「逆転裁判 逆転アイドル(角川つばさ文庫)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
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&font(#6495ED){登録日}: 2016/07/04 Mon 12:26:07
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&font(#6495ED){所要時間}:約 18 分で読めます
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「逆転裁判 逆転アイドル」は、角川つばさ文庫より2016年6月15日に発行された児童向け小説。
作:高瀬美恵
カバー絵:[[カプコン]]
挿絵:菊野郎
対象年齢:小学上級から
定価:680円(税別)
人気ゲーム、[[逆転裁判シリーズ]]のノベライズであり、[[逆転裁判5]]の後に起きたある事件を描いたオリジナルストーリーである。
作者は数多くのゲームのノベライズを手掛け、同レーベルでは[[星のカービィシリーズ>星のカービィシリーズ(角川つばさ文庫の小説)]] で知られる高瀬美恵女史。
挿絵の菊野郎氏は、シリーズのWEB版公式ファンクラブ「逆転通信」で逆転4コマを描いているほか、様々な逆転シリーズの漫画も描いている。
登場人物紹介のページに現場周辺の上面図が掲載されていたり、場面転換ごとに日付と現在時刻と現在地が表記される、「異議あり!」「待った!」「黙りなァ!」などおなじみのセリフや、法廷での証人のダメージ時や豹変時のセリフが太文字で表記されるなどの実に「逆転」らしい演出も。
「みぬく」や「ココロスコープ」、「サイコロック」もしっかり描かれている。
&font(#ff0000,u){&font(#ffffff){ただし、みぬくは夕神検事との法廷でのシーンだったため「アイツ」に妨害され、サイコロックもそれと思しき描写がされただけで解錠はされなかった}}
また、今作に登場する警察官は名無しのモブのみで、[[イトノコ刑事>糸鋸圭介]]や[[宝月茜]]ポジションのキャラは登場しない。
**あらすじ
6月18日。
弁護士の成歩堂龍一は、養子のみぬきが出演するイベントのため、ショッピングモール「ペガサス・タウン」を訪れる。
イベントのショーが無事に終わったかと思いきや、そこで殺人事件が発生!
みぬきと一緒に出演していたアイドル・百ヶ谷(ももがや)スモモが殺人の容疑者として逮捕されてしまう。
成歩堂はスモモの弁護人となり、法廷で彼女の無実を証明することに!!
(裏表紙、および公式サイトより抜粋)
**登場人物
○弁護側
・&font(b){[[成歩堂龍一]]}
持ち前の正義感や依頼人を信じる心などを武器に、法廷に立つ弁護士。
成歩堂なんでも事務所の所長。
&font(b){「みぬきは、あなたを信じています。あなたは、どんなことがあっても、殺人を犯すようなひとではないと」}
今作の主人公であり、ストーリーは終始成歩堂の目線で展開していく。
娘のみぬきがショッピングモール「ペガサス・タウン」で催されるイベントにマジシャンとして出演するため、事務所総出で応援に。
[[なんでも事務所>成歩堂法律事務所/成歩堂なんでも事務所]]の所長ということなので、みぬきに連れられ関係者エリアの控室で出演者やオーナーらにあいさつ周りをすることになる。
ショーは客席から見ていたが、3人目のスモモの出番の途中で、来月予定されていたみぬきのイベントのキャンセルのメールを着信、同日に予定されていたペガサス・タウンのショーへのみぬきの出演を急ぎ取り付けようとバックヤードのオフィスへ。
エレベーターに同乗した清掃員のおばさんに誤った階数を教えられながらも、なんとか屋上の支配人室にたどり着き、雨宮との話が終わったころに、直滑降ナダレ殺害の一報を受け現場の控室Bへ。
そして容疑者として逮捕されたスモモの弁護を引き受けることに。
今作ではゲームではあまり描かれない、「年頃の娘を持つ父親」としての心情も描かれているが、
・年頃のみぬきがパンツ芸を続けることに難色を示す
・みぬきにボディタッチしようとした直滑降ナダレにカッとなり詰め寄ろうとする
・それを華麗に回避したみぬきを「わが娘ながら、ほれぼれするほど堂々としている。」と評す
・みぬきのことを褒められると自然とにやけ、相手にいい印象を抱いてしまう
・「まだ十六歳とは思えないほどしっかりしていて、頭がよくて、しかも優秀なマジシャン。みぬきは、自慢の娘なのだ。」
など、少々過保護で親バカ気味な一面を覗かせる。
・&font(b){[[成歩堂みぬき]]}
成歩堂が養子にむかえたマジシャンの女の子。
明るく元気!
&font(b){「みぬきは、スモモちゃんを信じてる。スモモちゃんはぜったい、犯人じゃないって」}
イベント出演のために向かったペガサス・タウンで事件に巻き込まれる。
ステージの出番は2番手。既に熱狂的ファンがいるようで、ステージ中に「宇宙一マジ超絶切実最高だよ[[みぬきぇー!>サスケェ]]」との声援を受けている。
今作ではスモモと共に死体の第一発見者となって、成歩堂たちが到着するまで現場保持を行い、取り調べでも自分が見たままを話すというミステリーものの第一発見者キャラの鑑とでもいうべき行動を取る。
成歩堂でなくとも「さすが頼りになる」と言いたくなるだろう。
被告のスモモとは同じ控室Aだったが、イベントの間はずっとステージ袖にいたため彼女の控室での動向は知らない。
スモモとは事件当日が初対面だがすぐに打ち解け、友達の彼女を守るため成歩堂にスモモの弁護をお願いする。
なお、パンツ芸にはプライドを持っているらしく、やめる気はないらしい。
・&font(b){[[王泥喜法介]]}
大声を法廷中に響かせる、熱血弁護士。
成歩堂なんでも事務所の一員。
&font(b){「明らかに自分のものだって知られてるナイフで人を殺すなんて、おかしい。疑ってくれって言ってるようなものじゃないか」}
今回の成歩堂の助手その1。スモモ逮捕の報を受けた後も、冷静に成歩堂をサポートしたり、色めき立つ心音をロジックでなだめるなど、熱血分はなりを潜めている。そのせいかやや影が薄い。
1日目の法廷で成歩堂の助手として弁護席に立ったものの、華屋のウソをみぬこうとした際にギンに妨害される。
・&font(b){[[希月心音]]}
成歩堂なんでも事務所の新米弁護士。
負けず嫌いで感情のままに行動しがち。
&font(b){「やりましょう。Let`s do this!」}
今回の成歩堂の助手その2。やはり成歩堂や王泥喜よりは芸能の情報に明るく、スモモにも注目していた。
2日目の法廷での成歩堂の助手となり、スモモにココロスコープを行った。
○被告人
・&font(b){百ヶ谷スモモ}
大ブレイク中のアイドル。
&font(b){「隠しごとなんて、ありません。わたしが見聞きしたことは、すべてお話ししました!」}
今回の被告。
歌い踊りながら刃渡20cmにもなる[[ナイフで>ナイフ(武器)]]フルーツを飾り切りするという斬新なパフォーマンスで人気を博している、「フルーツ・カッティング・アイドル」。
イベントでの出番はみぬきに続いて3番目。
弾ける笑顔の明るいキャラクターで通しているが、実際は内気で物静かな性格。
父親は十度の防衛に成功した伝説的なボクシング元世界チャンピオン・百ヶ谷モモタ。
