トリオ TS-120/TS-130シリーズで電波を出そうの会

Day14 - マイク入力まわりを考える (1)

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ts-120s

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TS-120は、ALCをレッドゾーンまで振らせてはいけない(たぶん)

120を少し使ってみて実感するのが、SSBモードでのトークパワー不足。120にはそれを補うAFスピーチプロセッサが内蔵されていない。*1

そのため、マイクゲインを絞れば、変調はそこそこきれいだが、細身の音になってしまう。しかし、うかつにマイクゲインを上げてALCを元気に振らしてしまうと、今度は隣の受信機でモニターしても許容し難い音がでて、さらにやりすぎると帯域が広がってしまう。
いわば「電波の質」の低下を実感できる。

1980年代~90年代、HFモービル局は現在よりもはるかに局数がいたが、総じて彼らの変調はひどく汚かったという。120で実験してみると、さもありなんと思う。「パワー計振らしてなんぼ」で運用すると、トンデモ変調になる。

なにしろ内蔵されているALC回路構成「超適当」(いや、未成熟というべきか)で、ALCがスレッショルドでかかりムリヤリ削りにっているだけのフィードバックだ。これはピークでひずみそう。
後代のリグと比較検討しつつ、120のALC回路を改造してみるのも一興だが、そこはまたいずれ機会があれば。

TS-120の音声信号入力は(当然)貧弱だ。

ここ20年ぐらいのケンウッド社製HF機だと、変調信号は、マイク端子(8pin)のほかに、USBとDINで入力可能だ。
しかし「1970年代末の小型HF機 一号機」たる120にそんな装備があるわけがない。

そんなわけで、音声入力を改善してみたい。

うまくすれば、FT8でも運用できるかもしれないですしね。
上記の通り、音声信号入力はマイク端子しかない。

余談だが、当時アマチュア無線では(日本では許可されていないが)フォーンパッチが諸外国で使用されていた。

ということもあり、当時のSERVICE BULLETINには、120のフォーンパッチ機器の接続方法("PHONE PATCH TERMINAL ADDITION")が記載されている。

IF Gen(たぶんAF Gen基板の間違い)のQ18(=初段マイクアンプ)の入力側から引っ張り出せ、Fixed divider (= 10k/100kのL型ATT)をかませ、という。

これは音声入力を引っ張り出すには良さそうな案だ。ただ、「RCAジャック」をリアパネルに穴あけするのも忍びないし、「REMOTE端子の7ピン」は込み入っていて手が入れられそうにない。

すみません、素直に4pin MIC端子から入力することにしました。

ところが、最近マイクコネクタの入手性問題発生。

4pinマイクプラグを入手すべく、心当たりある秋葉原の部品屋さんを回った。
昨今の事情でお値段が上がってる程度は想定していたが、それ以前に、在庫が切れていた。店員さんに伺うと、在庫切れのまま、発注かけても入荷しないのだとか。

いや、4pinのマイクコネクタなんてめったに使わないですよね今どき。

運よく、ジャンク箱から発掘。

国内ネット通販かアリエクしかないかな、などと思っていたら、改めてジャンク箱を漁ると、4pin マイクプラグがひょっこり見つかった。
これで何とかなりそうです。
(つづく)
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注釈

*1 TS-130シリーズ以降は、小型機でも簡易スピーチプロセッサが装備されました。これもオーバーゲインでピークをクリッピングさせてるだけのマイクコンプレッサが多かったですが