アンジェリカ√終盤、
セシルとともに
狂った地母神と対峙するアンジェリカ。
人間を数として俯瞰し、
一の犠牲を許されるために百をあらかじめ救っておくからどうか
人類も我慢しろ……とのたまう神祖。
だが、そんな理屈の先にあるのは神による
管理国家に他ならない。
だからこそ──神祖滅殺。神々の傲慢を、人間の矜持が打ち砕くということを証明しよう。
そんな気合を胸に破壊の杖を振り続けるが、しかし。
「気合だけではなぁ、わが娘よ」
アンジェリカの放つ数多の熱線は、たった一条の光線によって霧散する。
彼女では常識的すぎるがゆえに光の亡者を倣えず、不条理を体現する資格を持たないから。
しかもそのうえ、
神祖は彼女を侮らない。
より徹底的に。より確実に。眼前の少女たちを排するべく全力の砲撃を繰り返すイザナ。
その
異能はあまりにも圧倒的で単純で、かつ
自身の持つ星辰光の上位互換であるから、長期戦を挑むなど愚の骨頂。けれど短期決戦を狙うには不死を突破する手段がない。
ならばどうする──アンジェリカ・フォン・アクトレイテは考える。
高位次元との接続により神殺しをなすための
星辰体を
ラグナへ送ることは可能だが、実際に
神殺しを作成することができるのはラグナのみ。
直前に
アメノクラトに行ったハッキングだって、実際に魔星の
通信網に波及させたのはラグナの手腕であり、彼女が行ったことといえば、
ジェイスの遺した義手を励起させてタイミングよく押し込んだだけで……
「あ……」
懐に感じるのは確かな鋼の感触。瞬時に組み上がっていくのは神祖滅殺の計略。
あまりにも不確定要素に頼り切った作戦だが、だからこそ神祖の意表をつけるかもしれないと。
物言わぬ鋼鉄に宿った戦士の魂がやれと後押ししているようだったから──
「ねえ、御先さん……力を貸してくれるかしら?」
「是非もないだろう。お前がそうであるように、私も私に託されている」
そして、彼女は覚悟を決めた。いくら嬲られようが神威の嵐に耐え続けよう、千載一遇のその機会まで。
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そして─── |
はたしてその瞬間は訪れた。
大聖堂の戦場には騎士団による守備を突破したアメノクラトが大挙して押し寄せ、
天井から斬撃をいくつも交差させながら、 終焉吼龍と 斬空真剣が落下してくる。
それでも神祖に焦りの感情はない。なぜなら彼女はこの展開を最も警戒していたから。ゆえに何の油断もなく結晶砲台をラグナへと向ける。
しかし───
「──ラグナ、魔星をッ」
彼女が指示したのはイザナへの攻撃──ではなかった。
ニーズホッグは即座にその意思をくみ取りアメノクラトを一体蹴り飛ばす。
「セシル、お願い!」
続けざま、セシルは即座に反応し、 星辰略奪を敢行し、その一機は完全に動きを止める。
胸に勝利への策を抱きながらアンジェリカはそこへ全力で駆けた。
だからこそ……
「何をする気か知らんが、保険を掛けておいて良かったよ」
少女の知恵など、膨大な年季には劣るのだと突きつけるように、壁面に突き刺さっていた小さな結晶から砲台を形成。
疾走する我が子へ向けて神威の光輝が斉射された。
「ありがとう、お母様。わたくしそれを待っていたの。」
「第二太陽との直通経路を確保──同調完了、逆流開始」
「何だと……ッ」
刹那、起こった現象は光線がもたらす膨大な熱量の素通りだ。
神祖には知られていない 九条御先という伏せ札が、この状況を成し遂げた。
自身を高位次元へと通じる入口へと化すことでその膨大なエネルギーの奔流を向こう側へ流し込む。
言わずもがな、この現象は 相手の星辰光がエネルギーをそのまま放つ性質のものだったからこそだ。
エネルギーを炎や水などの自然現象へと転じるものならばこうはならなかった。
その特性を利用した、彼女にのみ通じる突破策。
そしてならばこそ、アンジェリカはこの一瞬を逃さずに。
「さあ、聞かせてやりなさいジェイス! あなたが何者かを、生前の如く高らかにッ!」
裂帛の気合とともに、彼の残した置き土産を魔星の装甲へ叩き込んだのである。
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- 作成初めてなんですけどこんな感じで大丈夫ですかね? -- 作成者@アンジェリカちゃんスキー (2020-06-14 01:17:49)
- ↑ いい感じだと思いますよ。 -- 名無しさん (2020-06-14 01:22:21)
- 懐からジェイスの腕取り出したらしいがあの胸にそんなスペースがあるのだろうか -- 名無しさん (2020-06-14 01:28:21)
- 貧者の薔薇小型すぎ問題みたいなもんだ -- 名無しさん (2020-06-14 07:08:10)
- ↑2(無言のパロ・スペシャル) -- 名無しさん (2020-06-14 08:32:25)
- 巨だろうが貧だろうが女の乳は四次元ポケットなんだよ -- 名無しさん (2020-06-14 09:28:48)
- 裁きの時だ。 -- 名無しさん (2020-06-14 17:01:26)
- パッドに偽装してたんだよ -- 名無しさん (2020-06-14 19:27:14)
- むしろ平たいからこそ、あの鉄腕をガッチリ固定して持ち運ぶことが出来たのではないだろうか? -- 名無しさん (2020-06-14 20:31:33)
- 光狂い(腕)「・・・ま、将来に要ご期待ってところか。頑張れ、お嬢」 -- 名無しさん (2020-06-15 07:17:59)
- ↑無言で握り潰す -- 名無しさん (2020-06-15 09:20:10)
- テイク2.光狂い(腕)「さわさわ…壁?」 -- 名無しさん (2020-06-15 12:19:17)
