「元木治」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
元木治 - (2025/06/02 (月) 22:23:07) の1つ前との変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
&font(#6495ED){登録日}:2011/01/18(火) 21:54:57
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます
----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----
//数年来気になっていた改行を加えました。 by 旧アニヲタwiki当記事初版作成者(当時受験生)
元木治(もとき はる)とは、加藤幸子の短編小説『海辺暮らし』の主人公、お治婆さんこと「ババア」である。
2011年度[[大学入試センター試験]]の国語第二問に登場し、多くの受験生を混乱と絶望へ叩きこんだ。
・『海辺暮らし』[[あらすじ]]
お治婆さんは虎猫のルルと干潟の側で二人暮らしをしている。
一緒に住もうと言う娘夫婦の誘いを断り、干潟を訪れる客を相手に駄菓子屋を営んでいる。この店は婆さんの夫(故人・元漁師)が漁業権を手放した際に受け取った補償金を元手に、彼女が年を取ってから始めたものである。
お治婆さんの家がある干潟は工業排水で汚染されており、近々埋め立てられる予定であった。
そこで婆さんを家から立ち退かせるため、月に一度は“市役所”が訪ねてくる。
その日婆さんのまれにみる陋屋を訪ねたのは、新顔の“コーガイさん”(公害課の梶氏)であった。
壮健そうな働き盛りの梶氏をつくづくと眺めて、婆さんは心の中で一言。
&font(#ff0000){「教育のしがいもあるというものだ。」}
お治婆さんは梶氏を奥に招き入れ、麦湯と浅蜊の佃煮をふるまう。
そう、&font(#0000ff){汚染された干潟の浅蜊}である。
それを知った梶氏は慌てふためき、婆さんに干潟の水質汚染について説得するのだが、却って婆さんを動転させてしまう。
休日に潮干狩りに来る町の人たちを止めようと立て札を立てると言いだした婆さんを、梶氏は宥めようとするのだが、
婆さんを安心させるために結果としてドク入り浅蜊の佃煮を食べる羽目になる。
さて、この苦役を終えた梶氏はいよいよ本題の立ち退き依頼に入るのだが…
(η゚д゚)&font(#ff0000){「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」}
(η゚д゚)「&font(#ff0000){ゼンゼン聞コエナクナリマシタ」}
&font(#0000ff){突如としてsoftalk化する婆さん。}
ポカーン( ゚д゚)となった梶氏に婆さんはさらに畳みかける。
(η゚д゚)「トキドキ耳ガ、遠イトコロニ行ッテシマウノデス。アナタノ楽シイオ話ヲモット聞キタイノデスガ、残念デス。」
そして、落胆しきって立ち上がった梶氏の手に、婆さんはアイスキャンデーを押しつけて追い出したのだった。
さて、センター試験での問題は『海辺暮らし』の後半部分から出題されているのだが、
某大手予備校をして「できるわきゃねぇだろぉぉぉぉぉ(意訳)」と言わしめるほど&font(#0000ff){設問が酷い。(特に問5、6)}
・消去法でしか解けない問題
・残った答えも根拠に乏しい
・そもそもお治婆さんの心情と矛盾している
など、非常にいやらしいものであった。
これに沈められた受験生は数知れず、2chのセンタースレやtwitterでは&font(#ff0000){「ババア死ね」}という悲鳴が飛び交った。
ついには受験板にババア専用スレが立ち、twitterにはババアbotまで作られる始末である。
また先述の「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」が、センター英語の悪魔[[Pat]]様の「Oh,sorry」を彷彿とさせることから
&font(#0000ff){「国語版Pat」「途中でババアがPatとすり変わった」}などとも言われている。
ちなみに、多くの受験生を惑わせた後半部分は正真正銘『海辺暮らし』のラストシーンである。
つまりあれでおしまい、&font(#ff0000){ババアは死んでいない。}
実は問題文に無い物語の前半部分で、お治婆さんが体の異変に気づいたり、ルルが異常な飛び跳ね方をするのをいぶかしむシーンがあるのだが、
