グリーンイグアナ

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グリーンイグアナ - (2023/07/08 (土) 06:02:15) の1つ前との変更点

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&font(#6495ED){登録日}:2023/07/04 Tue 14:46:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 12 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- グリーンイグアナは、爬虫類に属するイグアナ科のトカゲの一種である。 学名はIguana iguanaで、まさに「イグアナの中のイグアナ」である。 もっとも有名な[[ペット爬虫類>爬虫類(ペット)]]の一つでもある。 ●目次 #contents **動物としての特徴 階層分類では、爬虫綱有鱗目イグアナ科グリーンイグアナ属に属する。 生息地は中南米だが、フロリダや石垣島などには帰化個体群がいる。 大きさは大きければ180センチとされるが、これは特に巨大な個体の場合であり、通常は150センチあたりが最大値。 食性は完全な植物食性である。 巨体に似合わず樹上生傾向の強いトカゲであり、本来は主に川の上に張り出した木の枝の上などにおり、危険が迫ると川に飛び込んで逃げる、といった感じの生活をしているらしい。 原産地では、場所によっては野良猫のように街中にゴロゴロいるらしい。 空間認識能力・記憶力共に非常に高い。 **ペットとしてのグリーンイグアナ 日本でペットとして飼育される爬虫類としては、最も知名度が高いものの一つであろう。 初心者向けとされるレオパードゲッコーやフトアゴヒゲトカゲよりも、一般人間での知名度は高いかもしれない。 芸能人が飼育していたり、マンガやアニメに登場することも多く、爬虫類即売会での展示個体としても常連である。 値段は流通している爬虫類の中でもかなり安い部類であり、通常秋から春にかけて、頭胴長20センチほどのベビーが一万円以下で販売される。 日本に輸入される個体は、実はほぼ全てCB(人為繫殖個体)である。 中米の繁殖施設で殖やされたものが輸入されてくる。 繁殖施設といっても、山1つをまるごと柵で囲んで、その中に何匹ものイグアナを放して、「湧いた」ベビーを集めて出荷しているらしい。 なお、これらの施設は本来はペット用ではなく、食用としての利用がメインらしい。 味はスッポン等に近いそうで、揚げて良し、スープのダシにも良しと、色んな料理に使われる。 「レッドイグアナ」や「ブルーイグアナ」と呼ばれるものも流通するが、これらは別種と言うわけではなく、グリーンイグアナの中の色変個体である。 「アルビノイグアナ」も同様。 系統立てて殖やされているわけではなく、偶然一定確率で生まれる色変個体を別名で販売しているようだ。 値段はノーマルよりもかなり高い。 「知名度が高い」「安い」「流通数が多い」「ベビーの頃はかわいい」ということから、爬虫類初心者にも衝動買いされることが多い種である。 が、本種ははっきり言って&bold(){軽い気持ちで飼いだしたらえらいことになる}。 はっきりと「一般家庭での飼育は向かない」と書く専門誌もあるくらいなのだ。 具体的に何が難しい部分なのか、以下で説明していこう。 ***大きさ・飼育環境の維持 単純な話で、本種は&bold(){一般家庭で飼うには大きくなりすぎる}のである。 上述のように、最大だと180センチ、通常でも120センチ~150センチほどになるのだ。 おまけに、モニター(オオトカゲ)などと比べると体が硬い上に樹上生なので、&bold(){要求する飼育スペースが非常に大きい}のである。 ベビーの頃は市販の爬虫類用飼育ケージで飼えるが、2~3年もすれば無理になってくる。 そこで、「部屋で放し飼い」という選択肢を取る人もいる。 