みぬきと死体の第一発見者になったが、彼女のステージ用のナイフが凶器として使用され、さらに犯行時刻に現場の控室Bに入るところを2人の証人に目撃されたことから逮捕されてしまう。
さらに控室からは、スモモのステージ衣装であるジャケットも消えていた。
本人は無実を訴えているが、死体発見時に被害者のポケットを探ろうとしてみぬきに止められる不審な行動をとっており、なにかを隠しているらしく成歩堂にも非協力的。
○被害者
・&font(b){直滑降ナダレ}
自称・お笑いアーティスト。
&font(b){「直滑降ナダレ、常識という名のクサリを断ち切る、異次元に生きるお笑いアーティスト。ま、期待しててくれよな」}
イベント出演者の1人でトップバッターの芸人。本人はお笑いの舞台もアートであるとしてお笑いアーティストを名乗っている。
ハンサムであるが、誰に対しても横柄で不遜な態度をとる男で、知名度はほとんどない。
その実力の程は会場中の客を能面みたいな顔と死んだ魚のような目にし、王泥喜は居眠りし、表情豊かな心音まで&font(#ff0000){アメリカの大学の講義以来の真顔になって成歩堂を心配させる}レベル。[[「どんな表情をすればいいか、わからないんです……」>綾波レイ]]
成歩堂曰く、「近所の八百屋のオヤジさんの使い古されたダジャレのほうが、まだ笑える」
顔はいいため一部のファンはいるようだ。
イベントの終了後に控室Bで胸にナイフを突き立てられ死亡しているところを、みぬきとスモモに発見される。
死体は彼の持ちギャグ「天罰かぁ!」のポーズをしていた。
○検察側
・&font(b){[[夕神迅]]}
あらゆる手段で被告を有罪にする腕前を持つ検事。
以前は死刑囚として投獄されていた。
&font(b){「寝言はそのへんにしときなァ、成の字。当てずっぽうでモノを言っていいのは競馬場だけだ……って、バクチ好きの囚人が言ってたぜ」}
今作の[[ライバル]]検事。「5」の後なので既に釈放済み。
相変わらず心理操作を得意としており、裁判長を掌で転がす。
今作では例の斬撃は「どなりつけられただけなのに、まるで刀で斬りつけられたような衝撃が走る」とされている。
そして登場人物紹介ページでは実に悪役顔。
・&font(b){[[御剣怜侍]]}
何度も成歩堂と相対してきた天才検事。
今は検事局のトップ、検察局長をつとめている。
&font(b){「どうした。ひどく険悪な顔をしているな」}
1日目の法廷の後、すさんだ気持ちの成歩堂に声をかけ、「せいぜい、あがくがいい」と不器用すぎるエールを送る。
出番は少ないものの、きっちり存在感を見せる。
なお、今作で成歩堂は「何もかもぼくとは正反対。優雅で、優秀で、自信たっぷり。今みたいな気分のときには一番会いたくない相手だ」と御剣に若干のコンプレックスを抱いているかのような節を見せている。
○裁判官
・&font(b){[[裁判長>サイバンチョ(逆転裁判)]]}
&font(b){「これより、百ヶ谷スモモの法廷を開廷します」}
おなじみ愛すべき爺さん。なのに登場人物紹介ページにはいなく、挿絵でも1コマしか登場していない…不憫
心音同様スモモのことを知っており、彼女に倣い[[リンゴ>リンゴ(果物)]]の[[ウサギ]]を孫に見せようと練習中で、被告席のスモモからアドバイスを受けていた。
また、ボクシングも好きらしく、現役時代の百ヶ谷モモタの試合の話題には興奮していた。
○証人
・&font(b){雨宮 真実夫}(あまみや まみお)
ペガサス・タウンのオーナー。
&font(b){「さまざまな分野でがんばってらっしゃる、若いみなさんのための場を作っていきたいんです」}
白髪混じりの頭をした、小柄な紳士。ショーの前日、料理中に[[包丁]]で右手を怪我し、包帯を巻いている。
若い頃は役者を志していて、今でも若いアーティストを応援したいという気持ちで、今回のようなイベントをよく企画するらしい。
しかし急な仕事が入り、エレベーター点検前に最上階の支配人室まで戻らなければならず、ショーを見れなくなってしまった。
1年前に家族を亡くしたという。
・&font(b){佐々江 月人}(ささえ つきひと)
スモモのマネージャー。
&font(b){「はあ、どうも……ウチは、恥ずかしながら、芸能関係ひとすじでして……」}
事件当時はスモモに飲み物を買ってくるよう言われてモール内にいた。
・&font(b){書見 徹夜}(しょみ てつや)
無愛想な本屋の店員。
&font(b){「み……み……み――……!?」}
モールの1階の本屋「ペガサス・ブックセンター」の店員の若者。
スモモが犯行現場に入るところを見た証人の1人。
読書キャンペーンのゆるキャラ「ヨメッテーノちゃん」の着ぐるみの中の人をしており、目撃時も着ぐるみを着て廊下のベンチで休んでいた。
話を聞こうとした成歩堂一行の姿を見かけるや血相を変えて逃げ出し、着ぐるみを着て「ヨメッテーノちゃんはしゃべれない」という設定を使って証言を拒否した。
・&font(b){華屋 飾}(はなや かざる)
ファッションにうるさいブティックの店員。
&font(b){「このピカピカバッジのダサさが、せっかくのすてきなスーツを台無しにしているんですのよ。」}
「ペガサス・ブックセンター」の2軒隣の「ブティック・カリフラワー」で働くオネエ言葉の「カリスマ・ファッション・アドバイザー」
初対面の成歩堂の弁護士ファッションを一刀両断した。
関係者トイレに向かった際に、スモモが犯行現場に入るところを見たもう1人の証人。
・&font(b){磯木 ますえ}(いそぎ ますえ)
ペガサス・タウンで働く会社員。
&font(b){「はいっ!あたし、あの日は七時に起きて顔を洗ってお弁当を作ってお気に入りのシャツを着ようと思ったらアイロンがかかってなかったのであわててアイロンを……!」}
事件発覚前に支配人室へ向かった成歩堂と同じエレベーターに乗った経理課のOL。
そそっかしく、エレベーター内に落としたポイントカードの詰まったパスケースを友人と一緒に探していた。
そのセリフ回しやキャラ性は、今作のオリジナルキャラ中 ある意味もっとも逆転裁判ぽいかもしれない。
以下ネタバレ注意
凶器がスモモのものであることと、2人の目撃者の証言から、検察側はスモモ以外には犯行は不可能と主張。
特に華屋は、スモモがジャケットを着て封筒を手に持っていたと、詳細まで証言。
スモモは「ジャケットはいつの間にか無くなっていた」と言い、成歩堂も「華屋が目撃したスモモは凶器のナイフを持っていなかった」と反論するも、
夕神は「ジャケットの内側にナイフを忍ばせ、殺害時に返り血を浴びたためジャケットを脱いで袋に詰め、成歩堂も見た清掃員のおばさんに預け処分させた」と推理。
王泥喜が華屋の証言に腕輪の反応を感じながらも、弁護側は2人目の書見の証言に賭けることに。
・書見 徹夜
華屋と同様の証言をしたが、その華屋の姿を目撃していなかったことから、成歩堂に空の着ぐるみを身代わりにベンチに座らせていた可能性を提示される。
「関係者用トイレは清掃中であったから、華屋の証言こそがデタラメ」と反論するが、「狭い視野の着ぐるみではベンチから清掃中の立て札は見えない」と指摘され、ついに成歩堂の仮説を認める。
実は彼はみぬきの熱狂的ファンであり、あの「宇宙一マジ超絶切実最高だよみぬきぇー!」の声の主だった。
つまり彼は休憩と偽って仕事を抜け出し、みぬきのショーを見ていたのだ。
…みぬきには[[おかしなファン>河津京作]]が多くないか?
