書(図書館の大魔術師)

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&font(#6495ED){登録日}:2022/11/17 Thu 09:37:23 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&big(){&bold(){書 それは知の結晶であり 思想を持った記号の集積であり 過去と未来を繋ぐ遺産}}} ここでは、『[[図書館の大魔術師]]』に登場する「書」について解説する。 &bold(){※タイトル及び作中の「としょかん」の文字は、くにがまえ(口)の中に書を入れた「圕」と表記されているが、フォントによっては収録されていない文字のためここでは「図書館」と表記する。} 【目次】 #contents() *【概要】 図書館を舞台にする『図書館の大魔術師』には、[[作中作]]として様々な書が登場する。 小ネタ程度のものからストーリーに密接に関わるものまで、非常に多くの書が作中に登場する。 *【「書」とは】 ここでいう「書」とはそもそも、「何かを伝えるために文章が書かれたもの」であり、「本」に限らない。 最初は石板に文字を掘ったものが「書」だったが、持ち運びを便利にするために粘土板と木簡が発明された。 これでもまだかさばっていたため動物の皮で作られた巻物が発明されたが、開いて読むうえでまだ不便だったため、ある将軍が兵士への指示を書いた巻物を折りたたむという方法を編み出し、現在の本が生まれた。 *【&ruby(しちこばつてん){七古抜典}】 大陸史においてその時代の体制や民の暮らしに大きな影響を与えた7つの書の総称。 あくまで影響の大きさで選出されるため、単純な「書」として見ると完成度の低いものや、負の遺産と呼ばれるようなものも存在する。 中には持っているだけで大きな影響力を及ぼせるようなものもあり、何処か一つの組織がこの書の利益を独占しないようにするため、殆どは[[中央図書館>中央図書館(図書館の大魔術師)]]が管理している。 -&big(){&bold(){&ruby(じゅかいそうさんもんじょ){樹海創讃文書}}} 大陸でも特に信者の多い宗教の一つ「&ruby(マナアクア){司道}」の聖典の中でも最古のもの。1700年前頃に作られたといわれているが正確な年代は不明。 司道における信仰対象である大精霊アトラトナンの伝説の一部が記されている。 司道の聖典としてはかなり価値が高く、それゆえこの書の独占による一組織の勢力拡大・権力集中や書をめぐる紛争が懸念され、それらを防ぐために中央図書館に厳重に管理されている。 -&big(){&bold(){ネザファパレハの円盤}} ホピ王国の遺跡から発見された円盤。1400年前頃に作られたといわれているが正確な年代は不明。 現代の魔術はこの円盤の研究から生まれたといわれている。 円盤にはマナの各属性を表す絵が描かれているが、円盤に描かれている絵は8つなのに対し現在存在が確認されている属性は7つであり、残る1つについて研究と議論が続いている。 現在はアフツァック博物館で管理され一般公開されている。 -&big(){&bold(){大三幻}} カドー族によって作られた歴史上最凶の3冊の魔術書。 「土」「水」「雷」の三精霊の力で仮面帝国700年の支配を支えたが、帝国末期には紛失してしまったようでラコタ族の反乱の際には使われておらず、現在も行方不明。 -&big(){&bold(){アレマナカ}} ラコタ族が758年前に制作した長期暦。基準にする星を変えたことで従来の暦よりも遥かに精度が高まった。 閏年まで含めて極めて正確なのだが、何故か制作時から763年という中途半端なところで途絶えており、その年に世界が終わるのではないかという終末論が囁かれている。 -&big(){&bold(){4頁の冒険}} ラコタ族の金属細工師ツネ=シロが、自らが開発した金属活版印刷機によって刷った世界初の活版印刷小説。 内容自体は試し刷り用のたった4頁のごく普通の短編だが、それまで量産が難しくごく一部の人しか入手できなかった「本」を誰もが読めるものへと変えた画期的な発明。 -&big(){&bold(){ハウマナイサンの提言}} 通称『黒の書』。ラコタ族のルゲイ=ノワールが145年前に執筆した「どの魔術書よりも多くの人を殺した本」。 学術書の体裁をとっており、「ホピ族は劣等民族である」という仮説に基づき、ありとあらゆる側面から仮説を立証する信頼性の高い根拠が多数記されており、非常に優れた学術書である。 ……ただ一点、&bold(){&font(#ff0000){それらがすべてルゲイの創作した全くのデタラメであるという点を除いては。}} ルゲイがこれを書いたのが単なるいたずらかホピ族に何らかの反感があったのかは不明だが、この本によりホピ族は他の民族からの偏見を受けるようになった。 