現実的にはそれしか選択肢がなくなることもあるのだが、基本的にはオススメしない。 この方法で健康に長生きさせるのは難しいのだ。 というのも、本種はそもそも熱帯雨林原産の動物である。 本来は要求する温度・湿度は高い。 さて、&bold(){あなたの部屋は熱帯雨林並みの温度・湿度があるだろうか?} おまけに本種は紫外線要求量も多いし、バスキングスポットの温度も本来は40度は欲しい。 人間の生活空間で生活させるというのは、グリーンイグアナにはかなり無理をさせることになるのだ。 たまに部屋の中に放すくらいはいいとして、やはり専用のケージは用意しておいたほうがいい。 ケージは幅よりは高さが重要で、大きければ大きいほどいいが、120×60×150くらいあれば(最低限だが)なんとか飼えるだろう。 ただし、こんなサイズのケージは市販されていないので、自作か特注になる。 注意点は、&bold(){ガラスを使うと余裕で割られる}ということ。 かなり割高にはなるが、アクリルを使ったほうがいい。 なお、ネコ用のケージを使う人もいるが、温度・湿度を維持するのは困難である。 もちろん、バスキングライトと紫外線ライトが必要。加湿器もできればほしい。 何しろ巨体なので、通常売られているライト一個くらいでは間に合わない。 以上、まとめると&bold(){特注ならケージだけで数十万、かつ毎月の電気代がそれなり}にかかる。 「え、イグアナ本体が安かったから買ったのに……」と思う人もいるだろうが、本体が安い分、環境にはしっかり投資してやろう。 ちなみに本種、かなり知能が高い上に空間認識能力が高い。 どういうことかというと、「自分が閉じ込められている」ことをしっかり理解する。 このため、ずっと狭い所で飼っているとストレスで状態を崩す。 ただし、飼い始めの時期は、やや狭いケージで飼ったほうが早く慣れるということもある。 なお、放し飼いにすることには上記以外にも問題点がある。 イグアナに限らず、&bold(){爬虫類には基本的に障害物を避けるという概念が無い}と思ったほうがいい。 (これがケヅメリクガメなんかだと、最悪壁を壊される) インテリア用品や植木鉢なんかは間違いなく倒される。 部屋に放すなら極力シンプルなインテリアにして、家具は固定しておこう。 本来樹上生なので、タンスの上などを気に入って定位置にする場合もある。 ***繁殖期問題 これがおそらく&bold(){本種を飼う上で最大の問題}。 どんなに人に慣れて、普段は大人しい個体であっても、&bold(){繁殖期だけはほぼ猛獣である}(特にオスの場合)。 この時期は本当に気が荒くなり、普段は慣れている飼い主でさえ、近づくと攻撃してくる。 噛みつかれたり爪を引っかけられたりも厄介だが、一番多いのは尻尾による攻撃(これをテールアタックという)。 これ、&bold(){衣服の上からでも余裕で痣になる}くらい痛い。しかも、尾の上面には鋭い背鰭が鋸歯状にずらりと並んでいるのだ。 ドMの人はお尻でも叩いてもらえばいいだろうが、当たり所によってはシャレにならない怪我になる (日本で飼育されている爬虫類で、飼い主に重傷を負わせる事故が最も多いのは本種であると言われている)。 何が怖いって、&bold(){普段は大人しい個体が、繁殖期に入ると突然こうなること}。 まさに油断大敵という言葉がふさわしい。 大型爬虫類はヤンデレ女子を扱うように扱うべきだというのはこういうところなのだ。 また、飼い主を繁殖相手として認識し、交尾をしようとしてくるというパターンもある。 どっちにしろ危険なので、この時期だけはケージの中に閉じ込めておくしかない。 ***餌代 本来、爬虫類は餌代がかからないペットである。アダルト(大人)になれば、数日~一週間に一回くらいしか餌を食べなくていいからだ。 大きさ的にはグリーンイグアナとほぼ同じくらいであるサルバトールモニター(ミズオオトカゲ)でも、アダルトは餌は週に一回でいい。 しかし、これは植物食性の爬虫類には当てはまらない。 彼らは基本的に毎日餌を食べる。 そしてグリーンイグアナは完全な植物食性である。 