概要
戦闘に至るまでの背景
▲694年2月における勢力図
アリガルの猛攻に耐え切れず、
ロッド国の部隊から降伏の使者がやってくるが、
アリガルはこれを受け入れず使者を追い返す。
本来
アリガルは猪武者ではあるものの、人情家で情けに熱く、相手が降参すればそれを承諾する男であった。
その彼をもってしても、
ロッド国への怒りは抑えられなかったのである。
両軍の戦力
戦闘経緯
8月11日、
シーヴァス部隊が出陣し、
グルファ城を包囲する。
シーヴァスは智謀で現在の地位を手に入れた自信から、
アリガルの様な猪武者は挑発すればすぐ野戦に打って出るだろうと最初からなめていた。
しかし、
アリガルは挑発に乗ることもなく、城から一向に打って出てこようとしない。
彼は、出陣前に
アレスから状況に応じて封を切る様にと渡された何枚かの封筒をもっていた。
その中の一通に、「敵地に深入りし、包囲された時は決して相手の挑発に乗らない事」と書かれていた為、それを忠実に守っていたのだ。
ギザイアに大口を叩いた手前、籠城したまま打って出てこない戦況に、
シーヴァスは焦っていた。
8月17日、ようやく挑発に乗った
アリガルが城外に布陣する。
歓喜した
シーヴァスは、
アリガル部隊を完全に包囲する陣を敷いた。
自分の想像通り
アリガルは猪武者、何の考えもなく挑発によって出陣してきたと信じる
シーヴァスは、五部隊にわけた軍勢をもって
アリガル部隊を徐々に包囲していく。
だが、これもまた
アレスが
アリガルに授けた策のうちであった。
アリガルは、自分の部隊も相手に合わせて五部隊にわけると、包囲している
シーヴァスの両翼に少数部隊を派遣、包囲することに拘った
シーヴァス部隊は、これを包み込もうと陣を広げていく。
アリガルの別働隊は最初からこの両翼の機能を停止させるためであり、薄くなった敵陣を
アリガル本隊が一気に突撃する。
自らの策が、力押ししかできないと侮っていた相手によってやぶられた
シーヴァス。
その怒りは並大抵のものではなかった。
流れ矢を受けながら自ら剣を振るい戦うが、
アリガルによってついに陣を崩され撤退していく。
殿軍として戦場に残った
ペストの犠牲により、かろうじて後方へ下がった
シーヴァスは、まず
ギザイアに何故見ているだけで援軍を出さなかった、
アリガルが野戦に出た時点で
ギザイアも軍勢を動かせば、例え包囲網が崩壊しても数で押し切ることが出来たはずと食って掛かった。
ギザイアは、最初から
シーヴァスが自分の後継者に相応しいかの「試験」をしていたに過ぎなかったため、この
シーヴァスの怒りを軽く受け流すと、彼を後方へ置き、次は自らが
アリガル討伐に踏み出した。
アリガルの死
8月23日、
ギザイアは、
アリガルとの戦いに兵馬を使わず、まず矢文を打ちかけた。
矢文は二枚かさなったまま、外壁守備隊長
ロザグの元に届いた。
一枚はありきたりな「
グルファ城は包囲している、降伏せよ」であり、もう一枚は
ロザグ個人宛の「内通すれば将来の出世を約束する」というものであった。
ロザグは小心な将であった為、この自分宛の文からいらぬ疑いをかけられることを恐れ、降伏勧告の文だけを
アリガルに提出したが、不審な態度から他の将に疑われ、この矢文を発見されてしまう。
こうして
ロザグは、
ギザイアに内応したふりをして連絡を取り合う。
26日の夜、今度は
ロザグ経由で
ミルナス宛に
ギザイアからの文が届く。
「外壁守備隊長
ロザグは既に内応を約束している、8月28日の夜、外から総攻撃を仕掛ける、そこで
ロザグと
ミルナスが同時に内側から城内を混乱させれば勝利は間違いない」という内容であった。
だが、その日の夜、
ミルナスは
アリガルの寝室に忍び込むと、寝込みを襲い
アリガルを刺殺し、その足で城外に出る。
既に内応の芝居に取り掛かっていた諸将は、
ミルナスの脱出も、連絡を取り合う芝居と誰も疑わなかった。
なお、先述した
アレスの書状の中に、「謀略戦だけは決して仕掛けないように」と書かれた一通があったという。
戦いの結末
最終更新:2024年08月08日 21:51