ちなみに彼のダメージモーションは[[眼鏡が割れて予備に掛け替える>華宮霧緒]]というもの。
もちろん、ステージ裏の控室に入るスモモを見たという証言は真っ赤なウソであった。
この事実に夕神は全身から殺気を漂わせ、地獄の底から響くような声で「…失せなァ…」と書見を退廷させた。
・華屋 飾
書見への尋問で明らかになった、「関係者トイレは清掃中だった」という事実。
華屋は「ショップに戻った後、お客様用トイレに行った」と証言するが、華屋が関係者エリアからショップに戻ってくるまで15分もかかっていた。
華屋の事件への関与を疑った成歩堂が現場の指紋と華屋の指紋の照合を要請。
だが、華屋の指紋が検出されたのは殺害現場の控室Bではなく、隣の控室Aであった。
実は華屋は手癖が悪く、美しいものを見ると自分のものにせずにはいられないコソ泥であった。…[[逆転シリーズのオカマキャラ>本土坊薫]]って…
関係者トイレが清掃中であったことに気付いた華屋だったが、スモモが控室Aから出て行ったところを見て、売れっ子アイドルの控室なら美しいものがあるはずと忍び込み、ジャケットを盗んでいった。
用意していた証人の本性に、夕神はとうとう背中を向けてしまった。
尋問の結果明らかになったのは、控室Bに入った時、スモモはジャケットを着ていなかったこと。普段のノースリーブのワンピースではナイフを隠し持てないという成歩堂に、夕神は次の証人を入廷させる。
それはマネージャの佐々江であった。
佐々江の証言は、指定の飲み物を買えず仕方なくお茶を買って帰った時、控室Bから「今日で終わりにして」というスモモの声が聞こえ、入ろうとしたがドアに鍵がかかっていたというもの。
さらにスモモが持っていた封筒は直滑降のカバンから発見され、中には札束が入っていた。
『犯行現場は密室で、スモモと直滑降しかいなかった。』
『スモモは直滑降にゆすられていた。』
『状況証拠』と『動機』が揃ってしまった--
以下さらなるネタバレ
成歩堂が粘ってなんとか持ちこんだ、2日目の審理。
夕神は新たな証拠として、直滑降がイスにかけていたパーカーのポケットから見つかった動画データ入りのメモリカードを提出。
これがスモモがゆすられていた材料だという。
夕神はスモモに映像を再生するか自分の口で説明するかの選択を迫り、スモモは自分で説明することに。
映っているのはスモモの父、百ヶ谷モモタが、十度目の防衛戦前に対戦相手の豪田コブシに八百長試合を持ちかけているところだという。
豪田は事前に隠しカメラを仕掛けこの様子を撮影、メモリカードを保管していたが半年前に病死。遺品を整理していた甥の直滑降がメモリカードを発見、スモモをゆすり始めたのだ。
夕神が動機を立証してしまったが、この時、心音がスモモの「お金を渡しただけで、他には何もしていない」という証言にノイズを感じ取る。
成歩堂は現場の壊れたロッカーにスモモの指紋が残っていたことから、彼女がロッカーを壊したのでは?と質問する。
ロッカーのことを思い出す時、スモモの感情に強い&font(#0000ff){「恐怖」}と&font(#ffdc00){「驚き」}が現れる。
成歩堂がその原因を尋ねると、ようやくスモモは現場での行動を証言する。
控室Bを訪ねた時、直滑降がいなかったため、どこかにメモリカードがないかと部屋を物色していたが、壊れたロッカーに手をかけた瞬間に直滑降が戻ってきて驚いたのだという。
成歩堂はその時の直滑降との会話についてさらに聞き出す。すると警察がパーカーのポケットから見つけたメモリカードを、直滑降はシャツの胸ポケットに入れていたというムジュンが発覚。
夕神は「直滑降が気まぐれで移動させた」と相手にしないが、成歩堂は「スモモの動機の証明となる証拠品が、押収前にスモモの手に渡るのを防ぐため移動させた」と反論。
そして壊れたロッカーはスモモがいた時は閉まっていたのに、死体発見時は開け放たれていたことから、真犯人がロッカーに潜んでいた可能性を提示。
成歩堂の脳裏に浮かんだ真犯人は、ショーのタイムスケジュールと関係者エリアの構造を把握していて、かつ事件当時の行動がはっきりしないある人物―ー
以下、最終局面のネタバレ
成歩堂がまず喚問したのは、オーナーの雨宮。
彼はエレベーターに乗らず、清掃中の札を立てたトイレに隠れていたと推理。
自分はエレベーターで支配人室に戻ったと雨宮が言ったところで、続いて磯木ますえに証言を求める。
雨宮がエレベーターに乗ったという時刻より前にパスケースを落とし、エレベーターの点検員が拾うまで落ちていたことが証明された。
成歩堂は「その時間にエレベーターに乗っていればパスケースに気付かないはずはない=エレベーターには乗っていない」と証明しようとしたが、雨宮は「パスケースには気付いたが、急いでいたので放置した」と反論し、パスケースの模様までしっかり答えた。
言葉を失う成歩堂に、さらに夕神が「利き腕を怪我していた雨宮にナイフで刺殺は不可能」とダメ押し、雨宮も包帯を解いて怪我の後を見せる。
スモモに判決が下ろうとした時、成歩堂は事件当日を振り返る。
そして、支配人室を訪ねた時に雨宮が飲み物をこぼしたという水拭きの跡で足を滑らせそうになったことを思い出す。
「利き腕を怪我していたなら、どうやって雑巾を絞ったのか?」
か細い糸口であったが、雨宮は言葉を詰まらせた。
成歩堂はさらに今見せた怪我は犯行の追及を逃れるため事件後につけたものではないかと指摘。
雨宮は追い詰められ、どなり声をあげる。
だがすぐさま冷静さを取り戻すと「仕事に嫌気がさして、怪我をすれば休めるかと事件の後自分で斬りつけた」「事件前日にも手を斬りつけた。傷は浅かったが、念のために包帯をしていた」と言い逃れする。
しかし、それがウソだという証拠もない。
やはりエレベーターの件を覆すほかない。
本当に雨宮は事件前にエレベーターで支配人室に戻ったのか?