それもアダルトになると、一日でコマツナ一袋とかキャベツ一玉くらい食べる。 爬虫類の中でも、本種とケヅメリクガメは、多種とは比べ物にならないくらい餌代がかかるのだ。 &bold(){気が付けば飼い主のほうがイグアナよりも質素な食事なっていた}、というのはよくある話である。 ちなみに、かつては「ベビーの時は昆虫も食べる」と言われていたが、現在では動物性の餌は全く必要ないというのが定説。 野菜・果物であれば、ネギ・玉ねぎ・ニンニクといったペットにはご法度なもの以外なら、人間が食べるものは何でも食べる。 また、専用の人工飼料も出回っている他、手に入るなら野草を与えてもいいだろう。 意外なところでは、豆腐や食パンを好む個体もいる。 ***記憶力 本種、爬虫類としてはかなり記憶力が良い。 爬虫類では珍しく、明らかに飼い主とそれ以外とを見分けることができる。 これは本種の大きな魅力でもある。上手く関係を構築できれば、まさに「相棒」と呼べるペットになるだろう。 しかし、である。 記憶力がいいということは、&bold(){イヤなことをされたらずっと覚えている}ということ。 例えば、ベビーの頃、ケージから逃げようとした個体を追いかけて掴んで捕獲したとしよう。 こいつらは&bold(){それをずっと覚えていて根に持つ}のである。 イヤなことをした人間は確実に覚えていて、顔を見ると逃げるようになる。 こうなると、慣らすのはかなり困難になる。 ありがちなのは、「早く慣らそうとして、頻繁にハンドリングしてしまう」というパターン。 これは他の爬虫類の多くには有効なのだが、本種には通用しない。 むしろ全くの逆効果で、&bold(){「なんやこいつ」という殺意の籠った目}で飼い主を見てくるようになる。 本当にヤンデレ女子である。 と、いったあたりが、一般家庭で飼育する上でネックになるだろう部分である。 さて、&bold(){これでも飼いたいと思いますか?} もちろん、それでも飼いたいという人は多いだろう。 上記のようなことをしっかり把握した上であれば、飼育に挑戦してみるのもいいだろう。 本種は、&bold(){上手く飼えれば本当に「相棒」になれうる稀有な爬虫類}であり、魅力的なペットであることは間違いない。 その場合、重要なことは&bold(){「焦らない」「ほどよい距離を保つ」}ということ。 上述のように、焦って頻繁にハンドリングするのではなく、まずは「手から餌を食べさせる」ことから始めよう。 また、最初に購入する時に相性のいい個体を選ぶのも重要。 ショップで客の顔を見た途端にバタバタと逃げるような個体は、はっきり言って地雷である。 人を見ると興味津々で近寄ってくる個体のほうが、長く付き合っていくにはいい。 また、「アルビノを選ぶ」という手もある。 アルビノは視力が悪いため、他の個体と比べて粗暴性が少なく、飼い主に早く慣れると言われているのだ。 ただし、値段はかなり高くなる。 「イグアナが飼いたいけど、グリーンイグアナでなくてもいい」というのであれば、素直に他のもっと飼いやすいイグアナにするというのもいいだろう。 最もオススメなのは&bold(){バナナスパイニーテールイグアナ}である。 体長は90センチほどにしかならず、しかも遺伝的な理由からか、極めて大人しい個体が多い。 ただし、値段はグリーンイグアナ20匹分くらいする。 グリーンイグアナ2匹分くらいの値段で買える「ツナギトゲオイギアナ」もいる。 こちらはかなり臆病で人間に慣れにくいという難点はあるが、グリーンイグアナよりは飼いやすい。 **その他 前述のように石垣島などでは帰化している。 九州以北では定着することは無いだろうが、わりと爬虫類飼育という趣味が一般的になった現在でも、その大きさと知名度から &bold(){街中で逃がしたらかなりの確率でニュース沙汰になってしまう}ので、絶対に脱走させてはいけない。 言うまでも無いが、故意に逃がすなどは論外。 ペットショップの信頼性を確認する方法の一つとして、本種について質問してみるという手がある。 ちゃんと「かなり大きくなりますよ」と説明してくれるところは、まず信用していいだろう。 