだ。
特にC40はSSBの時定数を決めるので、同じ値の新品に取り換えておくといい。

古い無線機だと、劣化で容量が減ってAGCの時定数が設計からズレ、Sメーターがやたら速く動く個体を見かける。

TX BPF/RX BPFは調整しなかった。

サービスマニュアルにはRFユニットのBPFも調整せよ、と書かれている。
こちらは「過去の持ち主がヤラカシレベルでコイルをいじってしまった場合」を除けば、そんなにひどい特性に振れてしまうことはないはずなので、無理にやらなくてもよいと思う。
NanoVNAを持っているなら、RX BPFを調整できるのではなかろうか。
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注釈

*1 オムロンのG2E-12VDCとLZN403-12VDCの2つ。そりゃ経年劣化で接点不良おこしますよね

*2 ぜったいなにも用意したくない!という方は、ラジオNIKKEIの信号で調整してはいかがでしょうか

*3 ここでは詳しく述べないが、単一周波数の信号を吐く「CW FREQ」モードが装備されている。nanoVNAの出力が矩形波だとはいえ、信号源としては何とか使えるはずだ。

*4 とはいえ、しょせんSメーターなど目安でしかないので、それらしいRSTレポートをを送れるよう、アマチュアバンドで実際の信号を聴きながら好ましいフィーリングに仕上げてほしい。