仮に犯行に及んだとして、エレベーターが点検中の中どうやって最上階まで成歩堂より先回りしたか?
成歩堂は発想を逆転させる。
「エレベーターを『使わない』方法」ではなく、
「エレベーターを『使うことができた』方法」はないか?
成歩堂は一つの可能性を見つけ出す。
点検が終わった後のエレベーターに成歩堂と同乗した清掃員のおばさん。
このおばさんこそが、かつて役者志望だった小柄な雨宮が化けた姿だったと。
慌てた雨宮が、とっさに成歩堂に誤った階数を教え、急ぎ支配人室で変装を解いたのだろうと。
証拠もない妄想と斬り捨てる夕神。
本性をあらわにし出した雨宮も語気を荒げ、パスケースを見たことを再び証言する。
成歩堂は落ち着いたまま、パスケースについて細かく聞き出す。
雨宮は苛立ちながら答える。
「パスケースの中はポイントカードだけだった。急いで届けることもないからほっといた」
そしてついに、口を滑らせてしまった。
落ちているパスケースを拾わなかった雨宮が、なぜ中身を知っているのか。
中を一応確認だけはしたと答えた雨宮だったが、成歩堂が指紋を照合すると言うと、完全に動きが止まってしまった。
あのエレベーターの落とし物のパスケースに触れず、中身を知る方法。
それはエレベーターに探しに来た磯木が、友人と話していたパスケースの特徴を聞くしかない。
その場にいたのは磯木ら2人、成歩堂、清掃員のみ…
「雨宮さん、あの清掃員はあなただった。すなわち、直滑降さんを殺害した真犯人は――」
「あなたです!」
「だったら……」
「だったら、何だってェんだ!?あんな野郎、殺されて当然だった。天罰だ……天罰が下っただけだ……!」
なおも暴れる雨宮を、係官は拘束して連れ出した。
「真実が明らかになったようです。ここに、判決を言い渡しましょう。被告人、百ヶ谷スモモは無罪!」
・雨宮 真実夫
この事件の真犯人。
実は雨宮が1年前に亡くした家族とは愛犬のことだった。
散歩中に[[バイク]]で愛犬を轢き殺された雨宮は、執念で犯人=直滑降を見つけ出した。
しかし警察に届け出てもペットの事故死として処理されることが許せず、今回の計画を企てた。
スモモに罪を着せたのは、事故の直後に通りかかり、急停車した車にスモモと佐々江の姿を見たから。
車は人身事故でないと見ると急いでいたので走り去った。
2人とも事故の瞬間を目撃していなかったのだが、雨宮は事故の目撃証言をしてほしいとスモモの所属事務所にしつこく電話したが相手にされなかった。
この対応を雨宮は、彼女がペットの事故などで面倒に関わりたくないと考えてるためと解釈し、逆恨みしていったのだ。
直滑降がスモモをゆすっていたことは全く知らなかったが、現場のロッカー内で2人の会話を聞いて知った時には「天が味方についている。これこそ天罰だ」と感じたという。
その想いから直滑降に殺害後「天罰かぁ!」のポーズを取らせるという酔狂をはたらいた。
犯行の直前に知った情報をすぐさま計画の一端に加える辺り、ゾッとするほど冷静で頭が回る男であったようだが、家族と言える愛犬を失った悲しみからか自身の行為を天罰だと思い込み、逆恨みでなんの罪もないすももを陥れようとするなど吐き気を催す程の自己正当化をしているなど同情できない犯人である。
・御剣怜侍
判決の翌日、執務室を訪ねてきた成歩堂に、仕事の片手間に雨宮の供述を話した。
話しながら雨宮がスモモに罪を着せた理由を「誤解と逆恨み」と断じ、「天罰」については「人が下す罰は天罰ではなく犯罪だ。犯罪は公正な法の下で裁かれなければならない」と成歩堂に語った。
・百ヶ谷スモモ
無罪判決は勝ち取ったものの、父親の不正が暴かれたことできびしい目にさらされるのでは?と成歩堂 父娘は心配していたが、彼女はテレビで笑顔でパフォーマンスを披露していた。
さらに「父親をかばって、辛い思いをしながらもテレビでは笑顔を絶やさなかったケナゲな少女」の姿が、さらにファンを引き付けるのでは?とも考えられている。
そんな彼女に、成歩堂なんでも事務所行きつけのラーメン屋のオヤジさんも胸を打たれたらしく、成歩堂ら4名のラーメンにフルーツ飾り切りのトッピングをサービスした。
4人は声を揃えて異議を唱えた――
(この時の挿絵を見るに、どうやらフルーツはすべて成歩堂のドンブリへと押しつけられたようだ)
追記修正お願いします
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}
#include(テンプレ3)
#openclose(show=▷ コメント欄){
#areaedit()
- 実はココネの説明で「僕の助手をしてから1年ぐらいたつ」と説明があって日付は6月。そのため実は逆転6とはパラレル設定。そのためかオドロキ君の説明で「少し頼りない」とか書かれている -- サイバン (2016-07-04 16:29:16)
- やっぱそうなんか?読んでて日付のとこに違和感を感じてた -- 名無しさん (2016-07-05 00:17:44)
- この親バカっぷりだと、みぬきに彼氏ができたら大変なことになりそうw -- 名無しさん (2016-07-05 10:22:14)
- カービィと同じ人がノベライズしてたんだね -- 名無しさん (2016-07-21 18:15:52)
- このノベライズの人、プロの同人作家(変な言い方だが)と表現して差し支えないぐらい職人レベルだなあ -- 名無しさん (2016-08-14 14:38:59)
- ウィキ見ると、かなり多方面、多数のゲームでノベライズを手掛けてるみたいね -- 名無しさん (2016-08-14 15:53:28)
- ナルホドの親バカぷりがわかっていい作品。ゲームとかじゃイマイチわからないし -- 名無しさん (2017-02-16 03:03:01)
#comment
#areaedit(end)
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「逆転裁判 逆転アイドル」は、角川つばさ文庫より2016年6月15日に発行された児童向け小説。
作:高瀬美恵
カバー絵:[[カプコン]]
挿絵:菊野郎
対象年齢:小学上級から
定価:680円(税別)
人気ゲーム、[[逆転裁判シリーズ]]のノベライズであり、[[逆転裁判5]]の後に起きたある事件を描いたオリジナルストーリーである。
作者は数多くの[[ゲーム]]の[[ノベライズ]]を手掛け、同レーベルでは[[星のカービィシリーズ>星のカービィシリーズ(角川つばさ文庫の小説)]] で知られる高瀬美恵女史。
挿絵の菊野郎氏は、シリーズのWEB版公式ファンクラブ「逆転通信」で逆転4コマを描いているほか、様々な逆転シリーズの漫画も描いている。
登場人物紹介のページに現場周辺の上面図が掲載されていたり、場面転換ごとに日付と現在時刻と現在地が表記される、「異議あり!」「待った!」「黙りなァ!」などおなじみのセリフや、法廷での証人のダメージ時や豹変時のセリフが太文字で表記されるなどの実に「逆転」らしい演出も。
「みぬく」や「ココロスコープ」、「サイコロック」もしっかり描かれている。
&font(#ff0000,u){&font(#ffffff){ただし、みぬくは夕神検事との法廷でのシーンだったため「アイツ」に妨害され、サイコロックもそれと思しき描写がされただけで解錠はされなかった}}
また、今作に登場する警察官は名無しのモブのみで、[[イトノコ刑事>糸鋸圭介]]や[[宝月茜]]ポジションのキャラは登場しない。
**あらすじ
6月18日。
弁護士の[[成歩堂龍一]]は、養子のみぬきが出演するイベントのため、ショッピングモール「ペガサス・タウン」を訪れる。
イベントのショーが無事に終わったかと思いきや、そこで殺人事件が発生!