- ↑光狂い(腕)「ちょ、待てお嬢。手首関節はそっちに曲がらなああああ!!!」(メキメキメキメキ) -- 名無しさん (2020-06-15 17:26:22)
- この熱い展開からの、アレである -- 名無しさん (2020-06-18 18:59:38)
- やってる事は機械人形に戦友の遺品をねじ込むっていう最早作戦とさえ言えない行為なのに絶対何とかなる確信があるの凄い -- 名無しさん (2020-06-18 19:16:01)
- 俺ら目線でさえこいつならなにかしてくれるっていう確信があんだからジェイスと付き合いが長いアンジェリカちゃんもそりゃあ何とかなるって思うよね -- 名無しさん (2020-06-20 09:12:23)
- そのうち、残存した思念で腕が自立行動しだしそう。「よう、お嬢。久しぶりだな」とか言ってわちゃわちゃ動きそうで。 -- 名無しさん (2020-06-20 09:19:08)
- ↑ジェイスができるのら総統閣下の遺髪もそのうち意志持って集まり出しそう -- 名無しさん (2020-06-20 09:19:45)
- 閣下はそもそも既に活動する星辰体になってるからその気になればいつでも降臨できるし…… -- 名無しさん (2020-06-20 09:48:09)
- アンクみたいに浮きそう -- 名無しさん (2020-06-20 11:30:50)
- 気合いだけでなんでもやっちゃう光狂いを知ってるのに「気合いだけではなぁ」とかほんと学習してねぇなこのエロゲ神… -- 名無しさん (2020-06-20 11:37:47)
- とは言え、アンジェリカは光狂いじゃないしなぁ...そこを突かれて「じゃあ論理的に私の神殺し甦らせてぶち殺しますわお母様」となるのを読めとは流石にきついだろ。神祖の弱点は千年間の経験値でもどうしても経験しようのない自体だし...(なお、人奏のような未来の五月雨打ちでもないと対処されるが) -- 名無しさん (2020-06-20 11:50:59)
- 個人的には寧ろ『機械への憑依』という初出でもなんでもないことを読みきれてないことがちょっとなあ、となったわ。カグゼライドの時点でやっている上に、魔星自体が元々そういうものな訳で。何よりその直前にそれと似たようなことが起きているわけだし。そもそも不死殺しがラグナとジェイスしかいない以上、ラグナ抜きで殺しに行くと判断したからにはジェイスを蘇らせるかその星辰光を再現する手段があるかもっていうのは自然な発想だろう。セシルルートの受精卵パワーをスメラギが読めてないことといい、ぶっちゃけ全編通して、神祖は経験を他に流用し”これもあるかもしれない”と思っておく能力、つまり想像力があんまりないという欠点があると思う。老人だからか? -- 名無しさん (2020-06-20 13:24:11)
- まぁエロゲ神に応用力がないのは戦い方でわかるけどな…読みの鋭さとか包囲戦術で目眩ましされてるけどこいつは基本ただ撃つだけのウラヌスちゃんと同レベルの事しかしてないし -- 名無しさん (2020-06-20 13:47:25)
- スメラギ君はともかく、エロゲ神の場合は読めててもどうしようもない感あるけどな……。このシーンで一番あいつにとって例外だったのは御崎に自分の星辰光を無効化されたことだし…… -- 名無しさん (2020-06-20 14:50:31)
- エロゲ神は徒手空拳でも相当強いしウラヌスちゃんとは比べ物にならんけど、能力が単純だから応用が利きづらい部分があるんだと思う。あと、格上との戦闘経験はそれほど多くなさそう。神祖同士で模擬戦でもしてれば別だけど、基本国家運営と計画遂行で忙しそうだしね -- 名無しさん (2020-06-20 15:36:02)
- あ、想像力とかは確かにあんまり無い印象はある。最適解は読めるけど、経験値から導き出せる最適解を念頭に置きがちな部分も弱点ではあるのかもな -- 名無しさん (2020-06-20 15:38:46)
- その辺は千年生きた弊害だろうな。余りにも膨大過ぎる経験値が何かを想像する事さえ許さないんだろう。何をして来るか、何が起こるか全部知ってるから想像する余地が欠片もないのが神祖だし。 -- 名無しさん (2020-06-26 21:03:21)
- さあ、聞かせてやりなさいクリストファー・ヴァルゼライド! あなたが何者かを、生前の如く高らかにッ! -- 名無しさん (2020-08-29 14:36:06)
- てか閣下のやつ埋め込んだら閃奏とリンクして概念破壊大爆発でも起こすのかな -- 名無しさん (2020-08-29 14:45:52)
- 金髪で7本の剣を構えるアメノクラトとか、普通にかっこよさそうなんだが -- 名無しさん (2020-08-29 22:02:17)
- 「勝つのは俺だ」 -- 名無しさん (2020-08-29 22:11:17)
- あの状況でそんなことされたらギガースレプリカが感激のあまり発狂してしまう -- 名無しさん (2020-08-29 22:25:33)
- 閣下、一緒に征きましょう!エリュシオンへ -- 名無しさん (2020-08-30 04:36:35)
- 自力でクラト君に干渉して邪竜クラトと審判者クラトが湧きそう -- 名無しさん (2020-08-30 06:09:36)
- さあ、聞かせてやりなさいダインスレイフ! あなたが何者かを、生前の如く高らかにッ! -- 名無しさん (2020-08-30 08:00:21)
- ラグナ&ミサキ「やめてよぉ!」 -- 名無しさん (2020-08-30 15:47:35)
最終更新:2021年10月27日 22:23