これを知らない受験生がいきなりあのシーンを読んでも
&font(#0000ff){ただ猫が飛び跳ね、ババアの視野が狭くなるだけ}という意味不明な場面にしかならないのだ。
せめてリード文か注釈に書いておけと言わざるを得ない。
ついでにお治婆さんとルルは水俣病ではないかと一部で噂されているが、作中では明言されていない。
確かにメチル水銀中毒の症状には視野狭窄や異常行動があるのだが、そのような症状が出ている場合には同時に言語障害や運動障害なども見られるはずなので、本当に水俣病かは定かではない。
(作者が本当の水俣病患者に配慮してあえてこのような描写にしたとも考えられる)
…とまあ、一部界隈では散々ボロクソに叩かれているババアではあるが、『海辺暮らし』の物語自体は決して悪いものではない。
問題文に無い場面では、亡くなった亭主似の若者に心ときめかせたり、
自殺未遂をした女に&font(#ff0000){「飛び降りに丁度良い場所を知ってるわ。立ち会ってあげましょうか」}とブラックジョークをぶっ放したり、
子供をなだめようとして「ババア」呼ばわりされているお治婆さんに出会う事が出来る。
興味のある人は『自然連祷』でググってみよう。
「今日ハトテモ暑イノデ、町ヘノ道々、加筆・修正シテオ帰リクダサイマセ」
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,19)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- この婆さんがクズなのはともかくコーガイさんも大概クズなのにそっちは何も言われないのが悲しい -- 名無しさん (2016-09-30 18:21:13)
- 被害者の一人ではあるが、物語そのものにたいしてネタ抜きにいうとどちらもクズというのは酷だろう。かたや立ち退きを期待される一般人、かたやお役所職員 -- 名無しさん (2016-11-02 23:36:14)
- 過去問で解いたが個人的には治のしたたかさが結構好きだった。解説で最後に(死)と注釈してあったのには笑った。 -- 名無し (2016-12-01 23:15:35)
- 消去法の話なら問5より問3の方がムズいような -- 名無しさん (2024-11-09 11:01:24)
#comment
#areaedit(end)
}
&font(#6495ED){登録日}:2011/01/18(火) 21:54:57
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます
----
&link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧
&tags()
----
//数年来気になっていた改行を加えました。 by 旧アニヲタwiki当記事初版作成者(当時受験生)
元木治(もとき はる)とは、加藤幸子の短編小説『海辺暮らし』の主人公、お治婆さんこと「ババア」である。
2011年度[[大学入試センター試験]]の国語第二問に登場し、多くの受験生を混乱と絶望へ叩きこんだ。
・『海辺暮らし』[[あらすじ]]
お治婆さんは虎猫のルルと干潟の側で二人暮らしをしている。
一緒に住もうと言う娘夫婦の誘いを断り、干潟を訪れる客を相手に駄菓子屋を営んでいる。この店は婆さんの夫(故人・元漁師)が漁業権を手放した際に受け取った補償金を元手に、彼女が年を取ってから始めたものである。
お治婆さんの家がある干潟は工業排水で汚染されており、近々埋め立てられる予定であった。
そこで婆さんを家から立ち退かせるため、月に一度は“市役所”が訪ねてくる。
その日婆さんのまれにみる陋屋を訪ねたのは、新顔の“コーガイさん”(公害課の梶氏)であった。
壮健そうな働き盛りの梶氏をつくづくと眺めて、婆さんは心の中で一言。
&font(#ff0000){「教育のしがいもあるというものだ。」}
お治婆さんは梶氏を奥に招き入れ、麦湯と[[浅蜊>アサリ]]の佃煮をふるまう。
そう、&font(#0000ff){汚染された干潟の浅蜊}である。
それを知った梶氏は慌てふためき、婆さんに干潟の水質汚染について説得するのだが、却って婆さんを動転させてしまう。
休日に潮干狩りに来る町の人たちを止めようと立て札を立てると言いだした婆さんを、梶氏は宥めようとするのだが、
婆さんを安心させるために結果としてドク入り浅蜊の佃煮を食べる羽目になる。
さて、この苦役を終えた梶氏はいよいよ本題の立ち退き依頼に入るのだが…