「全然大きくなりませんよ」「飼いやすいですよ」などと言う店員がいるところは、ちょっと用心したほうがいい。 **二次元世界でグリーンイグアナを飼育しているキャラ ※作中では「イグアナ」としか言われておらず、グリーンイグアナとは特定できないキャラもいる ・[[古賀小春]]([[アイドルマスターシンデレラガールズ]]) ・忍足謙也([[テニスの王子様]]) ・四ノ宮隼人(私がモテてどうすんだ) また「[[機動戦士ガンダム]]」の連邦軍のオーストラリア方面の部隊は「オーストラリアの動物」の名前がつけられており、 「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場している。&s(){名前だけだが。} 追記・修正はグリーンイグアナの自家繁殖に成功した人がお願いいたします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - クラフトサバイバルゲーム【グリーンヘル】では狩ってたべる事が可能 -- 名無しさん (2023-07-04 18:11:45) - ちなみに結構美味しいです。 -- 名無しさん (2023-07-04 18:44:09) - ↑「なお、これらの施設は本来はペット用ではなく、食用としての利用がメインらしい。」ってことはまぁそういうことなんだろうね… -- 名無しさん (2023-07-04 20:24:47) - だから食用に大量に育てた奴が逃げて(廃棄)されて繁殖して問題になってる -- 名無しさん (2023-07-05 17:17:31) - 以前に鉄腕ダッシュに出てたのはコレかな? -- 名無しさん (2023-07-08 02:41:06) - ドラえもんでスネ夫がのび太に自慢する為だけに買って来た話があるけど、その後のスネ夫の苦労を想像すると…… -- 名無しさん (2023-07-08 06:02:15) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2023/07/04 Tue 14:46:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 12 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- グリーンイグアナは、爬虫類に属するイグアナ科のトカゲの一種である。 学名はIguana iguanaで、まさに「イグアナの中のイグアナ」である。 もっとも有名な[[ペット爬虫類>爬虫類(ペット)]]の一つでもある。 ●目次 #contents **動物としての特徴 階層分類では、爬虫綱有鱗目イグアナ科グリーンイグアナ属に属する。 生息地は中南米だが、フロリダや石垣島などには帰化個体群がいる。 大きさは大きければ180センチとされるが、これは特に巨大な個体の場合であり、通常は150センチあたりが最大値。 食性は完全な植物食性である。 巨体に似合わず樹上生傾向の強いトカゲであり、本来は主に川の上に張り出した木の枝の上などにおり、危険が迫ると川に飛び込んで[[逃げる]]、といった感じの生活をしているらしい。 原産地では、場所によっては[[野良猫]]のように街中にゴロゴロいるらしい。 空間認識能力・記憶力共に非常に高い。 **ペットとしてのグリーンイグアナ 日本でペットとして飼育される爬虫類としては、最も知名度が高いものの一つであろう。 初心者向けとされるレオパードゲッコーやフトアゴヒゲトカゲよりも、一般人間での知名度は高いかもしれない。 芸能人が飼育していたり、マンガやアニメに登場することも多く、爬虫類即売会での展示個体としても常連である。 値段は流通している爬虫類の中でもかなり安い部類であり、通常秋から春にかけて、頭胴長20センチほどのベビーが一万円以下で販売される。 日本に輸入される個体は、実はほぼ全てCB(人為繫殖個体)である。 中米の繁殖施設で殖やされたものが輸入されてくる。 