みぬきと一緒に出演していたアイドル・百ヶ谷(ももがや)スモモが殺人の容疑者として逮捕されてしまう。
成歩堂はスモモの弁護人となり、法廷で彼女の無実を証明することに!!
(裏表紙、および公式サイトより抜粋)
**登場人物
○弁護側
・&font(b){[[成歩堂龍一]]}
持ち前の正義感や依頼人を信じる心などを武器に、法廷に立つ弁護士。
成歩堂なんでも事務所の所長。
&font(b){「みぬきは、あなたを信じています。あなたは、どんなことがあっても、殺人を犯すようなひとではないと」}
今作の主人公であり、ストーリーは終始成歩堂の目線で展開していく。
娘のみぬきがショッピングモール「ペガサス・タウン」で催されるイベントにマジシャンとして出演するため、事務所総出で応援に。
[[なんでも事務所>成歩堂法律事務所/成歩堂なんでも事務所]]の所長ということなので、みぬきに連れられ関係者エリアの控室で出演者やオーナーらにあいさつ周りをすることになる。
ショーは客席から見ていたが、3人目のスモモの出番の途中で、来月予定されていたみぬきのイベントのキャンセルのメールを着信、同日に予定されていたペガサス・タウンのショーへのみぬきの出演を急ぎ取り付けようとバックヤードのオフィスへ。
エレベーターに同乗した清掃員の[[おばさん]]に誤った階数を教えられながらも、なんとか屋上の支配人室にたどり着き、雨宮との話が終わったころに、直滑降ナダレ殺害の一報を受け現場の控室Bへ。
そして容疑者として逮捕されたスモモの弁護を引き受けることに。
今作では[[ゲーム]]ではあまり描かれない、「年頃の娘を持つ父親」としての心情も描かれているが、
・年頃のみぬきがパンツ芸を続けることに難色を示す
・みぬきにボディタッチしようとした直滑降ナダレにカッとなり詰め寄ろうとする
・それを華麗に回避したみぬきを「わが娘ながら、ほれぼれするほど堂々としている。」と評す
・みぬきのことを褒められると自然とにやけ、相手にいい印象を抱いてしまう
・「まだ十六歳とは思えないほどしっかりしていて、頭がよくて、しかも優秀なマジシャン。みぬきは、自慢の娘なのだ。」
など、少々過保護で親バカ気味な一面を覗かせる。
・&font(b){[[成歩堂みぬき]]}
成歩堂が養子にむかえたマジシャンの女の子。
明るく元気!
&font(b){「みぬきは、スモモちゃんを信じてる。スモモちゃんはぜったい、犯人じゃないって」}
イベント出演のために向かったペガサス・タウンで事件に巻き込まれる。
ステージの出番は2番手。既に熱狂的ファンがいるようで、ステージ中に「宇宙一マジ超絶切実最高だよ[[みぬきぇー!>サスケェ]]」との声援を受けている。
今作ではスモモと共に死体の第一発見者となって、成歩堂たちが到着するまで現場保持を行い、取り調べでも自分が見たままを話すという[[ミステリー]]ものの第一発見者キャラの鑑とでもいうべき行動を取る。
成歩堂でなくとも「さすが頼りになる」と言いたくなるだろう。
被告のスモモとは同じ控室Aだったが、イベントの間はずっとステージ袖にいたため彼女の控室での動向は知らない。
スモモとは事件当日が初対面だがすぐに打ち解け、友達の彼女を守るため成歩堂にスモモの弁護をお願いする。
なお、パンツ芸にはプライドを持っているらしく、やめる気はないらしい。
・&font(b){[[王泥喜法介]]}
大声を法廷中に響かせる、熱血弁護士。
成歩堂なんでも事務所の一員。
&font(b){「明らかに自分のものだって知られてるナイフで人を殺すなんて、おかしい。疑ってくれって言ってるようなものじゃないか」}
今回の成歩堂の助手その1。スモモ逮捕の報を受けた後も、冷静に成歩堂をサポートしたり、色めき立つ心音をロジックでなだめるなど、熱血分はなりを潜めている。そのせいかやや影が薄い。
1日目の法廷で成歩堂の助手として弁護席に立ったものの、華屋のウソをみぬこうとした際にギンに妨害される。
・&font(b){[[希月心音]]}
成歩堂なんでも事務所の新米弁護士。
負けず嫌いで感情のままに行動しがち。
&font(b){「やりましょう。Let`s do this!」}
今回の成歩堂の助手その2。やはり成歩堂や王泥喜よりは芸能の情報に明るく、スモモにも注目していた。
2日目の法廷での成歩堂の助手となり、スモモにココロスコープを行った。
○被告人
・&font(b){百ヶ谷スモモ}
大ブレイク中のアイドル。
&font(b){「隠しごとなんて、ありません。わたしが見聞きしたことは、すべてお話ししました!」}
今回の被告。
歌い踊りながら刃渡20cmにもなる[[ナイフで>ナイフ(武器)]]フルーツを飾り切りするという斬新なパフォーマンスで人気を博している、「フルーツ・カッティング・アイドル」。
イベントでの出番はみぬきに続いて3番目。
弾ける笑顔の明るいキャラクターで通しているが、実際は内気で物静かな性格。
父親は十度の防衛に成功した伝説的なボクシング元世界チャンピオン・百ヶ谷モモタ。
みぬきと死体の第一発見者になったが、彼女のステージ用のナイフが凶器として使用され、さらに犯行時刻に現場の控室Bに入るところを2人の証人に目撃されたことから逮捕されてしまう。
さらに控室からは、スモモのステージ衣装であるジャケットも消えていた。
本人は無実を訴えているが、死体発見時に被害者のポケットを探ろうとしてみぬきに止められる不審な行動をとっており、なにかを隠しているらしく成歩堂にも非協力的。
○被害者
・&font(b){直滑降ナダレ}
自称・お笑いアーティスト。
&font(b){「直滑降ナダレ、常識という名のクサリを断ち切る、異次元に生きるお笑いアーティスト。ま、期待しててくれよな」}
イベント出演者の1人でトップバッターの芸人。本人はお笑いの舞台もアートであるとしてお笑いアーティストを名乗っている。
ハンサムであるが、誰に対しても横柄で不遜な態度をとる男で、知名度はほとんどない。
その実力の程は会場中の客を能面みたいな顔と死んだ魚のような目にし、王泥喜は居眠りし、表情豊かな心音まで&font(#ff0000){アメリカの大学の講義以来の真顔になって成歩堂を心配させる}レベル。[[「どんな表情をすればいいか、わからないんです……」>綾波レイ]]