そしてこれを真に受けたヒューロン族の指導者によりホピ族の大虐殺が発生。大魔術師の介入によって虐殺は途中で止められたものの、ホピ族は絶滅危惧種といわれるほど数を減らし、現在でもヒューロン族とホピ族の間には消えない蟠りがある。 事態を知ったルゲイは自殺し、本は一冊残らず中央図書館に回収され、これが図書館法制定のきっかけになった。 現在でもすべてきれいに保存されており、貸し出しは行われず保管部屋に入って読むしかない(見習いは必ず行くことになっている)。 部屋に出入りした人物は全て記録されており、図書館法で禁止されている「&ruby(ちゅうろく){抽録}」((特定の本を誰に貸し出したかを記録するリスト))まがいの行いであるにもかかわらず、ことこの本に関してだけは異を唱える者はいないという。 -&big(){&bold(){クリーク族による自由のための宣言}} クリーク族の活動家グレイブル=ダ=ヴェルボワが121年前に作成し配布したチラシ。ヴェルボワの有名な演説の一節から&bold(){「明日に向かってほえろ!」}という通称がある。 当時ラコタ族の奴隷だったクリーク族を自由のために立ち上がらせ、ラコタ族にも奴隷反対の考えを広めた。 その結果海陸戦争が勃発し、奴隷反対派の海側ラコタ族が勝利したことによりクリーク族は奴隷の身分から解放された。 *【文学作品】 -&big(){&bold(){シャグラザッドの冒険}} 海賊シャグラザッドが、世界を手に入れるために様々な民族の仲間を集めて冒険する児童文学。 作者は『&ruby(しんげいぶんじゅつ){新藝文術}』が選出した今小説界を牽引する四人&bold(){“文士四天君”}の一人ウォリッチ=イエアッド。 ニガヨモギの使者の襲来以降、毒の霧が邪魔となり人々は海に出られないため、海を舞台にしたこの小説は人気を博している。 また、この物語を通して子供達に民族の協和を感じてもらいたいという考えの下中央図書館によってPRされており、これらの要因から大ヒット作となった。 7年前の時点で辺境の子供達にすら大人気であり、現在でも連載は続いている。 主人公シオもこの本には大きな影響を受けている。 -&big(){&bold(){セドナがシオに託した本}} タイトルは不明。著者はセドナの師で七大魔術師の一人であるコマコ=カウリケ。 物語としてとても素晴らしい出来らしく、シオは初めて読んだときすぐに引き込まれ、セドナは「世界中の人に読んでほしい」といっていた。 一方で、シオいわく「危険な本」「悪用しようと思えば皆が必死に創り上げてきたこの社会を破壊することができる」とのこと。 仮面の集団の一人・ゾーロはこの本を奪って内容を公表することにより、自分達の「正義」を為すことを目論んでいる。 -&big(){&bold(){闘剣女王}} -&big(){&bold(){クドラの魔術師}} -&big(){&bold(){7つの星}} 現在人気の小説。 -&big(){&bold(){アーキン王}} 現在人気の小説。 史実をベースにしており、登場人物は皆実際の歴史上の偉人。 -&big(){&bold(){旅の途中の詩}} アトラカマニ著。文学賞受賞の不朽の名作。 魔術師によって獣に変えられた傲慢な王が真実の愛を求めて世界を旅し、貧しい少女の口づけによって元に戻るという王道ラブストーリー。 数多く刷られているため初版でもなければ価値は低いが、コンラミル工房の特別製本&bold(){「&ruby(ナニ){美}」}は別。最高の職人の手で、最高級の紙と革で作られ、状態が良ければ100万キープはくだらない一品。 -&big(){&bold(){&ruby(せんきょうでん){仙俠伝}}} ラコタ族のトシ=ネズチャが210年代に作成した木版印刷の小説。 -&big(){&bold(){英傑伝}} タヴァルス著。人に最初の知識を与えた龍が登場するが、その龍のモデルはセラーノ族だと言われている。 -&big(){&bold(){カ=ラフル}} 大陸初の連載小説。 -&big(){&bold(){マリガド}} 最近アフツァックの若者達に人気を博しているスプラッタ小説。 主人公の少年マリガドが金持ちや権力者などムカつく人々を片っぱしから殺していく物語。 主人公の努力や困難の描写を徹底的に省くという斬新な手法(ようするに俺TUEEE系)が評価されているが、一方であまりにも気軽に人を殺していく描写が教育に悪いのではないかという意見が知識層の間で広まっている。 また、作中に登場する民族は全て架空のものだが、全て実在の民族をモチーフにしているうえ元ネタが丸わかりであり、 民族対立を助長するのではないか(またこの書き方が図書館法において問題ないと判断されるのであれば第二の『黒の書』も作成可能であるのでは?)と問題視されている。 