繁殖施設といっても、山1つをまるごと柵で囲んで、その中に何匹ものイグアナを放して、「湧いた」ベビーを集めて出荷しているらしい。 なお、これらの施設は本来はペット用ではなく、食用としての利用がメインらしい。 味はスッポン等に近いそうで、揚げて良し、[[スープ]]のダシにも良しと、色んな料理に使われる。 「レッドイグアナ」や「ブルーイグアナ」と呼ばれるものも流通するが、これらは別種と言うわけではなく、グリーンイグアナの中の色変個体である。 「アルビノイグアナ」も同様。 系統立てて殖やされているわけではなく、偶然一定確率で生まれる色変個体を別名で販売しているようだ。 値段はノーマルよりもかなり高い。 「知名度が高い」「安い」「流通数が多い」「ベビーの頃はかわいい」ということから、爬虫類初心者にも衝動買いされることが多い種である。 が、本種ははっきり言って&bold(){軽い気持ちで飼いだしたらえらいことになる}。 はっきりと「一般家庭での飼育は向かない」と書く専門誌もあるくらいなのだ。 具体的に何が難しい部分なのか、以下で説明していこう。 ***大きさ・飼育環境の維持 単純な話で、本種は&bold(){一般家庭で飼うには大きくなりすぎる}のである。 上述のように、最大だと180センチ、通常でも120センチ~150センチほどになるのだ。 おまけに、モニター(オオトカゲ)などと比べると体が硬い上に樹上生なので、&bold(){要求する飼育スペースが非常に大きい}のである。 ベビーの頃は市販の爬虫類用飼育ケージで飼えるが、2~3年もすれば無理になってくる。 そこで、「部屋で放し飼い」という選択肢を取る人もいる。 現実的にはそれしか選択肢がなくなることもあるのだが、基本的にはオススメしない。 この方法で健康に長生きさせるのは難しいのだ。 というのも、本種はそもそも熱帯雨林原産の動物である。 本来は要求する温度・湿度は高い。 さて、&bold(){あなたの部屋は熱帯雨林並みの温度・湿度があるだろうか?} おまけに本種は紫外線要求量も多いし、バスキングスポットの温度も本来は40度は欲しい。 人間の生活空間で生活させるというのは、グリーンイグアナにはかなり無理をさせることになるのだ。 たまに部屋の中に放すくらいはいいとして、やはり専用のケージは用意しておいたほうがいい。 ケージは幅よりは高さが重要で、大きければ大きいほどいいが、120×60×150くらいあれば(最低限だが)なんとか飼えるだろう。 ただし、こんなサイズのケージは市販されていないので、自作か特注になる。 注意点は、&bold(){ガラスを使うと余裕で割られる}ということ。 かなり割高にはなるが、アクリルを使ったほうがいい。 なお、ネコ用のケージを使う人もいるが、温度・湿度を維持するのは困難である。 もちろん、バスキングライトと紫外線ライトが必要。加湿器もできればほしい。 何しろ巨体なので、通常売られているライト一個くらいでは間に合わない。 以上、まとめると&bold(){特注ならケージだけで数十万、かつ毎月の電気代がそれなり}にかかる。 「え、イグアナ本体が安かったから買ったのに……」と思う人もいるだろうが、本体が安い分、環境にはしっかり投資してやろう。 ちなみに本種、かなり知能が高い上に空間認識能力が高い。 どういうことかというと、「自分が閉じ込められている」ことをしっかり理解する。 このため、ずっと狭い所で飼っているとストレスで状態を崩す。 ただし、飼い始めの時期は、やや狭いケージで飼ったほうが早く慣れるということもある。 なお、放し飼いにすることには上記以外にも問題点がある。 イグアナに限らず、&bold(){爬虫類には基本的に障害物を避けるという概念が無い}と思ったほうがいい。 (これがケヅメリクガメなんかだと、最悪壁を壊される) [[インテリア]]用品や植木鉢なんかは間違いなく倒される。 部屋に放すなら極力シンプルなインテリアにして、家具は固定しておこう。 本来樹上生なので、タンスの上などを気に入って定位置にする場合もある。 ***繁殖期問題 これがおそらく&bold(){本種を飼う上で最大の問題}。 