ユウガオ

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&font(#6495ED){登録日}:2023/10/11 Wed 11:35:48 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- ユウガオとは、ウリ科に属するつる性の一年草である。 漢字表記は夕顔ないしは扁蒲((こちらは、どちらかというと中国での表記。))。 別名はふくべ、ひさご。 英名はBottle gourd。 花言葉は夜、罪、儚い恋。 画像出典:いずれもmantaro撮影。(左)東京都薬用植物園にて。(右)東京薬科大学薬用植物園にて #region(目次) #contents #endregion *【概要】 原産地はおそらくアフリカと推定されており、アフリカやアジアの熱帯地方で栽培されるようになったといわれている。 [[日本>日本国]]への渡来時期は正確には不明。 だが、平安時代の「[[源氏物語]]」には「[[夕顔>光源氏と関係を持った女性登場人物一覧(源氏物語)]]」という名前の女性が登場し、「枕草子」にもユウガオについて述べた感想文がみられることから、そのころにはすでに栽培されていたのであろうと推測される。 実は、ヒョウタンとほぼ同一種。 ヒョウタンの中で苦みのないものがインドで発達し、それが今日のユウガオとなったとされる。 葉は[[ハート]]形で、茎はつる性。植物体全体に白く細やかな毛が生えている。夏の夕方に白い花を開くので、ユウガオの名称がある。 花粉は[[カボチャ]]や[[キュウリ]]などのほかのウリ科の作物とは異なり、蛾によって媒介される。 果実はスイカよりも大きくなり、円筒状になるものと、球形になるものがある。また、両者が自然交雑を起こしてつぼ型になることもある。円筒状のものは「ナガフクベ」、球形のものは「フクベ」とも呼ばれる。 [[新潟県]]や[[栃木県]]、[[兵庫県]]で栽培が盛ん。 *【利用】 -&bold(){かんぴょう} 未熟な果実を大きな鉋のような器具でくるくると剥いてから乾燥させたもの。 甘辛く醤油や砂糖で煮てから寿司の具や、みそ汁の実、モチ巾着を縛るのに用いる。 -&bold(){煮物} 未熟な果実を食べやすい大きさに切ってから冬瓜のように煮つける。 ユウガオそれ自体にはこれといった味がないため、食感を楽しむものといえる。 -&bold(){汁の実} 未熟な果実を食べやすい大きさに切ってから汁の実に用いる。新潟県の鯨汁には欠かせない具材である。 -&bold(){楽器・容器} 熟した果実は表面が木質化してコチコチに硬くなるため、食用には向かなくなる。 元々がヒョウタンと同一種なため、同様に中身を腐らせて抜き、ガワを乾燥させてから炭入れや楽器に加工する。 ユウガオの栽培が盛んな[[栃木県]]では完熟果を用いた「ふくべ細工」が伝統工芸品として親しまれる。 -&bold(){台木} ユウガオは性質が強健なので、病気にあまり強くない[[キュウリ]]や[[スイカ>スイカ(果実)]]、メロンなどの苗の台木として用いる。 ただし、そのまま放置していると、肝心のキュウリやスイカが育たず、気づけばユウガオのつるが茂っている…ということにもなりかねない。 そのため、苗がある程度育ってきたら早めに摘み取っておくこと。 *【よくある誤解】 園芸店やホームセンターに行くと、「夕顔」とラベル付けされた蔓性の白いラッパ型の花を咲かせる植物のタネや苗が売られていることがある。 しかし、これはここで紹介する「ユウガオ」ではなくて、「&bold(){ヨルガオ}」という植物である。わが国には、明治時代初期に旧幕臣で農学者の田中芳男が持ち込んでいる。 ユウガオは&bold(){ウリ科}であるのに対し、このヨルガオは&bold(){ヒルガオ科}であることが一番大きな違い。 つまり、ヨルガオはヒルガオ(科)なのに、&ruby(ゆうがお){夕顔}とも呼ばれる……。 なお、アサガオ、ヒルガオ、[[サツマイモ>サツマイモ/さつまいも]]なども、ヨルガオと同じくヒルガオ科の植物である。 *【有毒植物としての側面】 ユウガオは、まれに有毒植物として人間に牙をむくことがある。 