トリオ TS-120/TS-130シリーズで電波を出そうの会

Day18 - AF-GENユニットの予防メンテと改良 (1)

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「AF-GENユニット」を少しいじってみよう。

AF-GENにはザックリ、電源まわり、送受信のオーディオアンプ、変復調、固定周波数運用の水晶発振回路とVOXなどが載っている。
AF-GENユニットの調整ポイントはひと通りいじったが、幸い、致命的な部品の劣化もないと見えて、あっさり調整は終わった。
しかしせっかくなので少し部品交換をしてみよう。というのも送受信音の抜けが妙に悪く、受動素子の劣化が戦犯に思えたからだ。

目的:あくまで、予防メンテです。

劣化した電解コンデンサを交換すること(いわゆるrecap)と、あと一部能動素子交換を目的とします。
汚い電波は出したくないし、ちょい自分好みの音にしたいかなとか考えますけど、いわゆる「ハイファイSSB」をしようとかはまったく考えてませんので、悪しからず。

  • まずAF-GENユニットは取り外すのが一見手ごわそうに見えますが、シャーシとのネジを順番に外していくと、放熱板ごと綺麗に外れます。そして放熱板を外さずとも基板裏側は問題なくハンダゴテが入ります。メンテナンス性GOODです。
  • ざっくり、電源周りが左奥、AF PA周りが右奥でその少し手前のVRが並ぶ周辺がVOX/ANTI VOX回路、中央付近にマイクアンプ、手前側左が水晶発振回路、手前側右がバラモジです。
  • 手前左にあるJ1/J2間は、1本空きがあります。誤って挿さぬよう、くれぐれも注意。僕は被覆線の絶縁樹脂を掛けてチョンボを防いでいます。

注意:粗大ごみを作るな。

古いプリント基板なので、容易に銅箔部分が浮き上がります。
直してるつもりが粗大ごみを生成せぬよう、要注意(自分にも言い聞かせ)。
  • Recapのコツは、ブロックごとにメモを取りながらステップバイステップでメンテすることです。
    • 基板上の思い当たるコンデンサ数十個をありったけ交換後動作しなくなってしまうと、トラブル発生個所を突き止めるのが非常に困難。
  • 変復調のバランスドミキサ周辺をいじりたい気持ちもあるのですが、そのへんを始めるとハード破壊すれすれの沼になりそうなので、やめときましょう。

まず、電源入力。

古い電解はさっくり交換しましょう。
電源まわりにぶら下がる大きめの値の電解は全とっかえ。
  • C10/C11 1000u/16V→1500u/16V
  • C24/C44/C75 220u/16V→470u/16V
  • C13/C16/C49/C75/C76/C77 47u/16V→100u/16V

電源周りで気になる点。

  • 特にC10/C11は電源リップルを全力で吸収するためものなので、高さが許す限り、値はもっと大きくていいぐらいです。*1
    • 三端子レギュレータの入力C13共々、常に酷使されてきたコンデンサなので、速やかに交換をしとくべきです。
  • Q3(2SA473Y)やQ2(三端子レギュレータuPC14305=7805)は触ると不気味なほど熱を帯びていて、劣化をにおわせます。が、今生きてる分にはこのままいきましょう。
  • Q3~Q6あたりは9Vと6Vを吐くための低電圧回路ですが、なにやらごちゃごちゃしてます。当時いろんな電圧のレギュレータが出てなかったのかしら。
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注釈

*1 後代の12V駆動100W機では、2200uF x2とかになってます。