どんなに人に慣れて、普段は大人しい個体であっても、&bold(){繁殖期だけはほぼ猛獣である}(特にオスの場合)。 この時期は本当に気が荒くなり、普段は慣れている飼い主でさえ、近づくと攻撃してくる。 噛みつかれたり爪を引っかけられたりも厄介だが、一番多いのは尻尾による攻撃(これをテールアタックという)。 これ、&bold(){衣服の上からでも余裕で痣になる}くらい痛い。しかも、尾の上面には鋭い背鰭が鋸歯状にずらりと並んでいるのだ。 ドMの人はお尻でも叩いてもらえばいいだろうが、当たり所によってはシャレにならない怪我になる (日本で飼育されている爬虫類で、飼い主に重傷を負わせる事故が最も多いのは本種であると言われている)。 何が怖いって、&bold(){普段は大人しい個体が、繁殖期に入ると突然こうなること}。 まさに油断大敵という言葉がふさわしい。 大型爬虫類は[[ヤンデレ]]女子を扱うように扱うべきだというのはこういうところなのだ。 また、飼い主を繁殖相手として認識し、交尾をしようとしてくるというパターンもある。 どっちにしろ危険なので、この時期だけはケージの中に閉じ込めておくしかない。 ***餌代 本来、爬虫類は餌代がかからないペットである。アダルト(大人)になれば、数日~一週間に一回くらいしか餌を食べなくていいからだ。 大きさ的にはグリーンイグアナとほぼ同じくらいであるサルバトールモニター(ミズオオトカゲ)でも、アダルトは餌は週に一回でいい。 しかし、これは植物食性の爬虫類には当てはまらない。 彼らは基本的に毎日餌を食べる。 そしてグリーンイグアナは完全な植物食性である。 それもアダルトになると、一日でコマツナ一袋とかキャベツ一玉くらい食べる。 爬虫類の中でも、本種とケヅメリクガメは、多種とは比べ物にならないくらい餌代がかかるのだ。 &bold(){気が付けば飼い主のほうがイグアナよりも質素な食事なっていた}、というのはよくある話である。 ちなみに、かつては「ベビーの時は昆虫も食べる」と言われていたが、現在では動物性の餌は全く必要ないというのが定説。 野菜・果物であれば、ネギ・玉ねぎ・ニンニクといったペットにはご法度なもの以外なら、人間が食べるものは何でも食べる。 また、専用の人工飼料も出回っている他、手に入るなら野草を与えてもいいだろう。 意外なところでは、豆腐や[[食パン]]を好む個体もいる。 ***記憶力 本種、爬虫類としてはかなり記憶力が良い。 爬虫類では珍しく、明らかに飼い主とそれ以外とを見分けることができる。 これは本種の大きな魅力でもある。上手く関係を構築できれば、まさに「相棒」と呼べるペットになるだろう。 しかし、である。 記憶力がいいということは、&bold(){イヤなことをされたらずっと覚えている}ということ。 例えば、ベビーの頃、ケージから逃げようとした個体を追いかけて掴んで捕獲したとしよう。 こいつらは&bold(){それをずっと覚えていて根に持つ}のである。 イヤなことをした人間は確実に覚えていて、顔を見ると逃げるようになる。 こうなると、慣らすのはかなり困難になる。 ありがちなのは、「早く慣らそうとして、頻繁にハンドリングしてしまう」というパターン。 これは他の爬虫類の多くには有効なのだが、本種には通用しない。 むしろ全くの逆効果で、&bold(){「なんやこいつ」という殺意の籠った目}で飼い主を見てくるようになる。 本当にヤンデレ女子である。 と、いったあたりが、一般家庭で飼育する上でネックになるだろう部分である。 さて、&bold(){これでも飼いたいと思いますか?} もちろん、それでも飼いたいという人は多いだろう。 上記のようなことをしっかり把握した上であれば、飼育に挑戦してみるのもいいだろう。 本種は、&bold(){上手く飼えれば本当に「相棒」になれうる稀有な爬虫類}であり、魅力的なペットであることは間違いない。 その場合、重要なことは&bold(){「焦らない」「ほどよい距離を保つ」}ということ。 