マリガドを規制すべきとする派閥とそれに反対する派閥の双方がデモを起こしたり嘆願書を出したりする事態になり、中央図書館でも出版を停止させるか否かを決める審議が行われた。 -&big(){&bold(){宝石の国のツィツィ}} シュルク=マアハ著の名作児童文学。 作中の有名な挿絵で描かれた、右手と左足を同時に挙げる「歓喜のポーズ」は本のある家の子供で真似たことのない者はいないといわれている。 -&big(){&bold(){戦火の旗}} -&big(){&bold(){ジノウの鐘}} -&big(){&bold(){アケンダゲラ}} -&big(){&bold(){夜の鷹}} 過去の名作。マリガドを出版停止にするかの審議で名前が挙がった。 実在の民族を連想させる民族が戦う描写があるようで、マリガドを民族紛争の扇動を理由に規制するとこれらも巻き添えになるらしい。 -&big(){&bold(){アルカンデラ}} 不朽の名作。「7つの星」の作者はこれに強い影響を受けたと公言しており、この作品の主人公が「7つの星」に登場する。 -&big(){&bold(){タヴァルスのホピ戦記}} ホピ王国伝説を基にした歴史小説。登場人物は史実の人。 *【実用書】 -&big(){&bold(){アトラトナン大陸の民族}} -&big(){&bold(){7つの民族のこれから}} -&big(){&bold(){ラコタ族の歴史}} 民族の歴史や文化を学ぶための本。 -&big(){&bold(){新解民語辞典}} -&big(){&bold(){学館民語辞典}} -&big(){&bold(){ナヤ民語辞典}} 様々な時代・民族の言語が乗った辞典。学館民語辞典が質・量両面で一番優れている。 -&big(){&bold(){紙の誕生と支配の始まり}} 紙の誕生そのものについて扱った本……ではなく、紙の誕生が大陸情勢について与えた影響について書かれた本。 -&big(){&bold(){カドー全史}} -&big(){&bold(){仮面の歴史~大魔術師とは何か~}} -&big(){&bold(){魔術書の支配}} -&big(){&bold(){カドーの終焉とは―帝国の滅亡とラコタの時代―}} -&big(){&bold(){大三幻はどこへ消えたのか}} -&big(){&bold(){仮面の暗黒時代}} -&big(){&bold(){ホピへの侵略}} 歴史書。 -&big(){&bold(){選民論}} 自由選挙の理念を説いた本。 作中でも納税額などの制限こそあれど、自由選挙が原則なのだが、かつてはこの本が悪書とされた時代もあった。 -&big(){&bold(){赤い万力}} 拷問の指南書。ある時代では良書とされていたらしい。 -&big(){&bold(){母の味方 姑を黙らせる今日の献立20選!}} &bold(){「一見重要な本には見えねぇ この中に暗号でもひそんでるってことかぁ?」} &bold(){「…… なんだとぉ…」} *【分類不明・その他】 -&big(){&bold(){知の氾濫}} ウィル=アソプ著。「本の知識とは偉大なものだが、経験に勝ることは決してできない」という一節がある。 -&big(){&bold(){ベルフォアの挑戦}} -&big(){&bold(){冒険家ネサ=マクスタフの記録}} ネサが各民族の自治区を周ってそれぞれの民族の特徴をまとめた手帳。 各民族の民族性等を表す言葉が皮肉たっぷりにつづられている。 最後に「引きこもり達に交流の大切さを教えてやらないとな」と言ってホピ自治区に入っていったところで終わっており、後日街の小物市に出品されていた。ネサに何があったんだろうか……。 -&big(){&bold(){奢りと昂り}} イシュカニールの代表作とされているが、発表されたのはイシュカニールの死後。 -&big(){&bold(){精霊交曲」}} 起教の教義に反する内容だったのか、著者のデリック=ダン=バルは起教を破門された。 -&big(){&bold(){&ruby(せちゅう){世虫}}} 著者のシシド=グリンは文盲で、彼が口頭で伝えた内容を妻が書き写した。 -&big(){&bold(){アギナの石板}} 「ギタンギュリエの戦い」と呼ばれる戦争で片方の軍に破壊されそうになったが、守護室に回収され事なきを得た。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 「黒の本」を書いたルゲイが自殺した辺り、何者かに利用されたんだろうか?実は自殺じゃなくて口封じだったり? -- 名無しさん (2022-11-17 11:01:46) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2022/11/17 Thu 09:37:23 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&big(){&bold(){書 それは知の結晶であり 思想を持った記号の集積であり 過去と未来を繋ぐ遺産}}} ここでは、『[[図書館の大魔術師]]』に登場する「書」について解説する。 &bold(){※タイトル及び作中の「としょかん」の文字は、くにがまえ(口)の中に書を入れた「圕」と表記されているが、フォントによっては収録されていない文字のためここでは「図書館」と表記する。} 【目次】 #contents() *【概要】 図書館を舞台にする『[[図書館の大魔術師]]』には、[[作中作]]として様々な書が登場する。 小ネタ程度のものからストーリーに密接に関わるものまで、非常に多くの書が作中に登場する。 *【「書」とは】 ここでいう「書」とはそもそも、「何かを伝えるために文章が書かれたもの」であり、「本」に限らない。 最初は石板に文字を掘ったものが「書」だったが、持ち運びを便利にするために粘土板と木簡が発明された。 これでもまだかさばっていたため動物の皮で作られた巻物が発明されたが、開いて読むうえでまだ不便だったため、ある将軍が兵士への指示を書いた巻物を折りたたむという方法を編み出し、現在の本が生まれた。 *【&ruby(しちこばつてん){七古抜典}】 大陸史においてその時代の体制や民の暮らしに大きな影響を与えた7つの書の総称。 あくまで影響の大きさで選出されるため、単純な「書」として見ると完成度の低いものや、負の遺産と呼ばれるようなものも存在する。 中には持っているだけで大きな影響力を及ぼせるようなものもあり、何処か一つの組織がこの書の利益を独占しないようにするため、殆どは[[中央図書館>中央図書館(図書館の大魔術師)]]が管理している。 -&big(){&bold(){&ruby(じゅかいそうさんもんじょ){樹海創讃文書}}} 大陸でも特に信者の多い宗教の一つ「&ruby(マナアクア){司道}」の聖典の中でも最古のもの。1700年前頃に作られたといわれているが正確な年代は不明。 司道における信仰対象である大精霊アトラトナンの伝説の一部が記されている。 司道の聖典としてはかなり価値が高く、それゆえこの書の独占による一組織の勢力拡大・権力集中や書をめぐる紛争が懸念され、それらを防ぐために中央図書館に厳重に管理されている。 -&big(){&bold(){ネザファパレハの円盤}} ホピ王国の遺跡から発見された円盤。1400年前頃に作られたといわれているが正確な年代は不明。 現代の魔術はこの円盤の研究から生まれたといわれている。 円盤にはマナの各属性を表す絵が描かれているが、円盤に描かれている絵は8つなのに対し現在存在が確認されている属性は7つであり、残る1つについて研究と議論が続いている。 現在はアフツァック博物館で管理され一般公開されている。 -&big(){&bold(){大三幻}} カドー族によって作られた歴史上最凶の3冊の魔術書。 「土」「水」「雷」の三精霊の力で仮面帝国700年の支配を支えたが、帝国末期には紛失してしまったようでラコタ族の反乱の際には使われておらず、現在も行方不明。 -&big(){&bold(){アレマナカ}} ラコタ族が758年前に制作した長期暦。基準にする星を変えたことで従来の暦よりも遥かに精度が高まった。 閏年まで含めて極めて正確なのだが、何故か制作時から763年という[[中途半端]]なところで途絶えており、その年に世界が終わるのではないかという終末論が囁かれている。 -&big(){&bold(){4頁の冒険}} ラコタ族の金属細工師ツネ=シロが、自らが開発した金属活版印刷機によって刷った世界初の活版印刷小説。 内容自体は試し刷り用のたった4頁のごく普通の短編だが、それまで量産が難しくごく一部の人しか入手できなかった「本」を誰もが読めるものへと変えた画期的な発明。 -&big(){&bold(){ハウマナイサンの提言}} 通称『黒の書』。ラコタ族のルゲイ=ノワールが145年前に執筆した「どの魔術書よりも多くの人を殺した本」。 学術書の体裁をとっており、「ホピ族は劣等民族である」という仮説に基づき、ありとあらゆる側面から仮説を立証する信頼性の高い根拠が多数記されており、非常に優れた学術書である。 ……ただ一点、&bold(){&font(#ff0000){それらがすべてルゲイの創作した全くのデタラメであるという点を除いては。}} ルゲイがこれを書いたのが単なるいたずらかホピ族に何らかの反感があったのかは不明だが、この本によりホピ族は他の民族からの偏見を受けるようになった。 そしてこれを真に受けたヒューロン族の指導者によりホピ族の大虐殺が発生。大魔術師の介入によって虐殺は途中で止められたものの、ホピ族は絶滅危惧種といわれるほど数を減らし、現在でもヒューロン族とホピ族の間には消えない蟠りがある。 