成歩堂曰く、「近所の八百屋のオヤジさんの使い古されたダジャレのほうが、まだ笑える」
顔はいいため一部のファンはいるようだ。
イベントの終了後に控室Bで胸にナイフを突き立てられ死亡しているところを、みぬきとスモモに発見される。
死体は彼の持ちギャグ「天罰かぁ!」のポーズをしていた。
○検察側
・&font(b){[[夕神迅]]}
あらゆる手段で被告を有罪にする腕前を持つ検事。
以前は死刑囚として投獄されていた。
&font(b){「寝言はそのへんにしときなァ、成の字。当てずっぽうでモノを言っていいのは競馬場だけだ……って、バクチ好きの囚人が言ってたぜ」}
今作の[[ライバル]]検事。「5」の後なので既に釈放済み。
相変わらず心理操作を得意としており、裁判長を掌で転がす。
今作では例の斬撃は「どなりつけられただけなのに、まるで刀で斬りつけられたような衝撃が走る」とされている。
そして登場人物紹介ページでは実に悪役顔。
・&font(b){[[御剣怜侍]]}
何度も成歩堂と相対してきた天才検事。
今は検事局のトップ、検察局長をつとめている。
&font(b){「どうした。ひどく険悪な顔をしているな」}
1日目の法廷の後、すさんだ気持ちの成歩堂に声をかけ、「せいぜい、あがくがいい」と不器用すぎるエールを送る。
出番は少ないものの、きっちり存在感を見せる。
なお、今作で成歩堂は「何もかもぼくとは正反対。優雅で、優秀で、自信たっぷり。今みたいな気分のときには一番会いたくない相手だ」と御剣に若干のコンプレックスを抱いているかのような節を見せている。
○裁判官
・&font(b){[[裁判長>サイバンチョ(逆転裁判)]]}
&font(b){「これより、百ヶ谷スモモの法廷を開廷します」}
おなじみ愛すべき爺さん。なのに登場人物紹介ページにはいなく、挿絵でも1コマしか登場していない…不憫
心音同様スモモのことを知っており、彼女に倣い[[リンゴ>リンゴ(果物)]]の[[ウサギ]]を孫に見せようと練習中で、被告席のスモモからアドバイスを受けていた。
また、ボクシングも好きらしく、現役時代の百ヶ谷モモタの試合の話題には興奮していた。
○証人
・&font(b){雨宮 真実夫}(あまみや まみお)
ペガサス・タウンのオーナー。
&font(b){「さまざまな分野でがんばってらっしゃる、若いみなさんのための場を作っていきたいんです」}
白髪混じりの頭をした、小柄な紳士。ショーの前日、料理中に[[包丁]]で右手を怪我し、包帯を巻いている。
若い頃は役者を志していて、今でも若いアーティストを応援したいという気持ちで、今回のようなイベントをよく企画するらしい。
しかし急な仕事が入り、エレベーター点検前に最上階の支配人室まで戻らなければならず、ショーを見れなくなってしまった。
1年前に家族を亡くしたという。
・&font(b){佐々江 月人}(ささえ つきひと)
スモモのマネージャー。
&font(b){「はあ、どうも……ウチは、恥ずかしながら、芸能関係ひとすじでして……」}
事件当時はスモモに飲み物を買ってくるよう言われてモール内にいた。
・&font(b){書見 徹夜}(しょみ てつや)
無愛想な本屋の店員。
&font(b){「み……み……み――……!?」}
モールの1階の本屋「ペガサス・ブックセンター」の店員の若者。
スモモが犯行現場に入るところを見た証人の1人。
読書キャンペーンのゆるキャラ「ヨメッテーノちゃん」の着ぐるみの中の人をしており、目撃時も着ぐるみを着て廊下のベンチで休んでいた。
話を聞こうとした成歩堂一行の姿を見かけるや血相を変えて逃げ出し、着ぐるみを着て「ヨメッテーノちゃんはしゃべれない」という設定を使って証言を拒否した。
・&font(b){華屋 飾}(はなや かざる)
ファッションにうるさいブティックの店員。
&font(b){「このピカピカバッジのダサさが、せっかくのすてきなスーツを台無しにしているんですのよ。」}
「ペガサス・ブックセンター」の2軒隣の「ブティック・カリフラワー」で働くオネエ言葉の「カリスマ・ファッション・アドバイザー」
初対面の成歩堂の弁護士ファッションを一刀両断した。
関係者[[トイレ]]に向かった際に、スモモが犯行現場に入るところを見たもう1人の証人。
・&font(b){磯木 ますえ}(いそぎ ますえ)
ペガサス・タウンで働く会社員。
&font(b){「はいっ!あたし、あの日は七時に起きて顔を洗ってお弁当を作ってお気に入りのシャツを着ようと思ったらアイロンがかかってなかったのであわててアイロンを……!」}
事件発覚前に支配人室へ向かった成歩堂と同じエレベーターに乗った経理課のOL。
そそっかしく、エレベーター内に落とした[[ポイントカード]]の詰まったパスケースを友人と一緒に探していた。
そのセリフ回しやキャラ性は、今作のオリジナルキャラ中 ある意味もっとも逆転裁判ぽいかもしれない。
以下ネタバレ注意
凶器がスモモのものであることと、2人の目撃者の証言から、検察側はスモモ以外には犯行は不可能と主張。
特に華屋は、スモモがジャケットを着て封筒を手に持っていたと、詳細まで証言。
スモモは「ジャケットはいつの間にか無くなっていた」と言い、成歩堂も「華屋が目撃したスモモは凶器のナイフを持っていなかった」と反論するも、
夕神は「ジャケットの内側にナイフを忍ばせ、殺害時に返り血を浴びたためジャケットを脱いで袋に詰め、成歩堂も見た清掃員の[[おばさん]]に預け処分させた」と推理。
王泥喜が華屋の証言に腕輪の反応を感じながらも、弁護側は2人目の書見の証言に賭けることに。
・書見 徹夜
華屋と同様の証言をしたが、その華屋の姿を目撃していなかったことから、成歩堂に空の着ぐるみを身代わりにベンチに座らせていた可能性を提示される。
「関係者用[[トイレ]]は清掃中であったから、華屋の証言こそがデタラメ」と反論するが、「狭い視野の着ぐるみではベンチから清掃中の立て札は見えない」と指摘され、ついに成歩堂の仮説を認める。
実は彼はみぬきの熱狂的ファンであり、あの「宇宙一マジ超絶切実最高だよみぬきぇー!」の声の主だった。
つまり彼は休憩と偽って仕事を抜け出し、みぬきのショーを見ていたのだ。
…みぬきには[[おかしなファン>河津京作]]が多くないか?