上述のように、焦って頻繁にハンドリングするのではなく、まずは「手から餌を食べさせる」ことから始めよう。 また、最初に購入する時に相性のいい個体を選ぶのも重要。 ショップで客の顔を見た途端にバタバタと逃げるような個体は、はっきり言って地雷である。 人を見ると興味津々で近寄ってくる個体のほうが、長く付き合っていくにはいい。 また、「[[アルビノ]]を選ぶ」という手もある。 アルビノは視力が悪いため、他の個体と比べて粗暴性が少なく、飼い主に早く慣れると言われているのだ。 ただし、値段はかなり高くなる。 「イグアナが飼いたいけど、グリーンイグアナでなくてもいい」というのであれば、素直に他のもっと飼いやすいイグアナにするというのもいいだろう。 最もオススメなのは&bold(){バナナスパイニーテールイグアナ}である。 体長は90センチほどにしかならず、しかも遺伝的な理由からか、極めて大人しい個体が多い。 ただし、値段はグリーンイグアナ20匹分くらいする。 グリーンイグアナ2匹分くらいの値段で買える「ツナギトゲオイギアナ」もいる。 こちらはかなり臆病で人間に慣れにくいという難点はあるが、グリーンイグアナよりは飼いやすい。 **その他 前述のように石垣島などでは帰化している。 九州以北では定着することは無いだろうが、わりと爬虫類飼育という趣味が一般的になった現在でも、その大きさと知名度から &bold(){街中で逃がしたらかなりの確率でニュース沙汰になってしまう}ので、絶対に脱走させてはいけない。 言うまでも無いが、故意に逃がすなどは論外。 ペットショップの信頼性を確認する方法の一つとして、本種について質問してみるという手がある。 ちゃんと「かなり大きくなりますよ」と説明してくれるところは、まず信用していいだろう。 「全然大きくなりませんよ」「飼いやすいですよ」などと言う店員がいるところは、ちょっと用心したほうがいい。 **二次元世界でグリーンイグアナを飼育しているキャラ ※作中では「イグアナ」としか言われておらず、グリーンイグアナとは特定できないキャラもいる ・[[古賀小春]]([[アイドルマスターシンデレラガールズ]]) ・忍足謙也([[テニスの王子様]]) ・四ノ宮隼人(私がモテてどうすんだ) また「[[機動戦士ガンダム]]」の連邦軍のオーストラリア方面の部隊は「オーストラリアの動物」の名前がつけられており、 「機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…」に登場している。&s(){名前だけだが。} 追記・修正はグリーンイグアナの自家繁殖に成功した人がお願いいたします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,2) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - クラフトサバイバルゲーム【グリーンヘル】では狩ってたべる事が可能 -- 名無しさん (2023-07-04 18:11:45) - ちなみに結構美味しいです。 -- 名無しさん (2023-07-04 18:44:09) - ↑「なお、これらの施設は本来はペット用ではなく、食用としての利用がメインらしい。」ってことはまぁそういうことなんだろうね… -- 名無しさん (2023-07-04 20:24:47) - だから食用に大量に育てた奴が逃げて(廃棄)されて繁殖して問題になってる -- 名無しさん (2023-07-05 17:17:31) - 以前に鉄腕ダッシュに出てたのはコレかな? -- 名無しさん (2023-07-08 02:41:06) - ドラえもんでスネ夫がのび太に自慢する為だけに買って来た話があるけど、その後のスネ夫の苦労を想像すると…… -- 名無しさん (2023-07-08 06:02:15) #comment(striction) #areaedit(end) }

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