事態を知ったルゲイは自殺し、本は一冊残らず中央図書館に回収され、これが図書館法制定のきっかけになった。 現在でもすべてきれいに保存されており、貸し出しは行われず保管部屋に入って読むしかない(見習いは必ず行くことになっている)。 部屋に出入りした人物は全て記録されており、図書館法で禁止されている「&ruby(ちゅうろく){抽録}」((特定の本を誰に貸し出したかを記録するリスト))まがいの行いであるにもかかわらず、ことこの本に関してだけは異を唱える者はいないという。 -&big(){&bold(){クリーク族による自由のための宣言}} クリーク族の活動家グレイブル=ダ=ヴェルボワが121年前に作成し配布したチラシ。ヴェルボワの有名な演説の一節から&bold(){「明日に向かってほえろ!」}という通称がある。 当時ラコタ族の奴隷だったクリーク族を自由のために立ち上がらせ、ラコタ族にも奴隷反対の考えを広めた。 その結果海陸戦争が勃発し、奴隷反対派の海側ラコタ族が勝利したことによりクリーク族は奴隷の身分から解放された。 *【文学作品】 -&big(){&bold(){シャグラザッドの冒険}} 海賊シャグラザッドが、世界を手に入れるために様々な民族の仲間を集めて冒険する児童文学。 作者は『&ruby(しんげいぶんじゅつ){新藝文術}』が選出した今小説界を牽引する四人&bold(){“文士四天君”}の一人ウォリッチ=イエアッド。 ニガヨモギの使者の襲来以降、毒の霧が邪魔となり人々は海に出られないため、海を舞台にしたこの小説は人気を博している。 また、この物語を通して子供達に民族の協和を感じてもらいたいという考えの下中央図書館によってPRされており、これらの要因から大ヒット作となった。 7年前の時点で辺境の子供達にすら大人気であり、現在でも連載は続いている。 主人公シオもこの本には大きな影響を受けている。 -&big(){&bold(){セドナがシオに託した本}} タイトルは不明。著者はセドナの師で七大魔術師の一人であるコマコ=カウリケ。 物語としてとても素晴らしい出来らしく、シオは初めて読んだときすぐに引き込まれ、セドナは「世界中の人に読んでほしい」といっていた。 一方で、シオいわく「危険な本」「悪用しようと思えば皆が必死に創り上げてきたこの社会を破壊することができる」とのこと。 仮面の集団の一人・ゾーロはこの本を奪って内容を公表することにより、自分達の「正義」を為すことを目論んでいる。 -&big(){&bold(){闘剣女王}} -&big(){&bold(){クドラの魔術師}} -&big(){&bold(){7つの星}} 現在人気の小説。 -&big(){&bold(){アーキン王}} 現在人気の小説。 史実をベースにしており、登場人物は皆実際の歴史上の偉人。 -&big(){&bold(){旅の途中の詩}} アトラカマニ著。文学賞受賞の不朽の名作。 魔術師によって獣に変えられた傲慢な王が真実の愛を求めて世界を旅し、貧しい少女の口づけによって元に戻るという王道ラブストーリー。 数多く刷られているため初版でもなければ価値は低いが、コンラミル工房の特別製本&bold(){「&ruby(ナニ){美}」}は別。最高の職人の手で、最高級の紙と革で作られ、状態が良ければ100万キープはくだらない一品。 -&big(){&bold(){&ruby(せんきょうでん){仙俠伝}}} ラコタ族のトシ=ネズチャが210年代に作成した木版印刷の小説。 -&big(){&bold(){英傑伝}} タヴァルス著。人に最初の知識を与えた龍が登場するが、その龍のモデルはセラーノ族だと言われている。 -&big(){&bold(){カ=ラフル}} 大陸初の連載小説。 -&big(){&bold(){マリガド}} 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起教の教義に反する内容だったのか、著者のデリック=ダン=バルは起教を破門された。 -&big(){&bold(){&ruby(せちゅう){世虫}}} 著者のシシド=グリンは文盲で、彼が口頭で伝えた内容を妻が書き写した。 -&big(){&bold(){アギナの石板}} 「ギタンギュリエの戦い」と呼ばれる戦争で片方の軍に破壊されそうになったが、守護室に回収され事なきを得た。 追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 「黒の本」を書いたルゲイが自殺した辺り、何者かに利用されたんだろうか?実は自殺じゃなくて口封じだったり? -- 名無しさん (2022-11-17 11:01:46) #comment(striction) #areaedit(end) }

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