ちなみに彼のダメージモーションは[[眼鏡が割れて予備に掛け替える>華宮霧緒]]というもの。
もちろん、ステージ裏の控室に入るスモモを見たという証言は真っ赤なウソであった。
この事実に夕神は全身から殺気を漂わせ、地獄の底から響くような声で「…失せなァ…」と書見を退廷させた。
・華屋 飾
書見への尋問で明らかになった、「関係者[[トイレ]]は清掃中だった」という事実。
華屋は「ショップに戻った後、[[お客様]]用[[トイレ]]に行った」と証言するが、華屋が関係者エリアからショップに戻ってくるまで15分もかかっていた。
華屋の事件への関与を疑った成歩堂が現場の指紋と華屋の指紋の照合を要請。
だが、華屋の指紋が検出されたのは殺害現場の控室Bではなく、隣の控室Aであった。
実は華屋は手癖が悪く、美しいものを見ると自分のものにせずにはいられないコソ泥であった。…[[逆転シリーズのオカマキャラ>本土坊薫]]って…
関係者[[トイレ]]が清掃中であったことに気付いた華屋だったが、スモモが控室Aから出て行ったところを見て、売れっ子アイドルの控室なら美しいものがあるはずと忍び込み、ジャケットを盗んでいった。
用意していた証人の本性に、夕神はとうとう背中を向けてしまった。
尋問の結果明らかになったのは、控室Bに入った時、スモモはジャケットを着ていなかったこと。普段のノースリーブのワンピースではナイフを隠し持てないという成歩堂に、夕神は次の証人を入廷させる。
それはマネージャの佐々江であった。
佐々江の証言は、指定の飲み物を買えず仕方なくお茶を買って帰った時、控室Bから「今日で終わりにして」というスモモの声が聞こえ、入ろうとしたがドアに鍵がかかっていたというもの。
さらにスモモが持っていた封筒は直滑降のカバンから発見され、中には札束が入っていた。
『犯行現場は密室で、スモモと直滑降しかいなかった。』
『スモモは直滑降にゆすられていた。』
『状況証拠』と『動機』が揃ってしまった--
以下さらなる[[ネタバレ]]
成歩堂が粘ってなんとか持ちこんだ、2日目の審理。
夕神は新たな証拠として、直滑降がイスにかけていた[[パーカー]]のポケットから見つかった動画データ入りのメモリカードを提出。
これがスモモがゆすられていた材料だという。
夕神はスモモに映像を再生するか自分の口で説明するかの選択を迫り、スモモは自分で説明することに。
映っているのはスモモの父、百ヶ谷モモタが、十度目の防衛戦前に対戦相手の豪田コブシに八百長試合を持ちかけているところだという。
豪田は事前に隠しカメラを仕掛けこの様子を撮影、メモリカードを保管していたが半年前に病死。遺品を整理していた甥の直滑降がメモリカードを発見、スモモをゆすり始めたのだ。
夕神が動機を立証してしまったが、この時、心音がスモモの「お金を渡しただけで、他には何もしていない」という証言にノイズを感じ取る。
成歩堂は現場の壊れたロッカーにスモモの指紋が残っていたことから、彼女がロッカーを壊したのでは?と質問する。
ロッカーのことを思い出す時、スモモの感情に強い&font(#0000ff){「恐怖」}と&font(#ffdc00){「驚き」}が現れる。
成歩堂がその原因を尋ねると、ようやくスモモは現場での行動を証言する。
控室Bを訪ねた時、直滑降がいなかったため、どこかにメモリカードがないかと部屋を物色していたが、壊れたロッカーに手をかけた瞬間に直滑降が戻ってきて驚いたのだという。
成歩堂はその時の直滑降との会話についてさらに聞き出す。すると警察が[[パーカー]]のポケットから見つけたメモリカードを、直滑降はシャツの胸ポケットに入れていたというムジュンが発覚。
夕神は「直滑降が気まぐれで移動させた」と相手にしないが、成歩堂は「スモモの動機の証明となる証拠品が、押収前にスモモの手に渡るのを防ぐため移動させた」と反論。
そして壊れたロッカーはスモモがいた時は閉まっていたのに、死体発見時は開け放たれていたことから、真犯人がロッカーに潜んでいた可能性を提示。
成歩堂の脳裏に浮かんだ真犯人は、ショーのタイムスケジュールと関係者エリアの構造を把握していて、かつ事件当時の行動がはっきりしないある人物―ー
以下、最終局面の[[ネタバレ]]
成歩堂がまず喚問したのは、オーナーの雨宮。
彼はエレベーターに乗らず、清掃中の札を立てた[[トイレ]]に隠れていたと推理。
自分はエレベーターで支配人室に戻ったと雨宮が言ったところで、続いて磯木ますえに証言を求める。
雨宮がエレベーターに乗ったという時刻より前にパスケースを落とし、エレベーターの点検員が拾うまで落ちていたことが証明された。
成歩堂は「その時間にエレベーターに乗っていればパスケースに気付かないはずはない=エレベーターには乗っていない」と証明しようとしたが、雨宮は「パスケースには気付いたが、急いでいたので放置した」と反論し、パスケースの模様までしっかり答えた。
言葉を失う成歩堂に、さらに夕神が「利き腕を怪我していた雨宮にナイフで刺殺は不可能」とダメ押し、雨宮も包帯を解いて怪我の後を見せる。
スモモに判決が下ろうとした時、成歩堂は事件当日を振り返る。
そして、支配人室を訪ねた時に雨宮が飲み物をこぼしたという水拭きの跡で足を滑らせそうになったことを思い出す。
「利き腕を怪我していたなら、どうやって雑巾を絞ったのか?」
か細い糸口であったが、雨宮は言葉を詰まらせた。
成歩堂はさらに今見せた怪我は犯行の追及を逃れるため事件後につけたものではないかと指摘。
雨宮は追い詰められ、どなり声をあげる。
だがすぐさま冷静さを取り戻すと「仕事に嫌気がさして、怪我をすれば休めるかと事件の後自分で斬りつけた」「事件前日にも手を斬りつけた。傷は浅かったが、念のために包帯をしていた」と言い逃れする。
しかし、それがウソだという証拠もない。
やはりエレベーターの件を覆すほかない。
本当に雨宮は事件前にエレベーターで支配人室に戻ったのか?