(η゚д゚)&font(#ff0000){「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」}
(η゚д゚)「&font(#ff0000){ゼンゼン聞コエナクナリマシタ」}
&font(#0000ff){突如としてsoftalk化する婆さん。}
ポカーン( ゚д゚)となった梶氏に婆さんはさらに畳みかける。
(η゚д゚)「トキドキ耳ガ、遠イトコロニ行ッテシマウノデス。アナタノ楽シイオ話ヲモット聞キタイノデスガ、残念デス。」
そして、落胆しきって立ち上がった梶氏の手に、婆さんはアイスキャンデーを押しつけて追い出したのだった。
さて、センター試験での問題は『海辺暮らし』の後半部分から出題されているのだが、
某大手予備校をして「できるわきゃねぇだろぉぉぉぉぉ(意訳)」と言わしめるほど&font(#0000ff){設問が酷い。(特に問5、6)}
・消去法でしか解けない問題
・残った答えも根拠に乏しい
・そもそもお治婆さんの心情と矛盾している
など、非常にいやらしいものであった。
これに沈められた受験生は数知れず、2chのセンタースレやtwitterでは&font(#ff0000){「ババア死ね」}という悲鳴が飛び交った。
ついには受験板にババア専用スレが立ち、twitterにはババアbotまで作られる始末である。
また先述の「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ」が、センター英語の悪魔[[Pat]]様の「Oh,sorry」を彷彿とさせることから
&font(#0000ff){「国語版Pat」「途中でババアがPatとすり変わった」}などとも言われている。
ちなみに、多くの受験生を惑わせた後半部分は正真正銘『海辺暮らし』のラストシーンである。
つまりあれでおしまい、&font(#ff0000){ババアは死んでいない。}
実は問題文に無い物語の前半部分で、お治婆さんが体の異変に気づいたり、ルルが異常な飛び跳ね方をするのをいぶかしむシーンがあるのだが、
これを知らない受験生がいきなりあのシーンを読んでも
&font(#0000ff){ただ猫が飛び跳ね、ババアの視野が狭くなるだけ}という意味不明な場面にしかならないのだ。
せめてリード文か注釈に書いておけと言わざるを得ない。
ついでにお治婆さんとルルは水俣病ではないかと一部で噂されているが、作中では明言されていない。
確かにメチル水銀中毒の症状には視野狭窄や異常行動があるのだが、そのような症状が出ている場合には同時に言語障害や運動障害なども見られるはずなので、本当に水俣病かは定かではない。
(作者が本当の水俣病患者に配慮してあえてこのような描写にしたとも考えられる)
…とまあ、一部界隈では散々ボロクソに叩かれているババアではあるが、『海辺暮らし』の物語自体は決して悪いものではない。
問題文に無い場面では、亡くなった亭主似の若者に心ときめかせたり、
自殺未遂をした女に&font(#ff0000){「飛び降りに丁度良い場所を知ってるわ。立ち会ってあげましょうか」}とブラックジョークをぶっ放したり、
子供をなだめようとして「ババア」呼ばわりされているお治婆さんに出会う事が出来る。
興味のある人は『自然連祷』でググってみよう。
「今日ハトテモ暑イノデ、町ヘノ道々、加筆・修正シテオ帰リクダサイマセ」
#include(テンプレ2)
#right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,19)
}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- この婆さんがクズなのはともかくコーガイさんも大概クズなのにそっちは何も言われないのが悲しい -- 名無しさん (2016-09-30 18:21:13)
- 被害者の一人ではあるが、物語そのものにたいしてネタ抜きにいうとどちらもクズというのは酷だろう。かたや立ち退きを期待される一般人、かたやお役所職員 -- 名無しさん (2016-11-02 23:36:14)
- 過去問で解いたが個人的には治のしたたかさが結構好きだった。解説で最後に(死)と注釈してあったのには笑った。 -- 名無し (2016-12-01 23:15:35)
- 消去法の話なら問5より問3の方がムズいような -- 名無しさん (2024-11-09 11:01:24)
#comment
#areaedit(end)
}