平成20年7月、山形市内の家族3人(30代の母親と小学生2人)が[[スープ]]に入れたユウガオを食べて食中毒になった例がある。 原因はユウガオの果実に稀に含まれるククルビタシンという毒素で、症状は口のしびれや腹痛や下痢、嘔吐である。これはユウガオが先祖返り、つまり母種のヒョウタンの性質に戻ってしまうことで起こる現象であるという。 この毒素は、ユウガオ以外にもカボチャやズッキーニ、ヘチマなどの野菜に含まれることも稀にだがある。なお、この毒素は加熱しても残り続ける。 「良薬口に苦し」とばかりに苦いものでも我慢して食べる人も中にはいるだろうが、味見をして口がしびれるような異常な苦みを感じたら、即刻廃棄するべきである。 追記・修正はカンピョウ巻きを食べまくってからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 金田一少年の事件簿で習った -- 名無しさん (2023-10-11 14:37:27) - レジェアルに出てくる婆さんの名前で知った -- 名無しさん (2023-10-11 17:56:14) - 金田一ので知ったなぁ。名前は似てるけどアサガオと全然違うってので。 -- 名無しさん (2023-10-11 20:36:31) - 金田一で知った人がかなり多そう。 -- 名無しさん (2023-10-11 20:40:15) - ヨルガオはヒルガオで、ユウガオは実はヨルガオで…ゲシュタルト崩壊するわ -- 名無しさん (2023-10-11 21:49:15) - ↑3 あそこでユウガオじゃなくてヨルガオの名前が出てたら話が大脱線するところだったなw -- 名無しさん (2023-10-11 22:26:27) - 意外と知らない人いるのかしら。味噌汁に入れるとトロトロにした大根みたいで美味いのだが。 -- 名無しさん (2023-10-13 19:24:26) #comment(striction) #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2023/10/11 Wed 11:35:48 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 3 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- ユウガオとは、ウリ科に属するつる性の一年草である。 漢字表記は夕顔ないしは扁蒲((こちらは、どちらかというと中国での表記。))。 別名はふくべ、ひさご。 英名はBottle gourd。 花言葉は夜、罪、儚い恋。 |&image(DSC_6042.JPG)|&image(DSC_5491.JPG)| 画像出典:いずれもmantaro撮影。(左)東京都薬用植物園にて。(右)東京薬科大学薬用植物園にて #region(目次) #contents #endregion *【概要】 原産地はおそらくアフリカと推定されており、アフリカやアジアの熱帯地方で栽培されるようになったといわれている。 [[日本>日本国]]への渡来時期は正確には不明。 だが、平安時代の「[[源氏物語]]」には「[[夕顔>光源氏と関係を持った女性登場人物一覧(源氏物語)]]」という名前の女性が登場し、「枕草子」にもユウガオについて述べた感想文がみられることから、そのころにはすでに栽培されていたのであろうと推測される。 実は、ヒョウタンとほぼ同一種。 ヒョウタンの中で苦みのないものがインドで発達し、それが今日のユウガオとなったとされる。 葉は[[ハート]]形で、茎はつる性。植物体全体に白く細やかな毛が生えている。夏の夕方に白い花を開くので、ユウガオの名称がある。 花粉は[[カボチャ]]や[[キュウリ]]などのほかのウリ科の作物とは異なり、蛾によって媒介される。 果実はスイカよりも大きくなり、円筒状になるものと、球形になるものがある。また、両者が自然交雑を起こしてつぼ型になることもある。円筒状のものは「ナガフクベ」、球形のものは「フクベ」とも呼ばれる。 [[新潟県]]や[[栃木県]]、[[兵庫県]]で栽培が盛ん。 *【利用】 -&bold(){かんぴょう} 未熟な果実を大きな鉋のような器具でくるくると剥いてから乾燥させたもの。 甘辛く醤油や砂糖で煮てから寿司の具や、みそ汁の実、モチ巾着を縛るのに用いる。 -&bold(){煮物} 未熟な果実を食べやすい大きさに切ってから冬瓜のように煮つける。 ユウガオそれ自体にはこれといった味がないため、食感を楽しむものといえる。 -&bold(){汁の実} 未熟な果実を食べやすい大きさに切ってから汁の実に用いる。新潟県の鯨汁には欠かせない具材である。 -&bold(){楽器・容器} 熟した果実は表面が木質化してコチコチに硬くなるため、食用には向かなくなる。 元々がヒョウタンと同一種なため、同様に中身を腐らせて抜き、ガワを乾燥させてから炭入れや楽器に加工する。 ユウガオの栽培が盛んな[[栃木県]]では完熟果を用いた「ふくべ細工」が伝統工芸品として親しまれる。 -&bold(){台木} ユウガオは性質が強健なので、病気にあまり強くない[[キュウリ]]や[[スイカ>スイカ(果実)]]、メロンなどの苗の台木として用いる。 ただし、そのまま放置していると、肝心のキュウリやスイカが育たず、気づけばユウガオのつるが茂っている…ということにもなりかねない。 そのため、苗がある程度育ってきたら早めに摘み取っておくこと。 *【よくある誤解】 園芸店やホームセンターに行くと、「夕顔」とラベル付けされた蔓性の白いラッパ型の花を咲かせる植物のタネや苗が売られていることがある。 しかし、これはここで紹介する「ユウガオ」ではなくて、「&bold(){ヨルガオ}」という植物である。わが国には、明治時代初期に旧幕臣で農学者の田中芳男が持ち込んでいる。 ユウガオは&bold(){ウリ科}であるのに対し、このヨルガオは&bold(){ヒルガオ科}であることが一番大きな違い。 つまり、ヨルガオはヒルガオ(科)なのに、&ruby(ゆうがお){夕顔}とも呼ばれる……。 なお、アサガオ、ヒルガオ、[[サツマイモ>サツマイモ/さつまいも]]なども、ヨルガオと同じくヒルガオ科の植物である。 *【有毒植物としての側面】 ユウガオは、まれに有毒植物として人間に牙をむくことがある。 平成20年7月、山形市内の家族3人(30代の母親と小学生2人)が[[スープ]]に入れたユウガオを食べて食中毒になった例がある。 原因はユウガオの果実に稀に含まれるククルビタシンという毒素で、症状は口のしびれや腹痛や下痢、嘔吐である。これはユウガオが先祖返り、つまり母種のヒョウタンの性質に戻ってしまうことで起こる現象であるという。 この毒素は、ユウガオ以外にもカボチャやズッキーニ、ヘチマなどの野菜に含まれることも稀にだがある。なお、この毒素は加熱しても残り続ける。 「良薬口に苦し」とばかりに苦いものでも我慢して食べる人も中にはいるだろうが、味見をして口がしびれるような異常な苦みを感じたら、即刻廃棄するべきである。 追記・修正はカンピョウ巻きを食べまくってからお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,3) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 金田一少年の事件簿で習った -- 名無しさん (2023-10-11 14:37:27) - レジェアルに出てくる婆さんの名前で知った -- 名無しさん (2023-10-11 17:56:14) - 金田一ので知ったなぁ。名前は似てるけどアサガオと全然違うってので。 -- 名無しさん (2023-10-11 20:36:31) - 金田一で知った人がかなり多そう。 -- 名無しさん (2023-10-11 20:40:15) - ヨルガオはヒルガオで、ユウガオは実はヨルガオで…ゲシュタルト崩壊するわ -- 名無しさん (2023-10-11 21:49:15) - ↑3 あそこでユウガオじゃなくてヨルガオの名前が出てたら話が大脱線するところだったなw -- 名無しさん (2023-10-11 22:26:27) - 意外と知らない人いるのかしら。味噌汁に入れるとトロトロにした大根みたいで美味いのだが。 -- 名無しさん (2023-10-13 19:24:26) #comment(striction) #areaedit(end) }

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