仮に犯行に及んだとして、エレベーターが点検中の中どうやって最上階まで成歩堂より先回りしたか?
成歩堂は発想を逆転させる。
「エレベーターを『使わない』方法」ではなく、
「エレベーターを『使うことができた』方法」はないか?
成歩堂は一つの可能性を見つけ出す。
点検が終わった後のエレベーターに成歩堂と同乗した清掃員の[[おばさん]]。
この[[おばさん]]こそが、かつて役者志望だった小柄な雨宮が化けた姿だったと。
慌てた雨宮が、とっさに成歩堂に誤った階数を教え、急ぎ支配人室で変装を解いたのだろうと。
証拠もない妄想と斬り捨てる夕神。
本性をあらわにし出した雨宮も語気を荒げ、パスケースを見たことを再び証言する。
成歩堂は落ち着いたまま、パスケースについて細かく聞き出す。
雨宮は苛立ちながら答える。
「パスケースの中は[[ポイントカード]]だけだった。急いで届けることもないからほっといた」
そしてついに、口を滑らせてしまった。
落ちているパスケースを拾わなかった雨宮が、なぜ中身を知っているのか。
中を一応確認だけはしたと答えた雨宮だったが、成歩堂が指紋を照合すると言うと、完全に動きが止まってしまった。
あのエレベーターの落とし物のパスケースに触れず、中身を知る方法。
それはエレベーターに探しに来た磯木が、友人と話していたパスケースの特徴を聞くしかない。
その場にいたのは磯木ら2人、成歩堂、清掃員のみ…
「雨宮さん、あの清掃員はあなただった。すなわち、直滑降さんを殺害した真犯人は――」
「あなたです!」
「だったら……」
「だったら、何だってェんだ!?あんな野郎、殺されて当然だった。天罰だ……天罰が下っただけだ……!」
なおも暴れる雨宮を、係官は拘束して連れ出した。
「真実が明らかになったようです。ここに、判決を言い渡しましょう。被告人、百ヶ谷スモモは無罪!」
・雨宮 真実夫
この事件の真犯人。
実は雨宮が1年前に亡くした家族とは愛犬のことだった。
散歩中に[[バイク]]で愛犬を轢き殺された雨宮は、執念で犯人=直滑降を見つけ出した。
しかし警察に届け出てもペットの事故死として処理されることが許せず、今回の計画を企てた。
スモモに罪を着せたのは、事故の直後に通りかかり、急停車した車にスモモと佐々江の姿を見たから。
車は人身事故でないと見ると急いでいたので走り去った。
2人とも事故の瞬間を目撃していなかったのだが、雨宮は事故の目撃証言をしてほしいとスモモの所属事務所にしつこく電話したが相手にされなかった。
この対応を雨宮は、彼女がペットの事故などで面倒に関わりたくないと考えてるためと解釈し、逆恨みしていったのだ。
直滑降がスモモをゆすっていたことは全く知らなかったが、現場のロッカー内で2人の会話を聞いて知った時には「天が味方についている。これこそ天罰だ」と感じたという。
その想いから直滑降に殺害後「天罰かぁ!」のポーズを取らせるという酔狂をはたらいた。
犯行の直前に知った情報をすぐさま計画の一端に加える辺り、ゾッとするほど冷静で頭が回る男であったようだが、家族と言える愛犬を失った悲しみからか自身の行為を天罰だと思い込み、逆恨みでなんの罪もないすももを陥れようとするなど[[吐き気]]を催す程の自己正当化をしているなど同情できない犯人である。
・[[御剣怜侍]]
判決の翌日、執務室を訪ねてきた成歩堂に、仕事の片手間に雨宮の供述を話した。
話しながら雨宮がスモモに罪を着せた理由を「誤解と逆恨み」と断じ、「天罰」については「人が下す罰は天罰ではなく犯罪だ。犯罪は公正な法の下で裁かれなければならない」と成歩堂に語った。
・百ヶ谷スモモ
無罪判決は勝ち取ったものの、父親の不正が暴かれたことできびしい目にさらされるのでは?と成歩堂 父娘は心配していたが、彼女はテレビで笑顔でパフォーマンスを披露していた。
さらに「父親をかばって、辛い思いをしながらもテレビでは笑顔を絶やさなかったケナゲな少女」の姿が、さらにファンを引き付けるのでは?とも考えられている。
そんな彼女に、成歩堂なんでも事務所行きつけのラーメン屋のオヤジさんも胸を打たれたらしく、成歩堂ら4名のラーメンにフルーツ飾り切りのトッピングをサービスした。
4人は声を揃えて異議を唱えた――
(この時の挿絵を見るに、どうやらフルーツはすべて成歩堂のドンブリへと押しつけられたようだ)
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- 実はココネの説明で「僕の助手をしてから1年ぐらいたつ」と説明があって日付は6月。そのため実は逆転6とはパラレル設定。そのためかオドロキ君の説明で「少し頼りない」とか書かれている -- サイバン (2016-07-04 16:29:16)
- やっぱそうなんか?読んでて日付のとこに違和感を感じてた -- 名無しさん (2016-07-05 00:17:44)
- この親バカっぷりだと、みぬきに彼氏ができたら大変なことになりそうw -- 名無しさん (2016-07-05 10:22:14)
- カービィと同じ人がノベライズしてたんだね -- 名無しさん (2016-07-21 18:15:52)
- このノベライズの人、プロの同人作家(変な言い方だが)と表現して差し支えないぐらい職人レベルだなあ -- 名無しさん (2016-08-14 14:38:59)
- ウィキ見ると、かなり多方面、多数のゲームでノベライズを手掛けてるみたいね -- 名無しさん (2016-08-14 15:53:28)
- ナルホドの親バカぷりがわかっていい作品。ゲームとかじゃイマイチわからないし -- 名無しさん (2017-02-16 03:03:01)
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